山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2016年山行一覧>上越・谷川岳マチガ沢
今年も谷川岳マチガ沢に雪上訓練に行ってきた。今年は雪が少なさそうなので、去年よりも2週間早めた。結果的に5月連休の翌週に行くことになり、慌ただしい準備となった。
今年は近年には珍しく新人さん2人を迎えての指導となり、力も入った。
0日目 |
2016年5月13日(金) |
立川駅=土合駅(泊)
23時に立川駅に集合する。共同装備のほとんどと新人さんに貸す道具を背負うことになり、食料は皆無なのに重い。
YさんとKさんの車に分乗して土合へ向かう。土合駅に着いたのは翌14日1:40頃であった。駅舎に入るとテントがひと張りあったが、それと別に改札内から宴会をしている声が聞こえた。もう日付も過ぎているのに元気な人たちだ。私たちはその喧騒の聞こえない駅外の軒下にテントを張った。
1日目 |
2016年5月14日(土) 晴れのちくもり |
土合駅=白毛門登山口…マチガ沢出合…二ノ沢標高1300m付近…マチガ沢出合(泊)
白毛門登山口 | 6:20 |
6:48 | |
マチガ沢出合 | 7:17 |
7:45 | |
二ノ沢1300m付近 | 9:45 |
13:50 | |
マチガ沢出合 | 15:04 |
21:50就寝 |
荷物を減らしてシュラフカバーだけにしたが、寒くなかった。みんな続々と起きていて、最後に起きたのは私だった。荷物を車に積み込み、白毛門登山口に向かう。白毛門登山口に車を置き、マチガ沢出合に向かう。西黒沢が石で埋まっていてかかっていた石橋も埋まっていた。水は10mほど北側を流れており、そこはもはやただの河原であった。その先のトラロープの張ってある箇所は依然として崩れており道幅が狭い。
マチガ沢出合に着いて沢を渡る。去年は橋がかかっていたが、今年は時期が早いのかまだ橋は架かっていなかった。左岸に渡って単管パイプの階段を登りいつものテント場に着いた。
5/14 マチガ沢出合にはまだ橋がかかっていなかった。 |
5/14 国道から見上げたマチガ沢。白矢印が練習場の二ノ沢。 |
テントを張って国道に登る。国道から見るマチガ沢は雪がひどく少ない。いつもの二ノ沢で練習できるか不安になる。巖剛新道を登り、途中でマチガ沢に出る。マチガ沢は河原でザーザーと水が流れている。例年なら雪渓の末端で見上げるとスキーヤーが滑っているのが見えるのだが、今年はちょっと樹木のうるさい河原が見えるだけだ。しばらく登るときれいなナメ床が出てきて沢登りとしても面白い。ただ、革靴を履いているので水を避けて登る。S字カーブの1050m付近からやっと雪が出てきて雪面を登る。雪が少ないからか傾斜が急に感じる。S字カーブを終えると大滝が雪渓の真ん中に顔を出していた。大滝という割には小さいが、たぶん滝の一部しか見えていないのだろう。大滝の横で水を汲んでいるとフキノトウを見つけた。
練習メニューは雪面の登下降、トラバース、バックステップ、滑落停止、ピッケルを埋設して支点にしての腰がらみ、スタンディングアックスビレイである。マチガ沢に初めて来た人はその急な傾斜に恐れてへっぴり腰になったり、動きがぎこちなかったりするものだが、Tさん、W君とも恐れずに下ったり滑落停止を行っていた。私が初めてのときはけっこうビビっていたので二人とも堂々たるものであった。練習中は本谷を横断するカモシカを見かけた。YさんとKさんは本谷の上の方を横断するクマを見かけたらしいが、私は見えなかった。
5/14 スタンディングアックスビレイ。 |
5/14 練習を終えて下る。 |
ひと通りの練習を終えてテント場に下る。雪渓がなくなると沢の下りであったが、2人ともさほど遅れることはなかった。国道に出るとOBのHさんがいて、聞くと待っていたとのこと。誘って一緒に焚き火を囲むことにする。下る途中でYさんが大量のウドを採ってくる。
5/14 フキノトウはすっかりとうがたち、花も散ってほおけていた。 |
5/14 夜の宴の準備中。 |
マチガ沢出合のテントに戻って鍋を用意し、焚き火を起こし、酒を飲んだ。Yさんが積んだウドは茎を湯がいて酢味噌和え、葉っぱはKさんが天ぷらにしてくれた。Kさんが歌集を持ってきていてなぜか私に歌うよう求められるので幾つか歌って寝た。
2日目 |
2015年5月15日(日) 雨のちくもり |
マチガ沢出合…二ノ沢標高1300m付近…マチガ沢出合…白毛門登山口
マチガ沢出合 | 6:00起床 |
7:33 | |
二ノ沢1300m付近 | 9:20 |
11:00 | |
マチガ沢出合 | 12:00 |
13:03 | |
白毛門登山口 | 13:30 |
13:50 |
朝起きるとくもりであった。昨日の鍋の残りにうどんを入れて食べる。朝から何人かの人が登山道を通って行った。
国道から見るマチガ沢は上の方がガスっていてあまりいい雰囲気でない。昨日と同様、巌剛新道を登って途中からマチガ沢に出る。昨日歩いている分、歩きやすい場所は見つけやすかった。それでも雪がない分、二ノ沢までは2時間近くかかってしまった。二ノ沢分岐付近では本谷を登る3人のシルエットが見えた。もう三ノ沢分岐を過ぎてだいぶ登っていた。ところどころ雪が切れている部分があるが、シュルンドの処理が大変そうだ。
5/15 国道から見たマチガ沢。くもっている。 |
5/15 二ノ沢出合までくるとガスが取れてきた。 |
5/15 滑落停止の練習をする私。 |
5/15 支点の確認を指示する私。 |
ニノ沢で今日も昨日と同じ練習のおさらいをする。練習しているとだんだん天気もよくなってきて雪面がまぶしい。湯檜曽川対岸の白毛門と笠ヶ岳を見るとほとんど雪がない。今年は湯檜曽川本谷も梅雨明け頃に登れてしまうのかもしれない。スタンディングアックスビレイまで終えて練習を終わりにする。網替わりのザイルを外し、回収する。
5/15 腰がらみの練習。 |
5/15 白毛門に見下ろされながらマチガ沢を下る。 |
マチガ沢出合に戻ってテントをたたみ、サラダを作ってパンを食べ、白毛門登山口に戻る。湯檜曽温泉の永楽荘の風呂に浸かって帰った。
驚くほど雪が少なく、期せずして沢登りをしてしまった。天気がよく、新人2人の飲み込みもよく、充実したマチガ沢合宿だった。
(2016年5月15日記す)