山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2018年山行一覧>伊豆大島・三原山
東海汽船の東京〜三宅島・御蔵島・八丈島航路は平成26年に橘丸が就航して以来、7月から9月までの夏季に上り便が大島に寄港する。竹芝行き、熱海行きのジェット船と接続し、大島のハブ化を狙ったものである一方、せっかく速くなった新造船が大島に寄ることで竹芝への速達性が減殺されるという苦情を三宅村議会だよりで見た。
同じ平成26年に航空路の運営が全日空から新中央航空に変わり就航率が劇的に向上したこともあり、最近はそのような苦情を見かけることは少なくなった。しかし、私は休みに出かけるときは安価な定期船に乗ることが多く不満がある。
そこで私は不満を逆手にとって大島で下船することにした。大島には仕事で1回行ったことがあるだけで遊びで訪れたことはない。去年、これを理由に9月に大島を訪れたのだが、天気が悪く御神火茶屋からは一面の白い霧しか見えなかった。今年改めて三原山に登りたいと思い橘丸を大島で降りた。
幸い、知り合いが大島に住んでいるので寝床と移動手段には困らなかった。行程は1日目に16:10岡田港に着いてから知り合いの家まで、2日目に御神火茶屋から三原山往復、16:45に岡田港からジェット船で熱海に抜けることにした。
日帰り |
2018年9月1日(土) 晴れ |
三原山頂口バス停…三原新山…三原山頂口バス停
三原山頂口バス停 | 12:57 |
三原神社 | 13:23 |
三原新山 | 13:45 |
三原神社 | 14:11 |
三原山頂口バス停 | 14:45 |
朝から曇天でまた登れなさそうな天気である。ぶらっとハウスでアイスクリームを食べたり、海のふるさと村に行ったりして天気がよくなるのを待つ。三原山頂口バス停のビジターセンターで三宅島に住んでいたこともある解説員の人と雑談をして過ごす。昼に歌乃茶屋で天丼を食べていると元町が見え、伊豆半島の万二郎山や富士山が見えてきた。これは待った甲斐があったと三原山に向かう。三原山は雲が少し上がっているが、山頂部は雲が取れない。歩いているうちに天気がよくなるだろうと願って歩き始める。
9/1 茶屋から見る伊豆半島と富士山。 |
9/1 御神火茶屋から見る三原山は雲をかぶっていた。 |
御神火茶屋から見る三原山は遠く、1時間足らずでたどり着けるだろうかと不安になる。御神火茶屋から少し下ると平坦な道で歩きやすい。御神火茶屋から三原山までの道はアスファルト舗装で一般車両は通行止めである。アスファルト舗装なのは単に維持管理のためだけではなく、自殺の名所だからだろうかなどと話しながら歩く。天気は曇りだが登り下りする人は何人か見かける。
9/1 登山道はコンクリートないしアスファルト舗装であった。 |
9/1 噴火に備えていると見られるシェルターがあった。 |
途中にいくつかトンネル上のシェルターがあり避難できるようになっている。コンクリートの色あせ具合からすると木曽御岳の噴火以前からあるようだ。三原山の登りに入ると斜面は急になり、つづら折れになる。ペースを落とさずに歩くと息が上がる。
上がりきった場所は三原山の内輪山の片隅だがガスのせいで何も見えない。火口はずっと南寄りで目の前には見えないらしいがなんとも分からない。三原神社がすぐそこにあるので訪ねる。小さな社が鎮座していて過去2回の噴火で溶岩に飲み込まれなかった旨が書かれていた。
9/1 三原神社分岐。内輪山に着いたみたいだが火口は見えない。 |
9/1 三原神社は溶岩に囲まれていた。 |
せっかくきたので反時計回りにお鉢巡りをする。少し歩き、展望台の横で火口へ行く遊歩道を分けると砂利道になる。ガスの道を歩いていくとゆるく登りになり西風が強くなってくる。手に持つ地形図が吹き飛ばされそうだ。最高点758mの横を登山道は通り、火口が見えるはずの観測機器の横で写真を撮った。
9/1 ゴジラに見える岩。 |
9/1 最高点近くにて記念撮影。火口は見えない。 |
三原山の東側にある剣ヶ峰も風が強く風の向きでだいぶ回って来たことがわかる。右手に割れ目噴火の跡があり、一瞬雲が取れたので深いのがわかった。
9/1 剣ヶ峰から見る割れ目噴火。 |
9/1 岡田港に入港する橘丸。 |
大島観光ホテルへの道を分けると三島神社の分岐に出た。これでお鉢巡りは終わり。三原山頂口バス停に戻る。途中には気象庁や東大震研の人たちらしき20人くらいのグループが登山道の横で溶岩を観察していた。三原山頂口バス停に戻っても三原山の雲は取れなかった。
車で大島観光ホテルに移動し、温泉に浸かる。昨日も入ったが今日は三原山の裾野が見える。登山道は見えない。汗を流して岡田港に下るとちょうど橘丸が入港するところであった。熱海行きのジェットフォイルの乗船券を買いお土産を買って熱海に向かった。
久しぶりの登山であり、2時間程度のハイキングであったが、天候を観察して待機いたこともあり疲れた。でも大島まで行って無事登れてよかった。
(2018年9月2日記す)