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2008年夏 - 奥多摩・日原川倉沢谷本谷


2008年8月31日(日)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町/奥多摩
コース
倉沢バス停…倉沢谷遡行…倉沢鍾乳洞…倉沢バス停
参加者
設計第二係 係長ほか2名
参考文献
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08奥多摩・日原川倉沢谷本谷の地図

はじめに

 倉沢谷は奥多摩・日原川の支流の一つであり、源頭に三ツドッケ、蕎麦粒山の二峰を控える谷である。下流部は水量の多い谷であり、泳ぎもある。魚留滝上の上流部は三ツドッケに伸びる塩地谷、蕎麦粒山に伸びる長尾谷に分かれる。

 係内で水の流れのあるところでの工事の安全管理を考えていたときに、水位と流速がどの程度なら人が立っていられるかという話をしていたら、実際に沢に入ってどんなもんかみんなで体験することになった。沢登り初めての人も行くので、私が行ったことのある水根沢谷倉沢谷か迷ったが水根沢谷は3回も行っているので倉沢谷にした。

 ここのところ連日豪雨が降り天気が懸念されたが、幸い天気はくもり、気温も高く、泳ぐこともできたのでよかった。

日帰り

2008年8月31日(日) くもり

倉沢バス停…倉沢谷遡行…魚留橋…倉沢バス停

コースタイム
倉沢橋9:20
9:50
標高530m付近10:52
11:06
八幡沢下
ゴルジュ3m滝
11:31
11:43
成瀬沢出合11:57
ゴルジュ3m滝12:29
12:42
ゴルジュ3m滝上12:44
12:57
13:31
倉沢鍾乳洞13:54
倉沢バス停14:24
14:36

 8時青梅駅集合。5時に家を出て電車を乗り継ぐ。青梅でY君の車に乗り換え、倉沢橋へ。青梅街道はいつもの土日に比べてとてもすいており、1時間足らずで青梅から倉沢橋までたどり着いた。今日は8月31日だから家族連れがお出かけを控えているからだろうか、それとも単に天気が悪いからだろうか。

 倉沢橋の右岸には狭い駐車スペースに3台停まっており、停められなかった。しかたがないので左岸の橋のたもとに車を停める。そこで入渓準備を行い倉沢谷林道に入る。前に入渓したところは斜面の土がぐずぐずしていて下れず、少し林道を登ってから沢に下る。天気はくもり、気温は高い。

 下ってすぐザブザブと水につかる。沢登り初めてのY君とSさんは大胆に水に濡れる私の様子に驚いていたが歩き始めてすぐ慣れたようだ。2段5m滝の下で大きなヒキガエルを見たあと、2段5mの滝を右から巻く。そこには先行パーティーが何のためかザイルを伸ばしており、邪魔しないように避けた。水量は多く、前来たときは水線沿いに登ったところが、今回は白いあぶくで水に入れなかった。

倉沢谷
8/31 倉沢谷へ下る。
2段5mの滝
8/31 2段5mの滝。右から巻くと上に3人パーティーがいた。

 途中で3人パーティーにまた追い抜いてもらい、気兼ねなく楽しみながら登る。ところどころ深いところ、流れの速いところがあり、ずっこけたりしてもうみんなずぶ濡れになる。これで怖いものはない。1時間歩いて体も濡れたところで一本とる。

四つん這い
8/31 浅いけど流れが速いので四つん這いで歩くY君。
白く泡立った淵
8/31 白く泡立った淵。右からは行けない。

 続けて遡行する。白いあぶくのたった淵に入る。左からは行けず、右から泳いで取り付き、へつる。何度か挑戦して登れた。途中Sさんが浅いけれども流れの速いところで流されていた。

白く泡立った淵
8/31 白く泡立った淵。右岸をへつる。
ずっこけ
8/31 ずっこけたSさん。

 八幡沢の下のゴルジュになっている3m滝。前回こんなところを登った記憶がないのだが、たぶん寒くて右から巻いてしまったのだろう。この滝も楽しかった。右手から残置シュリンゲをつかんでへつっていき、滝の落ち口にもシュリンゲにつかまって這い上がる。なかなか手強い。まず私が登りきる。あとを追いかけるみんな。はじめのへつりでY君が滑り落ち、コンタクトがずれる。そのあとSさんが追っかけて登る。滝の落ち口は流れが速く、足をおいても流される。できるだけ水際に足を置き、岩をつかんで登る。みんな一回引っ込んだあと、私のシュリンゲを引っ張って登ってきた。なかなか難しく楽しい滝だった。

八幡沢下の3m滝
8/31 八幡沢下の3m滝。
八幡沢下の3m滝
8/31 八幡沢下の3m滝。はじめはへつり。

 八幡沢、右からの枝沢、成瀬沢を分けて、水量の多い沢を遡行する。大岩を過ぎて深い淵が現れる。深い淵では先行する3人パーティーがダイブしていたので私とSさんもダイブした。淵はかなり深く、ダイブすると鼻に水が入ってしまった。ダイブ後の淵の中で半ば溺れていることもあってだいぶパニックになった。登るところもツルツルで登りにくいこともあり、大変だった。3人パーティーはこのあと沢の中で見ることはなかった。

大岩
8/31 八幡沢下の3m滝。落ち口をシュリンゲつかんで登る。
ダイブ
8/31 ダイブするSさん。

 次の深い淵をもつ3m滝。前回釣り師が釣りをしていたので林道から巻いた滝だ。これも楽しい滝だった。右手から泳いで取り付き、水面上の人が立てるスペースに上がる。そこからつるつるの岩を足をかけるところを見つけて這い上がる。ぱっと見ると難しく、巻こうかと思うが、楽しく登ることができた。

水鉄砲
8/31 上がってきたSさんに容赦ない攻撃を加えるY君。
ゴルジュの3m滝
8/31 ゴルジュの3m滝。

 まずは私から。水から上がるところで濡れたザックに引っ張られ、苦労する。最後に這い上がるところでもうまく上がれずヒザを使って這い上がった。次にSさん。Sさんは何度やっても最初の水面上の人が立てるスペースにどうしても登れず、5分ほど粘ったあとあきらめて流されていった。その次に係長。係長はそもそも人が立てるスペースまでたどり着けず、足をばたつかせながら何とか到達。その上もなんとか這い上がるように登った。次のY君は意外にすいすい泳ぎつき、簡単に上がってきた。最後、Sさん。最初は一人巻こうとしていたが、ジェスチャーで来るよう言うと渋々やってきた。長めのシュリンゲを伸ばし、それをつかんでみんなで引っ張り登ることができた。

ゴルジュの3m滝
8/31 ゴルジュの3m滝。泳いで取り付く。
ゴルジュの3m滝
8/31 ゴルジュの3m滝。立ち上がって腕力で登る。

 この3m滝でだいぶ疲れたので一本とる。木根のようなひげ根の生えた木があり、なんだか気持ち悪かった。懸念していた雨も降らず、ときどき晴れ間も見えるような天気だった。残りの滝はほとんど直登できないので巻いてしまった。をくぐり、倉沢鍾乳洞に出る。ここでみんな疲れてきていたので引き上げることにする。せっかくなので鍾乳洞を見に行き、林道に戻った。あとは林道をたらたら下って入渓点の倉沢橋へ。

 帰りはもえぎの湯に寄る。もえぎの湯はいつもに比べてすいており、洗い場も待たずに使えた。風呂から上がり、各自そば等を食べていると外は本降りの雨。いいタイミングで沢から上がってきたようだ。帰りも青梅街道はすいており、すいすいと進んで帰京できた。

おわりに

 ここのところ続く急な豪雨で天気が心配だったが、天気はくもりで雨は降らず、気温も高かったので寒くなく遡行することができた。沢登りの経験のある係長も経験のないY君もSさんも楽しんでいたようだ。水量は連日の降雨で前回より多く、ただの河原歩きでも苦労したが楽しかった。前回登らなかった滝も登ることができ満足である。

(2008年8月31日記す)


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