南アルプス・赤石岳〜聖岳[3/3]←|→青梅市安楽寺〜瑞穂町高根
今年も富士山の合宿に行ってきた。
4年ぶり7回目である。久しぶりに山頂に行きたかったが、1ヶ月前の聖岳の下りでくじいた左足首の痛みが取れず、いつもの小御岳流しで練習に留めることにした。
0日目 |
2015年12月4日(金) |
立川駅集合=吉田口登山道・馬返し(泊)
立川に10時に集合し、馬返しへ向かう。今回は車が足りず、レンタカーを借りた。最近南アルプス南部の山に行っていたからか馬返しが近く感じた。年によっては中の茶屋辺りから積雪ないし氷が見られることがあるが、今年は馬返しについても見当たらなかった。24時に馬返しに着くと、すでに10台ほどの車が止まっており、我々も車を置いてテントで寝る。4,5人用テントに6人で寝るとお互いが接して暖かかったが、端っこの人は寒かったみたいだ。
1日目 |
2015年12月5日(土) 晴れ |
馬返し…五合目佐藤小屋…富士スバルライン五合目上…小御岳流し2650m付近雪上訓練…富士スバルライン五合目上(泊)
馬返し | 5:41起床 |
6:46 | |
二合目 | 7:31 |
7:51 | |
四合五勺井上小屋 | 8:45 |
9:01 | |
五合目佐藤小屋 | 9:34 |
9:44 | |
富士スバルライン 五合目上 | 10:14 |
11:15 | |
小御岳流し 2650m付近 | 12;20 |
14:16 | |
富士スバルライン 五合目上 | 15:09 |
20:05就寝 |
朝起きてテントをたたんでいると続々と車が登ってきた。みんな4時くらいに東京を出てくるのだろうか。すでに明るいので出発する。10人くらいの若い人のパーティーを追い抜き、二合目で休む。二合目の小屋は崩れてトラロープで囲われていた。また、西側にあった大木が倒れていた。三合目の小屋は中に入れないくらい屋根が落ち込んで崩れていた。四合五勺井上小屋で休む。天気は晴れ、雪も見ない。井上小屋の上では少し氷が張っていた。五合目佐藤小屋で山頂を目指すKさん、S君からテント類を預かる。雪は少ないものの風が強く、登頂は難しそうだ。
12/05 馬返しにて。車が次々やってくる。 |
12/05 二合目の建物は崩れ、トラロープが張られていた。 |
Hさん、Sさん、Hさんとスバルライン五合目へ向かう。見上げる斜面は雪が少ない。茶色い部分と積雪がまばらになっている。この季節の富士山に来るのは7回目だが、こんなに雪が少ないのは初めてだ。泉ヶ滝の六合目分岐には日英中韓の4ヶ国語で登山道の冬季閉鎖を示す看板が設置されていた。
いつもの場所で荷物を置き、小御岳流しの練習場へ向かう。ヤブの中の歩きやすい箇所を選んでいたら東側へ出てしまった。トラバースしながら登り、2650m付近の練習場に着く。一応、斜面が溝状になっていて雪で覆われている。
12/05 四合五勺井上小屋。 |
12/05 泉ヶ滝の六合目分岐には日英中韓の4ヶ国語で登山道の冬季閉鎖を示す看板が設置されていた。 |
アイゼンを付けて登下降の練習を行った。初めてのHさんにアイゼンを付けさせようとしたらサイズが合っていなかったので寒風の中、調整した。かじかんだ手では精密な作業はできず、20分に1回くらいアイゼンが外れていたが仕方ない。斜面と靴底が平行になるように足を置くとか、キックステップとか、ピッケルの持ち方とかを教えながら、自分も復習した。私がHさんに教えている間、SさんとHさんには雪を袋に詰めてもらった。
12/05 雪の少ない小御岳流し。 |
12/05 登下降の練習。 |
14時過ぎまで練習し、下る。雪面をつないで歩いていると今度は西寄りに下ってしまった。樹林帯に入るところでSさんが転び、肋骨を打ってしまった。ゆっくりながらも歩けるようなので、班を2つに分けて下山した。HさんはSさんについて下り、私とHさんはSさんのザックを預かりテントへ下った。
テントで水づくりに勤しんでいるとSさんのザックはどれ?という声が外から聞こえてきた。荷物をテントから出して示した。スバルラインが開いているのでタクシーで下山するとのことであった。
KさんとS君も下山してきた。やっぱり風が強く八合目で引き返したとのこと。夜は鍋を食べて酒を飲む。補給用の1リットルガソリンボトルが見つからず、ほどほどのところで火を消し、20時に就寝した。
2日目 |
2015年12月6日(日) 雨のちガス |
富士スバルライン五合目上…小御岳流し2650m付近雪上訓練…富士スバルライン五合目上…五合目佐藤小屋…馬返し
富士スバルライン 五合目上 | 4:12起床 |
6:42 | |
小御岳流し 2650m付近雪上訓練 | 7:50 |
10:09 | |
河口湖口五合目上 | 10:45 |
11:30 | |
四合五勺井上小屋 | 12:30 |
12:40 | |
馬返し | 13:30 |
14:40 |
4時過ぎに起床し、ラーメンを食べて出発する。Kさん、S君は小御岳流しの上部まで登り、Hさん、Hさん、私は昨日と同じ場所で練習の続きを行うことにする。
昨日はヤブの左を登り、右を下ってきたので、真ん中を登って行った。樹林帯を抜けるところでネパールみたいな五色の旗が運動会みたいに木から木へ吊るしてあるのを見かけた。近づいてみるとヒンズー語で文字が書かれている。4年前はこんなのはなかった。目立つようにかだいぶ上の方に掲げられていた。よく縛り付けたものだ。
12/06 ネパールみたいな五色の旗が吊るされていた。 |
12/06 アイゼンがよく外れた。 |
ゆるい凹部の雪面を登り、尾根筋に出てからトラバースすると昨日より楽に練習場に出られた。時間が限られているので昨日の復習はほどほどに滑落停止、スタンディングアックスビレイの練習を行う。雪がモナカ状になって乱してしまったからかあんまり滑らず緊張感がない。Hさんは初めてだから落下する恐怖が少ない方がいいかと思い移動はしなかった。スタンディングアックスビレイではピッケル1本が埋まるだけの積雪がなく、仕方ないのでピッケルを寝かせて支点にした。
12/06 左から農鳥岳、間ノ岳、北岳。 |
12/06 左から上河内岳、聖岳、赤石岳。 |
今日も天気が良く、しかも風は昨日より弱い。南アルプスは北岳から光岳まで見え、北アルプスは穂高岳から鹿島槍あたりまで見えた。八ヶ岳もあれが権現、阿弥陀、赤岳と指呼の間だ。特に年末に歩く予定の赤石岳から聖岳までが見え、これだけ離れて見ても距離のある様子に溜息が出た。
10時を過ぎて下山する。テントをたたみ終わる頃、Kさんたちが下山してきた。S君のアイゼンのベルトがなぜか両方とも切れており、細引きで仮補修して登れる所まで登ってきたとのこと。朝、テントからやや離れたところにアイゼンがあり、切断面が毛羽立っていたのでカモシカがかみちぎったのだろう、とKさんが断定していた。富士山にカモシカなんているんですか、と聞くと、下っているときにカモシカが1頭申し訳なさそうにこちらを見ていたとのこと。
12/06 滑落停止の練習。 |
12/06 スバルライン五合目を見下ろす。 |
テントを回収し、馬返しに下る。途中、時計がリセットされていることに気づく。30分くらい時間が進んでいておかしいと思ったら日付も1月1日になっていた。5年前にも同じことがあった。富士山は気温が低いから電池切れの引き金になるのだろうか。
いつもの葭之池温泉で風呂に入り、うどんを食べて解散した。
4年ぶりの富士山で冷たい風に吹かれることができて練習になった。足の様子が心配だったが、足の置き方に気を付けて歩けば痛くはなかった。オーバー手袋のヒモが長いとか、カッパズボンが小さくて靴を履いたままだと履けないとかいくつか装備の問題点も見つけたので年末山行までに直しておこうと思う。
(2015年12月7日記す)