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2016年冬 - 八ヶ岳・阿弥陀岳中央稜(第一岩峰まで)


2016年1月24日(日)
場所
長野県諏訪郡原村/八ヶ岳
ルート
立川=舟山十字路…広河原沢二俣…阿弥陀岳中央稜第一岩峰…広河原沢二俣…舟山十字路=立川
参加者
L. 中山、K
参考文献
「山と高原地図32 八ヶ岳・蓼科」(昭文社,2000)

はじめに

 23日に飲み会の予定があり、この土日は家でゴロゴロしていようと考えていた。でも飲み会以外の予定がなく、2日とも日中家にいるのは暇なのでどこかに出かけることにした。都県境を歩こうとも思ったが、土曜に雪が降る予報のため、距離が稼げないのでやめた。Kさんが八ヶ岳に行く予定というので、私も一緒に行くことにした。

 阿弥陀岳中央稜は阿弥陀岳の御小屋尾根と南稜の間に位置する尾根。広河原沢の本谷と左股の間にある。登りきると阿弥陀岳の西ノ肩(摩利支天)に到達する。エアリアマップでは実線も破線も引かれておらず、西ノ肩に「この踏み跡に迷い込まないように注意」と途中までグレーの破線が描かれているだけである。オンラインで検索すると、夏にも登られているルートのようだ。

 紹介している書籍は日本登山体系くらいしか知らないが、その紹介はあっさりしている。広河原沢のルンゼの下りに使われているようだ。

 広河原沢本谷と左俣を分ける尾根で、下降路として使われることが多い。技術的に問題になるところはないから積雪期は初級者のラッセル訓練には格好の場といえる。

 取付きは末端からなら左俣へ200m入ったところにある切り開きをつめる。本谷側では右岸へ落ち合う第一の枝沢の出合いの先で尾根に取り付くが、このほうが一般的だ。尾根は上部で岩壁を2つもつが、第一のものは右側を、第二のものは左をいずれも巻いてゆく。岩壁の上はやせ尾根となって摩利支天へと続く。

柏瀬祐之、岩崎元郎、小泉弘編「日本登山体系8 八ヶ岳・奥秩父・中央アルプス」(白水社,1981)P.55

日帰り

2016年1月24日(日) くもり、上部は雪

立川=舟山十字路…広河原沢二俣…阿弥陀岳中央稜第一岩峰…広河原沢二俣…舟山十字路=立川

コースタイム
丸山地区別荘地標高1500m7:27
7:48
舟山十字路8:09
標高1700m付近8:41
8:48
広河原沢二俣9:20
9:28
阿弥陀岳中央稜2055m9:58
10:08
阿弥陀岳中央稜2340m11:08
11:16
第一岩峰下11:45
12:15
第一岩峰・第二岩峰間12:50
阿弥陀岳中央稜2390m13:34
13:40
広河原沢二俣14:14
14:23
丸山地区別荘地標高1500m15:20
15:25

 朝一番の列車で立川に向かう。5時過ぎに立川でKさんの車に乗り、諏訪南ICへ向かう。前日の飲み会の酒が抜けず、車ではほとんど寝ていた。

 丸山地区別荘地の角で雪が深くなってきたため、舟山十字路まで入るのを断念し、車を停める。車の室外気温の表示は氷点下10度であった。寒いので早々と靴を履き、出発する。舟山十字路には2台ほどがんばって入った車が停まっていた。歩いていると少し暑い。来ているものを脱ぐ。途中、標高1700m付近で一休みし、寒くなったのでカッパを着た。

舟山十字路
1/24 舟山十字路を過ぎる。
広河原沢二俣
1/24 広河原沢二俣でワカンを履く。

 林道が尽きると、沢沿いの道になる。幸いトレースがあるのでこれをたどる。透過型の堰堤の下で北岸から南岸に移る。ところどころ赤ペンキがあった。広河原沢二俣でワカンを履く。広河原沢本谷へ向かうトレースがあり、テントが1張あった。これから向かう中央稜へのトレースはなかった。出発時に標高を合わせたはずなのに60mも表示が高い。低気圧が近づいているようだ。

阿弥陀岳中央稜
1/24 阿弥陀岳中央稜の取り付きは急登。
阿弥陀岳中央稜
1/24 標高2130mで尾根は緩やかになる。

 中央稜へは広河原沢左俣を少し登り、取り付きやすいところから尾根に取り付く。尾根には「四区」を始めとする赤ペンキ、ピンクテープが豊富にある。最初は急登でワカンだとよく滑る。眠気もあってつらい。山に行かずに家で寝てればよかったかななどと思う。標高2130mで尾根は緩やかになり、赤ペンキは終わる。入会地の境でも示しているのだろうか。ピンクテープはまだ続く。積雪はくるぶしから膝くらい。

阿弥陀岳中央稜
1/24 一瞬下界が見えるときがあった。
第一岩峰
1/24 第一岩峰を巻く。

 また登りが急になってきて第一岩峰の直下に出る。登山者を寄せ付けないような大きな岩だ。ハーネスとアイゼンを装着する。折しも雪が降ってきて寒い。第一岩峰を右手から巻く。立派な岩で巻いていてもなかなか終わらない。夏道は撒ききってルンゼを上がるようだが、雪が深いので岩が穏やかなところを狙って直登する。ちょっと怖い思いをしながら岩を乗っ越す。

第一岩峰
1/24 第一岩峰を登りきって第二岩峰に向かう。
第二岩峰
1/24 ガスの中に第二岩峰がぼんやり見える。

 第一岩峰に着いて先を見るとガスの中にまた壁が見える。これが第二岩峰で左から巻くそうだ。時刻は12時を回り、風はないものの雪も降ってきたため、ここで引き返すことにした。第一岩峰上部の木にザイルをかけて懸垂下降する。50mザイルでもう1回懸垂下降する。あとはコンテで第一岩峰の下まで歩く。

第一岩峰
1/24 第一岩峰を懸垂下降で下る。
阿弥陀岳中央稜
1/24 来た道を下る。

 そこで一休みし、1時間足らずで広河原沢二俣に着いた。登りはあれだけ苦労したのに下ってみると短い距離であった。広河原沢左俣に新しくトレースがあり、テントはなくなっていた。あとは林道を歩き、丸山地区別荘地の角にたどり着いた。車に着く頃には着ているものが暑いくらいだった。上は相当寒かったのだろう。帰りはもみの湯に入り、立川には19:30頃に着いた。

おわりに

 このシーズンの雪山は天気に恵まれていたため、久しぶりに雪山らしい天気にあった。阿弥陀岳中央稜は東京朝発日帰りは難しいので、前夜発日帰りで再度挑戦したい。

(2016年1月24日記す)


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