山ノ中ニ有リ山行記録一覧2021年山行一覧>奥多摩・棒ノ折山

2021年夏 - 奥多摩・棒ノ折山


2021年6月3日(木)
場所
東京都青梅市、西多摩郡奥多摩町、埼玉県飯能市
ルート
林道常磐線終点…黒山…棒ノ折山…黒山…馬乗馬場…林道常磐線終点
参加者
中山(単独)
参考文献
YAMAP高水山・岩茸石山・惣岳山

はじめに

 今年も緊急事態宣言が長く、不要不急の外出を控えるようお達しが出ている。会社の携帯電話を持たされていることもあり、健康維持のための運動にしても電波の通じる場所にしか行けない。山は近くの低山に控え、家から自転車であちこちウロウロしている。奥多摩駅に行ったり、多摩湖に行ったり、多摩川や残堀川をたどったり。

 ここのところ武蔵村山市を自転車で走っていると雨に降られるので今度は地図で西の方を眺めた。成木川をたどってみて、ふと棒ノ折山なら自転車で行けるのではないかと気づいた。成木川の奥深いところまで常磐林道が通じており、そこに自転車を置けば歩いて往復2時間くらいだろうか。また平日の方が会社の携帯電話がかかってこないことに気づき、休みをとった木曜日に山に行くことにした。

 棒ノ折山は東京都と埼玉県の境にある標高969mの山。県境の尾根だけでなく、奥多摩側の大丹波川、名栗側の有間ダムから登山道が通じている初心者向けの山。ヤマノススメ5巻34合目でも初心者を連れて登る山として紹介されている。

 県境縦走のついでで2003年に日向沢ノ峰から棒ノ折山、2004年に棒ノ折山から水口峠に縦走している。ほかに大丹波川から有間ダムへ抜けた2011年の千葉高山岳部OB会での山行で登っている。だからたぶん4回目だと思う。

日帰り

2021年6月3日(木) くもり

林道常磐線終点…黒山…棒ノ折山…黒山…馬乗馬場…林道常磐線終点

コースタイム
林道常磐線終点12:03
12:11
黒山12:26
権次入峠12:41
棒ノ折山12:49
13:04
黒山13:20
林道常磐線分岐13:33
林道常磐線終点13:40

 先週やや寝不足で多摩湖へサイクリングに行った結果、夕方に少し寝てしまい夜眠れず、月曜日の日中が眠くて辛かったため、今回はたっぷり寝てから出発することにした。9時過ぎに起きて登山の支度をして10:20に家を出発した。

 新吹上トンネル、滝成トンネル経由で上成木バス停に着き、一般都道上成木川井線(第202号)に沿って登る。だいぶ坂がキツくなってきて自転車は1速で登っていたが、いよいよキツくて岩茸石山に登る道を分け林道常盤線に入るところから自転車を引いて歩いた。自転車ヒルクライムのコースになっているらしく、ゴールまで3.0kmといった看板があり、自転車引いて1時間近く歩くのかとうんざりする。自転車で下ってくる人がいて下りは気持ちよさそうだ。

 なんだかんだで林道常磐線終点に着き、自転車を停めて休む。家から1時間40分、うち林道常盤線は全線歩きで40分。入山前に疲れてしまった。

林道常磐線終点
6/3 林道常磐線終点に到着。アプローチが核心部だった気がする。
成木川源頭
6/3 成木川源頭で水汲み。
成木川
6/3 成木川に沿って登る。自転車の左側に仕事道があった。
成木川の仕事道
6/3 アオキさんの林のようだ。仕事道はその奥に続く。

 成木川はチョロチョロの流れになっていた。下流寄りの焚き火跡を避けて水を汲んで休む。25,000分の1地形図によればこのまま車道を歩いて都県境尾根に到達する道と大丹波川との分水嶺に出る登山道の2つがある。だが、私はせっかくだから成木川を最後まで追いかけようと思い、谷沿いに歩くことにした。黒山に登る斜面は等高線がさほど詰まっていないので登れるだろう。

成木川二俣
6/3 成木川の二俣に出る。右へ進む。
成木川右俣
6/3 成木川右俣に入り水が涸れて急な斜面になる。
フタリシズカ
6/3 足元にはフタリシズカ。
黒山
6/3 黒山に近づくと急になりヤブが出てくる。

 幸い林道終点から仕事道が伸びている。右と左に枝沢を分けると二俣になる。右が黒山への最短ルートなので右へ行く。水が涸れてから急な杉林になりヤブを避けながら斜面を登る。クモの巣が多いが、足元を見るとフタリシズカが咲いていた。登るにつれ斜面は急になり、手で木の枝を掴みながら登るとピッタリ黒山山頂についた。

黒山
6/3 黒山山頂。
黒山
6/3 黒山と権次入峠間の鞍部。

 看板を見て棒ノ折山への道を確かめ下る。少し下って急に登って権次入峠。棒ノ折山への登りは元のルートが植生回復のため立ち入り禁止となっており、木の根が張った南側の道を歩くようになっていた。平日にもかかわらず登山者はちらほら見かけ、すでに仕事を引退したように見える人が多い。

権次入峠
6/3 ベンチのある権次入峠。
棒ノ折山
6/3 あずまやのある棒ノ折山。

 北側の展望の開けた棒ノ折山に到着する。何人か抜いたこともあり、山頂には誰もいない。テーブルとベンチもあるので前日買っておいたおにぎりの弁当を開けて食べる。やや乾いたおにぎりだったので水をよく飲んだ。弁当を食べ終わるころ、権次入峠から人も来たのでベンチを開ける。展望は近くの山しか見えないようだった。

棒ノ折山
6/3 棒ノ折山は北側が開けている。
黒山
6/3 黒山から小沢峠へ向かう県境尾根には岩もある。

 来た道を黒山まで戻る。黒山からは小沢峠方面の都県境尾根を下る。植林帯かと思ったらアセビの生えた岩場があったりして不思議な地形だ。馬乗馬場という平坦地を過ぎ、林道常盤線分岐に出る。車が通れそうな幅があり、昔はここまでが林道だったのかもしれない。ダラダラと下ると自転車を置いた林道常磐線終点に出た。

林道常盤線分岐
6/3 林道常盤線分岐で都県境尾根から分かれて林道常盤線へ向かう。
林道常磐線終点
6/3 林道常磐線終点に戻ってきた。

 自転車にまたがり地面を蹴ると漕がなくてもどんどん加速する。曲線が怖くてブレーキをかけながら下った。あれだけ時間をかけて歩いた林道だが、下りはものの5分くらいで過ぎてしまった。

 帰りは松の木トンネル経由で北小曾木川沿いの193号を下り、吹上トンネルを抜けて家に帰った。

おわりに

 登山口まで自転車1時間40分、うち歩きが40分、登山が1時間30分と登山口までの方が時間のかかる山行になってしまった。ただ、地図で見える範囲に自分の足で行けるというのは未知の世界が自分の近所の続きになるようで面白い。また地図を眺めて自転車だか登山だかよくわからない山行に行こうと思う。

(2021年6月3日記す)


山ノ中ニ有リ山行記録一覧2021年山行一覧>奥多摩・棒ノ折山

inserted by FC2 system