山ノ中ニ有リ山行記録一覧2005年山行一覧>奥多摩・多摩川水根沢谷

2005年夏 - 奥多摩・多摩川水根沢谷


2005年8月13日(土)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町/奥多摩
ルート
水根バス停…入渓点…水根沢谷遡行…半円の滝…林道…水根バス停
参加者
中山(M2)、永谷(M2)、俵田(D1)
天気
くもり
関連する山行

水根沢谷の地図

はじめに

 予定は水根沢谷ではなく、丹波川本流であった。丹波川本流は車でないと行けないため、俵田さんの運転する車で向かったのだが、前日行ってみると余慶橋から塩山側は土砂崩れのため通行止め。あと3kmほどで丹波川本流の入渓点なのだが、警備の兄ちゃんに通行止めを告げられ引き換えした。余慶橋は奇しくもこのメンバーで3ヶ月前に行った小常木谷の入渓点である。

 その日は丹波の駐車場で車内泊。朝10時頃起きてどうするか相談する。帰るかどこか短い沢に行くか。私が水根沢谷なら短いからいいと勧め、水根沢谷に行くことになった。

 水根沢谷は鷹ノ巣山の南西に端を発し、小河内ダム(奥多摩湖堰堤)のすぐ下で多摩川に合流する沢である。下部がゴルジュになっており、泳ぐ沢が楽しめる。多くの場合、そのゴルジュだけで遡行を打ち切るため遡行時間は2,3時間とお手軽な沢である。また水根バス停から入渓点まで徒歩10分ほどと交通の便がいいこともあって人気がある。私はおととし三井君と荒井と行ったのでだいたい勝手を知っていたが、同行の俵田さんと永谷君は初めての沢だった。

 丹波から来た道を引き返し水根バス停の駐車場で着替え出発した。

日帰り

2005年8月13日

水根バス停…入渓点…水根沢谷遡行…半円の滝…林道…水根バス停

コースタイム
水根バス停11:30
ワサビ田12:35
12:50
半円の滝13:15
13:25
半円の滝上13:30
13:45
水根バス停14:15

 準備をしながら、ザイルを削る。私が持つのを嫌がったからだが、完全空身の奴が持たなかったからでもある。ハーネス付けてんの意味ねーじゃん、とか言いながら遡行点に向かう。実にOB山行らしいおおらかな(=いい加減な)感じで出発する。完全空身の奴は「おおっ、何にも背負わねーと何か不安だ」とはしゃいでいた。歩きながらメガネひもをつけるのを忘れていたことに気付いたのも我ながら適当だった。幸いメガネは流されずに済んだが。バス停から歩くこと約10分。水根集落を抜けると工事用具置きみたいなところに出る。そこが水根沢谷入渓点。住人がいたが沢登りの人間がよく来るからか、お互いに無視して通り過ぎる。

 入渓してすぐゴルジュだったような記憶があったが、実際は5分ほど河原を歩いたあとであった。最初の滝を見て思う。「増水していた前回よりも水が多い」。前回は入渓前日雨が降っていたのだが、今回は入渓当日未明まで雨が降っていた。最初の2mほどの滝を左からこえる。次の滝を見てもやはり水が多いと思いながら左を登る。

水根沢谷入渓
8/13 水根沢谷入渓。この日未明まで雨が降っていただけあって増水ぎみ。
淵が埋まっている
8/13 淵が土砂で埋まっていた。すたすた歩けました。奥の流木に見覚えがあった。

 最初のゴルジュっぽいところにやってくる。が、入口の淵は土砂で埋まっており、すたすた歩ける程度だった。奥に「く」の字形の流木があり、すぐ思い出した。その一番狭いところは埋まっておらず、おととし同様足がつかない程度の深さだった。写真を見返してみると、水流が変わっていた。おととしは奥の岩の左から水が流れていたのに対し、今年は岩の右から流れていた。

足のつかないところ
8/13 足のつかないところ。右上の写真の淵の奥。手前は埋まっていても奥は深いままでした。
ゴルジュになってきた
8/13 ゴルジュになってきた。

 ゴルジュは続く。小さな滝を一つ一つ越えていく。小広い釜を持つ滝があり、おととしは泳いだはずだが、やっぱり埋まっていてヒザくらいの深さだった。順調に来ていることが分かる。一方で腰くらいの深さの淵では主流に対して淵をクルクル回る還流を感じ、水量の多さを感じた。これがもっとスケールの大きな谷だったら還流に飲まれて死んでしまうのだろうと思うとちょっと恐い。

淵が歩ける深さになっていた
8/13 ここもおととし泳いだ淵が歩ける深さになっていた。
水根沢核心部の滝
8/13 水根沢核心部の滝。足はつかないので両手で突っ張って登ります。増水した水量に耐えるのがカギ。俵田さん1回目。

 そして水根沢谷核心部の滝。廊下状4mといったところか。足がつかないため、左から水中をへつりながら近付き、両手で突っ張る。足がつかないので、つっぱったまま登っていくのが正解。

 はじめに永谷君がトライ。左からへつるが、その先が分からず流される。「じゃ、経験者の中山君に行ってもらいましょうか」と言われ、私が2番目にトライ。永谷君と同じ結果。どうやったか分からないが手足を突っ張って登ることを思い出す。うーん巻くか、と上を見るが、登っても下れなさそう。永谷君がリトライ。へつっていき、ジャンプして右手をつかみ、両手両足で突っ張って登っていった。お見事。3番手俵田さん。やはりダメ。続いて私中山がリトライ。足場っぽいところをだましだましへつっていき、意を決して右方向へジャンプ。両手で突っ張る。が、足がつかない上、水が顔面をさらっていく。どうやったのか自分でも分からないが、何とかはい上がりこの滝をクリアーした。最後に俵田さんにはテープを何本かつなげて投げ、引っぱりあげた。ここは真夏にもかかわらず寒くて震えるところであった。

水根沢核心部の滝
8/13 水根沢核心部の滝を上から。俵田さん2回目。俵田さんは1回ヘルメットまで沈みましたが何とか登れました。
すべり台
8/13 すべり台をすべる中山。

 この核心部を過ぎれば水根沢谷も半分を過ぎたというところ。もう難しいところはない。のんびり歩いていくと滑り台を発見。滑ると鼻に水が入った。滑り台は半円の滝だけではなかった。

ワサビ田のところ
8/13 ワサビ田のところで一本。半円の滝上で切り上げる予定なので、もう行程も半分過ぎたあたり。
水もキレイになってきた
8/13 ワサビ田を過ぎると水もキレイになってきた。

 ワサビ田の台地で一本とる。焚き火のあとがあった。誰かが昼飯喰うときに焚いたのだろう。お盆休みの土曜にもかかわらず他に遡行している人はいなかった。前日雨が降ったのでみんな沢登りを控えているのだろう。俵田さんは核心部の滝で体を冷やしてしまい、もどしていた。俵田さんの様子を見ながら出発。

 ワサビ田を過ぎると逆S字状のカーブに小屋があった。おととしもあった気がする。ちょうど小屋の人もおり、焚き火をしていた。一本とってから水も澄んでくる。直接流出が終わったようだ。ときどき俵田さんが立ち止まるので様子を見ながら歩く。やがて遡行終了点の半円の滝

半円の滝を登る
8/13 半円の滝を手足突っ張って登る。
半円の滝を振り返る
8/13 半円の滝を登ったあと振り返る。

 半円の滝は直登もできるし、左壁からも登れる。直登は水流沿いを手足を突っ張って登る。永谷君が取り付くと上部が滑っていたため、ツルッと滑って下りてきた。半円の滝は滑り台としても機能するためドリフのコントのように戻ってきた。慎重にやればちゃんと登れる滝であり、永谷君も2回目は手足を突っ張って登ってきた。

 そして半円の滝を滑り降りる。滑ってみると尻が痛い。着地してから尻を押さえて痛い痛い言いながらうろうろする。去年はこんなに痛い思いをしなかったはずだが。尻が痛かったので滑るのは一回だけに切り上げて遡行終了。

半円の滝滑走
8/13 半円の滝を滑走。尻が痛かった。

 沢から上がり、林道に出る前に日のあたるところで一本とる。俵田さんの調子が戻るまで待った。15分ほどで俵田さんが復活し、林道を下り30分で水根バス停に戻れた。俵田さんも永谷君も「速くねぇ?」と驚いていた。遡行距離が短いため手軽な沢である。我々は遡行に2時間かかったが、高速で登れば入渓から半円の滝まで1時間を切ることもできるだろう。初心者を連れていくには適当な沢である。暑い日に寒い思いができてよかった。

 そのあとは奥多摩駅近くのもえぎの湯へ。ここは3人のうち誰も入ったことがなかったところで、うち私と永谷君は混んでいて入れなかった経験がある。750円とやや高い料金を払う。さて人気の理由は何かと思ったが特筆するほどいい風呂でもなかった。むしろ狭い風呂であった。いつも混んでいるのはキャパシティーによるところが大きいのだろう。そのあとHさんの家へ向かい、若者らしくだらだら飲み会し、日曜日昼まで過ごしていた。

(2005年8月14日記す)


山ノ中ニ有リ山行記録一覧2005年山行一覧>奥多摩・多摩川水根沢谷

inserted by FC2 system