山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2007年山行一覧>奥多摩・日原川倉沢谷長尾谷
長尾谷は倉沢谷の支流の一つ。倉沢谷は多摩川の一大支流、日原川の北岸に注ぐ谷である。倉沢谷は魚留めの滝の上で塩地谷と長尾谷の2つに分かれており、塩地谷は三ツドッケに、長尾谷は蕎麦粒山に端を発している。
「東京周辺の沢」によれば1級、「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」によれば初級の沢であり、やさしい沢である。
もともとこの日曜日は都庁山岳部の新人のSさんと丹沢の源次郎沢に行く予定だった。しかしSさんが風邪をひいてしまい、源次郎沢は中止。もともと天気もよくない土日なので、そのまま山に行くのをやめてしまおうかと思ったが、家にいると暑い。暑いので涼みに沢に行くことにした。
沢はどこでもよいのだが、源次郎沢は先週水無川セドの沢に行っていて下りの大倉尾根が重なるので避けたい。そこで改めて適当な沢を探し、見つけたのが倉沢谷長尾谷であった。
決めた理由は5月末に倉沢谷本谷に行き、稜線まで登らなかったからである。そのときは稜線まで登ろうと思っていたのだが、倉沢谷本谷が楽しく、無駄に濡れたりしているうちに時間が過ぎ去り、遡行終了点の魚留めの滝で12時を過ぎてしまったので帰ったのだった。
長尾谷は初級だし、せっかくなのでその続きを登ってみようと思ったのが理由である。隣の塩地谷は中級であり、単独行では怖いので避けた。
日帰り |
2007年7月22日(日) |
JR奥多摩駅=倉沢バス停…地蔵橋…長尾谷…蕎麦粒山…笙ノ岩山…川乗橋バス停…JR奥多摩駅
倉沢バス停 | 7:46 |
林道倉沢線終点 入渓準備 | 8:25 |
8:37 | |
5m石積堰堤 | 9:24 |
二俣 | 9:40 |
水源巡視路 | 10:23 |
蕎麦粒山 | 10:33 |
10:46 | |
笙ノ岩山 | 11:33 |
川乗橋バス停 | 12:26 |
奥多摩駅 | 13:15 |
13:26 |
朝起きると小雨が降っていた。でも暖かくはなりそうなので出発。7:20奥多摩駅着。東日原行きのバスに乗り換え、倉沢バス停で下車。バスには他に沢登りの用意をしたパーティーが一つ。鷹ノ巣谷あたりだろうか。
林道倉沢線を登っていく。昨晩からの雨で林道には水の流れているところが多い。下の倉沢谷本谷も前に来たときより水量が多いように感じる。魚留橋を渡り、倉沢谷左岸を登って地蔵橋。地蔵橋の手前はコンクリート舗装が崩れていた。地蔵橋を渡ってしばらくで林道終点。ちょうど長尾谷に下りられるようになっている。そこで遡行の準備を行う。
7/22 地蔵橋手前の崩落。奥が地蔵橋。 |
7/22 地蔵橋先の入渓点。 |
歩き始めてすぐ右から枝沢が下ってくる。そこに橋もかけてあるが、道がどこに続いているのか分からない。そのあと5mの滝を2つ左から越える。2つ目の5m滝の上には木の橋が架かっていた。そのあとも簡単に登れる滝が続く。2mくらいの滝の上でコンクリートづくりの橋が横切る。両岸はけっこう迫っているのだが、どこから来てどこへ行くのだろう。
7/22 木の橋。谷を縫うように仕事道が続いているようだ。 |
7/22 コンクリートづくりの橋。 |
7/22 小滝。 |
7/22 小さな淵。 |
コンクリートづくりの橋の後、3m放水状滝、2段10m滝、大岩があるらしいが気づかずに通り過ぎる。やがて5m石積堰堤。右から越す。石積堰堤からは水量が半分くらいに減る。しばらくで二俣。左の方が水量が多く見えるが、蕎麦粒山に通じるのは右俣。右俣はすぐ上で右岸に崩壊地があり、伏流している分もあるのだろう。崩壊地を過ぎ、沢が右に曲がると水量1:3の二俣。しかし、増水しているのか、1:1くらいに見える。右を行く。
7/22 石積堰堤。右から越す。 |
7/22 水量1:3の二俣。右を行く。 |
この二俣から傾斜が急になってくる。河原でいったん水が涸れるが、すぐ上で水が流れだす。黒い岩の滝が増えてくる。奥の二俣で左に行く。右は水が流れていない。細かいけれどホールドの多い滝をいくつか登っていくととうとう水がなくなる。地盤の緩いルンゼを慎重に登り、スズタケの中に入るとすぐ蕎麦粒山の南側を巻く水源巡視路に出た。
7/22 だんだん急になってくる。 |
7/22 上部の小滝群。 |
水源巡視路を東へ鳥屋戸尾根側へ向かい、鳥屋戸尾根を登り、蕎麦粒山に登る。思ったよりだいぶヤブが濃い。前に鳥屋戸尾根を登ったときは冬だったからかもしれない。思ったより緩い登りで蕎麦粒山山頂に到着。山頂にはそれぞれ日向沢の峰、一杯水から来たと思われる単独行の人2人がいた。ここで装備解除。
7/22 適当なところで登れそうなルンゼを選ぶ。やがて水源巡視路に出る。 |
7/22 蕎麦粒山で記念撮影。 |
山頂はガスに覆われており、展望はまったくなかった。少し休んで鳥屋戸尾根を下る。蕎麦粒山を巻く巡視路は地形図より高いところ(1420mあたり)を通っているようだ。少なくとも桂谷へ伸びる尾根の分岐よりは上である。そこは十字路になっており、看板によると東側は「踊平 巻き道 迷いやすい 桂谷の峰には行けない」らしい。「迷いやすい」ということは日向沢の峰に出ず、ずっと巻いて踊平に出るのだろうか。
そのあと桂谷に下る尾根に間違えて入り、引き返す。笙ノ岩山までは特に迷うところもなく、登ったり下ったりしながらたどり着いた。道もしっかりしていた。笙ノ岩山の下、917m標高点付近でちょっと迷う。でも黄色いロープが張られており、正しいルートが分かった。概して急な道を下り、川乗谷の林道に出る。林道を少し歩けば川乗橋バス停だ。
が、バスは1時間20分後だった。しかたなくとぼとぼと奥多摩駅まで歩いた。今回試しに履いた安全靴で靴擦れしてしまい、足が痛かった。
長尾谷には難しい滝はなく、巻くことも容易なので登りやすい沢であった。ツメもひどいヤブコギになるかと思ったがさほどでもなかった。急きょ決めた沢にしては楽しめた。