山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2015年山行一覧>南アルプス・大井川東俣[4/4]
4日目 |
2015年8月4日(火) 晴れのちくもり雨 |
三国沢・農鳥沢二俣…2813m峰…間ノ岳…2813m峰…農鳥岳…大門沢下降点…大門沢小屋(泊)
三国沢・農鳥沢二俣 | 3:03起床 |
4:48 | |
農鳥沢2570m水涸れ | 5:21 |
5:36 | |
トラバース道 | 6:04 |
2813m峰 | 6:20 |
6:47 | |
間ノ岳 | 7:48 |
8:11 | |
2813m峰 | 8:36 |
8:49 | |
農鳥小屋 | 9:00 |
西農鳥岳 | 9:48 |
10:07 | |
農鳥岳 | 10:36 |
10:54 | |
大門沢下降点 | 11:21 |
2650m付近 | 11:38 |
11:53 | |
2185m付近 | 12:35 |
12:57 | |
大門沢小屋 | 13:29 |
19:45就寝 |
今日は長丁場。3時に起きて5時前に出発する。農鳥沢を選んで登る。三国沢と農鳥沢のどちらが本流だか知らないが、ここまでくると大井川も小川である。滝のない河原を登って行くと谷が左に曲がるところでぱったりと水が涸れた。あまりに急に水がなくなるので谷を誤ったかと思うが、周りの稜線を見るとそう間違っているようにも見えないので水を汲んで先を進むことにする。水涸れからはダケカンバとハイマツのヤブなので入るのに躊躇するが、入ってみると谷の足元はヤブがなく、藪漕ぎというほどのこともない。
8/4 農鳥沢を登る。 |
8/4 1時間足らずで早くも水涸れ。水を汲む。 |
8/4 谷の地形からすると正面を登ることになるのだが、ヤブがあってちゅうちょする。 |
8/4 ヤブは意外とすぐに抜けられた。 |
ヤブを抜けるとモレーンの末端みたいなところに出た。正面は開けていて岩ガレが広がっている。カール地形なのだろうか。正面には高い山が見えるが、間ノ岳はもっと先だろう。三国平と農鳥小屋を結ぶトラバース道まで谷を登る。ガスっていたら道のペンキを見逃すような広い谷を登る。トラバース道が谷を横断するところで黄色ペンキを見つけ、そこから稜線の2813m峰に登る。急な登りのあと、稜線に出ると朝日がまぶしい。その先には2日ぶりに富士山が見えた。
8/4 カールみたいな岩ガレの谷を歩いて行くと、2813m峰と三国平を結ぶトラバース道に出る。 |
8/4 2813m峰に出てからザックを置き、間ノ岳を往復する。 |
2813m峰でザックを置き、間ノ岳を往復する。間ノ岳は高校1年生の時に北岳山荘から往復して以来だから17年ぶり2回目だ。その時はガスっていたから今回みたいな晴れの日に登れるのはうれしい。歩き始めて息苦しいのに気づく。もう3000m近い稜線である。一応カッパを着ていったが暑くてすぐ脱いだ。間ノ岳から下ってくる人が多い。朝北岳山荘を出て白根三山を縦走するのだろう。全体的になだらかな登りだが、空身でもつらい。ひとしきり急な登りを行くと平らかな間ノ岳山頂に着いた。山頂は縦走客で混んでいた。一番高い三角点のところにある看板は記念撮影で混んでいたので少し下の塩見岳寄りの看板で記念撮影した。南側に目をやると山梨側から静岡側へヘリが2往復ぐらいしていた。夜のラジオで人が遭難していたと伝えていたが、どこの山だったか思い出せない。山梨側から雲がせり上がっており、今日も昼過ぎには天気が崩れそうだ。
8/4 広い間ノ岳山頂。17年ぶり2回目。晴れている間ノ岳は初めて。 |
8/4 間ノ岳から見た北岳。立派な形だ。 |
間ノ岳を辞して下る。私は自分のザックの中身を2813m峰においてアタック用のザックとして持ってきているので、先に走って下ってパッキングし直した。走っているときに土踏まずのあたりをすって靴擦れの原因を作ってしまった。
8/4 間ノ岳から見る南アルプス南部の山。大井川は見えない。 |
8/4 農鳥小屋を過ぎて西農鳥岳に登る。 |
小屋の主人が有名らしい農鳥小屋を過ぎる。私たちの前のパーティーが主人に何か話していて、主人が「雷注意報が出ている。昨日の雷は子供騙しにもならねえ」と警告していた。西農鳥岳は見た目からずいぶん大きい山でゆっくりと登る。山梨側が切り立っており、静岡側を巻きながら登る。西農鳥岳山頂は狭いので、農鳥岳寄りの鞍部で一休み。
8/4 農鳥小屋のあと急登で西農鳥岳に着く。 |
8/4 農鳥岳にて私。 |
西農鳥岳から農鳥岳へは岩稜帯があり、これも静岡側を巻くように道がついている。静岡側は滝ノ沢の上流にあたり、滝ノ沢を抜けても稜線までかなりのアルバイトを強いられそうだ。農鳥岳に登り返して一本。山梨側に下ったところに小広いところがあり、そこで休む。YさんとHさんにとって農鳥岳は国内3000m峰で唯一登っていない山ということもあり、ひと区切りついた。私は木曽御岳に登っていないし、まだ噴火による登山禁止が続きそうだし、しばらくはお預けである。
農鳥岳からはなだらかな山稜を山梨側から歩く。チングルマやイワギキョウなどの花が咲いていて綺麗だが、あんまり花の名前を知らないのが残念である。思ったより早く大門沢下降点に着いた。ここまで前後していた登山客はここで昼飯を食べたりしてのんびりするようだが、私たちは農鳥岳からそんなに歩いていないこともあり、大門沢へ下る。
8/4 2日前に通った大門沢下降点に戻ってきた。 |
8/4 大門沢小屋に幕営。 |
大門沢下降点からは途中2回休み、大門沢小屋に着いた。小屋の主人は私の顔を覚えてくれていた。テント泊の登録を済ませてテント場に移動する。まだ誰もテントを張っていなかったが、雨が降りそうだったので3日前と同じところに幕営することにした。Hさんが到着したタイミングで雨が強くなり、無事濡れることなくテントに潜り込むことができた。
この夜は山で過ごす最終日とあって、Yさんにビールをおごってもらったりしながら夜を過ごした。
5日目 |
2015年8月5日(水) 晴れ |
大門沢小屋…開運橋…奈良田駐車場
大門沢小屋 | 4:08起床 |
5:37 | |
1460m峠 | 6:18 |
6:32 | |
1030m付近砂防工事現場 | 7:35 |
7:45 | |
奈良田駐車場 | 8:28 |
9:00 |
この日は下るだけ。ゆっくり目に起きて下る。靴擦れが少し痛いのでかばいながら歩く。1460m峠までは他の登山客とも前後したが、その後1時間下って砂防工事の現場に着いたらほとんど人は歩いていなかった。車道に出てからは工事現場に通勤するらしい車が何台も登ってきていた。
奈良田駐車場に着いて、流れている水で体を拭き、着替えて車に乗る。10時から営業という湯島の湯を無理に掃除を早めてもらい、早くに風呂に入った。風呂にはお湯が1/3くらいしかはっていなかったが、洗い場がシャワーの代わりに温泉の流れる樋があるのが情緒があってよかった。道の駅富士川で昼飯を食べて東京へ帰った。
割に天気にも恵まれ、南アルプスでも奥深い箇所を巡ることができてよかった。特に池ノ沢池はこの山行まで知らなかったが、人跡少ない奥地に佇む姿は森閑という言葉がふさわしいと感じた。また、登ったことのない農鳥岳に登ることができてよかった。
沢登りとしてみると、困難な箇所がないため、そんなに辛い思いはしないと思っていたが、白峰南嶺を越えるため、標高差が大きく、体力的に疲れた。裏返せば3年ぶりの2泊以上の山行についていくことができたのは自信になった。
池ノ沢及び大井川は沢タビしか沢道具を持たなかった。ロープや登攀具はよっぽど迷わない限り不要であろう。池ノ沢にはところどころペンキと赤テープがあるが、正確にたどるのは難しい。大井川にはペンキや赤テープの類は見当たらなかった。
(2015年8月6日記す)