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2005年夏 - 奥秩父・笠取山〜飛竜山[2/2]


2005年8月6日(土)、7日(日)
場所
山梨県山梨市(旧三富村)・塩山市・北都留郡丹波山村/奥秩父
ルート
8月6日
大岡山=二子玉川=長津田=八王子=塩山=新地平…雁峠…笠取山…唐松尾山…将監峠(泊)
8月7日
将監峠…竜喰山…大常木山…飛竜山…北天のタル…三条ノ湯…鴨沢西バス停
参加者
単独行

奥秩父・笠取山〜飛竜山の地図

2日目

2005年8月7日

将監峠…竜喰山…大常木山…飛竜山…北天のタル…三条ノ湯…鴨沢西バス停

2日目コースタイム
将監小屋3:30起床
4:50
1883m峰5:08
5:11
竜喰山5:38
5:48
大常木山6:34
6:36
飛竜山西の鞍部7:09
7:23
飛竜山8:03
8:09
北天のタル8:37
8:38
三条の湯9:30
10:40
後山林道終点11:00
お祭バス停12:45
鴨沢西バス停13:00
13:55

 3:30起床。懸念していた雨は降らず、ツェルトの内側についた露が気持ち悪いだけだった。寝付くときはシャツ一枚だったが、真夜中に寒くて起き、カッパをきてシュラフカバーに入った。

 朝カップラーメンを食べ、まだ暗いと思ってシュラフカバーに潜っているとすぐ明るくなってきた。ツェルトをたたむときにはもうヘッドランプがいらないくらいだ。日中暑いので、出発をできるだけ早めて、早く行動終了しようと考えていた予定が崩れる。

 ぱっぱと支度して4:50出発。普通飛竜山に行くには小屋の前の道をそのままトラバースすればよいのだが、今回は竜喰山と大常木山を登る目的なので将監峠まで引き返す。将監峠から飛竜山へのトラバース道が分かれているが、それを無視し、稜線を直登する。笹の急登でけっこうつらい。でも笹の丈はせいぜいヒザくらい。道もまばらに散見する。南側に鹿よけと思われる柵があり、営林署の人か東京都水道局の人が入っているようだ。東京都水道局はこの辺の多摩川源流域を水源林として保有・管理しているから。ササには朝露がついており、どんどん濡れる。カッパズボンを着ておいてよかった。

 やがて1883m峰。登りついた先、向こうから太陽が顔を出している。右手にはぼんやりと霞がかかった竜喰山。まるで寝起きのようだ。地図を見て竜喰山が右奥の山と確認する。いったん1883m峰に登ってしまうと、稜線にはしばらく平坦な道が続く。ササには踏み跡が見え、比較的歩きやすい。竜喰山の手前でまた急登がある。これを登り切るとまた平坦な稜線になる。気がつくとずっと続いていた南側の鹿よけ柵がなくなっている。そしてさほどの登りもなく竜喰山に着く。

将監峠から1883m峰の登り
8/7 将監峠から1883m峰の登り。けっこうな急登だが、踏み跡がある。笹についた朝露のためにどんどん濡れる。
1883m峰から見る竜喰山
8/7 1883m峰から見る竜喰山(右奥のピーク)。

 竜喰山山頂には小さな看板と「秩父山地 緑の回廊」看板が。5月に行った三国山〜赤岩峠でもけっこう見かけたが、離れたここにもあるということはおそらく荒川源流の流域界に立てられているのだろう。山頂は三方になだらかで将監峠側の西、飛竜山側の南の他、北東にも尾根が続いている。若干気持ち悪いので水だけ飲んで休む。

 大常木山へは笹の中の道を行く。ヤブは薄く、歩きやすいが、倒木があると迂回しなければならないし、すこし笹が伸びているところでは笹の中の倒木に足をとられる。足尾山塊の群馬・栃木県界尾根を思い出す。

竜喰山山頂
8/7 竜喰山山頂。割と平坦。2張りはいけるくらい。
竜喰山から大常木山へ
8/7 竜喰山から大常木山へ。はじめは将監峠からと同様、笹の稜線。

 1999m峰の少し先で尾根は2つに分かれるように見える。コンパスをきると真南に下っているので左の東へ向かう。ちょうど霧が薄くなり、飛竜山が見えたので道を特定することができた。その先しばらく下りになるが、背の高い樹林は減り、だんだんと岩とシャクナゲのヤブに変わっていく。ところどころ露岩があり、小さく登ったり下ったりする。けっこう煩わしい。やがて大常木山

1999m峰先から見る飛竜山
8/7 1999m峰先から見る飛竜山。
大常木山山頂
8/7 大常木山山頂。1999m峰から先、岩の登下降があり、大常木山も北の眺めがよかった。

 大常木山はやはり露岩の山頂で北側の眺めがよい。天気がよければ和名倉山が正面に見えるに違いない。いくつかあるコブのうちの一つなので、看板がなければ気がつかないだろう。休むにはスペースが少ない。またシャクナゲのヤブに身を沈め、飛竜山へ向かう。

岩とシャクナゲのヤブ
8/7 大常木山あたりから岩とシャクナゲのヤブ。踏み跡は見つけづらい。
飛竜山西のコルに至る手前
8/7 飛竜山西のコルに至る手前、笹原から飛竜山を望む。

 歩きにくい道を飛竜山西のコルへ下っていく。ときどき倒木でこける。気がつけばカッパに付着した朝露が靴の中に侵入し、靴下がぐっしょり濡れていた。黙って下る。飛竜山を正面に構える斜面を下り、正規の道に出た。1847mのコブを越えて飛竜山西の鞍部に到達。一本とる。

 飛竜山をコース通り巻いて登るか、直登するか考える。休みはじめるときはしんどかったので巻こうと思っていたが、休んでいると体力が回復してきたので直登することにした。

飛竜山西のコルから飛竜山を直登
8/7 飛竜山西のコルから飛竜山を直登。はじめは笹のヤブだが、のちに岩とシャクナゲのヤブ。
飛竜山山頂
8/7 飛竜山山頂。ゴールデンウイーク以来、3ヶ月ぶり。ピークはおまけなのであんまり感慨はわかない。

 飛竜山の直登ははじめ緩やかな笹の斜面を登り、露岩にぶつかったら適当に登っていく。しばらくは下草がなく登りやすいが上部はシャクナゲに覆われ、登高が困難になる。やがて斜面がなだらかになり、尾根に沿って直進すると道に出た。飛龍山三角点で休む。休んでいると北天のタル側から短パンの人が上がってきた。その人は山頂の標を一瞥するとさっさと先へいってしまった。山岳マラソンしているのだろうか。飛竜山は5月の連休以来だが、今回はピークをとることではなく、県境をたどることが目的であるのであんまり感慨はわかなかった。休みもほどほどに北天のタルへ下る。

 飛竜山山頂から北天のタルへはいくつか道がある。ガイドブックでは前飛竜との間の飛竜権現に戻るようにして下り、巻き道を行く。他、三角点から直接巻き道に下る方法がある。ここでは3つめの方法、稜線に沿って北天のタルに下る方法をとった。つまり巻き道をいっさい使わない方法である。

 しばらくは道がついている。ピンクのテープもいくつか見た。しかし、道はやがて荒れ、シャクナゲに覆われるようになる。大常木山と同様歩きにくい道を行くと、途中尾根が広くなる。つい歩きやすそうな北西側に引き寄せられるが、少なくとも南東側を歩いていれば変な尾根を下降しても巻き道に出られるので、南東側を歩く。尾根は細くなり、道が合っていたことが分かる。

飛竜山から北天のタルへ直接下る
8/7 飛竜山から北天のタルへ直接下る。何となく道はある。途中尾根が広くなったあたりが危険。
北天のタル直前のピーク(左)と三ツ山(奥)
8/7 北天のタル直前のピーク(左)と三ツ山(奥)。このピークから急降下する。

 北天のタル直前のピークは大常木山と同じような岩峰で北側に岩が出ている。木が赤く塗られているので標識かと思って見に行ったら自然物だった。サルスベリの木みたいだが、木の皮のはがれたところが赤くなっている。しかも原色の赤に近いのでまるで人工物のようだった。少し戻って北天のタルへ下る。急だが、木をつかみながらなので落っこちることもなく下れた。

 北天のタルについて三ツ山も縦走するか考えるが、ヤブ漕ぎで疲れたし、そろそろ日も昇ってきて暑くなるので三条の湯に下ることにした。整備された登山道をのんびり下り、三条の湯へ。

北天のタル
8/7 北天のタル。飛竜山・飛竜権現(左)、三条ダルミ・雲取山(右)、三条の湯(手前)の三叉路。おまけで右奥が飛竜山直登コース。
三条の湯
8/7 三条の湯。日曜日は朝10時から。ひとり500円。

 三条の湯には9:30についた。入浴は10時かららしいのでしばらく待つ。靴が朝露でぐしょぐしょに濡れてしまったので脱いで乾かし、サンダルに履き替えた。三条の湯の入浴料は500円。露天風呂を期待していたが、室内だった。でも狭いなりに普通の風呂場だった。硫黄の臭いのする風呂で温泉らしさを感じた。東京都の水源だからということでせっけん、シャンプーの類いは使用しないようにと注意書きがあったので体はタオルで拭うだけだったが、汗とヤブの汚れを落とすことができただけ気持ちよかった。

 三条の湯からは20分の登山道歩き、そのあと鴨沢西バス停まで2時間の林道歩きをこなし、バス停で1時間寝ていた。おもったほど汗は出なかった。バスは鴨沢西始発の13:55発が2本出たため、空いたバスでのんびり奥多摩駅へ戻った。


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