山ノ中ニ有リ山行記録一覧2004年山行一覧>奥多摩・タワ尾根〜酉谷山〜矢岳[2/2]

2004年冬 - 奥多摩・タワ尾根〜酉谷山〜矢岳[2/2]


2004年12月11日(土)、12日(日)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町・埼玉県秩父郡荒川村/奥多摩
ルート
12月11日
JR青梅線奥多摩駅=東日原バス停…一石山神社…金袋山…鈴坂丸…ウトウの頭…滝谷ノ峰…酉谷山…酉谷山避難小屋(泊)
12月12日
酉谷山避難小屋…矢岳…大反山…秩父鉄道武州中川駅=お花畑…西武秩父=西武池袋
参加者
中山(M1, 単独行)

タワ尾根〜酉谷山〜矢岳の地図

矢岳尾根詳細図

2日目

2004年12月12日

酉谷山避難小屋…矢岳…大反山…秩父鉄道武州中川駅=お花畑…西武秩父=西武池袋

2日目コースタイム
酉谷山避難小屋6:15起床
7:10
矢岳分岐7:23
牛首7:38
赤岩ノ頭1448m8:16
8:25
川浦川林道分岐8:30
矢岳8:46
1144m峰9:05
篠戸山1040m9:23
9:31
962m峰
秩父さくら湖分岐
9:41
鉄塔コル9:50
大反山857m9:57
10:00
若御子山730m10:15
防護ネット10:35
10:40
秩父鉄道武州中川駅11:00
11:09発車

 6:15に起きる。ずいぶんと遅く起きた。目覚ましをかけなかったからかもしれない。すでに明るかった。ラーメンを作って食べるが前回の赤岩尾根に続き気持ち悪くなる。胃が小さくなったものだ。小屋だったのですぐ撤収できた。

 酉谷山避難小屋から三ツドッケへ向かって10分と少し。1702mピーク東の最低鞍部の手前で矢岳分岐に着く。看板は小さいもののビニルテープにスズランテープなどがたくさん張られているため注意していれば見過ごすことはない。高校三年生のとき奥多摩駅から雲取山に登ったが、そのときから気になっていた看板である。5年越しでその領域に足を踏み入れることになる。看板は前より小さくなっているように見えた。といっても誰かが交換したわけではなく周りが削れて小さくなったようだった。「…ら矢岳方面、…地形図必携、…時間・道不良」とだけ読めた。稜線へ向かって緑色のテープがぶら下がっているのが続いていた。

矢岳分岐
12/12 翌日、酉谷山避難小屋から水源林道を三ツドッケへ向かって10分と少し。矢岳分岐に至る。
稜線に上がる
12/12 稜線に上がった。いきなり広い笹原の台地でビニルテープもない。ややあせるが直進すると笹の中に道を見つける。

 稜線に上がるところまではビニルテープがあるので簡単である。が、いきなり広い笹原の台地でビニルテープもない。何となく東に向かって窪みになっているので引き込まれそうになる。ややあせるが北へ直進すると笹の中に道を見つける。すぐ尾根もはっきりするが、ビニルテープは少ない。下りきると、牛首というアルミの看板がある。さらに立橋山1568m峰に登り返す。岩が出ており登りやすいが、急登である。1568m峰の北端は岩峰になっており東側を巻く。

 立橋山北の笹頭からは道は険しくなくなる。北の向こうに矢岳らしき山が見え、ほぼ稜線沿いに下っていく。赤岩の頭1448mまではなだらかな斜面を下っていく感じで快適に歩いていける。ところどころ木にテープが巻かれており迷う心配もない。テープはいろどりみどりで赤青黄色に緑がある。そして歩いていると東京ガス1997という緑色のテープが。確かにガス管に巻くテープだがなぜこんなところに。東京電力なら尾瀬に土地を持っているしダムの管理の問題もあるから山に看板があっても不思議はないが、ガスは説明がつかない。なぜだろう。赤岩の頭で一本。

東京ガスのビニルテープ
12/12 東京ガスのビニルテープ。赤青黄緑といろんな色のビニルテープが出てくると思ったら、なんと東京ガスのビニルテープが出てきた。今年のビックリ大賞。cf.)2002年はわたらせ渓谷鉄道の「冷房の限界を越えているから暑いの我慢して下さい」のはり紙、2003年は袈裟丸山小法師尾根の「矢先の注意」の看板。
矢岳が見えてきた
12/12 矢岳が見えてきた。なかなかいい形の山である。

 赤岩の頭は笹に覆われた樹林帯の小さな山頂で展望もなく小さな看板があることでそれとわかるだけである。踏み跡が東側にも伸びており天目山林道の終点につながっていることが予想される。

 赤岩ノ頭から5分ほど歩くと土を掘り返した跡があった。熊さんが冬眠しようと思って掘ったのだろうか?恐怖におののき、「あー」とか「はー」とか奇声をあげながら走る。途中から笛をもっていることに気付き、笛も吹く。すぐ川浦谷林道からの道が合流した。看板には「牛首峠−割谷ノ頭−酉谷小屋方面、注意路なし小屋まで約5時間」と書いてあった。長沢背稜の矢岳分岐から下りで1時間であることを考えてもそんなにかからないと思う。迷ったら別だが。割谷ノ頭とはどこだろう。1702mピークのことだろうか。小川谷源頭の沢にそんな名前の沢があった気がする。

赤岩ノ頭1448m
12/12 笹で覆われた赤岩ノ頭1448m。しかし道は明瞭である。ときどき分岐するが稜線を進めば道はある。
熊の穴?
12/12 赤岩ノ頭から5分ほど歩くと土を掘り返した跡があった。熊さんが冬眠しようと思って掘ったのだろうか?

 やがて登り坂にぶつかって走るのをやめる。どうやら熊さんは近くにいないらしい。矢岳が近づくと岩の間をすり抜けるようなところを通り、やがて矢岳山頂。樹林帯で展望はない。この先「ザイル装備・技術が必要」とあったが、矢岳北面に急な下りはあったものの木の生えた土の斜面であり、ザイルを使うべきところはなかった。注意していなかっただけかもしれないが、矢岳から矢岳西尾根に下る道も見つからなかった。

矢岳山頂から熊倉山っぽい山
12/12 矢岳山頂から熊倉山っぽい山を眺める。樹林帯で展望はない。この先「ザイル装備・技術が必要」とあったが、矢岳北面に急な下りはあったものの木の生えた土の斜面であり、ザイルを使うべきところはなかった。
秩父の町が見えた
12/12 大反山を過ぎて秩父の町が開けて見える。

 矢岳の北面を下り始めると武州中川の町が見えた。奥深いとはいえ町が見えるということは町からも矢岳が見えるのだろう。このあと広葉樹と植林帯の里山みたいな道が続き、取り立てて珍しいものはない。タワ尾根もそうだが、ここも篤志家向きの山である。道ははっきりしており迷うことはない。1144m峰を過ぎるとテントが張れそうな広い尾根になる。デンゴー平というそうだ。

 登って篠戸山1040mに至る。右手の林にピンク色のテープがべた打ちされており迷うがどうやら伐採する木にマークしているだけのようだった。すぐ962mピークにつくが、ここで秩父さくら湖(浦山ダム)に下る道と武州中川に下る道と分かれる。直進すると浦山ダムに下ってしまうので、左へ道をとり大反山へ。間違えないようテープがあった。鉄塔コルを過ぎ、大反山へ登り返すが、大反山854mは樹林帯で暗く、展望もないので通過。大反山を過ぎて急な下りがあり、秩父の町が開けて見える。下から5人パーティーが登ってきていた。

 若御子山に着く。小さな山頂で里の裏山の雰囲気である。山頂から北東の尾根には岩が出ており、つい北西の尾根をとってしまった。すると道はなく、小さな落石をしながら下ることになる。適当なところで無理やりトラバースして正規の道に出た。出たところは中途半端に整備されたあずまやのあるところだった。正しくは北東の稜線沿いにいき、浦山ダム側に下って旧若御子集落を通るらしい。暗い樹林帯に入り、シカ・イノシシのネットを越えて行くと沢沿いに猿が10匹ほどいた。そこはもう家のあるあたりだった。なおここで沢から水が手に入る。

武州中川駅から矢岳
12/12 秩父鉄道武州中川駅から矢岳を望む。形から考えてあれが矢岳だと思うが、確信が持てない。

 道が分かりづらかったがぶらぶらと歩いていくと線路にぶつかる。線路に沿って左手に向かっていくと秩父鉄道武州中川の駅だった。熊倉山が高く、谷の奥の方に矢岳らしき山が見えた。結局、酉谷山避難小屋から武州中川駅まで4時間の意外と短い行程だった。ほとんど待たずに列車に乗ることができた。

(2005年2月27日記す)


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