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2005年冬 - 秩父・二子山(敗退)


2005年2月25日(金)
場所
埼玉県秩父郡小鹿野町/秩父
ルート
西武秩父駅=小鹿野役場前=坂本バス停…股峠…西秩父林道…坂本バス停=小鹿野役場前=西武秩父駅
参加者
中山(M1、単独行)
参考文献

秩父・二子山の地図

はじめに

 2月25日26日は大学入試の前期日程で構内に入れない。3連休になるので二子山から父不見山までの上武国境を歩こうと考えた(参考:上武国境・赤岩尾根上武国境・三国山〜赤岩峠)。しかし、前日24日の夜から東京で雨が降り、行くかどうか研究そっちのけで多いに悩んだ。結局行ってみなければ行けるかどうかわからんということで行くことにした。

日帰り

2005年2月25日

西武秩父駅=小鹿野役場前=坂本バス停…股峠…西秩父林道…坂本バス停=小鹿野役場前=西武秩父駅

 25日朝4時半起きで秩父に向かう。西武秩父までは特急ちちぶ3号を使った。普通列車だとバスの乗り継ぎの都合、4時間ほどのロスになるのだ。池袋から秩父まで特急料金620円。ひと車両に20人ほど乗っており意外と人が多いと思った。

 西武秩父に着くとバスはすぐ来た。小鹿野役場でバスを降りる。登山届の箱があり計画書を入れる。箱の隣に両神山で積雪1mと張り紙があり行く気がくじける。カッパズボンをはいたりスパッツをつけたりする。小鹿野役場での乗り継ぎも20分ほどの待ちですんだ。坂本行きのバスには私を含めて3人乗っていた。うち一人のおばさんが私がどこに行くのか話し掛けてくれた。バスが進むにつれ山は濃い霧で覆われているのがわかる。両神山も二子山も見えない。やや心配気味におばさんが話し、バスを降りていった。まあ、行けるところまで行って引き返そうという気分にはなった。

登山届け箱
2/25 両神山近辺は小鹿野役場でバスの乗り換えをしなければならない。その小鹿野役場で撮った写真。両神山は1mの積雪らしいっスよ。とりあえずビビる。
二子山が見えない
2/25 バス終点坂本で降りて。二子山が見えない。

 終点坂本バス停で下車。前回二子山に来たときは坂本に下りなかったので道はわからない状態だったが、バスを下車したすぐのところに標柱が立っており道はすぐわかった。少し歩いたところで小便をしたりいくらか服を脱いだりして出発。車道はすぐ尽き、あるお宅をぐるりと回るようにして山道が続く。おおむね仁平沢に沿って道は続く。雪は数cm積もっており犬の足跡があった。しばらく作業小屋のようなものがあるがやがてそれもなくなる。そして道が倒木でふさがれたところが現れる。下から回って乗り越す。歩くとけっこう暑く汗をかいたころ車道に出てくる。冬の間は誰も通らず、道の手入れはされないようだ。

 民宿登人という宿がカーブにあり、そのすぐ先に西秩父林道の入り口があった。そこで一本、カッパを脱いだりする。ちょうど水がパイプで噴水状に流れていたり、トイレがあったりした。この西秩父林道は二子山を東からぐるりと巻いて股峠のすぐ裏側を通っている。

二子山登山口
2/25 沢沿いの道を20分ほどで二子山登山口。
沢沿いの登山道
2/25 沢沿いの登山道を登る。積雪は10cm程度だが、雪の下がわからないので滑りやすく不安定な道。昨日の晩から降った雪なので足跡はない。

 西秩父林道に入ってすぐの登山口を出発。初めは樹林帯の中をからんでいくが、送電線への道を分けてすぐ仁平沢沿いの道になる。だいたい沢の右岸に道はあるが、やや頼りない橋などで左岸に渡ったりもする。積雪は10cmほどでその下に枯れ落ち葉があり滑る。また道自体がはっきりしないこともあって迷うこともある。斜面のところどころに雪が自然に玉になって転がった跡がある。沢の中を歩くこともあり枯葉を踏むと水が浮き上がってくる。何にしろ不安定な道でときどき雪の斜面に触れて登らなければならなかった。最後に沢から離れるところで道に迷い、ちょっと帰ろうかとも思ったが、上にピンク色のテープが見え登る。ローソク岩への道を分けて股峠着。

股峠到着
2/25 二子山西峰と東峰との鞍部である股峠到着。「ゴミと命は持ち帰ろう」の看板を見てピークをとるのはやめておく。どっちも岩峰であり、単独で落っこって死んだら恥ずかしいので。
西峰への道
2/25 西峰への道。秋に赤岩尾根から縦走したときはここに下ってきた。

 一本とる。ここまで足跡がなかったが、裏側の西秩父林道からローソク岩へ向かう足跡があった。西岳と東岳があるがここまで意外と苦戦したこともあり登るのはやめておく。どちらにも足跡はなかった。北側の西秩父林道からまわり、適当なところで国境稜線に登って父不見山への縦走にしようと考えた。風はなく気温もそんなに低くない。おにぎり一個食べて出発。

 この北側の斜面に出ると、積雪は一気に増えた。足跡をたどるが途中踏み外してひざまで潜る。西秩父林道に出ても積雪はむこうずねくらいまであり、歩きにくい。とりあえず父不見山方面に歩いてみる。しかし、200mほどの切通しで雪はひざに達し行くかどうかの選択を迫られる。この時点で縦走は諦め、林道を歩いていった先の長沢に下るか坂本に戻るかを考える。坂本には前回赤岩尾根から縦走したとき車に乗せてもらったので通ったことがあり坂本に戻ることにした。登山道は下りにとると滑落する可能性があるため、車道を坂本バス停まで引き返す。

西秩父林道
2/25 予定は父不見山までの縦走なので県境東面を巻いていく西秩父林道を300mくらい歩いてみる。山の北側とあって雪の深さはヒザに達した。直感で無理と判断し、引き返すことにする。
ガス
2/25 登山道は滑り落ちそうで下れないので西秩父林道を坂本まで下る。ガスがひどく結局二子山を見ることもなかった。

 しかし、この車道も積雪が多く難儀する。尾根のどのあたりかで積雪も変わり、まったくないところもあればひざまでのところもある。足跡をつなぎながら歩いていくと鹿の足跡があったりウサギの足跡があったりした。小さななだれになったところもあり、足跡もその上を越えていた。ところでこの足跡、片道分しかないように見えたのだが、帰りはどうしたのだろうか。ローソク岩にに登っている間に積もったのだろうか。やがて稜線をトンネルで抜ける。このトンネルを抜けて河原沢川側に来ると雪の量は一気に減り、雪に覆われたところも半分ほどになる。スギ林があり花をつけているのが見えたので、山から車道に転がってきた岩を投げつける。CMで見るように黄色い花粉がもわっと出てくることを期待したが、何も出てこなかった。まだ熟してないらしい。車道を登山靴で下ると足の裏が痛い。

 山はガスで視界がきかず送電線の位置などで現在位置を確認する。車が走った跡はない。やがて登山口に戻ってきた。一本とり、持っていた水を山の水に詰め替える。仁平沢から登山道に戻るか車道を歩くか迷うが、やっぱり大事をとって車道を下る。ときどき埼玉から群馬へ大型トラックが走っていく。

スギ花粉
2/25 スギが花をつけていた。よくCMで見るように振ったら黄色い花粉が出てくるか試したがまだ熟していないようで何も出てこなかった。今年のスギ花粉はすごいらしいですね。私は花粉症じゃないのでよく知りませんが。
登山口のトイレ
2/25 登山口のトイレ。最近はやりの微生物分解トイレらしいですよ。ここに水もあった。

 坂本に戻るとバスは1時間後だった。1日5本しかない路線としては待ち時間の少ないほうだ。とはいえ乗ってきたバスの次の便。私はバスを降りてから3時間半で戻ってきたことになり何しにいったんだかよくわからない。引き返したことは後悔していないが、前日のうちに行かないよう決められなかったかと思った。とはいえやはり「行ってみなければわからない」もの。バスを待つ間寒かったので、ガスの残り少ないガス缶を焚いて暖をとった。

 あとはのんびり眠りながらバスと電車を乗り継いで家に帰った。家に着いたのは20:40ごろ。歩くのより電車で移動するのがメインのような山行になってしまった。計画どおり行かなくとも西岳から国境稜線に沿って懸垂下降ができるかどうか調べたかったがそれもかなわなかった。残念。

(2005年2月26日記す)


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