山ノ中ニ有リ山行記録一覧2015年山行一覧>上越・魚野川万太郎谷[1/2]

2015年夏 - 上越・魚野川万太郎谷[1/2]


2015年8月22日(土)〜8月23日(日)
場所
新潟県南魚沼郡湯沢町・群馬県利根郡みなかみ町(旧水上町)/上越国境の山
ルート
8月21日
立川駅=入渓点(泊)
8月22日
土樽駅=茂倉新道登山口…吾策新道登山口…関越トンネル通気口…オキドウキョのトロ…一ノ滝…二ノ滝上1130m付近(泊)
8月23日
二ノ滝上1130m付近…三ノ滝…谷川岳肩の小屋…一ノ倉岳…茂倉岳…矢場の頭…茂倉新道登山口
参加者
L. 鈴木、中山、道場、石井、山田
参考文献

はじめに

 酷暑の夏は沢登りに限る。水は冷たく、ずぶ濡れになり、焚き火で乾かす、最高の避暑である。

 大学の鈴木にどこか行こう、場所決めといてとお願いしておいたら魚野川万太郎谷になった。上越の沢は雪渓がなくなった8月がシーズンだ。草付きの明るい沢登りを楽しむことができる。私にとっては9年ぶり2回目の万太郎谷だ。そのときも明るくて楽しい沢だったという印象が残っている。

 今回も夏だし楽しめるだろうという目論見で登った。

0日目

2015年8月21日(金)

井荻駅=土樽駅(泊)

 車を持っているメンバーがいなかったため、鈴木が自由が丘でレンタカーを借り大岡山集合になった。私は大岡山には遠いため、環八の途中の井荻駅で合流した。出発が遅れたため、駅前の地下歩道入口の街路灯の下で読書して待つ。

 ややガスっている関越道を北へ進み、越後湯沢ICで降りて土樽駅へ。土樽駅で銀マットを敷き、缶ビールを開けてから1時過ぎに寝た。途中で4人ほどのパーティーがやってきて隣で寝ていた。駅の照明は消えなかった。

1日目

2015年8月22日(土) くもりのち雨

土樽駅=茂倉新道登山口…吾策新道登山口…関越トンネル通気口…オキドウキョのトロ…一ノ滝…二ノ滝上1130m付近(泊)

コースタイム
茂倉新道登山口 5:50
6:02
万太郎谷第4号砂防堰堤6:47
7:13
標高860m関越トンネル換気口付近8:19
8:34
オキドウキョのトロ8:50
井戸小屋沢出合9:25
標高915m付近10:09
10:30
一ノ滝下11:42
一ノ滝上12:07
12:24
二ノ滝12:41
二ノ滝上1130m付近13:05
18:30就寝

 朝5時に起床。共同装備を分けて車に乗り、茂倉新道登山口に向かう。隣のパーティーはずいぶん登攀具を持ってきていたが、どこに登るのだろう。大源太山あたりに岩場があるのだろうか。

 茂倉新道登山口に車を置いて道を下る。土樽PAをぐるりと巻いて万太郎谷沿いの道に入る。車道終点に万太郎谷第4号砂防堰堤があり、そこで入渓準備を行う。前回来たときにはダムの工事現場になっていた。透過型の堰堤だが、間のスクリーンに大量の流木が詰まっていて通れない。左岸側の足掛金物を登って巻いた。

万太郎谷第4号砂防堰堤
8/22 万太郎谷第4号砂防堰堤で入渓準備。堰は足掛金物を登って右から巻く。
ナメ
8/22 序盤のナメで滑る。

 しばらくは平凡な河原で、こんな平凡なところあったかな、と思うが、沢が左に曲がるところで広いナメになる。道場がさっそく滑り出す。あとで自分の記録を読んで気づいたが、ここが前にへつって落ちたところであった。

 一枚岩のナメ滝の先で広いナメ床。みんな思い思いのスタイルで滑る。でも私は水が冷たく感じたので滑らなかった。時刻はまだ朝7:40くらいなのだ。

万太郎谷
8/22 4mほどの滝に出会う。
万太郎谷
8/22 4mほどの滝は右岸をへつって登る。

 また河原を歩き、4mほどの滝。泳いでへつり、左から巻く。ルンゼに上がるところでシュリンゲを出す。記録によると前回は右から巻いたみたいだが、そのルートは記憶にない。

関越トンネル換気口
8/22 関越トンネルの換気口を見ながら河原を歩く。
関越トンネル換気口
8/22 関越トンネルの換気口付近で一休み。

 4m滝から5分ほどで関越トンネルの換気口が見える。明るい河原歩きのあと、左手から枝沢が入る標高860m付近で休む。

右から二条滝
8/22 右から二条の滝が入ってくるとオキドウキョのトロ。
オキドウキョのトロ
8/22 オキドウキョのトロの出だしは右岸から左岸への飛び移り。

 両岸迫ってくるとオキドウキョのトロに入る。前は少し入って左壁の階段状になっているところを登ったが、今回はできるだけ水線沿いに行きたい。しかし、最後に水流に押し返されて帰ってきてしまった。仕方ないので左壁に取り付くが、一歩が高くて難しい。こんなに難しかったっけ、と思いショルダーを駆使しながら登る。前回の写真を見ると長い淵になっているが、今回は途中に高さ1mほどのCS滝ができており、地形が変わっているようだ。

オキドウキョのトロ
8/22 オキドウキョのトロの行き止まりは水流を突破できず。左から巻く。
万太郎谷
8/22 井戸小屋沢出合手前、左側に丸太の引っかかった滝は、まだ丸太が健在だった。

 二条3mほどの滝のあたりで鈴木が遅れ始める。足をひねったとかなんとか。滝で道場が2回もダイブしていた。淵の左側に丸太の挟まっている滝はまだ丸太が健在であった。私は右から登ったが、鈴木が丸太の上を歩いて滑っていた。

井戸小屋沢出合の上流の廊下
8/22 井戸小屋沢出合の上流の廊下。なんてことなさそうだが、前回同様少し時間がかかる。
井戸小屋沢出合の上流の廊下
8/22 たおやかな水流だが越えられない。ここは1年山田がするっと通過しテープで先輩たちを引き上げた。

 淵に丸太の挟まった滝を越えると井戸小屋沢出合。井戸小屋沢出合の先で廊下に入る。廊下の奥には2段5mほどの滝がある。前回ちょっと苦戦したところだ。廊下のはじめは右を泳ぎながらへつり、水から上がってへつり、滝上で水線に下りる。私は通過できたが、道場や石井が水流に跳ね返されていた。1年生の山田君は難なく突破し、貸したシュリンゲで先輩方を引っ張り上げていた。でもへつったとの水線に下りるところで下りる動作が怖いらしく、ためらった結果、飛び降りていた。

井戸小屋沢出合の上流の廊下
8/22 泳いだ後の左岸へつり。
井戸小屋沢出合の上流の廊下
8/22 滝上で流心に下りるのにみんな躊躇していた。

 そのあと、左向きに流れる斜瀑。右から登るが地味にスラブがすべすべで登れない。石井は右へ巻き、私は凹角を突っ張って登った。前回はここでみんなダイブしている写真を撮っているのだが、登り返すのがちょっと難しい滝で、今日は水量が多いようだ。

標高920m付近の斜瀑
8/22 標高920m付近の斜瀑にて石井のあやしいムーブ。
万太郎谷
8/22 標高920m付近にて休む。前回はスノーブリッジがかかっていた場所。

 その上で沢は大きく左に曲がる。前回はスノーブリッジの下を抜けたところだ。滝を登ると滑り台によいナメ滝が続く。あちこちの滝で滑ったが、ひょんぐっている滝が一番面白かった。道場は転がりながら滑り、歯が欠けていたと言っていた。2本ほど右に枝沢が合流する。幅広い滝があり、ここも滑り台するが、スラブが湿っていて滑り落ちそうな滝であった。前回の写真を見るとスラブが乾いていて苦労している様子はない。今回は天気がくもりだからか全体的に沢が湿っていて水量も多く、前回より少し難しく感じる。

滑り台
8/22 滑り台がたくさんあったが、このひょんぐっている滝が一番楽しかった。
滑り台
8/22 ここも滑る。右側の巻きが滑りそうでいやらしかった。

 その先のナメ滝でもみんなそれなりに苦労していた。水流の中にスタンスを探せばよいのだが、水圧が強くてみんな躊躇しているようであった。

階段状の流れ
8/22 滝というほどの高さはない階段状の流れ。落ち口で水流沿いを登った。
一ノ滝
8/22 一ノ滝が見えた。

 沢がぐいっと左に曲がると一ノ滝。前回は1条だったが、今回は水量が多いらしく2条になっていた。右から巻く。道場と鈴木が少し遅れて巻道を間違え登りすぎていた。一ノ滝を巻いたところで一本取る。

一ノ滝の巻き
8/22 一ノ滝の巻き。
二ノ滝
8/22 二ノ滝。前回より水量が多く、とても登る気にならない。

 河原を歩いて二ノ滝。前回青木は直登していたが、今回は水量が多く完全にウォータークライミングになるので誰も登らなかった。山田君にルートを聞かれて青木のとったルートを説明したが、私も説明しながらあんな落水に抗いながら登ってたっけと思った。滝のすぐ右手を巻く。

二ノ滝の巻き width=
8/22 二ノ滝の巻き。
幕営
8/22 二ノ滝を過ぎて左に枝沢が入ってくる下で幕営。

 二ノ滝の先、標高1130m付近、右岸から枝沢が入ってくるところの下で右岸に幕営適地を見つけ、リーダーに報告するとここで幕営することになった。天気は芳しくなく、小雨。焚き火に挑戦するが、濡れた薪しかなく煙でいぶされるだけで終わってしまった。鈴木はえらくねばっていて2時間くらい燻製になっていた。諦めた順にテントに入り、茶を飲んでいた。雨だったのでストレッチを忘れてテントに入っていたらひどく足がつって5分くらい動けなかった。ストレッチは足がつらないようにするのに効果があるみたいだ。起床担当の道場がラジオを忘れており、天気が分からないだけでなく、ラジオを聞くこともできずくだらない話をしていた。

 飯は肉野菜炒めで冷凍して持ってきた肉1.3kgくらいとキャベツ、もやしがオカズである。4回に分けて肉を食べたが、みんなお腹いっぱいになった。酒はビール6缶とスパークリング日本酒、焼酎。道場は日本酒を瓶で持ってきており、バカ、と言ってやった。夕方にはみんな眠くなって就寝した。


山ノ中ニ有リ山行記録一覧2015年山行一覧>上越・魚野川万太郎谷[1/2]

inserted by FC2 system