2003年春 - New Zealand旅行[27/37] - エイベルタズマン海岸トラック[2/3]

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2003年春 - New Zealand旅行[27/37]

エイベルタズマン海岸トラック[2/3]


23日目

2003年3月20日

バークベイBark Bay→トタラヌイTotaranui | Totaranui Camp Site(泊)

○

コースタイム
バークベイ
Bark Bay
6:50起床
8:20
トンガ石切り場
Tonga Quarry
9:15
オネタフチ浜
Onetahuti Beach南端
9:35
オネタフチ浜
Onetahuti Beach北端
9:50
10:30
アワロア小屋
Awaroa Hutの東
12:00
14:30
アワロア小屋
Awaroa Hut
14:55
15:50
トタラヌイ
Totaranui
17:40
21:00就寝

 午前2時起きる。寒くて。フリースを着る。まだ少し寒かった。それでもクイーンズタウンQueens TownやルートバーントラックRouteburn Trackほどではなかった。5時ごろ目がさめる。でもBark Bayは巻き道でいいやと2度寝する。7時近くになって夜も明け、ほかの人も動き出したので起きる。7時半ごろにマラハウMarahau側に向かっていく人がいた。早いなあ。

満潮の置き土産
満潮の置き土産に船が残されていた。Bark Bayの内側の潟湖。
Onetahutiの浜
Onetahutiの浜に着く。

 で8:20ごろに出る。見ると海側はけっこう水が迫ってきているが、内側の干潟のようはまだそんなに流れてきていない。これなら渡れると思い、オレンジ色の丸い標識目指して渡った。朝で寒かったが、幸いヒザ下ですんなり渡れた。そこから道は海側に向かっていかず、山側へ伸びていく。10分ほど登って満潮時の道と合わさる。ずっと登って行き、そのうち下りになると、トンガ石切り場Tonga Quarryに着いた。なんでもここの花崗岩をNelsonやWellingtonへ運んで建築に使ったそうだ。

 少し登ってゆるく下っていくと、オネタフチ・ビーチOnetahuti Beachに着いた。ここは砂の模様もなく、ただただきれいなビーチだ。きれいなので、そこで一本とろうと思ったが、一歩でもすすめておこうと思い、浜の北端で休もうと歩く。途中、おじさんに話しかけられた。「今、満潮だから通れないよ」うんうん、アワロアAwaroaのことでしょ。そう思って聞き流した。

Onetahuti Beach
Onetahuti Beach。ここは小屋もなく、非常にきれいな浜。Trackでも、もっとも砂浜って感じの浜。
徒渉
Onetahuti Beachの北岸は潟湖の流入口になっており、干潮時でないと渡れない。でも渡った。深さは胸まであった。向こうにいるのは渡るか渡るまいか迷っているうちにチャンスを逃してしまった若者。

 が、浜の北端につくと、衝撃の事実が。浜が向こう岸まで続いてないじゃん。そして向こう岸には上半身裸になってタオルで体をふいている人が。海水が浜の内側の潟にどんどん流れ込んでいる。おじさん、そういうことか!向こう岸の人がジェスチャーで深さを教えてくれた。ガーン、胸渡渉かよ。

 ここで足止めを食う予定はない。ここで時間つぶしたら今日中にトタラヌイTotaranuiまで行けなくなってしまう。迷っているひまはない。ということでジャージを脱いでパンツ+シャツ。ウェストポーチはザックの上。渡ろうとしたら向こう岸のおじさんに腰ベルトをつけろとジェスチャーで言われた。カヌーのライフジャケットも腰をきつくしぼるんだっけ。すっかり忘れてました。

 はじめは流れの内側なので浅いが、向こう岸では流れの外側にあたっていて深い。本当に胸まできた。ザックの浮力を感じた。すぐ向こう側の草地に上がる。トラバースして道までたどり着いた。パンツを脱いでしぼる。

 わたしの5分後くらいに来た若者はとりあえず、黒パンツ一丁になった。渡るか渡るまいか迷っているらしい。渡ったわたしにザックが濡れたか聞いてきた。"Yes."というと彼は渡るのをあきらめたらしい。のんびりバカンスをはじめた。が、なんか沖から船がやってくる。なんやなんやと思ったら、そこからわたしのいる北岸に船を寄せて一人の男が渡ってきた。ブルジョワジーな渡り方だ。黒パンにいちゃんもどうやら「乗せてくれよ」といっていたようだが、船は他に予定があるのか、方向転換してまた沖に去っていった。そんなんで乗っけてもらったらザック濡らしたこっちの立場がない。「乗せるな」と、もはや祈りに近いように念じていた自分を悪人だなあと思った。

 ザックの中を確認する。ザック本体はやはり腹くらいまで沈んでいた。テント、袋の下のほうが少し濡れている。中身、3ヵ所ほど計150平方cmほど濡れていた。戸部さんごめんなさい。このとき気づいたが、テントに関してはどちらかというとモトゥエカMotuekaでこぼした油が袋に染み込んでいる方が、まずそうだった。

Onetahuti Beachの北岸
結局、その若者は次の干潮までバカンスを楽しむことにしました。
Awaroa Bayの入り口
Awaroa Bayの口の全景。けっこう複雑な形している。

 そこから道を登っていく。パンツとザックが濡れているので、乾燥していたジャージも濡れ始めた。しかも濡れたパンツで股ずれが起きそうだ。塩水なのでその効果は2倍(推定)。

 アワロアロッジAwaroa Lodgeとの分岐の少し先で湾が見えた。だらだら長い道を下って海辺に来た。が、そこで看板はアワロア小屋Awaroa Hutの方向に海の中を指している。人をバカにしとるのか。それと別に直進する道があったので、そっちを行く。そしたら別荘地の中に出てしまった。今度はトレントベイTorrent Bayと違って、はっきりと道がつくられてないので、探しながら敷地の中を通りながら歩く。幸い別荘地なので、人は少なかった。しかし、あるところで人が庭でイスに座っていたので、ばれて怒られてはかなわんと、手前にあった階段で海に下りる。そこにはわずかに砂浜があり、道を示すオレンジ色の標識をたどって歩く。しかし、湾が複雑な形をしているため、どこで渡るのだろう、と思い歩くのをやめた。湾の入り口付近で渡るのならば湾の内側に向かっていくのは無駄である。実際、目の前に見える海は干潮になれば渡れそうだ。そこが気持ちよかったのもあって、そこで一本とることにした。

 強い日差しのもと、日記を書いたり、パンツを干したり、泳いでみたりして過ごす。さすがにOnetahutiの渡渉をする人は少ないようで2時間半休んで7,8人くらいしか通らなかった。出発してしばらく海岸伝いに行くと陸側にジープの跡があり、オレンジの標識があるのでそっちを行く。アワロア小屋Awaroa Hutが見えるあたりになってまた道はなくなり、潮が引いた干潟を直進して小屋に到着。

 小屋にはけっこうヒマにしている人がたくさんいた。"---stay hut,or---crossing?"と聞かれたので、クロスすると答えた。みんなここで足止めを食っているらしい。行き先表示の看板はまっすぐ干潟の方向を指している。その先には引きつつある潮の流れ、さらに先に向かうべきポンド川Pound Creek。ひまだから小屋を探検。Filtered Water(フィルターで濾された水)を見つける。シャワーを見つけて塩を洗い流す。

Awaroa Bay Hut
Awaroa Bay Hutから徒渉する先を見る。まさに矢印のTotaranuiの方向。
Awaroa Bay徒渉
Awaroa Bayを渡る。目の前を横切る人は駐車場の方へ行く人かな。

 やがて潮が引き、向こう側からも人が渡ってきた。わたしも今日中にトタラヌイTotaranuiに着くためには早く行かねばならない。さっさと出る。干潟の泥の中を歩く。やがて残っている潮の流れを渡る。ここはひざまでジャージをまくって突破。この程度ならもう少し早く出てもよかった。アワロア入り江Awaroa Inletに南側に突き出した半島の付け根を目指す。そこがポンドクリークPound Creekの河口。こっちは休めるようにはなっておらず、微生物に分解させるトイレがあるだけだった。そこからPound Creek沿いに登る。ゆるい傾斜を行くと峠らしきところに出る。最高点があるのかどうがわからないような峠だ。林相の違いでそれとわかる程度。下りつくと海岸。

Totaranui南の浜
Totaranui南の浜。砂浜から岩が頭を出している。
自分の影を撮る
Totaranui南の浜で。自分の影を撮る。こんな長い影なので当然夕方です。テン場へ急げ。

 この海岸は砂浜だが、磯のようにたくさんの岩が砂浜から頭を出している。砂浜から生えてきたように見えるが、たぶん、もともと磯だったところに砂がたまって砂浜になったのだろう。なんだかおもしろい。岩は火山岩だった。たくさん写真を撮る。時刻はもう17時に近く、そんなヒマはないはずだけれど。浜に出てからは人にひとりしか会わなかった。また山の中に入る。ずっといって少し下るとスキナー岬Skinner Pointという岬に出た。ここからトタラヌイTotaranuiの浜がよく見える。トタラヌイTotaranuiの浜は長く、どこに人工物があるのかもわからない。まだまだ時間がっかるのだろうか。

 と思っていたら、わりとあっけなく砂利道に出た。そこには地図が看板に張ってあって「Coast Trackを歩く人間はたくさんあるオートキャンプ場に泊まってはいけません。指定されたInformation Centreの北のCamp Siteに張りなさい」と書いてあった。どれがオートキャンプ場なんだと後ろを見ると、そこにはキャンピングカーの中で本を読む人が。気づかなかった。

 Information Centreの北にテント場を発見。でも誰も張ってない。18時になるのに。ちがうのかな。しかし、テント場の真ん中あたりにある水道にDOC特有の緑と黄色の配色の看板で「Totaranuiの水はどの水も煮沸や薬を入れる必要はありません」とかいてあった。オートキャンプ場なら消毒済みがあたりまえでそんなことを書く必要はない。逆説的に言えば、ここがTrackを歩く人のためのCamp Siteなのだろう。というわけでプライベートテント場になった。堂々と真ん中に張る。わあい。しかもなぜかCamp Passを見に来る人が来なかった。

Skinner Point
Skinner PointからTotanarui Beachを見る。テント場はBeachの真ん中あたり。
Totaranuiのテント場
Totaranuiのテント場。自分1人だった。プライベートテント場。

 メシを作っているとあけっぱなしのテントからラジオが聞こえてきた。ラジオなんか持ってきてない。怪奇現象だ。しばらくテントを覗いて様子を見ると、どこかの大音量ラジオと共振しているのがわかった。あやうく初めての怪奇現象を目にするところだった。

 メシを食い終わってコッヘルを洗うと下痢に襲われた。トイレを探す。水道にトイレは北側という矢印があったので従っていく。ない。道に出てしまう。道の向こうはオートキャンプ場だ。こんなことになるのなら日のあるうちに探しておくんだった。やがて臨界点がきてやぶの中に排便した。まったく、トイレはどこにあるんだ。

 あとは寝るだけになって、散歩する。Information Centreにあった看板でトイレを探す。オートキャンプ場の中だった。オートキャンプ場に張るなといっておいて、トイレはオートキャンプ場の中かよ。いきどおる。赤い月が昇り出していた。その他、このあたりの地図があった。この先、Coast Trackはいったん車道沿いに歩いて、川を橋で渡り、向かうらしい。一方、ハイキングコースとして海岸よりの道もあった。どうやら2つの道は後でいっしょになるようだ。せっかく海岸を歩くので、明日はこっちの海岸よりの道を行こうと思う。このInformation Centreにはごみ箱があった。

 トイレを確認しに行く。トイレにはなんとシャワーまでついていた。いきどおる。明日ごみ箱にごみ捨ててやる。テントに戻るとテントに露がおりていた。はじめ潮風に吹かれて塩がついたかと思ったが、なめてみると塩辛くない。ただの露だった。単に気温が下がったかららしい。それでさっきは腹を冷やして下痢をしたのだろう。21時就寝。

 満潮時に渡れないところ…オネタフチOnetahutiの浜の北端、アワロアベイAwaroa Bay(いずれもまわり道なし)

Totaranui
蛇口から、すべて消毒済みの水。
トイレ紙あり、水洗。水のシャワーあり。
テント場Information Centreから徒歩1分ほど。50張くらい。

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