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2005年夏 - 上越・湯檜曽川本谷[1/4]


2005年8月20日(土)、21日(日)
場所
群馬県利根郡水上町/上越
ルート
8月19日
渋谷17:06=18:50高崎19:20=20:23水上20:34=20:44土合(前夜泊)
8月20日
土合…武能沢出合(入渓)…十字峡…七ツ小屋沢出合…峠ノ沢出合…二俣(泊)
8月21日
二俣… 朝日岳…笠ヶ岳…白毛門…JR上越線土合駅
参加者
中山(M2), 栗山(B1)
参考文献

上越・湯檜曽川本谷の地図

はじめに

 上越の沢は常々行きたいと思っていた。明るく白い岩ときれいな水、そして草付きのツメなど他にはない良さがある。しかし、上越の沢は行ける期間が短い。7月中に行くと残雪が多いし、9月に行くと寒くて水の中に入れない。7月にこの湯檜曽川本谷に敗退しているし、9月に巻機山米子沢で寒さのあまり誤って沢を巻き過ぎて稜線に出た経験がある。

 したがって上越の沢に行くには8月が最適なのである。いままでナルミズ沢白毛門沢に行ったときは8月であり、気温が高かったためどちらも楽しむことができた。そこで8月中に上越の沢に行きたいと考えていた。第1候補は一度敗退した湯檜曽川本谷、第2候補は土樽から登り谷川岳の裏側に出るという万太郎谷本谷である。

 人を探したところ、とりあえず1年の栗山を確保。しかし他に来る人はいなかった。2人だけで湯檜曽川本谷がいけるかどうかと思い、はじめ万太郎谷本谷を行こうと考えたが、やはり今行けるところに行こうと湯檜曽川本谷に行くことにした。

0日目

2005年8月19日

渋谷17:06=18:50高崎19:20=20:23水上20:34=20:44土合(前夜泊)

 土合の終電は早い。16時に研究室を出て渋谷17:06発の湘南新宿ライン特別快速高崎行きに乗る。栗山とは渋谷駅で集合。栗山は夏合宿に行ってだいぶ黒くなっていた。列車は混んでおり熊谷まで立ちであった。高崎で水上行きに乗り換え、水上で最終長岡行きに乗り換え。列車の中で「今日は70mアップだ」などと栗山をビビらせる。

 土合駅下りホームに着く。土合で下車するのは我々2人だけ。明日20日土曜日の天気が悪いからみんな山登りは控えているのだろうか。そしてホームから地上まで続く階段を見て栗山が「おおっ」と感嘆の声をあげる。携帯電話のカメラで写真を撮っていた。一気に改札まで。栗山のペースが思ったより早く危うくばてるところだった。

 改札に着くがやはり誰もまだいない。山は混んでいるより空いている方がいいが、ここまでいないと不安になる。待ち合い室の片隅に銀マットを広げ、22時頃就寝。

1日目

2005年8月20日

土合…武能沢出合(入渓)…十字峡…七ツ小屋沢出合…峠ノ沢出合…湯檜曽川本谷二俣(泊)

1日目コースタイム
土合駅4:00起床
4:35
一ノ倉沢出合5:20
幽ノ沢出合5:32
5:42
武能沢出合6:23
6:38
十字峡7:50
抱き返り滝下8:08
8:22
七ツ小屋沢出合9:03
10m滝巻き9:38
10:05
40m大滝10:45
11:00
峠ノ沢出合11:08
11:44
湯檜曽川本谷二俣12:17
17:00就寝

 土合駅は夜も電気がついていた。夜中人が来てベンチでしゃべっていたようだ。うるさくて一度起きる。4時に我々が起きるときに入れ替わりに出ていったが、登山者ではなさそうだった。どうせ無人駅なのだし、終電後は電気を消してもいいと思うのだが、夜車で来る人もあるのでつけているのだろう。しかし、終電で来て朝まで睡眠をとる健康な学生にはよろしくない。

 土合駅を出発すると昨晩はなかった車が何台か泊まっていた。まだ暗いのでもう少ししたら動き出すのだろう。橋を渡り、湯檜曽川に沿った新道を歩く。マチガ沢を過ぎ、一ノ倉沢を過ぎ、幽ノ沢出合で一本。JR巡視小屋を過ぎ、芝倉沢を渡り、一回湯檜曽川の河原に出て武能沢に。途中湯檜曽川の河原に出たとき岩から2mほど滑り落ちてヒザを打った。今回の山行でここが一番痛かった。なお、前回の湯檜曽川本谷のときはマチガ沢出合の後、道が分からず河原をひたすら歩いたが、マチガ沢出合先の分岐を右に行ってしまったからのようだ。

 武能沢で沢装備になり、武能沢を下降。5分ほどで湯檜曽川に出た。入口の滝を越え、水線通しに行く。水はヒザほどまであって多いが、このくらいが標準なのだろう。沢が左に曲がるところで斜めに流れている滝。3年前はここを越えるのがけっこう難しかったが、今年はハーケンが2本打ってありそれぞれにシュリンゲがぶら下がっていたので簡単に通過できた。この滝を越えていったん巻き。右岸の薮の中を巻く。巻きにしては平坦でずっと巻いていく道とときどき沢に下る道が分かれる。適当なところで沢に戻る。廊下状のところは沢が左に曲がるところで終わり。すぐ右に曲がると河原が広がる。

最初の滝
8/20 最初の滝。3年前と変わって残置テープがぶら下がり簡単になっていた。
最初は廊下状
8/20 入渓して最初は廊下状。途中右岸を巻く。

 河原は幅広でいくつかに分流している。河原を歩きながら「クワウンナイ川も始めはこんな感じ?」「だいたいはそうですね」「上の廊下もこんな感じだよ」などと話す。河原が右に曲がるあたりでナメがあり、これが美しい。上流側に霧がかかり幻想的だ。ナメが終わると滝が出てくる。上越の沢らしく、高さの割に広い滝だが簡単に越せる。河原で左から白樺沢が入ったあと、鉄砲尾根末端の直角右カーブまで2つほど滝があった。

白樺沢出合手前のナメ
8/20 白樺沢出合手前のナメ。少し霧がかかっていた。
ウナギ淵手前の滝
8/20 鉄砲尾根末端の直角右カーブまで2つほど滝がある。

 地形図上でも確認できる鉄砲尾根末端の直角右カーブの先はウナギ淵。細い廊下状で見た目は大したことがないのだが、足がつかない上にわずかに水流があり、泳いでいても押し返される。栗山と私と一回ずつ挑戦し、体が冷えたので右から巻くことにする。が、登ってすぐ、栗山が上から見て「あそこならへつりながら泳げそう」と飛び込んだ。私は飛び込むのは嫌なので栗山を見ながらしばらく左岸を歩いていたが途中で淵に入らざるをえなくなり、淵に入った。2人とも全身濡れてしまった。もし水が冷たければここの突破は難しいだろう。

ウナギ淵
8/20 「こちらがウナギ淵になります」鉄砲尾根末端の直角右カーブからウナギ淵。
ウナギ淵を泳ぐ栗山
8/20 ウナギ淵を泳ぐ栗山。足がつかないのでわずかな水流でも流される。

 ウナギ淵を過ぎても深い廊下状は続く。滝はないが、ところどころ胸まで沈みながら進む。どん詰まりで分岐になっており、正面は大倉尾根から下ってくる大倉沢、左に湯檜曽川本流が滝をかけて落ちている。滝が立派なので眺めていたが、飛沫が冷たいので登る。左からトラバースしながら登れた。

深い
8/20 ウナギ淵を抜けても深いところは続く。
十字峡へ
8/20 鉄砲尾根末端を左に曲がり十字峡へ。滝がある。

 沢を左に曲がって滝が2つほどあるが、そんなに難しくなかったと思う。また突き当たりになり、ここが十字峡。左が湯檜曽川上流、正面が抱き返り沢が滝をかけており、右に大倉沢が合流している。本流はここで左に直角に曲がる。

十字峡
8/20 十字峡。左が湯檜曽川本谷本流、正面の滝が抱き返り沢、右が大倉沢、手前が湯檜曽川本谷下流。
ゴルジュが続く
8/20 十字峡の先もゴルジュが続く。

 十字峡の先もゴルジュが続く。水流に沿っていくとすると泳ぎなのでその少し上を右岸左岸行ったり来たりしながら歩く。一カ所、滝を左から巻くところにテープがぶら下がっていて活用させてもらった。1カ所ある滝は左から巻き。やがて突き当たりが抱き返りの滝


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