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2007年春 - 奥多摩・七ツ石山登り尾根


2007年4月14日(土)
場所
東京都西多摩郡奥多摩町・山梨県北都留郡丹波山村/奥多摩
コース
深山橋バス停…鴨沢バス停…小袖山…七ツ石小屋…七ツ石山…赤指山…峰谷橋バス停
参加者
単独行
参考文献
07奥多摩・七ツ石山の地図

はじめに

 七ツ石山は奥多摩雲取山から派生する石尾根の一峰。雲取山に登るときに鴨沢から登ると通る山だが、近くに雲取山というメジャーな山があるからかあんまり七ツ石山だけを登る人はいないように思う。

 登り尾根は七ツ石山から南に伸びている尾根で末端は鴨沢集落になる。登山道が登り尾根の東側を通っているが、登り尾根には道はない。そのため登山道が近い割に尾根の名前はあまり知られていない。

 赤指尾根は小袖川を挟んで登り尾根の東隣の尾根である。石尾根の千本ツツジから南に伸びており、末端は小河内神社になる。こちらは登山道が上部の千本ツツジから峰谷に伸びており、アルペンガイド(「アルペンガイド6 奥多摩・奥秩父・大菩薩」,1997)にも紹介されている。しかし、下部は道が薄く、エアリアマップでは「登山コースでない小道」として載っている。

 なお、登り尾根にしても赤指尾根下部にしても普通、一般の登山コースとしては紹介されていない。

 なぜ、この山に登ることにしたかは、5月の連休は去年と同様藪山に行くことにしたからである。場所は去年の続きで群馬・長野県境の大上峠〜荒船山〜碓氷峠と決めた。しかし、今年は年初めに凍傷で入院して以来、ろくに山に登っていない。このままでは晴天であっても薮に負けてしまうかもしれないので練習のためにルートファインディングできる山に行くことにした。

 本番が2泊3日であることを考えるとこの練習も1泊2日で行うべきではあったが慣れないので日帰りとした。日帰りなので場所は近い奥多摩。その中でもルートファインディングできて、そこそこ長いルートを選ぶと七ツ石山の登り尾根と赤指尾根になった。

日帰り

2007年4月14日(土) 晴れ

深山橋バス停…鴨沢バス停…小袖山…七ツ石小屋…七ツ石山…赤指山…峰谷橋バス停

コースタイム
深山橋バス停8:03
鴨沢バス停8:25
小袖乗越8:45
小袖山9:18
七ツ石小屋10:50
11:03
七ツ石山11:20
11:25
赤指山12:23
雨乞山13:56
峰谷橋14:46
14:51

 4:40起床。列車を乗り継いで奥多摩駅へ。奥多摩駅で奥多摩湖方面のバスを見ると次は小菅行きであった。小菅行きでは登り尾根の起点となる鴨沢へは行かず、途中の深山橋で小菅川の方へ行ってしまう。逆コース(峰谷橋から赤指尾根)も考えたが、そうすると登りが長くなってしまうので当初の予定通り、鴨沢に行くことにした。鴨沢の少し手前の深山橋でバスを下車。

 鴨沢まで約20分歩く。ヤマザクラやヤマブキ、ミツバツツジが美しい。鴨沢のトイレによって出発。いつもなら雲取山へ行く人がいるところだが、今日は時間が早いからか人がいない。もっとも人が少ないに越したことはない。小袖乗越まで登山道を行く。

小袖乗越
4/14 小袖乗越から登り尾根に取り付く。
910m付近
4/14 910m付近の平らなところ。小袖山(1054.0m三角点峰)と間違えた。

 小袖乗越から登り尾根に取り付く。七ツ石山へ登る道は小袖集落へ続く車道を100m行ったところから始まるが、登り尾根はその末端からいきなり取り付く。

 登ってすぐ給水施設のような青い建物を見送り、急登を行く。910m付近でいったん平らになるのでここが小袖山(1054.0m三角点峰)かと思い、三角点を探すが見つからない。どこかそこら辺にあるのだろうと決めて少し休み、さらに登る。910m付近からは傾斜は緩やかになり、歩きやすい。

 9:18、本物の小袖山(1054.0m三角点峰)に着く。アセビの中に確かに三等三角点があったのでこれが本物の小袖山である。思ったほど進んでいないことにがっかりするも、地形図ではここから先しばらく平坦なので心は軽い。

吊り橋
4/14 標高910m過ぎの緩やかな稜線。
小袖山
4/14 小袖山(1054.0m三角点峰)山頂。

 小袖山からは東側に小尾根が伸びているので少し紛らわしい。その先平坦な道を行くと二重山稜になる。薮も薄く、気持ちいい。ちょうど奥多摩のタワ尾根から篠を取っ払った感じだ。葉の落ちた広葉樹林帯を登って行く。山のふもとは桜やヤマブキなどの花があったが、山の上は枯れ葉の積もった林で景色は秋と同じだ。やがて尾根が細くなり、登り道になって9:40ごろ1214m峰。

二重山稜
4/14 二重山稜の底部。
広い尾根
4/14 広い尾根を登る。タワ尾根と雰囲気が似ている。

 登りの緩急はあるのだが、全体的に尾根が広く、現在位置がつかみにくい。しかしそれは単に私が山の感覚を忘れているだけかもしれない。1214m峰以降は細い尾根を登ったり下ったりしながら歩く。アセビが多い。10:03ごろ1274m峰。雷に打たれて裂けたと思われる木が立っており、そのようすが痛々しい。

1214m峰先
4/14 1214m峰先の細い尾根。
1274m峰付近
4/14 1274m峰付近。雷に打たれて裂けたと思われる木。

 その先でまた二重山稜になり、東側の山に小屋がある。「TKWV ふみあと山荘」という看板があり、どこかの大学ワンゲルの小屋のようだ。ちなみに私の出身の東工大ワンゲルではない。

TKWVふみあと山荘
4/14 TKWVふみあと山荘。二重山稜の向こう側に建っている。
堂所
4/14 堂所。一般登山道と合流。右側の小道から下りてきた。

 ふみあと山荘から少し行くと10:14、登山道の堂所に出る。堂所から西側の片倉谷には作業道が続いている。

 登山道は堂所から登り尾根の東側、西側をからみながら登って行く。私はできるだけ稜線を登って行く。だが、七ツ石小屋に近づくにつれて笹ヤブが濃くなってきたので登山道に出てしまう。登山道に出てからしばらくで七ツ石小屋。ここでしばらく休む。

 天気は一時雨という予報ははずれ、晴れ。日差しが強い。小屋の日陰はないのでベンチでシャツをかぶって休む。鴨沢から2時間半。変なルートを登ってきたが、一般登山道とほぼ同じタイム(2時間35分-「アルペンガイド6 奥多摩・奥秩父・大菩薩」,1997)なのでけっこう疲れた。七ツ石山行きを取り消してすぐ赤指尾根に取りかかろうかと考えるが、ここまで来てピークを踏まないのもなんなので、当初の予定通り七ツ石山へ登ることにする。

登り尾根
4/14 登ってきた登り尾根とこれから下る赤指尾根。
七ツ石山山頂
4/14 七ツ石山山頂。

 七ツ石小屋から少し上の水場は水量が少ないながらも流れていた。でもこの程度だと5月の連休は水を当てにする人たちで行列になってしまうだろう。水をすくうためのコップも必要だ。

 水場の上から雪が現れる。一冬越えた固い雪ではなくせいぜいひと月前に降ったザラザラの雪だ。それでも履いてきたのが登山靴でなく安全靴なので滑る。しばらくの登りで石尾根の縦走路に出て七ツ石山へ。山頂には一組の男女が休んでいた。他に人はいない。天気予報で雨を伝えていたからだろうか。しかし天気はよく、富士山も見えた。見える雲取山は道沿いに少し雪が残っていた。もっとも5月の連休には消えてなくなるだろう。


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