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2009年夏 - 奥多摩・多摩川水根沢谷


2009年6月20日(土)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町/奥多摩
コース
JR奥多摩駅=水根バス停…水根沢谷遡行…水根バス停…JR奥多摩駅
参加者
中山、藤井先生、高橋さん、本田さん
天気
晴れ
参考文献
参考
奥多摩・多摩川水根沢谷の地図

はじめに

 水根沢谷は多摩川の支流、小河内ダムの下で多摩川の左岸に合流している沢である。水源は石尾根鷹ノ巣山〜六ツ石山間の水根山。簡単な登攀、泳ぎ、滑り台など沢登りの要素が詰まっており、初心者でも楽しめる良渓である。またバス停から入渓点まで近く、遡行対象となっている区間は水平距離1000mと短いのでお手軽な沢である。私も2年ごとに訪れており、もっとも多く訪れている沢である。

 有村先輩の追悼文集の話で藤井先生に電話をかけたときに沢登りに連れて行ってほしいという話だったので計画した。どこに連れて行くか迷ったが、私が一番よく知っていて、それなりに初心者でも楽しめる沢としてよく行く水根沢谷を選んだ。

 メンバーは千葉高山岳部の元顧問の藤井先生とOBで同期の高橋さん、高橋さんの友人の本田さんの混成パーティーになった。

日帰り

2009年6月20日(土) 晴れ

JR奥多摩駅=水根バス停…水根沢谷遡行…水根バス停…JR奥多摩駅

コースタイム
水根バス停10:00
水根沢谷
入渓準備
10:15
10:40
10m大滝上11:50
12:05
水根沢谷
遡行終了点
13:10
13:30
水根バス停14:00

 新宿駅でホリデー快速おくたま号に乗車。帰りにびしょ濡れになっていることを予想し、車に乗るときに敷くため新聞を買う。奥多摩まで寝ておこうと思ったが、買った新聞を読んでいたら御嶽ぐらいまで時間がかかってしまった。

 終点奥多摩駅で下車。今回は高橋さんが旦那さんと赤ちゃんと車で来ており、入渓点まで車で連れて行って下さる手はずになっており、高橋さんと落ち合う。彼女の話だと本田さんが遅れてくるそうなので駅前でしばらく待つ。

 1本遅れの列車で来た本田さんと落ち合い、トイレを済ませて車に乗る。水根バス停で降ろしてもらい、近くを散策する旦那さんたちと別れる。時刻は10時なので14時ごろ戻ってくると帰りの車をお願いする。

 車道を上がり、入渓点の水根沢キャンプ場に出る。いつもはただの空き地なのだが、今日は木組みの荷物用ロープウェイの台座などがあり、ようすが違う。どうやら水根沢谷右岸の山留工事を行なっているようだ。「通れますか」と一言尋ねて中へ入った。

 そこで入渓準備。大学で借りてきた沢タビを3人に渡すが、そのうちのひとつがファスナーが上がらず、いくらやっても動かない。KURE 5-56みたいなのがあれば、と藤井先生がいう。そこで工事現場の人に「あれば貸してもらえませんか」と尋ねたら「普通の油ならある」ということでペットボトルに入った機械油か天ぷら油かよく分からない油をいただく。油をかけてファスナーをグジグジ動かすと固いながらも動くようになった。謝意を伝えて戻る。工事現場の人には出発写真も撮ってもらい、お世話になった。

出発写真
6/20 出発写真。左から高橋さん、藤井先生、本田さん、中山
3m滝
6/20 2つ目の3m滝。左からへつって登る。

 しばらくの河原歩きのあと、第一のゴルジュ。いきなりつまづいて肩まで濡れた。最初の3m滝は右から登るのが楽だが、濡れてしまったので左から登った。すぐ上の4m滝は左から登るが、おととしより水量が多く、今年は足がつかない。おととしはなかったシュリンゲが左壁にぶら下がっており、これで振り子トラバースして滝の左壁を登るようだ。這い上がるのが難しい。泳いで取り付き、ひっかかっている丸太にぶら下がって登った。高橋さんはなかなか登れず、藤井先生と2人で引き上げた。

3m滝
6/20 3m滝を登る高橋さん。このあと引き上げられる。
3m二条滝
6/20 3m二条滝をへつる本田さん。

 しばらく河原歩きのあと、3m二条滝。みんなは右からへつり、私は真ん中の岩を登った。先行するパーティーが苦戦しているようだった。

 やがて第二のゴルジュ。第二のゴルジュは埋まり気味で2003年、2005年ほどの難しさはない。埋まった淵を歩き、滝の横を登る。3mの樋状滝も大股広げて登ることができ、みんなシュリンゲも要らなかった。その上の10m大滝は右壁を登る。先行する3人パーティーの一人が苦戦していたが、苦戦していたの人は初めてなのかもしれない。そう思っていたら本田さんもシュリンゲを欲していた。2007年に水流沿いを登った大滝だが、今年は水量が多くてとても登れそうにない。

淵
6/20 第2のゴルジュ、埋まった淵。
滝
6/20 第2のゴルジュの滝を登る。

 大滝を登り、しばらく歩いたところで緩い傾斜のナメがあり、そこで一本とる。それぞれ滑り台を楽しむ。だいぶ濡れてしまって体が寒く、作ってきた温かい紅茶を飲むとホッとする。このあたりでカメラの電池が切れてしまったので、その後の写真はない。

滝
6/20 第2のゴルジュの滝を登る。
樋状の滝
6/20 第2のゴルジュの樋状の滝を登る中山。カメラの電池切れのためこのあとの写真はなし。

 河原歩きを繰り返し、ワサビ田のある枝沢を過ぎ、小屋があるS字カーブを過ぎる。1カ所水量のある淵があり、右からへつる。残置シュリンゲを使ってトラバースした。半円の滝までは思ったより長く、休憩点から1時間ほどで着いた。大滝で見た3人パーティーとは別の夫婦と見られるパーティーが登っていた。半円の滝は滝沿いに股広げて登るが、水量が多く、水を避けて登るのが難しかった。高橋さんが1回滑って流されてしまったがケガはないようだった。登った後、私は3回、本田さんが1回滑り台を楽しんだ。私は最後の3回目に思いっきり鼻に水が入り耳の穴にまで水が入り、しばらく動けなかった。その後も洟水がずるずる出てきた。

 半円の滝で遡行を終え、足下を履き替えて登山道を下る。遡行終了点にさきほどの夫婦はいなかったが、3人パーティーがいて、着替えをしていた。そこで初めて気がついたのだが、3人パーティーは外国人で全裸になって着替えをしていた。オープンなのはいいけど、こちらのパーティーには女性もいるのだが。

 帰りは紛らわしいトラバース道に引き込まれたが、すぐ気がついて上へ登ると登山道に出られた。私は靴が面倒だったのでサンダルで下山したが、問題なく下ることができた。下山するとちょうど14時。高橋さんの旦那さんたちも水根バス停に戻ってきていて、荷物を整理してすぐ出発することができた。

 奥多摩駅近くのもえぎの湯に入り、そばを食べて青梅駅まで送ってもらった。青梅で高橋さんたちと別れ、ホリデー快速おくたま号に乗り、新宿で解散した。私は大学に寄って借りた沢タビ、ハーネス、ヘルメットを返し、千葉の自宅に戻った。

おわりに

 また2年ぶりに水根沢谷を訪れた。2003年、2005年2007年と淵が埋まっている傾向があったが、今年は淵が深くなっているように感じた。単に水量が多かっただけかもしれないが、水に濡れるのが水根沢谷の醍醐味だと私は思っているので好ましい傾向だ。

 今年は外国人まで沢に入っていて、どこから情報を仕入れたのかと驚いた。確かに私も一昨年去年と外国人を連れて沢登りしているが、今回見たのは3人とも外国人でそのあともえぎの湯でも見かけた。何かの本にでも乗ったのか、誰かが教えたのだろうか。2007年は外国人こそ見なかったが、人は多かった。人気はしばらく高いのだろう。

(2009年6月21日記す)


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