山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2005年山行一覧>箱根外輪山[2/2]
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2005年2月12日 |
万葉公園…足柄峠関所…金時山…乙女峠…長尾峠…湖尻峠…三国山…山伏峠レストハウス…箱根峠道の駅
万葉公園 | 4:00起床 |
6:40 | |
足柄峠関所 | 6:55 |
900m付近 | 7:35 |
7:46 | |
金時山 | 8:35 |
9:00 | |
長尾山 | 9:40 |
乙女峠 | 9:52 |
10:08 | |
丸岳 | 10:40 |
長尾峠 | 11:10 |
長尾峠駐車場分岐 | 11:15 |
11:28 | |
富士見ヶ丘公園 (1063m峰登り) | 12:02 |
12:13 | |
湖尻峠 | 12:52 |
13:08 | |
三国山 | 14:00 |
14:20 | |
山伏峠レストハウス | 15:16 |
15:24 | |
箱根峠IC下 | 16:25 |
16:35 | |
箱根峠道の駅 | 16:48 |
16:58 | |
箱根やすらぎの森 バス停 | 17:05 |
17:23 |
翌朝4時。まだ暗い中起きてラーメンを食べる。暗いので二度寝。とうとう明るくなる6時まで寝ていた。テントをたたんで出発準備。テントは雪がくっつき手を冷やしただけでなく、なかなか袋に入らなかった。南に小さく金時山が見えた。
その朝は快晴。東に赤い太陽が昇り始めていた。まだ寒いので手袋をはめて歩き出す。歩き始めて5分ほどで車道に出た。車道にそって歩く。するとバス停がある。どこかからバスが来ているようだ。また車が追い抜いていった。路面は凍結しておらず、峠道にしては交通量があるようだ。車道が稜線の東から西に移る。東側にそのまま伸びていく登山道があるが、金時山は別らしいので、西側の車道沿いに歩く。やがて足柄峠。小さな寺と関所がある。寺の入口には「電気開通記念」と書かれた石碑があった。関所には最近見かけなくなった顔を出して記念写真を撮る看板があった。
西に御殿場への道を分けると、砂利道になる。分かれてすぐ、なぜか扇風機が道路に置かれていた。捨ててあるのだろうか。そこからは登りがちな車道を歩く。道は稜線の西側を通っているが、だんだん稜線上を走るようになる。歩いていると車2台くらいに抜かれた。ときどき西に富士山が見える。歩いていくと6台ほど止められる駐車場に出た。どうやらマイカー登山する人はここに乗ってきた自動車を置いて金時山を往復するらしい。この先は車が入れる幅ではあるものの、四輪駆動かキャタピラでないと入れないところだった。実際この道に入ってショベルカーが東側にあった。
2/12 万葉公園からしばらくで足柄峠。関所がある。さらに車道をだらだら歩いていくと金時山が近付いてくる。200mほどの急登を持つなかなかの山だ。 |
2/12 金時山山頂には茶屋が2軒と犬が1匹いる。小屋関係とおぼしきおっちゃんがちょうど登ってきてこれからもちつきをすると言っていた。この山には私たちがとった足柄峠からの他、乙女峠から、仙石原からの登路がある。 |
約1時間歩いたので、道の途中で一本とる。道は稜線を凹角に掘った感じで木は少ないものの、眺めはそんなによくない。ただ、道はほぼまっすぐなので、万葉公園で見たより金時山が大きく見える。さらに歩き始めると眺めのよいところに出た。ちょうど東に夕日の滝への道を分けるところで、南に大きな金時山、西に富士山が見える。富士山の右には先月登った三国山・大洞山が連なっている。しばらくで車道終点。青いトタンでできた小屋と四輪駆動車があった。登り口には看板があって、アイゼンなど雪山装備を持つこと、と書いてあったが、軽く読み流して登りはじめる。
前から見た通り、かなりの急登だ。階段が12もあり、それぞれに十二支の名前がついている。一つ目を登ったところで右手にケーブルがぶら下がっていた。古いロープウェイのあとだろうか。階段を6つほどこなすと変な音が聞こえてきた。単調なサインカーブのような繰り返し音だ。やや不思議に思いながら登っていると、上からベンチくらいのサイズの篭がロープウェイにぶら下がって下ってきた。どうやら荷物用のケーブルらしい。この登りからは丹沢の山がよく見えた。登るのに必死で一枚も写真を撮らなかったのが悔やまれる。
2/12 仙石原と芦ノ湖。右がこれから歩く箱根の外輪山。 |
2/12 金時山山頂から見る富士山と裾野の御殿場市。朝のうちは晴れていたが、このときから1時間もすると雲が出てきて富士山は見えなくなってしまった。 |
12の階段をすべてやりすごすと、なぜかシェパードがワンワン鳴いている。山の中になぜ、と思ったら小屋の裏でそこが山頂だった。金時山の山頂にたどり着いて箱根の全容が見えた。手前に駒ヶ岳、右手に電波塔を抱える丸岳、三国山、鞍掛山へと続く稜線、足元には仙石原の町、その先に広大なゴルフ場、奥には芦ノ湖、西に目を向ければ富士が大きく構えており、そのふもとには御殿場の街、南隣に愛鷹山、富士山の右肩には北岳と八ヶ岳が顔を出していた。山頂には小屋が2軒ある。休んでいると仙石原から一人のおっちゃんが登ってきた。Tシャツ一枚の屈強そうなおやじだ。我々の休んでいるベンチで着替え始め、見える山について講釈をはじめた。着替えおわると「金時茶屋」と書かれたトレーナーを着ていた。どうやら小屋の関係者らしい。これからもちつきをするのだと言っていた。道具は小屋においてあるらしい。さらに小屋の看板で乙女峠を通る新宿発の高速バスがあることを知った。なかなか安いと思った。
金時山を辞し、乙女峠へと向かう。全体的になだらかだが、「険しいから走ったりふざけたりしないように」という看板があった。乙女峠からは続々と人がやってくる。最初のピークで永谷君がトレーナーを脱いだ後から1分に1人くらいのペースである。最初のピークと長尾山との鞍部では20人くらいの団体が乙女峠から登ってきた。稜線を歩いていると、仙石原の方から硫黄のにおいがした。永谷君と「なんだかんだいって、『腐った卵のにおい』ってかいだことないな」と話した。長尾山は広い山頂で休むには良さそうだったが、乙女峠まで10分だったので乙女峠まで下った。
乙女峠にも人の入っている小屋があり、やっぱり犬がいた。この辺の小屋は犬を飼うのが好きらしい。金時山では雲は見当たらなかったが、乙女峠では雲が出てきた。東側駒ヶ岳側が開けており、ベンチがあるのだが、暗い。西側の富士山も雲がかかり始めたに違いない。
2/12 金時山から乙女峠へ下り、登り返すと丸岳。丸岳から駒ヶ岳と芦ノ湖を望む。箱根町は芦ノ湖の奥。まだまだ遠い。 |
2/12 丸岳から長尾峠へ下る。その先には三国山と鞍掛山。 |
乙女峠から電波塔の立つ丸岳へ。この先は交通機関が少なく、必然人も少なくなる。それでも足跡はついているもので、緩やかな登りにしっかりとした道が続いていた。登りついた1141m峰から登り下りしながら丸岳に着く。東側にベンチがあり、駒ヶ岳の好展望が得られる。永谷君は休みたそうにしていたが、乙女峠から30分しかたっていなかったので、長尾峠で休むことを約束して下る。丸岳からは稜線の西側に車道が通じており、丸岳から15分で車道と交わる。富士見台というところで、曰く「富士と芦ノ湖が見えるのはここだけ」らしい。しかし、登山道を歩いていれば金時山を始め、そんなところはたくさんあったと思う。
下り着くと長尾峠。なぜか最低鞍部の少し手前に「長尾峠」の標柱があり、よく分からない。峠からさらに下ると笹の中を切り開かれた道で、ゆるやかに登り返す。そこで向こうから下ってくる夫婦を見た。それが登山道であった最後の人たちだった。そのくらい、長尾峠から箱根峠までは人が少ない。そのかわり隣を走る芦ノ湖スカイラインには車がたくさん走っている。長尾峠から登り切ると長尾峠駐車場への分かれ道。ここで一本とった。
2/12 新しい峠のスタイル、長尾峠。全然鞍部じゃない。この長尾峠から先は登山者に会わなかった。マイカーしか交通手段がないからだろう。 |
2/12 長尾峠から湖尻峠へ。1063m峰の登りに草の刈られただけの富士見ヶ丘公園がある。 |
下る。右手に小屋の屋根のようなものが見えたら、それは芦ノ湖スカイラインの料金所の屋根であった。しかし無人のようだった。長尾峠からは笹ヤブを切り開いた道が多く、次の1044.9m三角点峰の下りもそうだったし、その次の1063m峰の登りもそうだった。1063m峰の登りには 富士見ヶ丘公園という名前の付いた草原があり、気持ちがいいので、永谷君がザックを下ろしてしまった。仕方ないので、私もザックを下ろして記録を書いた。ちょうど12時で仙石原の方からチャイムが聞こえた。金時山が大分遠くに見えた。
湖尻峠へ向かう。1063m峰から下りついたあたりの草原で地図にない湖尻への道を分け、次の1018m峰に立つと、足元に湖尻峠、正面に三国山が高く構えていた。湖尻峠は道路が三叉路になっており、車が次々と来ては去っていた。草地を一気に下り湖尻峠。一本とる。看板によると、湖尻から裾野側に水道が掘られているとか。さらに3km先に「命の泉」なるところ、6km先にレストハウスがあるらしい。たくさん看板があって、「たき火に注意しましょう」という看板もあった。注意すればたき火してもいいのだろうか。
三国山へ登る。車道を使って登りたいところだが、「車道は自動車専用道路で危ないので通行禁止」という看板があり、強制的に登山道を歩かされる。地形図では湖尻峠から南に登山道はなかったので、むりやり藪漕ぎして登る懸念はなくなったが、制限されると、車道を歩きたくなる。登り始めは笹の切り開かれた直線的な登り。湖尻峠からは稜線の東側に道が付いており、やがて、樹林帯の中の道になる。湖尻峠からはもうほとんど雪はなかった。
2/12 1018m峰から見下ろす湖尻峠と三国山。150m下って250m登る。 |
2/12 三国山山頂は展望もなく、パッとしない山頂。湖尻峠〜箱根峠は25000分の1地形図に道が載っていないが、ちゃんとある。私は駿河・甲斐・相模、武蔵・相模・甲斐の三国山に続き今年3つめの三国山である。 |
2度ほど車道が近くなるが、緩急合わせて登っていくと車道が右下に見える。ひとしきりの登りの後、わずかに下りの道、そしてほとんど平坦な三国山山頂に着く。樹林帯の中で駒ヶ岳も芦ノ湖も見えない。西側もやはり木々に隠れ何も見えない。山頂には山火事注意の看板が2つとベンチが2つばかり。人もおらず寂しい山頂だった。ここで地図を広げ、どこに泊まるかを相談する。私は水がほとんどないことを心配していたが、永谷君は最後の地図、熱海の地図を見て「明日かったるいな」と言っていた。永谷君は箱根峠までの途中で泊まり、翌日箱根峠から下山することを考えていたが、私は反対だった。箱根峠で下るのはかまわないものの、朝起きて1時間ほどしか歩かず下るくらいなら、今日中に下ってあたたかいふとんで寝たかったからだ。この時点で箱根峠で下山すること自体は2人の間で暗黙に合意していた。
三国山からはところどころ急な所もあったが、概して緩やかな下りが続く。下りきっても車道と交わることなく、稜線の東側の樹林帯をトラバースする道になる。展望もなく、わずかに登り下りがあってうっとおしい道だ。やがて急な下りに出る。地形図を見ると芦ノ湖に下る道があり、これのようなので、逆の右手の踏み跡を少し登ると車道があった。しかし、ガードレールがあり、あきらかにこちらではない。しかたなくこの下り道を行くと、すぐ崩壊地の巻道になっているために下りとなっているのが分かった。車道が南西側に大きく迂回する1030m峰は巻き。そのあと1035m峰まで車道近くの笹の刈られた稜線を歩く。山伏峠の看板は見つからなかった。1035m峰手前で道は2つに分かれる。一つは直登ルート、もう一つは巻道のようだった。巻き道の方がはっきりしていたが、せっかくなので直登ルートをとった。山頂近くに倒木があり、永谷君は車道に落としてえ、と言っていた。
この1035m峰山頂には水道施設があった。水道施設といってもコンクリートの6畳ほどの塊でたぶん中が水槽になっているのだろう。周囲をフェンスが囲んでいた。そこから木が広く刈り払われ、公園のようになったところに出る。下にはレストハウス。ちょうどドライブしに来た人が休みついでに散歩するような場所になっているらしい。草が刈られ、芝生のような斜面をレストハウスへ下る。騒々しいと思っていたら、ヤギ、犬、にわとりが飼われていた。特に犬がうるさい。ヤギは5,6頭おり、小ヤギがかわいいと永谷君と話した。レストハウスの芦ノ湖側のテーブルでひと休みする。まわりは車で来た人たちしかおらず、我々とはかなり違う雰囲気をただよわせていた。どこかこの辺にテントを張って、という考えは全く無理なものであったし、もう泊まることを考えていなかった。
2/12 山伏峠のレストハウス。芦ノ湖スカイラインをドライブする人たちでにぎわい、場違い感がただよう。帰りたい衝動が急上昇する。ちなみに缶ジュース1本150円のすてきな山価格。北西の山に水道施設があるところを見ると、雨水を使っていると考えられ、水は頼んでももらえないと思う。 |
2/12 山伏峠のレストハウスにはヤギがいた。可愛い小ヤギにいやされる。 |
箱根峠へ歩き始める。やっぱり、登山者は登山者の道を歩かされる。箱根峠までは下りしかないと思っていたが、実際には下り着いてから緩い登りがあった。それも芦ノ湖側の暗い樹林帯で階段もあり、嫌な道である。やがて車道近くのまっすぐな道に出る。途中、変な谷を下からぐるりと回らされるところがあった。右手に芦ノ湖スカイラインの料金所が見えてくると、海ノ平の登りになる。今日最後の登りを終えると平たい道になる。周りを枯れたススキが覆っている道だ。高いところには看板がないが、下りになると右手にススキに隠れて「海平」という看板があった。そこからは鞍掛山とふもとのゴルフ場をはじめ、箱根峠周辺のでこぼこがよく見えた。
道は芦ノ湖側へ。暗い針葉樹林のどこ歩いているのかよく分からない道をどんどん下っていく。大分下ったと思ったら今度は登りもある。全体的に北側を巻いている。山のひだも登り下りしながら迂回していくため、歩く距離が長い。そして、地図に乗っていない道のため、この道が箱根峠に出るのか、芦ノ湖の湖畔に出るのかわからない。比較的新しいのか、歩かれていないのか、霜柱が解けてぬかるんだ道を歩く。レストハウスから1時間歩いたところで疲れて一本。あとから考えると、箱根インターチェンジのすぐ北の斜面だったと考えられる。次の一本で、一カ所少し迷うところに出たものの、すぐ道の駅箱根峠に出た。
2/12 山伏峠レストハウスから箱根峠への道は芦ノ湖側を歩くのだが、変な登り下りがあって歩きにくい。芦ノ湖スカイラインを作るために登山道を新たに作った感じで、展望もなくかったるい道である。やる気がさらに半減する。 |
2/12 海ノ平。とっても平ら。 |
16:48、山行終了である。もう湯河原に行くことは考えていなかった。永谷君は下界価格の缶コーヒーを一本飲み、一服吸う。今度こそ車道沿いに歩く。カーブを一つやり過ごすとちょうどバス停があった。箱根やすらぎの森というバス停で、すでに中年夫婦がバスを待っていた。17:16の箱根町行きがあるので、箱根町でのバスの接続を期待し、これに乗ることにした。しかし、7,8分も遅れてきた。箱根町での乗り換えでは小田原行きは途中交通渋滞のため2時間近くかかっていると伝えられた。途中から箱根登山鉄道に乗り換えるアドバイスを受け、小田原行きに乗車。
バスでは途中の湯ネッサンというバス停で学科のある先生一家に偶然会い、小涌谷駅前でバスを降りる時に軽く挨拶をした。箱根登山鉄道ではスイッチバックと第三軌条を堪能し、箱根湯元で乗り換え。私は小田原でJRに乗り換えたが、小田急の方が安かった。途中横浜で下車し、ラーメンを食べて京急で帰った。疲れていたがだいぶ乗り換えをした。結局、箱根町、小涌谷、箱根湯元、小田原、国府津、横浜、京急蒲田、品川、青砥と9回も乗り換えた。
帰ったときは感じなかったが、かなり疲れていたようで、翌日は9:30に起きてシュラフ・テント等を干した後、昼飯をほとんど食べられず、3時間の昼寝。頭痛がしたためである。夜になって写真のアップ作業を行なった。しばらく風邪を引きずっていたが、書いている今は元通りだ。
(2005年2月16日記す)
以下、いくつか注意事項。