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2020年夏 - 奥多摩・多摩川水根沢谷


2020年7月24日(金・祝)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町/奥多摩
ルート
JR奥多摩駅=水根バス停…水根沢谷遡行…水根バス停=JR奥多摩駅
参加者
中山、S氏、O氏
参考文献
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はじめに

 今年の梅雨は雨が多い気がする。気象庁によると6月25日から7月21日までの東京の日照時間は平年比の52%、降水量は152%である。

 ひどく暑いこともなく、沢登り欲もさほど湧いてこない。とはいえ、暑い時期は一時なのでぼやぼやしていると秋になってしまう。新型コロナウイルスによる他県への外出自粛もあって、近場で沢を探し、何回か行ったことがある水根沢谷にいくことにした。

 7月23日から26日にかけては東京オリンピックの開会式のため、23日海の日、24日スポーツの日、25日26日は土日の4連休となった。オリンピックが延期されても休日は変わらず4連休のままであった。はじめは連休初日の23日に行く予定だったが、雨だったのと前日夜に大雨注意報が出て仕事していたので、連休2日目の24日に行くことにした。

 水根沢谷に行くのは11年ぶり5回目。交通の便もよく、たびたび行っているつもりだが意外と11年ぶりであった。

日帰り

2020年7月24日(金・祝) くもり

JR奥多摩駅=水根バス停…水根沢谷遡行…水根バス停=JR奥多摩駅

コースタイム
水根バス停7:15
7:27
水根沢キャンプ場7:35
7:43
3m滝8:40
9:00
大滝9:05
665m河原9:15
9:30
半円の滝10:00
水根バス停10:43
11:01

 渋谷から来るS君の始電に合わせて7時奥多摩駅集合。7時発の鴨沢西行きバスに乗って水根バス停に向かう。連休中だが雨の予報だからかバスは全員座れる程度に空いている。バスを最初に降りたのは私たちで、みんな鴨沢方面に乗って行った。水根バス停で降りると駐車場も空いている。

 ズボンの着替えなどを済ませて入渓点のキャンプ場に向かう。キャンプ場はコロナ禍で休業していた。キャンプ場の奥でサンダルから沢足袋に履き替え入渓する。連日の雨のせいかなんとなく増水しているような気がする。もう夏だと思うが、梅雨はあけてないしくもり空だし、水に入ると寒い。濡れるのはヒザくらいまでにしたいなと思うとともに、もっと水量の少ない沢にしておけばよかったとちょっと後悔する。

最初の滝
7/24 最初の滝。
CS3m滝
7/24 ちょっとしぶいCS3m滝。左から登る。

 最初のゴルジュのCS3m滝がはじめからしぶい。手前で胸までつかり、右岸の凹角をヒザをついて登る。濡れたくないのにもうずぶ濡れである。橋を右岸からくぐり次のCS3m滝は右側をへつりながら登る。その先で釣り客が3人いたのでできるだけ離れて歩く。

2m2条滝
7/24 ゴルジュの2m2条滝。
2m2条滝
7/24 2m2条滝は右から登る。

 河原歩きから5分ほどでまたゴルジュ。2m2条滝は右側をへつり、すぐ上の2m滝は水中に足場を探しながら左側を登る。増水しているのか幅広に見える2m滝は左から。

2m滝
7/24 2m滝。
2m滝
7/24 2m滝は左から登る。
2m滝
7/24 幅広に見える2m滝。
アセビ
7/24 幅広に見える2m滝は左から登る。

 3分ほどで沢が左に屈曲して核心部のゴルジュに入る。「東京周辺の沢」や「123ルート」では4mナメ滝と示された滝だろうか。写真を見返すと水量が多くてナメ滝かどうかわからない。滝の右側の勾配がゆるいが、その手前に洗濯機のような渦を巻く淵があり、躊躇する。S君は左側をへつろうとしていたが難しいようだ。万が一滝つぼに引き込まれても困るので長めのシュリンゲをOさんに渡して淵に入る。水中の足場につかまると水流を感じ、ちょっとこわい。意を決して足を離すと反時計回りの渦に乗ってぐるりと回って滝の下にたどり着いた。水中の足場が見つからなかったが右手に足場を見つけて登った。取り付いて登れなかったらどうしようと思ったが、水から上がったら簡単だった。Oさんも渦に乗って、S君は渦に乗らず一気に滝下に取り付いていた。

4mナメ滝
7/24 4mナメ滝。ナメに見えないくらい水量が多い。
4mナメ滝下の淵
7/24 4mナメ滝下の淵は洗濯機のようにグルグル回っている。
4mナメ滝
7/24 4mナメ滝を左からへつろうとするS君。途中で引き返す。
4mナメ滝
7/24 洗濯機の流れからはい出るS君。

 その先に今回一番難しかった3m2段滝。私が最初に左から取り付くが、滝つぼで足場が見つからず対岸に手をつこうとして流される。ずぶ濡れで寒い。次にS君。私が見つけらなかった足場を見つけて左足を乗せ、右足を大きく開いて対岸に突っ張って登って行った。Oさんは私と同様足場を探している間に落ちて流されてしまった。最後に私も挑戦するが足場は見つからない。寒くてブルブル震える。

3m2段滝
7/24 一番難しい3m2段滝が見えてきた。
3m2段滝
7/24 3m2段滝を登ったS君。

 Oさんとどうしようどうやって巻こうかと相談する。私もここは直登しかしたことがない。左壁が登れそうなので登ってみると残置シュリンゲが見つかった。でも遠くて手が届かないし、外傾したテラスに一歩出すとさっき流された淵に5mくらいドボンと落ちそうで怖い。「この先のロープがぶら下がっている」とS君に言われ、さらに砂利の斜面を登るとなんとなく踏み跡がしっかりしていて、残置ロープを見つけた。でもハーネスを持ってきていないので降りられない。左岸を高巻くとなると50mは登りそうだ。少し戻ってシュリンゲがかかっているところで向こう側のS君と話しながらその辺の棒切れを手に取って伸ばすとシュリンゲに手が届いた。もうけものと思って残置シュリンゲを手に取り、テラスを慎重にへつった。無事、私もOさんもトラバースできた。

3m2段滝
7/24 私とOさんは3m2段滝を左のテラスから巻いた。手前にシュリンゲがぶら下がっているのが見える。
2段10m大滝
7/24 巻き道から見た2段10m大滝。

 そのすぐ上に2段10m大滝。S君がどうやって登るのか、と不安がっていたが、これは右から登れると覚えていたので滝の下部で右に跨いで濡れた斜面を登る。

 ゴルジュを抜けて10分ほど河原を歩き、休めそうなところで休む。3人ともすっかり冷えていて熱いお茶を魔法瓶に作っておいてよかった。

2段10m大滝
7/24 2段10m大滝は左岸を登る。
小屋
7/24 左手の斜面に小屋がある。

 左に小屋を見て水量の多い沢をうまく道を見つけながら登る。半円の滝の直前、体が冷えて疲れていたのかさほど難しくないへつりでOさんがドボンと落ちて驚いた。

 半円の滝は両足開いて登るんだよ、と言ったら「じゃあ、どうぞ」と言われ手本を見せることになった。左側からへつっていくと飛沫がかかってきてひるむ。一気に右足を出してズリズリと登って行った。水流に足を突っ込むと流されそうなので怖いし、股を開いていると痛い。S君は右足を出すところが届かないと言ってしばらく躊躇していたが、足をひっかけるとスイスイ登ってきた。先ほど水に落ちたOさんは右足を出すところが届かないと言って左側を登ってきた。

半円の滝
7/24 半円の滝は水量が多いのか直角に近く見える。
半円の滝
7/24 半円の滝を登るS君。

 半円の滝で遡行はおしまい。仕事道をジグザグに登ると水根沢の登山道に出て歩いて帰った。単独行が2人鷹ノ巣山に向かっていくのとすれ違った。水根バス停に戻ると水根の駐車場は車が増えていて塩山方向へ向かう自家用車も多い。バスの待ち時間20分ほどの間にジャージのズボンをカッパのズボンに着替え、お茶を一杯飲む。バスは誰も乗っておらず、奥多摩駅までの間に2人が乗ってきた。

 帰りは河辺で下車して梅の湯に入り、ビールを飲んで解散した。

おわりに

 何度も登っている沢だがなかなか刺激的で全く退屈さを感じない沢登りであった。

 自分の記録を見返してみると毎年「今年は水量が多くて」と書いているが、洗濯機の4mナメ滝は今年は足がつかず怖かった。また、今回初めて3m2段滝を登れなかったことを考えると、今年は一番水量が多いように感じる。

 7月下旬ならもう暑いからちょうどいいだろうと思っていたが、梅雨明けもせず寒かったのはつらかった。

 今回はカメラにジョワイユ12MEGA PIXEL 防水デジタルカメラを使った。前回大岳山でiPhoneを使ったが、私はカメラをしょっちゅうなくすのでiPhoneはなくしたくない。防水のデジタルカメラを買おうと思い、探していたら7,980円という破格のカメラを見つけた。これならなくしても惜しくないので買って使うことにした。

 電源を押してから撮影できるまでやや時間がかかる、半押しがなく暗いとブレるなどの問題があるので値段相応だと思う。暗い沢では特にブレやすく、レンズが濡れるとぼやけるので沢登りには正直向かないだろう。なくしてもいいやという人にはちょうどよいと思う。単4乾電池2本で動くというのは容易に交換がきいていい。

(2020年7月25日記す)


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