山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2011年山行一覧>丹沢・玄倉川小川谷廊下
小川谷は西丹沢の檜洞丸の南、テシロノ頭に端を発し、石棚山稜と同角山稜に挟まれた谷である。玄倉川の中でも大きな支流である。水量の多い沢として有名である。
私は7年前、2004年に登ったことがあり、水とたわむれるいい沢という印象であった。まだ暑い夏のうちに濡れる沢に行きたいという希望で小川谷廊下に行くことにした。
雨が降っていたものの、水に磨かれた白い岩の美しい谷であった。
1日目 |
2011年8月27日(土) 雨 |
新松田駅=玄倉バス停…穴ノ平橋…小川谷廊下遡行…東沢出合…穴ノ平橋(泊)
玄倉バス停 | 8:04 |
8:30 | |
穴ノ平橋 | 9:30 |
10:05 | |
大岩手前 | 11:40 |
11:50 | |
大岩 | 11:57 |
石棚 | 12:43 |
13:21 | |
東沢出合 | 14:30 |
14:49 | |
穴ノ平橋 | 16:15 |
23:00就寝 |
7:20新松田駅発の玄倉経由西丹沢自然教室行きバスに集合。小田急が少々遅れ気味で危うく逃すところだったが、何とか間に合った。
40分ほどで玄倉バス停に到着。天気は雨。よくなる傾向というが、降っているのでカッパの上を着て歩く。立間大橋で玄倉川を渡ると往来する車が多い。どうやら車で小川谷廊下に行く人のようだ。それにしても10台くらいいた。ほとんどは1人で運転していたのだが、沢登りの講習会かなんかだろうか。
穴ノ平橋の手前の平坦地にテントを張り、荷物を置いて出発準備。藪の中を下ってコカイ平沢に出る。堰を4つほど備え付けのハシゴで下り、小川谷に出る。
8/27 コカイ平沢の堰をハシゴを伝って下る。 |
8/27 小川谷廊下最初の門のような2m滝。 |
石ころの堆積した河原を歩くと門のような2m滝。右から登る。次の5mの大岩のある滝は右から。折れそう流木が引っかかっており、残置ロープもぶら下がっているのでそれを伝って登る。次の6m滝は右を登る。
8/27 5m大岩滝を右側から流木に乗って登る。 |
8/27 6m滝を右側の壁から登る。 |
8/27 2段5m滝は左側を登る。 |
8/27 ワナバ沢出合で現在地確認。 |
2段5m滝は白く磨かれた滝で美しい。下段は水線沿いにへつり、上段は左へ登る。あとは白い岩の小滝が連続し、ワナバ沢出合に出る。そこで1年生に現在地確認させる。ちょうどその向かいの右岸には木の階段が降りてきていた。何のためだろうか。
8/27 ワナバ沢出合には右岸に木の階段が降りてきていた。 |
8/27 小滝を登る。 |
ワナバ沢出合を過ぎ、第2のゴルジュを行く。4mほどの滝があり、右へ追いやられる。踏み跡をトラバースするとシュリンゲが残っており、滝2つほどを合わせて巻いて沢に下りた。前回は懸垂下降したようだが、今回はさほど高いところまで登っていない。沢の様子が変わっているのだろうか。
8/27 4mほどの滝から右上へ追いやられる。残置シュリンゲで沢に戻る。 |
8/27 3m滝は裏側に入れる。 |
沢に降りてもゴルジュが続き、3m滝は滝の裏側に入れる。そこを越えると河原になるので一休み。雨はやまず、パラパラと降り続けているが、沢の中にいると意識するほどの雨ではない。先行するパーティーは見えない。順調に進んでいるのだろう。
8/27 小川谷廊下名物の大岩。Mouseoverで2004年の大岩を表示。 |
8/27 大岩の下は腰まで浸かるが通過できるようになった。 |
河原を歩いて行くとやがて大岩。「あそこは大岩をBダッシュで駆け上がるだよ」などと1年生に話していたが、何だかようすが違う。2004年と同じく大岩の左側に残置ザイルが下っているのは見えるのだが、大岩の右手の水が少なくそちらから上がれそうだ。近づいてみると腰まで水に浸かって小滝を登るが難しい要素はない。2004年の写真を見ると大岩の右手は全面水の流れる滝になっていて登れそうにない。比べると既存の滝が壊れたように見える。大岩の下を難なく上がる。
大岩から沢はS字に曲がる。白い廊下状の箇所を通過し、チョックストーン滝を左から黒沢が越えていた。一度道場があきらめたところだったので歓声が上がった。左に曲がるとヒエ畑沢が左から出会う。ゆるいナメがあり、すべり台をして遊んだ。
8/27 第3のゴルジュの入口。両側から迫る岩がそれを示す。 |
8/27 樋状の滝は腰まで浸かって右へ登る。 |
8/27 水に濡れながらゴルジュを進む。 |
8/27 2段5mほどの滝は水線沿い右側を登る。 |
8/27 大コバ沢が左から滝で落ちている。 |
8/27 石棚手前の滝。 |
その先で第3のゴルジュに入る。樋状の滝は腰まで濡れながら右手を次の1mほどの小滝も釜の中に入りながら登る。2段5mほどの滝は水線沿い右側を登る。その上で大コバ沢が滝をかけて落ちている。
8/27 石棚が奥に見える。左の岩場を登る。 |
8/27 石棚を巻いて沢に戻る。 |
ゴルジュを歩いて行くと石棚2段20m。左の岩場を登る。石井がフリーで登ってザイルを下ろしてもらうが、遅い。1年生に「下で待っているのは寒いからザイルワークを勉強してすばやく行動できるようにね」と教える。1年生にザイルをつけて前後を道場、私、栗山ではさんで登った。木も生えているのでそんなに難しくなかった。
8/27 石棚上の淵。濡れながら突破。 |
8/27 小滝が続く。 |
8/27 廊下状の沢を行く。 |
8/27 左から小滝がかかっている小デッチ沢出合。 |
石棚の上でさらに4mほどの滝を巻く。その先の淵は寒いので私は巻いたが、道場と栗山は水の中を進んでいた。その先もゴルジュが続くが、小滝ばかりで難しくない。黒沢ががんばってへつろうとして動けなくなり、下から手を差し伸べて足場にして渡ってもらった。黒沢は高校でクライミングをやっていたそうだが、岩を見ると登ってしまうようで、沢の原則、できるだけ水線沿いの発想が足りないようだ。でも登れるに越したことはない。
途中の滝では高さ5mほどの滝を道場と栗山がダイブしていた。そのようすに1年生はやや引いていたようだ。びしょぬれで少し寒かったし。
8/27 デッチ沢出合で現在地確認。 |
8/27 5m滝と壊れた堰。 |
デッチ沢出合でゴルジュを抜け、また現在地確認。最後の5m滝は左から巻いて壊れた堰堤をくぐる。
河原を歩き、次の堰堤の手前で遡行終了。ハーネス類を外し、一休み。休んだあと、仕事道で穴ノ平橋へ戻る。一段上がるとシカの食害防止のためか金網が広がっている。道がよく分からない。沢沿いに下るが道は見つからず、もう一段上へ登ると道があった。その先は1年生に先頭を務めてもらいながら下った。地図に載っていない登山道、それもトラバース道とあって、現在地確認には苦心していた。雨も強くなっていた。
8/27 東沢出合から右岸の仕事道に上がる。 |
8/27 仕事道を下る。 |
やがて車道に出て下る。先行するパーティーの車はなかった。コカイ平沢を橋で渡ると擁壁の水抜きから水が出ていたのでポリタンを満たしてテントに戻った。そこで明日の予定がある道場は玄倉バス停へ向かった。
沢タビを脱ぐと私にはヒルが1匹付いていた。まだ血を吸われていなかったようで、はがしてもさほど痒くはならなかった。黒沢が沢タビを脱げず、栗山に引っ張ってもらっていた。外は小雨、ここ3日ほど続いた雨で薪は絶望的。焚き火はあきらめてテント内で麻婆茄子を作る。しかし暑くて外へ出る。外で酒を飲み、肉を焼き、花火をして楽しんだ。花火の残骸を燃やしていたらなし崩し的に焚き火ができた。虫はおらず快適だ。夜遅く23時に就寝。
2日目 |
2011年8月28日(日) くもり |
穴ノ平橋…玄倉バス停=新松田駅
穴ノ平橋 | 7:00起床 |
7:44 | |
玄倉バス停 | 8:42 |
9:11 |
夜はあたたかく、シュラフカバーに入らずに朝を迎えた。
もう帰るだけなので、朝飯は食べずにテントをたたんで下った。天気は晴れ間も見え、沢登りにはよさそうだった。何台か車が登ってきていた。
1時間歩いて玄倉バス停に着き、新松田駅行きのバスに乗った。新松田駅でそばを食べ、小田急に乗って解散した。
久しぶりに小川谷廊下に行ったが、夏にびしょ濡れになる沢としてよかった。雨だったが楽しめた。でも泊まるならやはり晴れたほうがいい。
2004年と異なっていたのは2点。
大岩が登る対象ではなく単なるオブジェクトになってしまうのはもったいない気がする。