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2017年冬 - 丹沢・畦ヶ丸山


2017年1月14日(土)〜1月15日(日)
場所
神奈川県足柄上郡山北町/西丹沢
ルート
1月14日
新松田=大滝橋…一軒家避難小屋…畦ヶ丸避難小屋(泊)
1月15日
畦ヶ丸避難小屋…畦ヶ丸…善六のタワ…西丹沢自然教室=新松田駅
参加者
中山、道場、鈴木、石井
参考文献
敷島悦郎,30 西沢から畦ガ丸,ヤマケイ アルペンガイド11(山と渓谷社,2000)P.160-162

はじめに

 年明けに飲み会山行をしたいと鈴木に伝え、大学ワンゲルのOBで集まって山で飲むことにした。以前鈴木とのぞいた畦ヶ丸避難小屋に暖炉があり快適そうだったので、畦ヶ丸に登ることにした。しかし、自分の記録を調べてみてちょうど12年前ということに戦慄した。

1日目

2017年1月14日(土) 曇りのち晴れ

新松田=大滝橋…一軒家避難小屋…畦ヶ丸避難小屋(泊)

コースタイム
大滝橋バス停9:25
9:35
一軒家避難小屋10:30
10:54
尾根取り付き910m11:19
11:27
1200m付近12:07
12:20
畦ヶ丸避難小屋12:40
12:52
一軒家避難小屋13:38
13:48
尾根取り付き910m14:05
14:17
畦ヶ丸避難小屋15:15
21:00就寝

 新松田駅に集合する。鈴木から6時過ぎに起きたので遅刻するとメールがくる。今回は全て公共交通機関なので後から追いかけるよう伝える。ついでに日本酒を買ってくるようお願いした。

 西丹沢自然教室行きのバスは15人くらいが乗っていた。大野山入口というバス停で半分くらいが降りていった。さらに玄倉で5人くらい下車する。玄倉には小川谷廊下のときしか行ったことがないのだが、冬は一体どこに行くのだろう。私たちは大滝橋バス停で下車するが、あと1人くらいが乗っていたような気がする。

 ザックを下ろし、荷物の再分配を行う。フライパンや食料を石井と道場に渡す。しばらく林道を歩く。途中で林道が右へそれて行くが、看板に従い左手の登山道に入る。手持ちの地形図では林道終点から歩き始めるようになっていたので早くも現在地がわからなくなる。

 石井が地図買い忘れたとか言ってスマホの地図を片手に歩いている。GPS機能で現在地がわかり、一軒屋避難小屋まで1/4くらい来ました、とか教えてくれるが、まだ10分しか歩いていないだろ、と突っ込む。実際のところ、距離的には1/4くらいだったのだろうが、その先に急登があるため時間はかかった。

大滝橋バス停
1/14 新松田駅から1時間ほどバスに揺られて大滝橋バス停で下車する。
マスキ嵐沢
1/14 マスキ嵐沢と分かれるとジグザグの急登。

 マスキ嵐沢を離れてジグザグの急登を行く。ところどころ丸木の橋が新しいものになっていて更新を進めているのがわかる。しばらく尾根を巻いて歩くと一軒家避難小屋に出た。鬼石沢とステタロー沢が合流する箇所である。

 一軒家避難小屋は中の2/3くらいのスペースがベンチやテーブルで占められており、残りの1/3くらいが寝床になっていた。泊まるには狭いだろうか。外のテーブルで休む。天気はくもりで歩くと暑いし、休むと寒い。

一軒家避難小屋
1/14 ステタロー沢と鬼石沢の二俣に立つ一軒家避難小屋。休憩するスペースは広いが寝るスペースは少ない。
ステタロー沢
1/14 ステタロー沢をしばらく登ると右手の尾根に木の階段を認める。尾根に上がると思ったらそれは仕事道だったのでもう少し左の沢沿いに進む。

 ステタロー沢沿いに歩く。途中、谷が2つに分かれて間の尾根に登山道らしき木の階段が見えたのでここで水汲みを行おうとする。石井が半分くらい水を汲んだところでまだ尾根に取り付く場所ではないと気づき、水汲みをやめる。正面の木の階段は治山用の仕事道で入り口に看板とロープがあった。左手の沢を5分ほど歩くと本当に尾根に出る箇所に出た。ここで持っている全ての水筒に水を汲む。小屋泊に必要な水を持ち上げるためだが、肝心の15リットルポリタンを鈴木が持って来ている。荷物の分配をしながら水を背負いあげるつもりだったが、鈴木の負担が大きいので小屋に着いたら鈴木の手伝いに誰か行くように決める。

標高910m付近
1/14 ステタロー沢標高910m付近で沢を離れて尾根に取り付くので水を汲む。
大滝峠上
1/14 枝尾根から大滝峠上に上がったところ。

 雪がついていて石井が慣れない足取りである。少し登ると枝尾根に出た。大滝峠上に出ると北西風が冷たい。休むには寒いので先を進むことにする。手袋は出したが、目出帽を出していなかったので手袋で耳を隠しながら歩く。1人畦ヶ丸山から大滝橋へ降っていた。この辺歩く人は普通日帰りだろうな、と思う反面、ほとんど人が歩いていないので小屋泊まりは他にいないだろうと思う。

畦ヶ丸
1/14 畦ヶ丸へ登る。北西風が冷たい。
畦ヶ丸
1/14 畦ヶ丸避難小屋のピークへの最後の登り。

 荷物が増えると急登に感じ、標高1200mくらいでは2人は額に汗をかいていた。風も吹いていないのでここで休むことにする。ただ雪がちらついていた。あとで鈴木に聞いたところ、新松田でも雪が降っていたそうだ。2箇所くらいで太い網に包まれた丸太などの資材が雪に埋もれているのを見た。どうやら登山道を整備している途中のようだ。

 ゆるゆると登ったピークには手袋が2つ忘れて置いてあり、さらにキツツキがやたら連打した枯れ木が立っていた。少し下って急坂を登りきると畦ヶ丸避難小屋があった。雪が降っているのですぐ入り込む。他の客はおらず、小屋の真ん中に暖炉がある構成は変わっていなかった。

畦ヶ丸避難小屋
1/14 畦ヶ丸避難小屋に到着。雪がちらつく。
畦ヶ丸避難小屋
1/14 備え付けのコタツを出し、暖炉に火をつける。

 誰が鈴木の水汲み荷物の手伝いに行くか考えたが、まだ体力が残っている私が行くことにした。石井と道場にお湯を温め、暖炉が使えるか調べるように伝える。テルモス、アイゼン、カッパ、防寒着などをザックに入れて下る。

 雪の登山道は登りは不安定だったが、下りはザックが軽いのもあってうまくストックをついていけばそこそこスピードが出た。途中中高年の夫婦が道の途中でガスを使って何かを温めていたが、陰になって直前まで見えなかったので驚いた。50分下って一軒家避難小屋につくと休んでいた鈴木を見つけた。時刻は13時過ぎだし、なんか帰りたい気もしたが、2人で歩いて畦ヶ丸避難小屋に向かう。尾根の取付き点で15リットルポリタンを満たし、先に登らせた鈴木を追いかける。一番下に置いたポリタンが重く、ザックが振られる。よろよろしながら大滝峠上で待っていた鈴木に追いつく。途中1回休んで15時過ぎに畦ヶ丸避難小屋に着いた。

 小屋に入ったら石井が持って来た炭の半分くらいを使ってしまったと謝られる。使ったものは仕方ないので小屋の周囲から薪を集める。しかし、雪に覆われていて木が見つからない上、雪が付いているので湿っている。それでもいくらか見つけて小割りにして小屋の中に入れた。火遊びが好きな鈴木に暖炉の番を任せるとだんだん小屋の中が煙くなってきたが、火は着いた。道場はauの電波が入ることをいいことに携帯電話でゲームをしていた。

 小屋に備え付けられていた銀マットとコタツを出して中に入る。電気はないのだが、足を入れていると暖かく感じる。あとで鈴木が暖炉で温めたレンガを布切れに包んでカイロにしてくれた。鍋を作り酒を飲み、肉を焼いて食べた。最後に鈴木が残していたおにぎりにお茶をかけてお茶漬けにして食べた。小屋に置いてあった賞味期限切れのおかか昆布を入れると美味しかった。小屋にはガスコンロや電動のこぎりなどの道具、少量の飲み物や食べ物など登山道整備で使用したと思われるものが置いてあった。

 小屋の外に出ると相模湾沿いのどこかの街の明かりが見えた。風もなく天気はよさそうだ。20時過ぎにはお茶を飲み、コタツを撤去して寝た。小屋には石井と道場が着いた時から誰も来なかったそうだ。私も単独行1人と中高年夫婦1組の計3人しか見ていない。寒波が来ているという予報だからか人気のない山なのかわからないが、静かな山である。

2日目

2017年1月15日(日) 晴れ

畦ヶ丸避難小屋…畦ヶ丸…善六のタワ…西丹沢自然教室=新松田駅

コースタイム
畦ヶ丸避難小屋6:39起床
8:45
善六のタワ9:13
本棚分岐9:43
10:00
西丹沢自然教室10:30
10:55

 夜は思いのほか寒かった。つま先が寒いので隣の布団に足を突っ込んで寝た。それでもみんなゆっくり寝ていて起きたのは日も差してきた6時過ぎであった。いそいそとコタツを作り、ラーメンを食べる。

 火の始末をして掃除し、小屋をあとにする。外は明るく晴れであった。善六ノタワ経由で西丹沢自然教室に下る。まずは畦ヶ丸山に登る。山頂の石碑の前で写真を撮り、尾根を東に向かう。朝日が明るく雪は昨日の尾根より少ない。雪はザクザクしていて凍結していないのでアイゼンも不要である。歩き始めは寒かったが、しばらく歩くと手袋を外すくらいに暖かくなった。

畦ヶ丸避難小屋
1/15 朝はラーメンを作る。
畦ヶ丸山
1/15 畦ヶ丸山に到着。
畦ヶ丸山
1/15 畦ヶ丸山から善六ノタワに至る尾根は雪が少ない。
善六ノタワ
1/15 善六ノタワは日陰で雪がある。

 善六ノタワを過ぎてすぐ尾根を離れる。モロクボ沢を登ったとき急で下りにくかった記憶があるが、そういうバイアスがあるせいかさほど下りにくいと感じなかった。尾根を歩いたり沢に出たり斜面を歩いたり、道の取り方が不思議な道である。途中日帰りらしい登山客に会った。私たちの泊まりがけのザックをみてどこからきたんですかと聞かれたが、上で泊まったと答えたら納得していた。

善六ノタワ
1/15 善六ノタワからは尾根とトラバースと沢沿いの道が混ざり下りにくい。
本棚出合
1/15 本棚出合で休む。

 本棚分岐に出たところで休む。谷あいだが日の光が差してきて温かい。テルモスの紅茶を飲んで温まる。ところで西丹沢自然教室のバスって何時なの、と聞くとちょうど10:55があるそうだ。その次は14時台みたいなのでよかった。あとは西沢に沿って下る。西丹沢自然教室まで500mくらいのところで石井が2回転び、尻から水に落ちていた。すれ違った単独行氏が驚いていた。ついでに鈴木も転んでいた。堰堤をいくつか階段で乗っ越し、最後につり橋を渡って西丹沢自然教室に到着した。鈴木が乾かすために振り回していた手袋にはつらら状の氷ができていたので氷点下らしい。そんなに寒いとは感じないが天気予報の言う通り冷え込んでいるようだ。

西沢
1/15 西沢に沿って下る。
西丹沢自然教室
1/15 西丹沢自然教室に到着しバスを待つ。

 バスが来るまで靴をサンダルに履き替えたり、濡れた人は着替えたりして過ごす。10:55のバスに乗る。1時間強のバス旅では石井に清算させたり、居眠りしたりした。ほとんど貸切で松田駅近くで3人が乗ってきただけだった。山北駅前で温泉の看板を見つけて、事前に温泉調べておけばよかったな、と残念がった。

 新松田駅で小田急に乗車し、鶴巻温泉駅で下車して温泉に入り、小田急線に乗って各自解散した。私は町田で下車し、横浜線に乗った。

おわりに

 畦ガ丸にはほとんど人が歩いておらず、畦ガ丸避難小屋に泊まる人もいなかったので飲み会山行の目的は達成できた。暖炉だけでなく、コタツやガスコンロなどいろんな設備が置いてあるのは意外であった。水がないのが最大の欠点だが、裏を返せば水さえ手に入れば快適である。

 肝心の水は4人の山行で15リットルポリタンに加えてプラティパス2リットル×2、2リットルペットボトル1つ、あとは各自のテルモス全部で2リットルくらい、計23リットルくらいを汲んだ。朝出発時の残量は6リットルくらいあったので、16から17リットルくらい消費した計算だろうか。酒飲み山行でも1人あたり4リットルくらいでよさそうだ。小屋の周りには積雪があるが、深さは15cmくらいなので飲み水にするにはよく探さないとゴミが入りやすいだろう。

(2017年1月15日記す)


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