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2007年春 - 奥多摩・七ツ石山赤指尾根


2007年4月14日(土)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町・山梨県北都留郡丹波山村/奥多摩
コース
深山橋バス停…鴨沢バス停…小袖山…七ツ石小屋…七ツ石山…赤指山…峰谷橋バス停
参加者
単独行
参考文献
07奥多摩・七ツ石山の地図

日帰り

2007年4月14日(土) 晴れ

深山橋バス停…鴨沢バス停…小袖山…七ツ石小屋…七ツ石山…赤指山…峰谷橋バス停

コースタイム
深山橋バス停8:03
鴨沢バス停8:25
小袖乗越8:45
小袖山9:18
七ツ石小屋10:50
11:03
七ツ石山11:20
11:25
赤指山12:23
雨乞山13:56
峰谷橋14:46
14:51

 七ツ石山から道を引き返し、千本ツツジへ向かう。途中、南面が開けたところがあり、登り尾根と小袖川を一望できた。これから下る赤指尾根が途中で曲がっていて末端までは見えない。その背景には三頭山と丹沢。

石尾根
4/14 七ツ石山〜千本ツツジ間の石尾根。雪がわずかに残っている。
赤指尾根
4/14 これから下る赤指尾根。

 千本ツツジの登りでまた雪の洗礼を浴びる。千本ツツジから赤指尾根を下る。いきなり急な斜面を下って石尾根の巻き道に出る。その先の赤指尾根は杉の緩斜面になっており、もはやどこが道だか分からない。一応「峰谷>」と看板に書かれているが、これはちょっとひるむ。

 それでも斜面を少し下ると落ち枝の少ない道らしきものが見えるのでこれに沿って歩く。ときどき忘れた頃に「<千本ツツジ・七ツ石山・雲取山|峰谷方面>」という看板が出てくるのでそれで道と分かる。30mほど東側には林業用の小型モノレールの軌道が見えた。たぶん峰谷から続いているのだろう。

千本ツツジ下
4/14 千本ツツジ下の水源林道交差点。右下、峰谷方向へ下る。道はよく分からない。
林業用の小型モノレールの軌道
4/14 林業用の小型モノレールの軌道。

 千本ツツジと赤指山の中間には1356m峰がある。登山道は通っていないが、せっかくなので寄って行くことにした。行ってみたが、山頂には都水道局の標があるだけで展望も何もなかった。続けて赤指尾根を下る。

 地形図・エアリアマップでは1356m峰から下ったあたりで道は峰谷へ下るようになっているが、今回の目的は赤指尾根を下ることなので分岐も気にせずまっすぐ下る。その分岐あたりからしばらく平坦で広い尾根になる。そこそこ歩きやすい。のんびり「踊るポンポコリン」など歌いながら緩く登って行くと赤指山。三角点があるだけで特に展望はない。ところでエアリアマップによると赤指山という名前の山は登り尾根の西隣の七ツ石尾根にもあるのだが、紛らわしくないのだろうか。

指導標
4/14 ときどき現れる指導標。
赤指山山頂
4/14 赤指山山頂。三角点があるだけで展望はない。

 赤指山から少し下ると尾根の東側に林道が。こんな道は地形図にもエアリアマップにも載っていない。林道は赤指山から10分ほど下ったあたりで尾根を越えて西側に下っていた。尾根を歩いている私はやむなく林道に降りてまた尾根に乗っかる。道の切り通しの様子を見ると割と新しく造った林道のようだ。

 その後また登り下りの少ない尾根を下って行く。特に目立つものはないが、途中、謎の機械があった。シカの頭数カウンターか気象観測機器であろう。

林道
4/14 林道が赤指尾根を乗っ越している。
謎の機械
4/14 シカの頭数カウンターか気象観測機器か分からない機械。

 1228m峰に近づいてくると二重山稜になる。ここが今回の核心部であった。地形図を見ると西側が一番高いので西側の小尾根を歩く。そのまま小尾根に沿って歩くと、行く先が尾根の中腹みたいな傾斜になっている。一方、左側は平らだがそこそこ高い。尾根筋をたどっているので左側に向かう。そのまま高いところをたどって行く。が、違和感を感じる。何かと思えば正面に見えているのが奥多摩湖南岸の山でなく、鷹ノ巣山かなんかである。そして太陽がほぼ真南にある13時なのになぜか太陽を背にしている、つまり北に向かって歩いている。

二重山稜
4/14 二重山稜。正面の1228m峰付近で迷う。
1228m峰
4/14 1228m峰山頂部。平坦で下る尾根が見つからない。

 あせって地形図とコンパスを取り出し、現在地確認。しかし、周囲があまりに平坦すぎて1228m峰のどこかにいるということしか分からない。しかたがないので地形図とコンパスで行く先を決めてコンパス持って歩く。

 が、どうしても尾根沿いの高いところをたどってしまうため、また同じあたりに戻ってしまう。今度こそコンパスから目を離さずに歩いて行った結果、最初の尾根の中腹みたいな斜面を下ることになった。

 下るが、1228m峰がお椀を伏せたようなこんもりした形をしているため、尾根なのかただの斜面なのか分からないところを歩く。右手に赤い何かが見えたのでそこへ下って行くとそれは「山火事注意 王子製紙」という横断幕であった。その下には斜面を巻く林道。おそらく先ほど交差した赤指山のすぐ下まで伸びている林道だろう。いったん林道に降りて赤指尾根の続きを探す。

横断幕
4/14 「山火事注意 王子製紙」という横断幕。後ろに林道。
林道を渡った先
4/14 横断幕の林道を渡った先。少しヤブがあるが、すぐなくなる。

 依然としてコンパス片手に探す。すると傾斜がやや急で、薮がある尾根を発見。少しひるむが突撃する。しばらくすると道はまたなだらかになり、二重山稜になる。地形図を見ると西側の尾根が主稜線なので西側の尾根を歩く。二重山稜の間の谷が仕事道っぽいが、そのまま歩いて行くと尾根を外しそうなので尾根沿いに歩く。

 林道から離れて10分ほどで1104m峰手前のコル。そこには本州製紙の社有林を示す看板が。wikipediaによれば本州製紙は合併により現在王子製紙になっているらしい。「無断で入林しないで下さい」の注意書きがあるが、看板の裏側に出てきたので勘弁してください。

二重山稜
4/14 横断幕の林道の下の二重山稜。植林帯。
1074.6m三角点峰
4/14 1074.6m三角点峰。

 そこから50m登って1104m峰。七ツ石山で休んでから2時間弱なのでここで一本とる。あと一本で峰谷橋まで下れるだろう。地形図にはここから留浦に下る道が伸びているが、道は明瞭でない。というか赤指尾根も道は明瞭でない。

1074.6m三角点峰の先
4/14 1074.6m三角点峰の先。枝打ちされた枝が置かれていて歩きづらい。
幕営地手前の急斜面
4/14 1074.6m三角点峰-雨乞山981m峰間鞍部。左に峰谷、右に小留浦へ下る道が分かれる。

 1104m峰から隣の1074.6m三角点峰へ向かう。比較的緩やかな尾根で簡単に着いた。1074.6m三角点峰の先は杉林で枝打ちされた枝がそこここに落ちているため歩きにくい。北側にずれると仕事道があった。そのまま仕事道を辿って981m峰との鞍部に出る。峰谷側の林はヤマサ(「ヘ」の下に「サ」)さんの林らしく、いくつかの木にそのマークがペンキでつけられていた。浅間尾根の山田さんの林を思い出す。地形図では谷沿いに小留浦へ下る道があり、なんとなく道らしきものが続いていた。また峰集落へ向かっているのか北へ向かう地形図にない道もあった。

ヤマサマーク
4/14 木にヤマサ(「ヘ」の下に「サ」)のマークが付いていた。ヤマサさんの林らしい。
雨乞山
4/14 雨乞山981m峰山頂。

 そんな感じで赤指尾根以外の道が2本分かれる鞍部だが、私はさらに赤指尾根をたどる。ぱたぱた登って行くと雨乞山981m峰。エアリアマップにも載っていない山名で私も現地へ来て初めて知った。ここへ来る人はいったいどこから登ってくるのだろう。

 そこから進路を東へ取る。雨乞山981m峰の先、顕著な尾根は2本あり、一本は峰谷橋へ続いており、もう一本は深山橋に続いている。前者の峰谷橋へ続く尾根はその先の小河内神社まで含めるとこちらの方が長いので主稜線と考え、峰谷橋へ下る。一方、深山橋に続く方は短いだけでなく、青梅街道に出るところが擁壁で降りられなさそうなので避けた。

雨乞山の下り
4/14 雨乞山の下り。けっこう急。
峰谷橋
4/14 峰谷橋が見えてきた。無事下山。

 雨乞山の東側は枯れ葉が積もっていて滑る。履いてきたのが安全靴なので登山靴より滑る。へっぴり腰でそこら辺の木の枝をつかみながら下る。雨乞山から水平距離50mほど下って尾根が2つに分かれる。峰谷側の斜面に下ってはならぬと右の尾根をとるが、傾斜がどんどんきつくなり45度くらいになる。もう木の枝を手放すと奥多摩湖まで滑落しそうだ。

 さすがに生命の危機を感じ、木に股をかけて腰掛け、地図を取り出す。どうやら雨乞山から南南東の枝尾根に降りてしまったようだ。下る予定の尾根は東の方向なので間違えてしまった。トラバースしようにもこの斜面では落っこちてしまう。しかたがないので登り返す。登り返して先ほどの尾根が2つに分かれるところまで戻る。そこから真東に向かい、無事目的の尾根に出られた。

 それでもこのあと何か所か枯れ葉で滑り落ちそうなところをビビりながら通過し、何とか集落の上端に出られた。左からは峰林道が下ってきており、給水施設がある。

 あとは林道に沿って下り、峰谷橋に出た。バスの時間があれば小河内神社まで往復しようかと考えていたが、バスがすぐ来たのでそれに乗って奥多摩駅へと戻った。

おわりに

 藪山のルートファインディングの練習という目的は達成できたように思う。赤指尾根1228m峰での道迷いや雨乞山981mの下りの誤りなど藪山ではよくあることである。今回の山行で山の感覚が少し戻ったような気がするので5月の連休も大丈夫だろう。

(2007年4月15日記す)


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