山ノ中ニ有リ山行記録一覧2007年山行一覧>丹沢・水無川セドの沢左俣

2007年夏 - 丹沢・水無川セドの沢左俣


2007年7月16日(月・祝)
場所
神奈川県秦野市/丹沢
コース
小田急渋沢=大倉バス停…戸沢出合…水無川本谷F1…セドの沢左俣…新大日と木ノ又大日のコル…塔ノ岳…大倉尾根…大倉バス停
参加者
K、K、中山
参考文献
07丹沢・水無川セドの沢左俣の地図

はじめに

 セドの沢は丹沢・水無川の枝沢の一つである。水無川は沢登りを行う人の間では非常に有名な流域であり、水無川本谷をはじめとして新茅ノ沢や源次郎沢など有名な沢が多い。セドの沢は水無川左岸に注ぐ枝沢であり、新茅ノ沢や源次郎沢に比べると上流に位置する。詰めた先は丹沢表尾根の書策小屋である。

 「東京周辺の沢」では2級、「丹沢の谷110ルート」では中級というランクづけになっている。この沢を選んだのは簡単に行けて、まだ行っていないところだからである。セドの沢の右俣は登ったことがあるが、左俣は登ったことがないのでセドの沢左俣となった。

 もともと7月14,15,16日と3連休で15日に都庁山岳部の新人のSさんといっしょに源次郎沢に登る予定だったが、台風4号来襲のため見送ったのだった。15日の昼にKさんから電話があり、急きょ16日にセドの沢に行くことになった。場所はKさんに尋ねられ、私が決めた。沢登り経験の少ない私に比べて、KさんもKさんも水無川流域の沢は登りつくしているのだろう。

日帰り

2007年7月16日(月・祝) くもり

小田急渋沢=大倉バス停…戸沢出合…水無川本谷F1…セドの沢左俣…新大日と木ノ又大日のコル…塔ノ岳…大倉尾根…大倉バス停

コースタイム
大倉バス停8:20
8:40
水無川本谷
一番上の堰
10:02
10:20
水無川本谷F1
セドの沢出合
10:35
セドの沢二俣10:45
F5-13m大滝10:50
11:10
三俣11:25
F7-8m11:30
11:45
白滝の滝11:50
水涸れ12:05
新大日と木ノ又大日
のコル
12:20
12:45
塔ノ岳13:10
13:22
大倉バス停14:45
15:10

 8:00小田急線渋沢駅集合。眠い。8:07発の大倉行きのバスに乗り、終点大倉で下車。出発準備をして滝沢園のところから水無川を渡ろうと思ったら橋として渡してある板が引き上げられていた。昨日の台風で増水したためらしい。また大倉バス停に引き返して立派な吊り橋を渡る。

 水無川の林道をえんえん歩き、水無山荘に着く。いつもならこのあたりで沢タビに履き替えるのだが、水無川が増水して河原にも水が流れている。仕方がないので書策新道沿いに登り、最後の堰を越えたところで沢タビに履き替えた。大倉からだいたい1時間半である。

水無川本谷
7/16 増水ぎみの水無川本谷。
水無川本谷F1
7/16 水無川本谷F1。

 水無川は増水していて沢伝いには歩けない。右岸の踏み跡沿いにF1まで歩く。水無川本谷F1を左の鎖沿いに越え、セドの沢出合。出合の看板がかかっているのでそれに従い、右に入る。セドの沢に入ってすぐF1F2。増水しているもののスタンスまでは水に浸かっていないので難なく越える。F2の上でセドの沢二俣。今回は左俣に入る。

セドの沢F2
7/16 セドの沢F2。
セドの沢二俣
7/16 セドの沢二俣。左俣に入る。

 左俣に入るとここまでたくさんあった看板(水無川本谷F1とか)がなくなる。小滝を連ねていて楽しく登れる。F3-6mF4-5mは特に気づかず過ぎてしまう。

大滝F5-13m
7/16 大滝F5-13m。中段から上段にかけてザイルを伸ばす。
大滝F5-13m
7/16 大滝F5-13mをのぼるKさん。

 二俣から10分ほどで沢が狭まり、大滝F5-13mに着く。大滝ではザイルを出す。Kさんリードで右から登る。滝の右端を登り、落ち口付近で右壁に登る。私が2番目。はじめ、水流の中でスタンスが見つけられず、苦労する。後に続くKさんから「わざと濡れに行ってるのか」と聞かれるが、私は必死でスタンスを探しているのだ。Kさんの言葉のすぐ後でスタンスを見つけ、5歩ほどひょいひょい登るが、落ち口付近で詰まる。すべすべの岩のトラバースで難しい。上でビレイしているKさんにジェスチャーで「右?」と聞くと返事は右だったので、少し戻って右へ登る。右へ登ったら後は簡単に登れた。

大滝F5-13m
7/16 大滝F5-13mを登るKさん。
セドの沢左俣三俣
7/16 セドの沢左俣三俣のうち、中俣と右俣。

 大滝を登ってF6-4mを左から越える。その後は10分ほど平凡な河原が続き、三俣。水量比は左俣:中俣:右俣=2:2:1くらい。行く先は中俣。中俣に入るとすぐF7-8m。「東京周辺の沢」「丹沢の谷110ルート」とも特に記述がないのだが、巻き道も見当たらず、ザイル出して右から登る。滝沿いの上部より、下部の方がスタンスが少なく難しかった。ザイルを出したのは大滝とこのF7-8m滝の2か所であった。

 その上で白滝の滝書策新道が左岸からやってきてセドの沢沿いに登っていく。横切るだけだと思っていたのでちょっと意外だ。ペンキやロープがついているが、道が沢と重なっていて分かりにくい。10分ほど登るといつのまにか書策新道は右岸を登っているようでペンキは消えてしまった。

F7-8m
7/16 F7-8m。右から登る。
ツメ
7/16 表尾根に出るツメ。野バラが咲いている。

 その後は水がどんどん減っていき、涸棚をいくつか登っていく。一つは左のヤブから巻いた。詰めて行くと赤土の開けたところに出て、上を見ると表尾根の縦走路であった。縦走路には木組みでできた土止めの横矢板があり、登れないので右から巻いた。そこで沢装備を解除する。

 場所は新大日と木ノ又大日のコルであった。そこから塔ノ岳を経由して大倉バス停に下った。塔ノ岳では1時間くらいで下れるだろうとかそんな話をしていたが、実際には1時間半ほどかかった。大倉尾根は何度も下っているが、その度に記憶が消されてしまうようですっかり疲れてしまった。

おわりに

 急に計画した沢としては十分楽しめた。増水していたが遡行にはさほど影響もなかった。2か所でザイルを出してもらったが、落っこちそうになりながらも、楽しんで登ることができた。とはいえ、そのどちらも私がリードしたら登れそうで登れない滝だと思う。クライミングの技術を磨かなければならないなと、また思った。

(2007年7月16日記す)


山ノ中ニ有リ山行記録一覧2007年山行一覧>丹沢・水無川セドの沢左俣

inserted by FC2 system