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2日目 |
2015年8月2日(日) 晴れのちくもり一時雨 |
大門沢小屋…大門沢下降点…広河内岳…池ノ沢池(泊)
大門沢小屋 | 3:08起床 |
4:38 | |
2000m付近 | 5:39 |
5:56 | |
2300m付近 | 6:46 |
6:58 | |
2650m付近 | 7:46 |
8:07 | |
大門沢下降点 | 8:40 |
広河内岳 | 9:11 |
9:58 | |
池ノ沢分岐 | 10:05 |
2510m付近 | 10:52 |
11:05 | |
池ノ沢池 | 11:38 |
19:20就寝 |
今日は広河内岳を越える。標高差1200mの急な登りだ。小屋から大門沢左岸の道を歩く。2つほど枝沢を渡り、大門沢の中にある尾根に移る。水がなくなるところで汲もうと思っていたが、特に看板などはなく、尾根に移ってからザックを置き、少し下って汲みに行った。テントを張っている人が1人いて、そのテントの横を通った。
8/2 枝沢を巻きながら登る。 |
8/2 右手に大門沢のガレ場を見ながら登る。 |
振り返ると富士山が見えたが、日が出てからは暑い。樹林帯の急な道を登る。途中喉が渇いてバテ気味になり樹林帯で1回休む。一口で1リットル近く飲んだ。肩の荷物が重く歩みは遅い。池ノ沢池の写真を撮るため、はじめ一眼レフを持って行こうかどうか悩んだが、コンパクトデジタルカメラにしてよかったと思う。2650m付近の小尾根に巻かれたところでまた休んだ。登る人は少ないのか、2650m付近で休んでいると人が次々下りてきた。
8/2 大門沢下降点への急登にはハシゴもあった。 |
8/2 2650m付近の少し広いところで休む。日差しが暑い。 |
大門沢下降点まで登ると登り客2人に追いつかれた。大門沢下降点は広い尾根で、なるほど峠やコルといった感じではない。「下降点」なんて変な地名と思ったが納得する。アングル材で作った三脚に鐘が付いていたので、鳴らすと思いの外大きな音が出る。大門沢下降点では休まずに広河内岳に向かう。
8/2 鐘のある大門沢下降点に着く。 |
8/2 広河内岳へ縦走する。 |
ハイマツの中の道は思ったより明瞭で晴れていれば迷うことはない。途中の小山に登ると塩見岳が見えた。暑い日差しの中、やっと広河内岳に着いた。今日の登りはこれでおしまい。でも目の下にある大井川の流れまでまた下ると思うと、南アルプスの山の大きさに呆れて疲れる。景色はよく、塩見岳から荒川三山、その先はよく分からない山が見え、西には中央アルプスと恵那山、槍穂連峰と乗鞍岳が見えた。休んでいると農鳥岳方向から水も持っていない完全に空身の人がやってきて、笹山の方向へ向かっていった。トレイルランの客だろうか。笹山から奈良田にできた登山道に下るのだろうかと話す。
8/2 広河内岳から黒河内岳(笹山)方面へ下る。 |
8/2 稜線を少し下ると池ノ沢分岐。手前の岩に黄色いペンキで「イケノサワ」と、かすれた文字で書かれている。 |
池ノ沢へ下る。しばらく黒河内岳(笹山)方面へ下り、途中から稜線の道と分かれる。黄色いペンキで「イケノサワ」と書いてあるが、見落としやすそうだ。山頂からはうっすらとこの分岐付近の道は見え、歩いてみるとときどき黄色いペンキが付いている。はじめはちょっとガレているくらいの斜めに下る道だが、途中からガレで道が不詳になる。しかたないので足首くらいの深さのハイマツに入って歩く。池ノ沢の谷を見ると、沢のガレ場に踏み跡が見えるので、位置を把握しておく。谷に下り着いてからガレ場の道を歩き、やがて背丈を越えるハイマツ帯に突っ込む。足元は道があるので、藪漕ぎというほどではないが、いい気持ちはしない。ハイマツ帯を抜けるとダケカンバの生える草地を歩き、その末端で一休み。広河内岳側から枝沢が入ってきて2510m付近だろうか。
8/2 池ノ沢へ下る道はよく分からない。 |
8/2 池ノ沢を俯瞰する。谷に下り着けば藪はなさそう。 |
8/2 道が見つからずハイマツの中を歩く。でもせいぜい膝の高さ。 |
8/2 ガレ場の中の踏み跡。 |
8/2 ガレ場の末端でハイマツ帯に入る。でもすぐ抜けられる。 |
8/2 ダケカンバの森を下る。そこで一休み。 |
休んだ箇所からまたハイマツ帯に突っ込む。ハイマツ帯を出ると左岸に水が染み出ている。その下で池ノ沢の本流がどうどうと流れていた。水は冷たくておいしい。急に始まる沢でちょっと不思議だ。沢登りしているとだいたい水が涸れたり水が出てきたりを3回くらい繰り返してやっと水涸れなのに。水が出てきてからは左岸に踏み跡があり、それをたどる。沢が平らになってきたらそこが池ノ沢池であった。
8/2 休んだところからしばらく下ると水が出てきた。 |
8/2 水が出てからは左岸沿いの踏み跡を下る。 |
8/2 沢が広くなって伏流してくると池ノ沢池。 |
8/2 池ノ沢池に幕営する。手前は単独行氏。奥は私たちのテント。 |
池の左岸に枝沢が流れ込んでおり、水は澄んでおり、周りの森が水面に映って美しい。静かで「森閑」という言葉が頭に浮かんできた。水は冷たく足をつけてもすぐに出てしまう。魚は見えない。ここだけ谷がすぼまって池となっており生成原因がよく分からない。土砂崩れで谷がせき止められたのだろうか。それにしては立派な森が広がっている。不思議な池だ。
予定はさらに下って池ノ沢小屋であったが、山越えで疲れており、明日は割に標高差の少ない行程のため池ノ沢池で幕営することにする。池の上流側が少し広くなっているのでそこに張った。薪を集めて焚き火をしていたら、下流から単独行の人がやってきて驚く。単独行氏は私たちのテントから少し離れたところに幕営していた。話を聞くと笊ヶ岳を越えて聖岳に登り、二軒小屋から登ってきて今日で4泊目とか。えらく長距離かつ標高差の多い行程を選ぶ人だ。日が暮れるまで酒を飲んで就寝した。