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2015年秋 - 上信・中津川魚野川[1/3]


2015年9月19日(土)〜9月21日(月・祝)
場所
群馬県吾妻郡中之条町(旧六合村)、長野県下水内郡栄村、下高井郡山ノ内町/上信国境
ルート
9月19日
高崎=長野原草津口駅=野反湖バス停…地蔵峠…渋沢ダム(泊)
9月20日
渋沢ダム…千沢出合…黒沢出合…小ゼン沢出合…燕ゼン上1360m付近(泊)
9月21日
燕ゼン上1360m付近…北ノ沢・南ノ沢二俣…寺子屋峰・赤石山1960m鞍部…寺子屋峰…高天ヶ原サマーリフト上=高天ヶ原バス停=湯田中駅=長野駅
参加者
中山、H
参考文献

はじめに

 今年は2009年以来の9月5連休がある。5日間ともなると、社会人でもそこそこ長期の山行ができる。まだ沢登りできる時期なので会津駒ヶ岳の御神楽沢を考えたが、大雨による東武日光線、鬼怒川線の不通により諦めた。第二候補に挙がっていた魚野川を繰り上げて遡行することにした。

 魚野川は長野県の北信を流れる中津川の支流。新潟県津南で信濃川から分かれた中津川は、切明温泉で雑魚川と魚野川に分かれる。魚野川は上流で野反湖に通じる千沢を分け、詰め切ると赤石山と寺子屋峰の間に出る。遡行の対象となっているのは渋沢ダムから上流の15kmほど。どちらかというと沢登りより渓流釣りの対象となっている沢である。「ヤマケイアドバンストガイド 沢登り 入門とガイド」「改訂増補 関東周辺の沢」いずれでも3級のグレードとされている。

 今回、2人とも車を持っていないので電車バスによるアプローチとした。1日目朝に東京を出て昼に野尻湖に到着し、登山道を歩いて渋沢ダムまで。2日目3日目に魚野川を遡行し志賀高原に抜ける2泊3日の計画とした。長い沢だし、休暇はあるので1日予備日をつけておいた。

1日目

2015年9月19日(土) くもり

高崎=長野原草津口駅=野反湖バス停…地蔵峠…渋沢ダム(泊)

コースタイム
野反湖バス停11:56
12:10
北沢取水施設12:49
北沢取水分岐13:06
13:16
地蔵峠13:23
北沢横断13:35
荒砥沢横断14:06
14:17
イタドリ沢横断14:43
西大倉山巻き14:59
1670m付近15:12
15:22
渋沢ダム16:09
20:00就寝

 八高線、吾妻線を乗り継ぎ長野原草津口駅へ向かう。初めて八高線で高崎まで行ったが熟睡していたので高麗川で乗り換えたことしか覚えていない。吾妻線はそこそこ混んでいてカップルが何組かいたのが意外だった。終点長野原草津口駅で下車。トイレを済ませ野反湖行きのバスに乗車する。バスには私たち以外に野反湖まで行く2人組、太子あたりで降りて行った1人の5人であった。八高線で十分寝たので眠くならずにバスに揺られながら野反湖に到着する。

 野反湖に来るのは稲包山への県境縦走以来5年ぶり2回目。バスを降りると寒い。トイレを済ませて水を汲む。今日は地蔵峠を越えて渋沢ダムまで。エアリアマップでは3時間50分の行程だ。

野反湖
9/19 野反湖を出発。
北沢取水分岐
9/19 北沢取水分岐から間違えて北沢取水施設へ下る。

 笹が刈り払われた道をハンノキ沢を渡る。地蔵峠へ登り返し、北沢取水分岐に出る。ここで尾根を越えて切明に下っていくのだろう、と下っていくと北沢の取水施設に出た。ハンノキ沢経由で野反湖へ通じる導水路の取水堰はあるが、北沢を渡れない。ここで道を間違えたことに気づく。来た道を登り返し北沢取水分岐で休む。峠にしちゃちょっと早いと感じていたが、1本目で道を間違えて自分の読図の粗さにちょっと落ち込む。もう少し看板も丁寧に書いてくれればいいのに、と悪態をつくが、看板には罪はない。北沢取水施設への道はエアリアマップには載っていないが、25,000分の1地形図には載っている。でも今日は登山道を渋沢ダムまでなので暗くなってもそんなに心配ない。

北沢取水施設
9/19 北沢取水施設に着いて道間違いに気づく。
地蔵峠
9/19 北沢取水分岐から地蔵峠へはそう遠くなかった。切明への道を行く。

 北沢取水分岐から少し登ると地蔵峠に出た。改めて渋沢ダムへの道を下る。北沢を飛び石で渡る。北沢から急登を登り返し荒砥沢に出たところで休む。荒砥沢は水量少なくジャンプして渡れる。今日は地蔵峠を越えたら下りばかりだと思っていたが、意外と荒砥沢付近までは登りが多い。

北沢
9/19 北沢をジャンプで渡る。
荒砥沢
9/19 荒砥沢で一休みする。
野反湖
9/19 荒砥沢からしばらくで振り返ると野反湖が見えた。
イタドリ沢
9/19 イタドリ沢へはルンゼを2つ横切る。

 荒砥沢から少し歩くと後方に野反湖が見えた。直後、すぐ目の前をキジバトか何かが笹藪から急に飛び出してきてビビる。もう少し早く気づいて逃げてくれよ…。イタドリ沢の手前で2本ルンゼを渡り、直前では道が泥でぐずぐずになっていた。イタドリ沢を渡って急なルンゼを越えて登り返す。西大倉山の山頂を通ると思っていたら西側を巻いてしまった。その先の1748m標高点も東側を巻いてしまった。分かりやすい地点で休もうと思っていたのだが仕方なく、1670m付近で休む。

イタドリ沢
9/19 イタドリ沢を渡る。
西大倉山
9/19 西大倉山を過ぎて滑りやすい下り。

 Hさんと雑談しながら下り、平坦なところに出たら荒廃した営林小屋を認める。営林小屋から野反湖方向に見えるところに魚野川の下降点を示す赤布を見つけ、渋沢ダムへ向かう。渋沢にかかる吊り橋を渡り、平らを歩いていくと渋沢ダムに着いた。

営林小屋
9/19 荒廃した営林小屋の横を通る。魚野川下降点はこの辺に赤テープが付いている。
渋沢
9/19 渋沢を吊り橋で渡る。
渋沢ダム
9/19 渋沢ダムに到着。
渋沢避難小屋
9/19 こぢんまりとした渋沢避難小屋。水はダムの小屋の脇にホースから出ている。

 こぢんまりとした避難小屋をのぞいてみると誰もいなかったのでここに泊まることにする。土間を入れて4畳半足らずといったところだが、2人で寝るには十分に広い。小屋の前に薪が積んであったのでHさんは焚き火起こし、私は水汲みと飯作りを行った。水はダムの小屋の手前にホースで水が引いてあった。小屋からすぐで沢に下りることもなく快適だ。周辺にはダムの小屋、施錠された小屋と避難小屋があり、草を刈っただけのヘリポートがあった。水場の近くにはろ格機に引っかかったと思われる流木が積み上げられており、薪には困らない。5連休なのに渋沢ダムには他に人がおらず、静かなところに来られてよかったとしみじみと思う。

 夜は鍋とご飯。酒を飲み、20時に就寝した。


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