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2016年夏 - 足尾・松木沢


2016年6月11日(土)〜12日(日)
場所
栃木県日光市(旧上都賀郡足尾町)
ルート
6月10日
立川駅=銅親水公園(泊)
6月11日
銅親水公園…松木沢840m付近…松木沢ジャンダルム1030m付近…松木沢840m付近(泊)
6月12日
松木沢840m付近…松木沢ジャンダルム1030m付近…松木沢840m付近…銅親水公園=水沼駅(解散)
参加者
リーダー H、K、中山、S、T、W
参考

はじめに

 恒例の松木沢合宿に参加した。今年はTさんとW君と2人の新人がマチガ沢に続いて参加してくれたので指導にも熱が入った。

0日目

2016年6月10日(金)

立川駅=銅親水公園(泊)

 夜21:10に立川駅集合。KさんとTさんの車に分乗する。東所沢でHさんをピックアップする。関越道経由で北関東自動車道伊勢崎ICで降り、銅親水公園には1:00ごろに着いた。他に車が3台ほど停まっていた。眠いのでテント張ってすぐ就寝。

1日目

2016年6月11日(土) 晴れのちくもり

銅親水公園…松木沢840m付近…松木沢ジャンダルム1030m付近…松木沢840m付近(泊)

コースタイム
銅親水公園6:25起床
7:10
松木沢840m付近8:03
8:32
懸垂岩1030m付近9:10
12:00
岩場基部940m付近12:40
16:08
松木沢840m付近16:20
21:00就寝

 朝起きると周りには車が12台ほど停まっていた。テントの外に出ると少し寒い。朝からこんなにたくさんの人がいるのは珍しい。予報通り天気は晴れ。ゲートを横からまたいで林道に沿って歩く。

 333m標高点付近の沢で水を汲んで進むといつものテント場の手前に焚き火跡があった。こんなところに幕営跡を見るのは初めてだ。焚き火の隣には薪が積まれている。ここで泊まろうかと迷うが、いつものテント場の方が広いので先へいく。心なしか道沿いの岸辺が川の浸食作用で削れているように見える。テントを張って登攀準備。

 川を渡って右壁基部に登る。いつもはシカ道があってどこを登るか迷うところだが、なんとなく踏まれているように感じた。右壁基部から右へ回って右ルンゼを登る。懸垂岩に到達し、フィックス用のくたびれたザイルをピナクルにセットする。

松木沢
6/11 年々削られている気がする松木沢左岸840m付近。
岩場
6/11 松木沢から岩場を見上げる。

 4本ほどザイルを垂らし、懸垂下降、登攀の練習。Tさんは割にスルスルと、W君は不慣れな感じで下っていった。1回目は念のためもう1本のザイルでビレイしながら、2回目はビレイなしで懸垂下降してもらった。左側の凹角、真ん中のフェース、右側の階段状の3つのルートがあるが、私は階段状とフェースを登った。階段状は難なく登れたが、フェースは膝をついたり美しさに欠けた。W君は他の人が登る様子をほとんど見ていないにもかかわらず、止まらずにフェースを登ってしまった。Tさんは1箇所登れないところがあってそこから下ってきた。私もそうだったし、普通の反応だ。ただ、2人ともマチガ沢同様ビビることなく登っていた。

懸垂岩
6/11 懸垂岩の全景。懸垂下降の準備中。
懸垂下降
6/11 懸垂下降するHさん(左)、階段状を登る中山(右)。
自己脱出
6/11 みんなで自己脱出の練習。
自己脱出
6/11 自己脱出するS君。

 途中で昼ご飯を挟む。先ほど焚き火の跡があった松木沢の道沿いにテントが1張増えていた。松木沢ジャンダルムに他の人が入っているのは初めて見る。右壁基部に取り付いているかもしれないね、ということで自己脱出も懸垂岩で行う。プルージックで自己脱出を行うが、2巻きだと体重かけると落ちるし、3巻きだと締まり過ぎるという悩ましい摩擦の程度であった。私は2巻きでスタートしたが、途中で摩擦が効かなくなったので、3巻きに直した。片足突っ張った状態で巻き数を増やすのはかなり辛かった。

真ん中のフェース
6/11 真ん中のフェースを登るTさん。ここから苦戦する。
真ん中のフェース
6/11 真ん中のフェースを登った中山。ムーブが美しくないのが登っていて感じた。

 右壁基部に下りフレーク登りと直壁を登る練習。フレークは苦戦せず登れた。直壁は下段を少し登っただけで両手両足が突っ張った状態になり、下りた。他の人の登り方を見ていると私は大股で次のスタンスを探してしまい、行き詰まってしまうようだ。とはいえ、小さな出っ張りに立ち込むのは難しい。

右ルンゼ
6/11 右壁基部へ右ルンゼを下る。
フレーク
6/11 フレークを登るHさん。
直壁
6/11 直壁を登ろうとして途中でセミになる私。
シカ
6/11 人を怖がらないのかテントに近づいてきたシカ。

 テントに戻って晩飯を作る。作っていると単独行や2人組くらいのパーティーが計4人ほど松木沢を下ってきた。どこを登ってきたのだろう。登山道を考えると国境平から皇海山だろうか。日帰りだと早足でないと難しそうだ。

 晩飯は正規の味噌鍋に、Hさんが持ってきた麻婆豆腐、Kさんが持ってきた豚肉ソテーと豪華であった。ビールを飲んで少しワインを飲んでもう眠くなってしまった。明るいうちからすでにウトウトと寝てしまう。シカが無防備にちょくちょく現れて、Kさんがシカ鍋だ、と言ってW君に取ってくるよう命じていた。対岸まで行ったがシカはとっとと逃げて行った。暮れてから山の歌を歌い、就寝した。

2日目

2015年6月12日(日) 快晴のちくもり

松木沢840m付近…松木沢ジャンダルム1030m付近…松木沢840m付近…銅親水公園=水沼駅(解散)

コースタイム
松木沢840m付近4:40起床
6:25
懸垂岩1030m付近7:00
8:38
岩場基部940m付近9:50
11:47
松木沢840m付近12:00
12:50
銅親水公園13:36

 今日も快晴。右壁のルンゼを登っていくと朝なのに暑い。懸垂岩に着いてピナクルにセットしたままのザイルから別のザイルを垂らし、今日は確保の練習をしてもらう。合わせてバックアップを取っての懸垂下降や半マストノットでの懸垂下降などいくつかバリエーションを増やしてもらう。Tさんは昨日の課題の真ん中のフェースに挑戦し、無事登っていた。

中山
6/12 懸垂岩を登る中山。
真ん中のフェース
6/12 真ん中のフェースを登るTさん。

 右壁基部に着いて、自己脱出、フレーク登り、直壁登りの練習。クライミングシューズはつま先が痛いので、フレークをスニーカーで登った。S君が直壁を中ほどまで登っていた。W君も健闘していたようだ。私は上でザイルを回収するタイミングを見計らっていたので見えなかった。

確保
6/12 確保の練習。
右壁基部
6/12 右壁基部で自己脱出の練習。

 右壁基部には宇都宮から来たという9人のパーティーがいて、日帰りと言っていた。ということは、私たちのテントと、もう1つ下流側にあるテントと計3パーティーも松木沢ジャンダルムに入っていることになる。他のパーティーが入っているだけでも松木沢7回目で初めてなのに、2パーティーも入っているなんて驚きだ。

直壁
6/12 直壁を登りきるKさん。
昼飯作り
6/12 テント場について昼飯を作る。

 今日のメニューを終えて下る。あとは昼飯のパンとサラダを食べ、テントを片付けて銅親水公園へ下った。20台近くの車が停まっており、驚いた。帰りは水沼駅の温泉に入り、北関東自動車道から帰った。

おわりに

 初めての2人を指導したが、2人とも私が初めての時に比べて随分登れていた。岩登りは経験よりもセンスによるものが大きいと私は思っているが、私が苦戦する懸垂岩の中央のフェースや右壁基部の直壁をスルリと登るW君はうらやましい。あんだけ登れれば楽しいだろうなと羨望していた。


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