2003年春 - New Zealand旅行[26/37] - エイベルタズマン海岸トラック[1/3]

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2003年春 - New Zealand旅行[26/37]

エイベルタズマン海岸トラック[1/3]


22日目

2003年3月19日

モトゥエカMotueka→バークベイBark Bay | Bark Bay Camp Site(泊)

○

コースタイム
ベイカーズロッジ
Bakers Lodge
6:50起床
7:40
Information Centre8:10
Marahau8:50
9:00
内陸トラック
Inland Track分岐
11:15
11:30
フォール川
Fall River分岐
12:30
トレントベイ
Torrent Bay
13:00
13:40
フォール川
Fall Riverの吊り橋
14:40
バークベイ
Bark Bay
15:20
22:00就寝

 Information Centreの前でバスに乗る。バスを待つ間、幼稚園児くらいのちびっこに話しかけられたが、会話ができなかった。わたしの英語力は幼稚園児以下か。

 エイベルタズマン海岸トラックAbel Tasman Coast Trackの始点はマラハウMarahauの一番奥。途中、ウォーターボートに乗る人やカヤックをする人を降ろしながら、Trackの始点に着いた。トラックの始点は小屋があり、その隅からTrackが伸びていた。水とトイレがあるが、水は煮沸して飲めということだった。名簿があったけど、あまり人が書いてないから書かなかった。

MarahauのShelter
MarahauのShelter。ここから歩き出す。ここの水は煮沸するか薬を入れろと書いてあった。
はじめは干潟
はじめは干潟の中の木道を歩く。右手が向かう方向。

 歩き出す。はじめは湾を横切る木道を歩く。うなぎのような魚がいたので、撮った。湾の向こう側につくといきなり登り始める。ずっと海岸線を歩くんじゃないのか?どうやら思惑が違ったようだ。ずっと砂浜を歩くと思ったのに。道は山の中を歩く。ほとんど平坦な道だ。岩がもろいのか山を削って道にしている。道は岬などの尾根を巻きつつ、沢も巻いているので、かなり遠回りしながら歩く。海側に出ると景色はいいが、山側に入ると大きなシダの木がたくさん生えていて日本で言う南国の風景だ。

ウナギ
名前の知らぬウナギのような魚。Marahauから歩き出して木道の上ですぐ見つけた。
山の中の道
Abel Tasman Coast Trackの道は基本的に山の中です。ずっと砂浜を歩くのかと思ってました。

 内陸トラックInland Trackの2つ目の分岐で一本。そこから歩くとアンカレイジ小屋Anchorage Hutへの分岐に出た。フランス人集団がいておっちゃん一人が看板の上に座っていて確認はできなかったが。次にトレントベイTorrent Bayの巻き道の分岐。引き潮は16時でまだ時間があるので、巻き道を行く。これが長い。ずっと内陸に入っていく。だんだん向こう側と狭まってくるが、なかなか道が渡らない。とうとう川になって橋がかけられていた。カヤックの集団を見た。渡ってフォールリバーFall Riverの滝に向かう分岐を過ぎ、湾を巻いて水位が低いときとの分岐に着いた。けっこう遠回りした。Camp Siteを過ぎ、リゾート地になっているところについた。看板にはTownshipとあった。国立公園なのに、なんで私有地があるのだろう。新しく家も建てていたし。

Torrent Bay最奥
あいにく満潮時だったので、Torrent Bayは巻きました。その最奥の川にかかる橋。けっこう遠回り。
ショートカット
Torrent Bay北岸の近道のスタート地点。満潮時だと、ここを渡るのかと驚きます。

 一本とる。砂浜で気持ちがいい。少し散歩する。南側に伸びる半島のようなところを一周した。カモメが遊んでいた。ちょうど潮が引いていくときで、両岸が狭まった半島の突端では、湾の水が海側に流れ出していた。ザックを置いたところに戻ると、湾の真ん中に旗が立っていた。さっきは見つけられなかったが、どうやら引き潮時のルートらしい。ここは道に迷いやすいらしく、2人の外国人にバークベイBark Bayへの道とAnchorage Hutへの道を聞かれた。でも、もうちょっと英語の話せそうなヤツを見つけて話しかけてくれよ。あんたの目の前の人、困ってるだろう。Townshipの中にT字路があるからわかりにくいのかもしれない。あまり長く休んでいると、引き潮になってしまうので出発した。

Torrent Bay全景
Torrent Bay全景。北岸のベンチからよく見えた。
Bark Bayが見えた
今日のテント場、Bark Bayが見えた。

 Torrent Bayから少し登ったところにベンチがあり、そこからフォールリバーFall Riverを渡るところまでが長い。見える尾根まで何度も巻いた。Fall RiverはこのTrackで渡る川で一番大きいものらしく、かけられている吊り橋もここが一番大きかった。Fall Riverを渡ると、道はFall Riverに沿って海に出る。またしばらく山の中を歩くと今日のテント場バークベイBark Bayがあった。ちょうど岬と岬の間でポケットビーチになっていて砂浜が安定してそうだ。

 Camp Siteは小屋の手前にあり、すぐ海を眺められるので場所は小屋よりいい。この先はCamp Siteから近道できるらしい。明日早く起きようか、そんなことを思う。小屋に水を汲みに行く。違う方角なのだが、ペットボトルを両手に持って、浜に出た。ここの浜はきれいで、何枚も写真を撮ってしまった。ちょうど引き潮で浜に砂漣が残っていたり、カモメの足跡が残っていたり。水を汲みに行くことも忘れ、シャッターを押していた。

砂漣
Bark Bayの浜。引き潮で波の残した砂漣が美しい。
Bark Bayのテント場
日が低くなる。この林の中がBark Bayのテント場。

 本当に水を汲みに行くことを忘れてしまい、どこにペットボトルを置いたのかも忘れてしまった。探すと浜に出る階段の横に置いてあった。すっかり忘れていた。小屋に向かう。引き潮なので直接干潟を通過した。はじめソーラーパネルのあるところが小屋かと思ったが、違ってその北よりだった。水は小屋の外に流しがあって、2つの蛇口のうち片方がフィルターを通したものだった。明日の行動用に汲む。小屋近くにあるという別のCamp Siteは見つからなかった。ちなみにこの小屋には水のシャワーがある。

 明日はアワロアAwaroaで引き潮待ちになる。だから遅く出てもいいわけだ。でも、目の前のBark Bayの近道は引き潮でないと渡れない。引き潮は4:27と16:49の2回。朝早くBark Bayを渡り、午後の引き潮でAwaroaを渡るか。が、もう一ヵ所、「引き潮でなければ通れないポイント」があるのを知らず、あせることになる。

○

 テントで飯の用意をしているとBark BayのワーデンwardenCamp Passを確認に来た。飯を食べて歯を磨く。浜を見ているとだんだん月が昇り、だんだん潮が満ちてくる。月を見るのは初めてではないが、潮が満ちていくさまをじっと見るのは初めてだ。今日は満月。すなわち大潮の日である。浜辺を歩いているとみるみるうちに水が押し寄せてくる。面白いのはCamp Siteの浜の突端で、水位が上がるに従い、湾奥に海水が流入している。流量は大きそうだ。そのあたりは浜にでこぼこがあり、ときどき波が来ると穴に水が入る。そのうち何度か入るようになり、やがて沈んでしまう。満月の光が明るいので、じっと眺めていた。湾奥もだんだん水が入ってきて、アメーバのようにその領域を広げていく。まるで生き物のようだ。カニの穴や巻き貝が沈んでいく。浜に忘れられた船もそのうち水に浮かぶのだろう。見ているとあちこちに変化があり、1時間くらいあっちこっち移動しながら潮が満ちていくさまを見ていた。

 21時に寝ようと思ってテントに戻ると思わぬ来客がいた。最初、高速で飛び跳ねたので、姿をとらえられず「カエルか!」とブルーになる。だって、テントをカエルに荒らされたら誰だって鬱になるでしょ。が、スーパーの袋の間を高速移動する。一瞬動きを止めるので目視により姿をとらえた。ネズミだ。手のひらに乗っかるくらいのネズミ。

 野生ネズミを見るのは初めてだ。だから最初はその姿をフィルムに収めるのに懸命になった。テントの隅に来ると隅に沿って登り始める。見事なチムニー登りだ。ハングしているのに。だが、50cmほど登るとテントをつかめなくなって落下する。隅を登っているときは動きが遅いし、動きを予測できたのでそこを撮った。撮ってしまえば用済みである。呼んでない客には早く帰ってもらいたい。が、このテント全体がみごとなネズミ取りになっているのか、出口が10cmくらい高さがあって、ネズミ君の目の位置にはどうやら出口を確認できないらしい。30分ほどネズミ君救出作戦を行う。結局、ネズミ君は光のある方に跳ぶことがわかったので、できるだけ入り口から離れ、入り口に追い込んでやって、入り口を照らしてやるとジャンプして帰っていった。

ねずみ
外を散歩して帰ってきたら招かれざる客がテントにいた。

 作戦中に食べ物を確認したが、何も食べた痕跡がなかった。わたしが料理をつくって出すのを待っていたのだろうか。さぞかしよい家柄の野ネズミ君なのだろう。22:00就寝。

 満潮時に渡れないところ…トレントベイTorrent Bay、バークベイBark Bay(いずれもまわり道あり)

Bark Bay
蛇口から、消毒済みの水あり。
トイレ紙あり、水洗。水のシャワーあり。
テント場小屋から徒歩5分ほど。30張くらい。

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