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2010年春 - 奥多摩・雲取山


2010年4月24日(土)〜4月25日(日)
場所
埼玉県秩父市(旧秩父郡大滝村)、東京都西多摩郡奥多摩町
ルート
4月24日
池袋=西武秩父=三峯神社…芋ノ木ドッケ…雲取山避難小屋(泊)
4月25日
雲取山避難小屋…七ツ石山…鷹ノ巣山…六ツ石山…奥多摩駅
参加者
L. 中山、山田(千)、山田(真)、松本
参考文献

はじめに

 雲取山は東京都、埼玉県、山梨県の県境に位置する標高2,017mの山であり、東京都の最高峰でもある。荒川と多摩川の流域界でもある。一般登山道は奥多摩側からは鴨沢から、三条の湯から、日原からなどいくつかあるが、秩父側からは今回の三峯神社からの登路しかない。

 今回私が歩いたことがないので三峯神社からの登山となった。なお三峯神社にかかっていた三峰ロープウェイはいつの間にか廃業していた。代わりに西武秩父から三峯神社までの急行バスが運転されており、今回も利用した。

 今回のメンバーは山田(千)さんが雲取山に行くのにいい季節を私に尋ねてきたのがきっかけである。前にいっしょに常念岳に登った山田(真)さんと、その会社の先輩の松本さんの寄せ集めのパーティーになった。

1日目

2010年4月24日(土) くもり

池袋=西武秩父=三峯神社…芋ノ木ドッケ…雲取山避難小屋(泊)

コースタイム
三峯神社バス停10:25
10:39
三峯神社バス停10:50
10:52
霧藻ヶ峰休憩所12:31
12:51
白岩小屋14:15
14:19
白岩山14:45
14:55
大ダワ15:49
雲取山荘16:10
16:25
雲取山
(雲取山避難小屋)
17:00
19:50就寝

 池袋駅7:00集合。三峰口行きの快速急行に乗り、西武秩父で下車。西武観光バスの急行三峯神社行きに乗る。始発の西武秩父で満席だった。急行というだけあって停車バス停は三峰口駅、大輪、秩父湖、三峯神社と少ない。三峰口でさらに10人ほど乗ってきて満員になった。振幅の大きなつづら折れの道を登って三峯神社へ。大洞川から離れるところにバス停を作ってくれれば大洞川の沢も行きやすくなるのに、と思う。

 三峯神社の駐車場は広かったが、車は少なかった。天気はよいのだが、寒い。初めて来たので三峯神社に参ってくる。千紘さんだけ仕事柄、ビジターセンターを見て神社には行かなかった。三峯神社は思いのほか大きな神社でおみやげ屋さんもある。参拝するときに拝殿の中にも参っている人が見えた。

三峯神社
4/24 三峯神社に参拝する。
植林帯
4/24 植林帯を歩く。

 ザックを置いたビジターセンターへ戻り、出発。植林帯を歩く。途中で妙法ヶ岳への道を分ける。落葉樹の明るい尾根のところでは炭焼き小屋跡があった。地蔵峠へ登るあたりから雪が出てきた。地蔵峠にはベンチがいくつかあったが、混んでいたので霧藻ヶ峰休憩所へ進む。雪のついた斜面を登りきると霧藻ヶ峰三角点。西側が火事の後だかで見通しがよい。昭和44年にあったという山火事を紹介する看板があった。

地蔵峠
4/24 地蔵峠には休憩している人がたくさんいた。
霧藻ヶ峰休憩所
4/24 霧藻ヶ峰休憩所で休む。和名倉山方面の眺めがよい。

 秩父宮のレリーフが埋め込まれた岩を右から巻くと霧藻ヶ峰休憩所。天気はいつの間にかくもりになっており、寒い。小屋の主人が「よかったらどうぞ」と中での休憩を勧めるが、休憩料300円の看板が気になって外で休んだ。その後何人かの登山客が小屋の中に吸い込まれていった。

お清平
4/24 霧藻ヶ峰から下るとお清平。ここから急登。
鎖場
4/24 唯一の鎖場を登る。

 霧藻ヶ峰から下るとお清平。平らだけどそんなに広くはない。お清平から急登。1776m標高点を過ぎ、登り返すと白岩小屋。白岩小屋は人が入っておらず、あまり管理されていないように感じた。5月連休直前のこの土日で人がはいっていないということはもう廃止したのかもしれない。

白岩小屋
4/24 白岩小屋。無人のようだった。
シカ
4/24 白岩山をすぎてすぐシカに遭った。

 白岩小屋からもうひと登りで白岩山。まわりの檜はだいぶ雪をかぶっていて、緑と白の風景になっている。白岩山から少し歩くと登山道にシカがいた。人間に興味があるのか近づいてきた。途中で登山道を離れて行ってしまったが、こんなに人に慣れたシカは初めてだった。その後、芋ノ木ドッケの巻き道に入るところでもシカを2頭見かけた。

 芋ノ木ドッケの巻き道はあまりよくない。雪が積もっており、下り道は滑りやすい。階段などが整備されているもののアイゼンが欲しいところだ。でもわずかの間だったので、アイゼンを使わなかった。

芋ノ木ドッケ
4/24 芋ノ木ドッケを西から巻く。雪が付いていて滑りやすい。
大ダワ
4/24 静かな道を下り、大ダワへ至る。

 芋ノ木ドッケの巻きをすませて大ダワ。登り返して廃墟の雲取ヒュッテの横を通り、雲取山荘へ。雲取山荘には6、7張のテントと小屋前の人の混雑があった。こんなに混んでいるとは想定していなかった。この調子では山頂の避難小屋も満員で泊まれないかもしれない。となると、雲取奥多摩小屋へ下るか、そんなことを考えながら水を汲んだ。水は流水があり、凍ってはいなかった。

雲取ヒュッテ
4/24 廃墟になっている雲取ヒュッテの横を通る。
雲取山荘
4/24 雲取山荘。

 雲取山荘から滑りやすい雪の斜面を登る。考えてみればここでアイゼンを出すべきであった。でもアイゼンを出すタイミングを逸してしまい、滑りながらなんとか登る。樹林帯を抜けたところで雲取山

雲取山
4/24 雲取山荘の裏からは滑りやすい登山道だった。
雲取山
4/24 雲取山山頂で集合写真。

 まず雲取山避難小屋へ行き、空き状況を確認する。バラバラなら何とか4人入りそうだ。我々含めて15人くらいが入っていた。その後2人が入ってきて土間近くで寝ていた。ザックを小屋に下ろしたあとで山頂で記念撮影。天気はよかった。小屋に戻るときにまたシカを2頭見かけた。

 この日はカレー鍋をつくり、軽くビールを1杯飲んだ後、就寝。避難小屋泊まりの人は就寝が早いようで私たちが就寝する19:50ごろにはほとんどの人が寝ていた。

2日目

2010年4月25日(日) 快晴

雲取山避難小屋…七ツ石山…鷹ノ巣山…六ツ石山…奥多摩駅

コースタイム
雲取山
(雲取山避難小屋)
3:30起床
5:10
雲取奥多摩小屋5:43
5:58
七ツ石山6:32
6:42
鷹ノ巣山避難小屋7:53
7:59
鷹ノ巣山8:23
8:50
六ツ石山下10:15
10:29
石尾根640m11:53
12:05
奥多摩ビジターセンター12:49
12:57
奥多摩駅13:04
13:16

 3:30起床。日の出とともに行動するつもりで起きたが、私たちが一番最初に起きたようだった。みんな4時過ぎに起きていた。土間でご飯を炊き、昨日のカレー鍋を温め直してチーズをかけて食べる。真生さんに計画してもらったリゾットであった。日の出前にトイレに外に出ると天の川やさそり座、カシオペア座が見えた。東京の街の灯りも見えたが、とりわけ明るかった光は何だろう。東京港か羽田空港だろうか。

雲取山避難小屋
4/25 朝、雲取山避難小屋から石尾根を下る。
富士山
4/25 雲取山の下りで見た富士山。

 5時頃日の出。荷物をまとめて石尾根を下る。天気は快晴で富士山をはじめとして南アルプス、奥多摩、丹沢の山が見渡せる。ただ4月末としては気温は低くて氷点下5度。カッパを着て歩いた。ダラダラと広く平坦な道を歩き、小雲取山。急な道を下り、ヨモギの頭へ少し登り返して雲取奥多摩小屋。トイレ休憩。暖かくなってくるので上下1枚ずつ脱いだ。休んでいると外国人、白髪のおじさん、若い男性のなんだか不思議な取り合わせの3人組が小屋から出てきた。この3人とは六ツ石山くらいまでずっと前後した。

雲取奥多摩小屋
4/25 雲取奥多摩小屋でトイレ休憩。
雲取奥多摩小屋
4/25 雲取奥多摩小屋のヘリポートには霜柱が花畑のように広がっていた。

 また広い道を歩く。あちこちに霜柱が立っていて5, 6cmほどと背が高い。さながらもやしのようだ。ブナ坂から登り返して七ツ石山。ここでも体温調整。七ツ石山から鷹ノ巣山までは巻き道を歩く。小袖川の源頭で広いところがあり、三頭山がよく眺められた。南面を歩いていて日当たりがよく、雪は殆どなかった。

雲取山
4/25 七ツ石山から雲取山を振り返る。南面は雪がない。
地蔵の頭
4/25 鷹ノ巣山から七つ石山を振り返る。稜線沿いに防火帯が切られている。

 長い巻き道の末、鷹ノ巣山避難小屋に出た。ここでトイレ休憩。鷹ノ巣山避難小屋は立派な小屋なので一度泊まってみたいのだが、鷹ノ巣山はなにぶん日帰りの山なのでここに泊まる計画をたてるのは難しい。鷹ノ巣山の登りでまたシカを2頭見た。本当にシカが多い。

 鷹ノ巣山の山頂でモモの缶詰を開ける。天気がよいが、南風が少し冷たかった。鷹ノ巣山の下りは霜柱が融けたのかドロドロしていて滑りやすかった。また防火帯の広い道を歩いていく。六ツ石山を北から巻く。稜線に戻ってからしばらくしたところに気持ちのよい日なたがありそこで休む。

鷹ノ巣山
4/25 鷹ノ巣山で休憩。南風が少し寒かった。
六ッ石山
4/25 六ッ石山からの下り。

 狩倉山1452m峰の下りが少し急でそのあともしばらくそこそこの下りが続く。折しも日帰りの人が続々と登ってきた。三ノ木戸山あたりからは高校生がたくさん登ってくる。高校生と何度か挨拶しながら814m標高点付近で休む。

車道
4/25 車道に下山。
日原川
4/25 日原川には新緑が映えていた。

 そこから神社の前を通り、いったん車道を歩いたあと、また登山道を歩き、氷川の町に出た。ビジターセンターからもえぎの湯へ向かうが、30分待ちという看板を見つけ、風呂を諦める。もえぎの湯の分岐のあたりから多摩川河川敷にテントがたくさん見えた。今日は高校生をたくさん見かけたし、高校の県の総体なのかもしれない。奥多摩駅に戻るとカメラを持った人がたくさんいた。こちらはさよなら201系の運転を撮影するらしい。おかげでふだん登山客しかいない奥多摩駅が混雑していた。

 青梅行きに乗り、青梅で立川行きに乗り換え。河辺で風呂にはいる3人と別れて帰宅した。

おわりに

 天気がよく景色もよく、気持ちのよい山行であった。ただ思ったより寒かったのと、5月連休前とあって人の多いのが難点であった。北側斜面ではまだ雪が残っており、軽アイゼンがほしいところだった。私が10年前に登ったときは雪もなくそんなに寒くはなかったのだが、この季節、暖かい日も寒い日もあるので運次第だろうか。

 今回はシカをたくさん見た。白岩山付近で3頭、雲取山山頂で2頭、鷹ノ巣山で2頭と、計7頭も見かけた。冬の間シカの駆除を行っているという看板を見たのだが、あんまり人を恐れているようすもないようだ。


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