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2003年春 - New Zealand旅行[4/37]

成田空港→クライストチャーチ


0日目

2003年2月25日

自宅→成田空港(機内泊)

 16:00、家を出る。家の最寄駅が成田空港に乗り入れている京成線なので、一本で行けた。駅から空港に入るところで身分証明書をチェックされた。パスポートを提示した。

 初めて成田空港に来たので勝手がわからない。はじめてのおつかいみたいに緊張している。まずHISのカウンターで航空券の引換券を航空券に換えてもらう。カウンターが出国ゲート別に2つもあって、はじめは違うほうに行ってしまった。

 その次にカンタス航空で搭乗手続き。カウンターに入るところでX線検査があった。ナイフなんかはコッヘルの中だったが、何も言われなかった。カウンターに行って、そこで刃物は機内持ちこみにしなければいいことを教えてもらう。また、ここで荷物を渡すことを知る。荷物を渡すのって飛行機に乗るすぐ手前かと思っていた。ザックは15キロくらいだった。搭乗券をもらう。

 あとは出国手続きだけになって座って落ち着く。緊張もすこしおさまった気がする。まだまだ時間があったので、空港の中をうろつくことにする。店を見て回っていると、かかとを踏まれるようなうしろに引っ張られる感じがあった。と、履いていた左の山靴の底から土がでてきた。ちょっと驚いて、トイレに行って土をかき出そうと向かった。で、トイレで靴を脱いで見てみると、靴本体と靴底のゴムの間のウレタンが壊れて、パン粉状にボロボロ崩れてくるではないか。かき出せるだけかき出すと靴がワニになってしまった。

 この靴は高校のとき使っていたもので、縫い目もほどけて古くなったものである。それで、大学に入って新しいものを履き始めたのだが、大学3年間押し入れに入れたっきりで一度も使わなかった。今回、壊れたり盗まれてもいいやと思い、この靴で行くことにしたのだ。思い出せば、文登研に「古くなった山靴は壊れるから気をつけなさい」という旨のポスターを見た気がする。あれを見たときは20年くらい前の「古い」靴が対象なのだろうと思っていた。まさか、登山歴6年目にして道具が古くなるとは思わなかった。登攀具は別にしてね。

 それで気分は一転、緊張から心配に。山に行くのに靴がなければ登れない。はじめに考えた対策は細引き(ひも)でゴム底と靴本体をしばりつける。他にある靴はサンダル、沢タビ。沢タビは当初Arthers Pass National Park にあるWaimakariri-Harman Pass Routeというコースを行こうと考えていたから。ここは川の渡渉があるらしいので。

 はじめの対策がだめなら沢タビになるか、最悪、靴を買うか。そんな心配をしていた。意外な結末になるのだが。

 出国手続きを済ませる。まずX線の手荷物検査。わたしは軽量化のためにサブザックを持ってこなかったのだが、そのかわりに手荷物はスーパーの袋に入れてきた。そしたら、そんな奴はわたし一人だけだった。入れていたのはクッキーなどお菓子類とお茶、おにぎり、日記、筆記用具、本など。食べ物は機内食がちゃんと出るのかどうかよくわからなかったので。そのあと、出国審査。パスポート見せるだけだった。

 そのあと、ささやかな免税店があって、なんだか変なモノレールに乗って北側の出国ゲートに。貧乏性だから「これは料金を取るのか」ときょろきょろ料金箱を探してしまった。指定されたC88ゲートはモノレール着いて左の一番奥。動く歩道がたくさんあった。C88ゲートの前で座って待つ。待っていたら、右の靴からも黒いパン粉がボロボロと。どうすんだ、これ。半分くらい笑ってたかもしれない。

 20:00ころ、搭乗手続き。搭乗券を航空会社の人に渡して、自動改札みたいなのを通してもらう。あとはじゃばらの橋を渡って飛行機に乗った。20:30、定刻どおり出発したと思う。窓際の席。離陸の瞬間が見られる。これは事実上の初めて飛行機を体験するものにとって、大変重要である。滑走路までだいぶ長く走った後、順番待ちの上、離陸。急加速だ。クッタKutta=ジューコフスキーJoukowskiの定理によれば、平行流中の円柱にかかる揚力Lは空気密度、流体の速さ、循環の積であらわされる。本当に飛ぶのか?理論どおり飛ぶのか?ドキドキしているとぐっと機体が持ちあがって飛んだ。光が離れているのを見て、高度があがっているのがよくわかった。九十九里海岸の光の線とねじれの位置に飛んでいく。その先は光一つない本当の夜だ。日本を出たのだ。

 そのあと、機内食が出て食べて寝た。高度と対地速度の表示がkm/mileの並行表示だったなあ。音楽はクラシックを聴いていたが、「Rhapsody in Blue」しかわからなかった。シドニーは日本より2時間早い。時計を合わせるともう1時だった。


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