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2021年夏 - 奥多摩・成木五丁目採石場付近都県境


2021年6月12日(土)
場所
東京都青梅市、埼玉県飯能市
ルート
二本竹林道終点…345m峰…都県境尾根…左俣220m…二俣中間尾根250m…右俣230m…349m標高点…349m標高点南の鞍部…右俣…廃車のある二俣…左俣…345m峰…二本竹林道終点
参加者
中山(単独)
参考文献

はじめに

 緊急事態宣言とはいえ、家にいると太っちゃうし、健康維持のための運動は除外されているから近所でウロウロできるところがないか普段から探している。「不要不急の都道府県間の移動は、極力控えること」も要請されていることから1つ思い出した。成木尾根のうち、成木五丁目の採石場付近は厳密に県境をたどれていないのであった。

成木五丁目採石場付近の地図

2006年春 - 奥多摩・成木尾根より成木五丁目採石場付近の地図


 地図で都県境をたどると雲取山から安楽寺までほぼ尾根沿いなのだが、この成木五丁目の採石場付近は尾根を外れ、北の直竹川側に東京都が張り出している。今昔マップon the webを見ると、昭和21年9月30日発行の1/50,000秩父では県境は尾根沿いなのに、昭和52年12月28日発行の1/50,000秩父では県境は直竹川側に変わっている。人為的に都県境を変更したように思うが、図書館で青梅市史下巻の成木村合併以降の項をめくっても見つけられなかった。

 オンラインで調べてみると、私以上に都県境をたどろうと努力している人もいるし、看板もあるようだ。自転車でアプローチできる距離だし、県境越えても人には会わないだろうし、ちょうどいいやと思って歩いてみることにした。

日帰り

2021年6月12日(土) くもり

二本竹林道終点…340m峰…都県境尾根…左俣220m…二俣中間尾根250m…右俣230m…349m標高点…349m標高点南の鞍部…右俣…廃車のある二俣…左俣…340m峰…二本竹林道終点

コースタイム
二本竹林道終点11:57
都県境尾根下り口325m12:08
左俣220mに降り立つ12:25
二俣中間尾根250mまたぐ12:33
右俣230mに降り立つ12:40
349m標高点12:56
349m標高点南の鞍部13:00
右俣270m付近13:05
廃車のある二俣13:13
都県境尾根下り口325m13:29
二本竹林道終点13:34

 主要地方道第44号、一般都道第194号経由で成木二丁目西交差点に向かう。二本竹川沿いの道に入り、なんか黒くてでっかい犬みたいなのが道にいてビビる。よく見るとカモシカだった。カモシカはチラチラとこっちを見ながらやがて二本竹川の方に去っていった。青梅市は自然が豊かだなあと再認識させられた。

カモシカ
6/12 二本竹川沿いの道に入ったらカモシカが歩いていた。
二本竹林道終点
6/12 二本竹林道終点に自転車を置く。

 林道入り口から砂利道で、途中から自転車を引いて歩き、転回場のある二本竹林道終点についた。自転車を置き、山に入る。

成木尾根分岐
6/12 成木尾根分岐。Mouseoverで方向表示。
二本竹川沿いの仕事道
6/12 二本竹川沿いの仕事道が消える。適当に登る。

 幸い、仕事道が沢沿いに続いており、歩くのは困らない。ただクモの巣が多い。沢沿いに登っていくとまっすぐ沢沿いの道と右手に成木尾根に上がれそうな踏み跡に分かれる。沢沿いの道の方が古くて歩かれているように見えたのでそっちを登る。途中で道がなくなり、倒木をまたいで適当に登り、二本竹川と成木川の分水嶺に出る。

340mピーク分岐
6/12 340mピーク分岐で誤って間野集落へ下りそうになる。
都県境尾根下り口325m
6/12 都県境尾根下り口325mに到着。見た目はヤブっぽい。

 北の県境に向かうが道に迷い、村尾組の看板から間野の沢の左俣に入りそうになる。YAMAPを見て間違いに気づき、引き返す。里山でこそGPSは威力を発揮すると感じる。都県境尾根下り口325mには小さな看板がぶら下がっており、都県境尾根を示している。前はこんな看板がなかったが、都県境を歩く人気が高まっているのだろうか。

都県境尾根下り口325m
6/12 都県境尾根下り口325mには看板がぶら下がっていた。
都県境尾根末端
6/12 都県境尾根は末端に近づくと急になり、沢に至る。

 都県境尾根ははじめはなだらかで歩きやすい。ピンクや黄色、水色のテープが木に巻きつけられており、都県境を示しているのか、林班境を示しているのか分からなかったが、それなりに目立つ尾根のようだ。小ピークを越えると地形図の等高線が詰まっている通り、急になる。木につかまりながら下ると左俣220mに降り立つ。

左俣仕事道
6/12 左俣仕事道に上がるとピンクテープに都県境の文字がある。奥のピンクテープは歩いてきた都県境尾根。
中間尾根の杉林
6/12 左俣の仕事道と中間尾根の杉林。登高意欲のそそられないヤブ。Mouseoverで歩いた箇所表示。

 都県境は正面の尾根を横断している。左俣の左岸をちょっと登ったところに左俣沿いの仕事道がある。ピンクテープに都県境と書かれたものが杉の木に貼り付けてある。見上げる尾根はけっこう急だし、登りたくないなあと思いながら取り付く。間伐材が横たわり、下草の生える急な斜面を登る。都県境は尾根を直角に横断するのではなく、斜めになっているので、尾根に対してやや左向きに登っていったが、軌跡を見ると私はさらに左に寄っていったようだ。

中間尾根の杉林
6/12 中間尾根の中腹。倒木をまたぎつかみながら登る。
中間尾根
6/12 中間尾根に出たところ。右俣に下る。

 二俣中間尾根250mにたどりつき、今度は右俣に下る。右俣の斜面は左俣の斜面より急に見える。しかも足元がザレ場になっている。沢まで一直線に見通せる場所を見つけ、枝をつかみながらクライムダウンでていねいに下る。

中間尾根から右俣
6/12 中間尾根から右俣へ一直線に見通せる場所を見つけ下る。
中間尾根から右俣
6/12 中間尾根から下ってきたザレ場を右俣仕事道から振り返る。他人におすすめしたくはない。Mouseoverで歩いた箇所表示。

 右俣230mにくだりつくと、今度は349m標高点へ向かう。これも道はない。斜面を適当に登っていく。倒木をまたぎ、ザレているところを登っていると、沢登りの詰めを思い起こさせる。尾根に上がる詰めは沢登りで一番つまらない行程だ。今回はそんなつまらない行程ばかり繰り返している。

右俣から349m標高点
6/12 右俣仕事道から尾根に取り付く。Mouseoverで歩いた方角表示。
右俣から349m標高点
6/12 途中緩やかな尾根に出る。

 ちょっとなだらかな尾根に出たあとまたヤブの中を急に登ると踏み跡のある尾根に出た。踏み跡をたどって349m標高点に着く。プラスチックの杭と独標349mの木の板のある展望のないピークだ。今回の山行の主要なピークだが、あまりにつまらないので休まなかった。もっとも休んだところで水くらいしか持ってきていない。

右俣から349m標高点
6/12 踏み跡に出る。
349m標高点
6/12 349m標高点には看板とプラ杭があった。

 349m標高点南の鞍部へ踏み跡をたどり、鞍部から右俣へ降った。途中、紫の大きなタオルみたいなのが落ちていて、ちょっとビビる。帰ってから記録を読み返すと15年前にもこのタオルが落ちていて私はビビっていた。

二俣の廃車
6/12 二俣の廃車。
カモシカ
6/12 二俣でまたカモシカにあった。

 右俣270mについたらあとは自転車を置いた二本竹林道終点に戻るだけ。途中埼玉県の土砂流出防備保安林の看板があり、ここは東京都だと思うけどなあ、と思う。行政も都県境を厳密に把握していないのか、流域で管理するため埼玉県が管理しているのか、まあ私の都県境の認識が間違っているのかもしれない。右俣沿いに下って二俣に着く。左手に小屋があり、右手に赤い廃車を認めるとガサガサと動物が動く音がする。見るとまたカモシカが現れ、二俣の中間尾根に逃げていった。赤い廃車の道を挟んで反対側にまた小さな看板があり、「安楽寺・成木五丁目方面」と書かれているので道をたどる。左俣沿いの道を歩いていくと先ほど迷った村尾組の看板を見つけ、また都県境尾根下り口325mに向かう。二本竹川側の杉の木にテープがベタ打ちされ、下草がないところがあり、ここから下る。クモの巣に難儀しながら下りつくと行きに迷った分かれ道に出た。あとはわずかに歩いて二本竹林道終点に戻ってきた。

おわりに

 あんまり再訪する気もなかった都県境だが、緊急事態宣言をきっかけにたどることができてよかった。人には出会わず、カモシカ2頭にしか会わなかった。ただ、登山としてはかなりつまらないので二度といくことはないだろう。

(2021年6月12日記す)


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