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2005年夏 - 南アルプス・尾白川黄蓮谷(敗退)[2/2]


2005年8月27日(土)、28日(日)
場所
山梨県北杜市(旧北巨摩郡白州町)/南アルプス
ルート
8月26日
新宿21:31=22:18高尾22:26=0:27長坂(泊)
8月27日
長坂駅=(タクシー)=尾白川林道ゲート…尾白川林道終点…尾白川河床…鞍掛沢出合…黄蓮谷出合…千丈の滝…坊主の滝巻き途中(引き返し)…千丈の滝上(泊)
8月28日
千丈の滝上…五合目小屋…横手駒ヶ岳神社=(タクシー)=日野春駅
参加者
栗山(B1)、永谷(M2)
参考文献
関連する山行

南アルプス・尾白川黄蓮谷の地図

2日目

2005年8月28日

千丈の滝上…五合目小屋…横手駒ヶ岳神社=(タクシー)=日野春駅

2日目コースタイム
千丈の滝上3:30起床
5:45
岩のトラバース6:30
6:42
五合目小屋7:10
7:35
刀利天狗8:00
刃渡り下8:23
8:42
横手水場9:45
10:02
横手駒ヶ岳神社10:56
11:40
JR中央本線日野春駅11:55
12:19

 前日の敗退を受けて、この日は廃道をたどり黒戸尾根五合目小屋から黒戸尾根経由で横手駒ヶ岳神社に下る。来た道を戻るのは無理だろうと無意識に判断していたので黒戸尾根に逃げることにした。五合目小屋までの廃道はよく知らないが、冬に黄蓮谷登る人も使うんだろうし、歩けるだろうといくことにする。

 はじめに千丈の滝上まで戻る。滝の上をトラバースし、右岸に取り付く。五丈の沢の方向に歩いていると踏み跡を発見。思っていたよりも「道」であったので安心する。しばらく登って行くと大きな岩が上方に見え、そこが千丈の岩小舎であった。風さえ吹き込まねば快適にビバークできそうだ。

 廃道は途切れることなく続いており、ときどき木にぶら下がって登ったりしながら登っていく。登り始めて45分で険しいところに出る。左の方に登って行くが道が途切れ、振り返ると五丈の沢の方へトラバースする道が見える。ザイルがフィックスされており、それに伝ってトラバースするが、足元は一枚岩に苔の生えた斜面でスタンスがとりづらい。中程までは来られるが、最後はスタンスがないので残置ザイルに頼って下った。栗山にはハーネスを装備させ、確保しながらトラバースさせた。

 そのあとは10分ほど平和な道が続き、五丈の沢の枝沢が見えてきたあたりでそれを上から乗っ越すためにどんどん登っていく。登りの終わりに枝沢の上の白ザレをトラバース。また樹林帯の中へ。そこまで来ると急な登りはなく、山のひだを折り返しながら五合目小屋へ。途中2カ所ほどの水場を見て五合目小屋にたどりついた。廃道は終始、五丈の沢の右岸についていた。

千丈の岩小舎
8/27 千丈の岩小舎。狭いがビバークするには充分そうだ。
五合目小屋に登る道
8/27 五合目小屋に登る道の途中、難しいトラバースがあった。

 五合目小屋で大休止。五合目小屋は閉鎖されており、2年前に住んでいたおっちゃんはいなかった。七丈小屋の方向は雲に覆われていて天気が悪そう。その方向からおじちゃんおばちゃんの声が聞こえてくる。やがてその声は大きくなり、集団は五合目小屋にたどりついた。20人くらいの集団で辟易する。早く出ようと支度するが、栗山が手間取り出発が遅れた。五合目小屋を出発する頃には天気がよくなり甲斐駒ヶ岳が見えた。永谷君が栗山に七丈小屋手前のピークを「甲斐駒ヶ岳」、八合目あたりを「仙丈ガ岳」、甲斐駒ヶ岳を「塩見岳」と教え、「甲斐駒」に登ってこいと言っていた。出発すると集団の後ろにつくことになり、すぐ追い抜かせてもらった。

五合目小屋から見る甲斐駒ヶ岳
8/27 五合目小屋から見る甲斐駒ヶ岳。いっとき晴れた。
黒戸山の巻き
8/27 黒戸山の巻き。

 黒戸尾根は私も永谷君も3回は来ているところなのであとは何の新鮮味も感じずだらだら下るだけである。刀利天狗の下に急なハシゴがあったのだけは2人とも思い出せなかった。

刃渡り
8/27 刃渡り。
横手駒ヶ岳神社
8/27 横手駒ヶ岳神社。バスがなかったのでタクシーを呼んだ。1日4便、朝2本、夕2本。

 下山は横手へ。バスを調べておいたからである。しかし横手駒ヶ岳神社下の公衆便所に人がいたので聞いてみるとこの時間はバスがないことが分かった。調べによると1日6本あるはずだったが、土日は朝2本、夕2本の計4本しか走っていなかった。あきらめて公衆便所のベンチでタクシーを呼ぶ。呼んでいる間着替える。やはり田舎のバスは電話して確認した方がいい。インターネットで調べて満足してしまった。

 着替えているとバスが夕方までないことを教えてくれた方が麦茶を出してくれた。冷たくて実においしかった。タクシーが来るまで栗山と永谷君は犬とたわむれたりして遊んでいた。

 タクシーは20分ほどで来て日野春駅へ向かった。日野春駅では栗山が発着番線を間違え、私もつられて2番線に引き込まれるというトラップを仕掛けてくれた。タクシーの運ちゃんが駅の外から忠告してくれたのでわかったが、危なかった。

おわりに

 黄蓮谷を甲斐駒ヶ岳まで遡行するという当初の目的は達せられず、その理由も事前の調べが足りないことが原因であったが、はじめての南アルプスの沢とあってけっこう楽しめた。もう少し修行を積んで再度挑戦したい沢である。

(2005年9月4日記す)


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