山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2016年山行一覧>北アルプス・前穂高岳北尾根4峰[1/2]
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冬に前穂高岳北尾根を計画しており、10月の偵察に続き、11月も偵察を行うことにした。涸沢から5・6のコル経由で前穂高岳北尾根に取り付くことにした。
0日目 |
2016年11月2日(水) |
立川=沢渡石見平(泊)
21時に立川に集合し、Kさんの車に乗って中央道を西へ向かう。松本ICで降り、沢渡石見平の駐車場に車を停める。屋根があったのでテントを張って就寝する。
1日目 |
2016年11月3日(木・祝) くもりのち雪 |
沢渡石見平=上高地…徳沢…パノラマ新道…涸沢(泊)
上高地バスターミナル | 7:40 |
8:08 | |
明神 | 8:45 |
9:01 | |
新村橋 | 9:49 |
10:00 | |
奥又白沢第3号谷止上1715m | 10:27 |
慶應尾根1780mコル | 10:43 |
10:48 | |
奥又白沢第3号谷止上1715m | 11:01 |
11:15 | |
奥又白池分岐 | 11:37 |
11:48 | |
2150m慶応尾根乗越 | 12:42 |
13:01 | |
屏風のコル | 14:10 |
14:20 | |
涸沢 | 16:00 |
20:00就寝 |
夜はトイレや自動販売機による人、車両の通行音やタクシーの無線でうるさかった。朝、起きると沢渡石見平には雨が降っていた。7:16発のバスに乗って上高地に向かう。バスには10人くらいしか乗っていなかった。
終点上高地でバスを降りると雪が降っていた。寒いのでカッパを着る。新村橋へ向かう。天気は晴れたり雪が降ったりと変わりやすい。明神で休んでいると雪が降ってくるので軒下で休む。しかし、カッパを着て歩くと暑いくらいだ。体温調整が難しいが、濡れないだけマシか。歩いている人も少しいた。
新村橋から前穂高岳を眺めてもガスに包まれ様子がわからない。新村橋には動物のフンがところどころに落ちていた。新村橋を渡ってから休む。治山林道をしばらく歩き、途中ストック代わりの枯れ枝を手に入れる。やがて治山林道から離れ、奥又白沢沿いのパノラマ新道に入る。奥又白沢第3号谷止の上でザックを下ろし、慶應尾根1780mコルに偵察しに行く。
11/3 新村橋から前穂方面を見る。今回も雲に隠れている。 |
11/3 奥又白沢第3号谷止の上から慶應尾根1780mコルを偵察に行く。 |
奥又白沢の枝沢らしい沢を渡り、ヤブをしばらく登ると白い花崗岩のザレがある。これを直登すると松の木の林に出る。コルは平らで雪が積もれば幕営もできそうだ。その感想を話すと、Kさんは1日目はもっと進んでいたいなと漏らした。
11/3 慶応尾根1780mコルへは白いザレを登る。 |
11/3 慶応尾根1780mコルには松の木が生い茂っている。 |
奥又白沢第3号谷止に戻り、休む。さすがに11月に入りパノラマ新道を歩く人はいないですね、と話したら登ってくる人がいた。外国人2人で、後で奥又白池分岐で聞くとアメリカ人とオーストラリア人だそうだ。彼らは奥又白池へ向かっていた。前穂東壁だろうかとKさんと話す。
奥又白池分岐で10月よりも水量の少ない沢の水を汲む。寒いので私もポリタンではなくテルモスを持ってきた方がよかったと後悔する。パノラマ新道はもともと岩がゴロゴロしていて歩きにくい道だが、雪が5cmほど積もってさらに歩きにくい。雪も降り続ける。2150m慶応尾根乗越で休みがてら慶應尾根を少し登ってみる。ヤブはあるが登れる。
11/3 標高2150m付近で慶応尾根を乗越す。 |
11/3 パノラマ新道は雪が積もって白い筋になっていた。 |
慶應尾根1780mコルからはガスはなく、屏風のコルまで見通しが取れる。道沿いには雪が積もって白い筋として見えるが遠い。ジグザグの箇所は足元だけを見ていると道が見えない。眠くてフラフラしながら登る。1時間10分で屏風のコルに到着する。稜線上で休もうとしたら一陣の風が吹いてきて身動きが取れない。やや戻って休む。寒いので服を2枚着た。東の空を見ると松本の方は雲がなく晴れているのがうらめしい。
11/3 屏風のコルに着く。風が強いので服を着た。 |
11/3 屏風のコル付近から見る北尾根8峰と慶應尾根2460m峰。 |
しばらく稜線を歩く。正面の8峰は大きく、左に伸びる慶應尾根も長い。稜線から外れて涸沢へのトラバース道に入ると積雪はずっと増える。ふきだまりとなっているようで、場所によりヒザくらいの深さになる。岩場もあり、雪の下の足場を探しながら歩く。Kさんがアイゼンを履いているのを見て私も履く。ストック代わりの枯れ枝も途中に置いてきた。ところどころバックステップも踏みながらなんとかトラバースを続ける。
11/3 パノラマ新道には雪が積もり、バックステップで歩く箇所もあった。 |
11/3 小屋じまいを始めた涸沢ヒュッテが見えた。 |
夏道なら1時間10分のところ、1時間40分かかって涸沢についた。涸沢ヒュッテは営業しているが、小屋じまいの準備を行っていた。中央にある売店は撤去され、新館とトイレの間の外階段は柱と屋根が設置され地下要塞のようになっていた。1人1000円のテント泊料を払う。
11月とあって張ってあるテントは少なく5張りほどであった。テントに入って落ち着くと何度も足がつってつらかった。疲れたし、ストレッチもしなかったからだろう。睡眠不足だし、入山初日はつらいものだ。幸い、風も弱く、ときどき思いついたように風が雪を吹き上げてテントをたたいていた。