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2018年秋 - 八丈島・八丈富士


2018年11月18日(日)
場所
東京都八丈町
ルート
二の鳥居…鉢巻道路三叉路…登山口駐車スペース…浅間神社分岐…浅間神社…中央火口丘…浅間神社分岐…八丈富士山頂…浅間神社分岐…登山口駐車スペース…ふれあい牧場
参加者
中山(単独)
参考文献
敷島悦郎「春夏秋冬 島の山旅」(東京新聞出版部,2010)P.50-53

はじめに

 伊豆諸島には現在9つの有人島があるが、その最高峰は標高854mの八丈富士である。

 昨年まで一緒の職場にいた人が八丈島に転勤になり、飲み仲間と一緒に八丈島を訪れた。みんなは1泊2日の予定だったが、私は八丈島にも登りたかったので2泊3日した。行きは定期船橘丸が三宅島5:05発、八丈島8:50着と朝早くに出発した。

日帰り

2018年11月18日(日) くもり

二の鳥居…鉢巻道路三叉路…登山口駐車スペース…浅間神社分岐…浅間神社…中央火口丘…浅間神社分岐…八丈富士山頂…浅間神社分岐…登山口駐車スペース…ふれあい牧場

コースタイム
二の鳥居9:56
登山口駐車スペース10:45
11:03
浅間神社分岐11:35
11:37
浅間神社11:45
11:47
中央火口丘12:10
浅間神社分岐12:27
12:32
八丈富士山頂13:08
浅間神社分岐13:18
登山口駐車スペース13:41
ふれあい牧場13:50
14:13

 1日目は雨だったのでボウリングをしたり、温泉に浸かったりして過ごし、夜は飲み会を楽しんだ。

 2日目朝、底土港から帰る他のメンバーを見送り、「通」という朝食を出している飲食店で定食を食べる。行動食のパンをパン屋さんで買い、登山口に連れて行ってもらった。見える八丈富士は笠をかぶって山頂の高さがわからない。車の助手席で前を見ながら、車がグイグイ登っていくのを見て「このままじゃ9合目くらいまで車で登っちゃうんじゃないのか」と不安になり、鳥居のあるところで降ろしてもらった。そこには二の鳥居と書いてあった。

二の鳥居
11/18 二の鳥居から歩き始める。
ツワブキ
11/18 町道沿いにはツワブキが咲いていた。

 車道には交差点もなく道なりに登っていく。富士の名に違わず裾野はたおやかだが登るにつれ勾配が急になってくる。つわぶきの咲く道を登り、鉢巻道路に出た。右に曲がって少し歩くと登山口があった。「わ」ナンバーの車が4台停まっていて意外と人気があるのがわかる。道路の縁石に座って休んでいると軽トラに乗ったおじさんと若い女性がやってきた。どうやらおじさんが女性を車に乗せて山を登ってきたようだ。やさしい人がいて見ていてこっちもうれしくなる。鉢巻道路まではガスがかかっておらず底土港も見えるが、目指す八丈富士は依然として雲の中だ。

鉢巻道路の登山口
11/18 鉢巻道路の登山口。
神湊漁港と八丈島の町並み
11/18 登山口から見た神湊漁港と八丈島の町並み。

 八丈富士に登山口は1つしかない。地形図上にはいくつか破線が伸びているが、登山道があるのはこの1箇所だけだ。一休みしてから登山道に入る。入り口には飲み水を持つこと、サンダルで登山しないことなど基本的な注意事項が看板に書かれている。どうやら登山目的に八丈島に来るというより、八丈島に来て観光の1つとして登山する人が多いようだ。登山道は石段になっているが、端に幅30cmくらいのスロープが設置されており、こちらを歩くほうが楽である。半分を過ぎるとゲートがあり、掛け金を外して中に入る。八丈島には鹿のような大きな野生動物がいないと思うが何を避けているのだろう。登り切るとお鉢の東寄りに出た。浅間神社の入口にも当たる。

登山口の階段と看板
11/18 登山口の階段と看板。
登山道
11/18 登山道から見た八丈富士。
浅間神社入口
11/18 浅間神社入口から火口内に入る。
浅間神社
11/18 浅間神社の鳥居。

 八丈富士は複式火山になっている。火口内には浅間神社と中央火口丘に伸びる道があり、外輪山にも登山道がある。まずは浅間神社に行ってみることにした。少し下って火口内に入ると「←中央火口丘|浅間神社→」と刻まれた石柱が立っている。右にいくと緩い下り道で、ところどころ池塘の横を通る。一部木道があるが、水たまりになっているところもある。浅間神社には鳥居だけがあり、奥の鳥居の向こう側には甕があった。その左手にはさらに深い火口が切れ落ちていた。ガスで向こう側は見えないが、地図で見る直径250mほどよりずっと大きく見える。目の下の火口に噴煙などはなく、濃い緑が生えていた。

火口
11/18 浅間神社から見下ろす火口。広角レンズがほしくなる広さであった。
中央火口丘への道
11/18 中央火口丘への道は迷いやすく水たまりが多い。

 後ろから2人声が聞こえて来て入れ替わりに私が出た。せっかく来たので中央火口丘も目指す。いきなり池塘の縁の苔の上を歩くとじんわりと水が上がって来て濡れそうになる。昨日の雨か、笠の中で雨が降っていたのか水たまりが多い。こっちは悪路のようだ。中央火口丘への道はしばらく斜面をトラバースし、丘に上がる。途中、分かれ道の踏み跡があり、少し迷うが黄色のテープをたどれば正解である。中央火口丘へはさらに大きな溝を越える必要があり、20mほど下って登る。中央火口丘って何があるんだろうと思いながら進むと樹林帯を抜け、池の端に出た。長手方向で10mほどの楕円形の池だ。特に標柱もなく、周囲はガスで覆われ幻想的だ。長居しようにも椅子もないので引き返す。浅間神社よりも長くて悪い道なので、途中会った2人組にあとどのくらいですか?と聞かれた。私も水たまりを避けるたびに長靴借りておけばよかったと思った。

中央火口丘の道の終点にある池
11/18 中央火口丘の道の終点にある池。特に看板などはない。
お鉢巡り
11/18 反時計回りにお鉢巡りした。

 お鉢に戻り、お鉢めぐりに入る。時計回りの方が先に山頂に登れるのでよいのだが、まだガスが巻いていて景色が望めない。歩いているうちに晴れないかと思い、反時計回りに歩くことにした。お鉢巡りの道は火口内の道より歩きやすい。少なくとも迷う場所はない。お鉢めぐりは歩いている人も多く、ガスの向こう側から家族づれの声が聞こえることもある。浅間神社のあたりはスッパリ切れ落ちているがガスのせいで火口の底が見えない。西側まで歩いていくと八丈小島が見えた。こちらの太平山も登ってみたい山の1つだ。いっときガスが取れて火口全体が見渡せるときがあった。火口の真ん中はホットケーキのように盛り上がっており、それが中央火口丘のようだ。北西の端にそのあと形成されたらしい浅間神社の火口がホットケーキを切り取るように深く落ち込んでいた。

浅間神社の火口
11/18 お鉢巡りの西側から見た浅間神社の火口。
八丈小島
11/18 お鉢巡りの西側から見た八丈小島。
八丈富士山頂
11/18 八丈富士山頂が見えてきた。
中央火口丘
11/18 中央火口丘は火口の中で盛り上がっている。左手の草地が訪れた池塘。

 八丈富士山頂に着いたときはまたガスに覆われており、残念ながら八丈島の町並みを見ることはかなわなかった。登山口へ向かって下るとところどころ岩が出ていてまっすぐ下ると崖になっている箇所がある。たぶん多くの人は時計回りだから気づかないんだろうなと思った。

八丈富士山頂
11/18 八丈富士山頂の三角点(手前)と標柱(奥)。
ふれあい牧場
11/18 ふれあい牧場に下山し、知り合いの迎えを待った。

 浅間神社入口に戻り、一周おしまい。休もうかと思ったらパラパラと雨が降って来た。カッパを着て下るとすぐ雨はやんでしまった。鉢巻道路まで戻ると下界が見える。笠をかぶっているのは山頂だけのようだ。ふれあい牧場まで歩き、電話で知り合いを呼んで車で下った。

おわりに

 なかなか行かない島の登山に行けてよかった。欲を言えばもう少し晴れていればよかったが、また八丈富士に登る理由ができてよかった。また東山と呼ばれる三原山にも流水があり地形が複雑なので興味が湧いた。

(2018年11月19日記す)


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