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3日目 |
2015年8月3日(月) 晴れのち雨 |
池ノ沢池…池ノ沢小屋…魚止ノ滝…三国沢・農鳥沢二俣(泊)
大門沢小屋 | 4:26起床 |
5:41 | |
2085m付近 | 6:53 |
7:05 | |
池ノ沢小屋 | 7:43 |
8:01 | |
新蛇抜山分岐 | 8:34 |
白根沢出合 | 9:30 |
9:49 | |
滝ノ沢出合 | 10:18 |
魚止ノ滝下 | 10:51 |
11:11 | |
乗越沢出合 | 11:35 |
2310m付近 | 11:57 |
12:17 | |
三国沢・農鳥沢二俣 | 13:00 |
19:40就寝 |
3時ごろ起きるつもりが、起きたら4時過ぎであった。ラーメンを作っていると、隣のテントからお先にと声がかかった。単独行氏は池ノ沢を登り笹山へ向かうと言っていた。
私たちが出発する頃にはだいぶ明るくなった。池は一層青く美しかった。池を右岸から巻いて下る。池からは右岸沿いに道がついており、赤テープを探しながら下る。ところどころ倒木に阻まれる。右手から2箇所ほど枝沢が入っており、急な斜面をトラバースする。2090m付近のガレ場で道が分からなくなり、下って横断地点を探しながら歩く。1時間ほど歩いたところで一休み。お腹がゆるくて何度かキジ打ちに出る。
8/3 池ノ沢池の流出口は倒木で埋まっている。 |
8/3 池ノ沢池からの下りは右岸に道がついているが、倒木があって歩きづらい。 |
8/3 右岸には枝沢が2本ほど入っており、急な斜面のトラバースを強いられる。 |
8/3 2090m付近のガレ場は下から回る。 |
アザミの痛いザレ場を過ぎて右から水が流れているところに出る。地形図では道が2回ほど左岸に渡っているが、分からなかった。そのあとは割に広い谷となり、池ノ沢小屋に出た。池ノ沢小屋は大井川左岸台地にあり、冬登山小屋と書かれた金属板で入れないようになっていた。どうやら夏季は閉鎖しているようだ。でも冬に誰がどこからこんなところに来るんだろうね、と話した。
8/3 平坦になってくると大井川が近い。 |
8/3 池ノ沢小屋は「冬登山小屋」と書かれた金属板で入れないようになっていた。 |
河原で休むが、地形図に載っているような車道はなく、歩き道も見当たらない。洪水で壊されてしまったのだろう。池ノ沢小屋から大井川を遡る。山奥というと険しい谷のイメージがあるが、大井川は広い河原歩きで山奥の感じが薄い。何度か渡り返して新蛇抜山分岐の谷に出る。Yさんが遅れるので少し待ってから話を聞くと、踏み跡をたどっていたら山の方へ引き込まれてしまったとのこと。明確な道はないが、獣道みたいな踏み跡はあるみたいだ。
8/3 大井川の広い河原を歩く。 |
8/3 新蛇抜山分岐の谷を過ぎると河原は狭くなる。 |
新蛇抜山分岐の谷を分けると谷が狭くなる。少し深いところも通るが、膝くらいの深さの渡渉である。谷が狭いといっても河原があるところが多く、河原の上の台地に踏み跡がある場合が多い。水線沿いよりは踏み跡を歩いた方が早い。谷の中はくねくねと曲がっていて枝沢も少なく現在地がどこだかわからない。白根沢と思しき沢の出合で休む。地形図上ではここまで2つか3つの橋があるはずだが、1つも見当たらなかった。すでに流されてしまったのだろう。人跡としては林業で使ったと思われるワイヤーが錆びて台地の上にときどき見られるくらいだ。
8/3 白根沢出合と思しき場所で休む。 |
8/3 滝ノ沢出合には木に「滝」と赤ペンキで書かれておりわかりやすい。 |
白根沢出合の先で左岸に滝のかかる枝沢があったが、地形図を見ると滝ノ沢ではない。その先で滝ノ沢出合に出た。まっすぐ行くと滝ノ沢に引き込まれそうな谷の形と、右岸の古損木に「滝」の文字があるので判別できた。歩いていると左岸に尾根の直下から崩れている箇所がある。地形図を見ると魚止ノ滝の東側に尾根から崩れている箇所があり、これも現在地確認に使える。谷の傾斜が大きくなってくるころ、谷は大きく右に曲がり、その先に魚止ノ滝があった。大井川東俣で唯一の滝である。
8/3 稜線付近から崩れ落ちている箇所。地形図で特定でき、魚止ノ滝が近いのがわかった。 |
8/3 大井川東俣唯一の滝、魚止ノ滝。左から簡単に巻ける。 |
8/3 魚止ノ滝は左の枝沢から巻く。しかし大高巻きにはならない。 |
8/3 魚止ノ滝を過ぎて左岸に造成したような台地がある。 |
魚止ノ滝の下で休む。水量があり、迫力がある。しかし、左側から簡単に巻いていける。魚止ノ滝の上はまた穏やかな河原が続く。左岸にはまるで造成したような2段の台地があり、何かの工事のために作業場や宿舎を設けようとしたのだろうかと思うくらい広かった。その先で熊ノ平小屋に通じる乗越沢を分ける。
乗越沢出合の先は水量も減り、谷も狭くなる。河原歩きも水際を歩くことが多くなる。2310m付近で左岸に枝沢が入っているところで休む。あと1時間もあれば今日の目的地である三国沢・農鳥沢二俣にたどり着くだろう。2310m付近から緩やかに沢は右に曲がり、直線になる。そこで遠くに山が見えた。ギザギザしていてどれが間ノ岳かわからないが、左の方が間ノ岳だろうか。その見通しの良い直線のどん詰まりが三国沢・農鳥沢二俣であった。
三国沢・農鳥沢二俣は広い草地になっているのでテント場を探すが、意外と平坦地がない。草地の間を縫って小さな沢が流れているのでデコボコしている。上流から下りながら探し、左岸の大岩の手前で1張り張れる箇所を見つけそこに幕営した。
8/3 稜線が見えてきた。左のほうが間ノ岳だろうか。 |
8/3 三国沢・農鳥沢二俣に幕営。 |
焚き火の準備をしてHさんが火付けに成功し、鍋も材料を切り終わり、缶ビールを飲み干すころ、ポツポツと雨が降ってきた。はじめは何とか粘って外にいたのだが、大粒の雨が降ってきて諦めてテントに入った。その後、雷がゴロゴロと鳴り落ち着かない。雨は断続的に降り続け、夜寝るころになってやっと雨が上がった。酒を飲みながら今日は沢がよく滑るという話をした。古い沢タビも新しい沢タビも滑るようなので岩が滑りやすいのだろう。