山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2002年山行一覧>2002年夏 - 黒部川上ノ廊下[4/8]
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2002年8月7日 |
立石…薬師沢出合…赤木沢出合…祖父平(泊)
立石 | 3:00起床 |
5:30 | |
1757m | 6:33 |
6:44 | |
1830m | 7:55 |
8:11 | |
薬師岳側から沢 | 9:18 |
9:50 | |
薬師沢小屋 | 10:33 |
10:51 | |
赤木沢出合 | 12:00 |
12:15 | |
2050m付近 | 13:10 |
13:27 | |
祖父平 | 14:20 |
19:00就寝 |
朝焼けを見た。この日はガイドブックを見ると朝の一本目で泳ぎがあるらしい。金作谷出合で避けた意味がないのでがっくり。水は思ったより冷たくない。しばらく水線沿いに右岸を歩いていたが、左岸に移って少し高巻いた。高巻きには道があった。その直後にやはり行けないところがあった。別にゴルジュになっているわけではないが、流速があって岸がハングしているのでへつりも難しい。あきらめて高巻く。これも道があった。1箇所、下りの道に行くと間違いで少し戻った。懸垂下降もなく沢に出る。立石奇岩の手前で一本。結局泳がなかった。
立石奇岩手前で水流が強くてどうしても渡れないところが出てきた。 巻道があったのでそれを登る。 |
巻き終わり。 けっこう高いところを巻いたが、確かな道だった。 |
立石奇岩はロウソク岩以外、たいしてすごいものを見なかった。ちゃんと見ていなかったからかもしれないが。あとはなだらかな河原歩き。1830m付近で一本。ここは日陰だったので寒かった。ひざと足首が疲れてしまってよく滑った。次の一本で大東新道に出た。道に出る直前、ゴルジュでザックを放り投げて自分はジャンプするところがあった。ちょうどそこで右岸に人がいたので見ていたら手を振ってくれたので振り返した。薬師岳側から沢が入るところで一本。日差しがあり、暖かい。昼飯。2日ぶりに人に会った。人が多い。
立石奇岩の先で。水が青い。 |
どこで撮ったか不明。初川さん。 |
薬師沢小屋へ。道をたどる。いっぺん車が道を間違えた。途中、初川さんが青い淵を見ながら永谷君に「永谷、ン」と飛び込むよう示唆していた。永谷君が拒否すると「最近の若いもんはむちゃをせんのう」と言っていた。薬師沢のつり橋をくぐり、薬師沢小屋で一本。みんな「早いんじゃないの」って顔していたが、私が疲れていたから一本とったのだ。
薬師沢小屋へ水をもらいに行く。水を汲んで小屋の前のいろんな情報が書かれた黒板を見ると「黒部源流・赤木沢へ行く人は小屋の人に一声掛けて下さい」とあったので、小屋で人を呼ぶ。ちょうどおばちゃん3人がラーメンを注文していたようで、インスタントラーメンぽいラーメンを運びながら小屋の女性が出てきた。「源流に行くんですけど」「何人ですか?」「4人です」「計画書は出しましたか」「大町で出しました」という会話を交わし、「じゃあ、気をつけていってください」という返事で終わった。それだけかい。もっとどこそこが崩壊して行けないとか熊に注意しろとかじゃないのか。薬師沢小屋はトイレ臭いのと沢に下りる道に「最近キャンプ指定地でない兎平に焚き火の跡や何かが見うけられますが、みなさんどう思いますか」とか書かれた石があったのが気になった。
薬師沢出合の手前で一本。 ここは大東新道の道にもなっているので一般登山者もいた。 |
赤木沢出合。初川さんとはここでお別れ。 腰まで浸かったのはここが最後。源流とあってさすがに冷たかった。 |
結局のところ、上ノ廊下はたいして難しいこともなく越えられた。本来なら泳ぐところやザイルを出すところがあるのだろうが、まったくなかった。冬の降雪量が少なかったから、水量も少なかったのだろう。雪は口元のタル沢出合あたりと金作谷出合で見た。薬師沢出合から先だと、祖父平の先で1回、登山道に出たところで1回見た。熊ノ沢出合から祖父平までは3日かける予定(金作谷出合、大東新道泊)だったところを2日(立石泊)で行ったので順調に進めた。
あとは赤木沢出合まで一本、祖父平まではさらに二本。私はずっとばてていて遅れながら歩いた。赤木沢出合の手前からゴルジュになり、右岸をシュリンゲをつかんで登るところがあった。ザックが上側の岩にぶつかり進みづらい。這うようにして登り、通過。自然の堰のように横に広がったゆるいナメの先が赤木沢出合だった。
赤木沢に行く初川さんから団体装備の肉とカロリーメイトチーズ味を受け取り、別れた。出合もゴルジュになっており、流れのないところをずぶずぶと胸くらいまで浸かって抜ける。さすがに冷たかった。そのあとはえんえんと河原を歩く。暑い。ばてる。ばてるといっても動けないわけではなくて、体力的につらい。頻繁に水を飲みながら渡渉していたら何度か小便をするはめになってしまった。
五郎沢出合手前で一本。五郎沢の水量比は本流と1:1に見えた。祖父沢を過ぎ、どこだかわからない祖父平を探す。思ったところで右岸を登ると傾斜した湿地帯があった。笹原に覆われており、獣道とも水の通り道ともつかない笹の分け目が見えた。このあたりが祖父平だろう。広いところを見つけ行動終了。
メシまで時間があるので差し入れを物色する。大変なものが出てきた。俵田さん差し入れのグレープフルーツゼリーの素が破裂し、水を含み、砂糖菓子のようになっていた。あんな和菓子があった気がする。たぶん、大東新道に出てザックを投げたときに破裂したのだろう。それ以外にザックの天ぶたに水が入る要因がない。ゼリーまみれの水ようかんを食べる。残った粉は翌日の嗜好品になった。
祖父平。祖父沢を分けて5分ほど行き、左岸を登るとある。 湿地帯で虫が多いので、けっこう不快。黒部五郎岳を見る穴場か。 |
そのあと、踏んでも水の浮いてこないところを見つけ、そこにテントを張った。湿地帯に笹が生えているだけなので虫が多くて参った。けっこう強烈な虫で下山してもまだ足がむくんでいた。水は黒部源流で汲んだ。ここが最後の停滞ポイントだが、晴れが続いているうちに行動することにした。この祖父平はエアリアマップに「池塘の別天地」とあるが、池塘はなく、虫もいるのでとても別天地とは言えない。