山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2011年山行一覧>南アルプス・甲斐駒ヶ岳黒戸尾根
甲斐駒ケ岳は南アルプス北部にある2967mの山。
3年ぶり7回目の甲斐駒である。最後に行ったのは2008年春である。夏に行くことが多く、秋ははじめてである。11月末で雪が予想されたが、15cmくらいの積雪量でトレースもあり、山頂を踏むことができた。
1日目 |
2011年11月26日(土) 晴れ |
立川=竹宇駒ヶ岳神社…笹ノ平…刃渡り…五合目…七丈小屋(泊)
竹宇駒ヶ岳神社 | 9:20 |
9:37 | |
黒戸尾根1065m付近 | 10:29 |
10:41 | |
黒戸尾根1445m付近 | 11:40 |
11:43 | |
笹ノ平 | 11:50 |
黒戸尾根1600m鞍部 | 12:19 |
12:38 | |
刃渡り | 13:40 |
刀利天狗 | 14:16 |
14:31 | |
五合目屏風小屋跡 | 15:20 |
15:30 | |
七丈小屋 | 16:22 |
16:28 | |
七丈小屋テント場 | 16:33 |
20:20就寝 |
朝、立川に集合し、竹宇駒ヶ岳神社へ向かう。駐車場には車が30台ほど停まっていた。甲斐駒ヶ岳か、日向山か、尾白川渓谷の散策だろうか。出発準備をしていたらカッパを忘れたことに気づく。天気が悪ければ致命傷だが、幸い今回天気予報は晴れを告げている。大丈夫だろう、ということで登ることにする。それにしてもカッパを忘れるなんて登山人生15年間で初めてだ。
竹宇駒ヶ岳神社に登山の無事を祈り、尾白川にかかる吊り橋を渡る。初めはジグザグの急坂を登り、尾白川渓谷の尾根道を分ける。ジグザグが終わると横手側にトラバースし、尾根道を登る。土が削れて溝になった道を行く。雑木林の中で枯れ葉が積もっており、足元の段差が見えず歩きにくい。
11/26 落ち葉を踏みながら登る。 |
11/26 笹ノ平を過ぎる。 |
両側切れているところを通過し、尾白川側のトラバースに入る。途中で休もうと思ったが、出発が遅いのでもう少し歩こうということで先を行く。ところで、粥餅石という石と水場がこのあたりにあるらしいのだが、未だに見たことがない。カニのハサミのように壊れてしまったか、為右衛門吊岩のように夏道が別のところに付け替えられているのだろうか。
横手からの道を笹ノ平で合わせる。トラバース道が続き、1628m標高点を尾白川側から巻いて駒ヶ岳黒龍神の碑のある1600m付近の鞍部に出る。小広くなっており、休むのにいい。休んでいると猟友会の人が2人鉄砲担いで登ってきて、碑の隣のお地蔵さんをジロジロ観察し、「番号が書いてないな」と述べて下っていった。追いかけ役と待ち伏せ役に分かれて待機場所を探しているのだろうか。でもお地蔵さんにナンバリングするのはあまり感心しない。
11/26 1600m鞍部付近で休む。猟友会の人がお地蔵さんの番号を探していた。 |
11/26 刃渡り手前の平らな樹林帯。雪が出てくる。 |
八丁坂の急登を行く。雪が出てきて滑りやすい。やがてなだらかになる。なだらかになったらすぐ刃渡りと思っていたが、意外に長かった。樹林帯が切れて刃渡り。大したことはないのだが、雪が付いていてカメラを持ちながら歩いていたら滑ってこけてしまった。カメラは無事だったが、左手首に擦り傷を負ってしまった。刃渡りから振り返ると八ヶ岳の南面がよく見える。雪は積もっていなかった。
11/26 刃渡りを渡る。 |
11/26 刀利天狗への登りはハシゴが多い。 |
刃渡りを過ぎて樹林帯に入り、先行するKさんとHさんが、凍えながらSさんと私を待っていた。続いて歩くと休んでいる4人組にあった。聞くと名古屋のねこやなぎとかいうチームらしい。変わった名前だが、黒部にちなんでいるのだろうか。猫又温泉とか柳又谷とかあるし。それともネコヤナギという植物があるのだろうか。下ってくる人もぼちぼち見かける。話しを聞くと上は雪が積もっており、八合目で引き返してきたとのこと。意外と積雪は多いのかもしれない。
刀利天狗で一休み。日陰で寒い。刀利天狗からしばらく登り、黒戸山を巻く。五合目へ下るところでは、雪で滑るのでSさんが慎重に下っていた。慎重に下るのはいいのだが、時間がないのでもう少し早く歩いてほしい。五合目小屋跡で休む。水場を見に行くが、涸れていた。ここの水場は流れているのを見たことがない。でもHさんいわく、昔は流れていたそうだ。15:30になり、時間的に七丈小屋着が日暮れ近くになりそうだ。遅れ気味のSさんの荷物を預かる。
11/26 黒戸山の巻き道。 |
11/26 五合目小屋跡で休む。 |
11/26 屏風岩の登り。 |
11/26 七丈小屋へのハシゴ。 |
屏風岩をハシゴで巻く。一本道なので、途中でSさんを置いてKさんとHさんを追いかける。桟橋を渡って垂直の壁にハシゴがついたところでHさんに追いつき、一緒に七丈小屋に到着した。水を汲み、テント場へ向かう。テント場が遠いという心づもりで歩いていたら意外と近かった。
11/26 七丈小屋は水が出ていた。 |
11/26 七丈小屋のテント場に幕営する。 |
テント場にはすでに4張りほどテントが張ってあった。Kさんとテントを張り、後続を待つ。20分ほど遅れてSさんが追いついた。なんとか日暮れ前に着くことができた。
夜はカレーライスを食べた。Hさんが持ってきた焼酎がないと嘆いていたが、寝る直前にテントの前室で発見された。でももうシュラフも広げていたし、焼酎には手を付けず寝ることにした。20:20就寝。
2日目 |
2011年11月27日(日) くもりのち晴れ |
七丈小屋…甲斐駒ケ岳…七丈小屋…五合目…刃渡り…笹ノ平…竹宇駒ヶ岳神社=立川
七丈小屋テント場 | 3:40起床 |
5:42 | |
八合目上2710m | 6:44 |
6:58 | |
甲斐駒ケ岳 | 8:00 |
8:25 | |
笹ノ平 | 9:17 |
七丈小屋テント場 | 9:35 |
10:05 | |
五合目 | 11:00 |
11:13 | |
刀利天狗 | 11:37 |
刃渡り | 12:00 |
黒戸尾根1600m鞍部 | 12:21 |
13:04 | |
竹宇駒ヶ岳神社 | 14:40 |
14:50 |
3:40に起床。端に寝ていたからか夜はそこそこ寒かった。昨日の残りのカレーライスを食べ、ラーメンを4人で2袋食べる。外に出るとすでにテントが1張なくなり、登っている人がいた。
暗い中、ヘッドランプをつけて出発。アイゼンをつけるが、新品のアイゼンがあっていないようでよく外れる。外れるたびに付け直す。八合目の御来迎場まで着くと東の空が明るい。天気はくもりだが、広がる雲に朝日があたって明るい。しかし日はすぐ雲に隠れて暗くなってしまった。
11/27 東の雲が赤く染まる。 |
11/27 八合目。鳥居は壊れたまま。 |
八合目を過ぎて平らなところにテントがあった。岩を登っているのだろうか。鎖場の登りにくいところをアイゼン引っ掛けて登る。
11/27 八合目からの登り。鎖がないと難しい。 |
11/27 八合目からの登り。剣のつったっている岩の横。 |
摩利支天を左に見ながら九合目に取り付く。このあたりは剱岳早月尾根の早月小屋の上あたりに似ていると感じる。剣がつったっている岩の左側を登る。アイゼンの岩登りで歩きにくい。ガリガリ登っていたら両方共アイゼンが外れてしまった。しかたないので長手方向を穴一つ縮めたらカッチリはまった。そこを過ぎるとハイマツの斜面の登り。黄蓮谷を詰めたあたりまで出ると山頂が見える。遠く見えて精神的につらい。
11/27 岩につったっている剣と富士山。 |
11/27 八ヶ岳を背景に登る。 |
やがて駒ヶ嶽神社本社のあるピークに出る。そこから鞍部を一つ越えて甲斐駒ヶ岳山頂に着いた。すでにひとパーティー山頂に着いており、私たちの後にも続々と2パーティー到着していた。山頂は風が吹くのか雪のあるところとない所があった。
11/27 最後は北岳を背景に登る(中央の高い山)。 |
11/27 甲斐駒ヶ岳山頂で記念撮影。 |
天気は高曇りで北アルプスは槍ヶ岳に穂高岳、乗鞍岳、その先に木曽御嶽山、手前に中央アルプス、鋸岳。南に北岳、間ノ岳。その奥は塩見岳だろうか。鳳凰三山地蔵岳の向こう側には富士山も見えた。八ヶ岳の南面は雪が見えなかった。
11/27 来た道を下る。 |
11/27 黒戸山も上から見ると立派な山である。 |
ときどき南風が吹いて寒く、30分ほど休んでから七丈小屋へ戻った。ところどころ急なところでSさんが手間取り、後ろに着いていたが、八合目からは難しい所もないので先に下る。KさんとHさんに追いつき、テントをたたむ。時刻は10時、夏道にコースタイムで4時間10分。14時下山だと帰りは渋滞なので、もう少し早く下りたいのだが、難しそうだ。ほかのパーティーは割にのんびり下っており、テント場には他にも何張か残っていた。
11/27 七丈小屋からの下り。 |
11/27 五合目を通る。 |
11/27 刃渡りからは八ヶ岳が見える(左)。 |
11/27 最後は枯葉の道。 |
このあとは五合目、1600m付近で休み、竹宇駒ヶ岳神社に下山した。途中で2パーティーに追いぬかれ、駐車場に着いたのは14:40であった。帰りは白州・尾白の森名水公園べるがの尾白の湯に寄って汗を流した。中央道は大月から小仏トンネルまで渋滞しており、立川に着いたのは20時近くであった。湯冷めしたらしく、鼻水がズルズル出た。
黒戸尾根は長い尾根で夏でも時間がかかる。ましてや雪のある季節では朝発1泊2日は難しいと思ったが、天気はよく、山頂を踏むことができた。
テントを張れる箇所は五合目、七丈小屋、八合目があるが、水があるのは七丈小屋だけであった。五合目の水は涸れていた。
カッパを忘れたのが今回の反省点である。