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2011年冬 - 上越・巻機山井戸尾根(敗退)


2011年1月8日(土)
場所
新潟県南魚沼市(旧南魚沼郡塩沢町)
ルート
1月7日
練馬=六日町駅(泊)
1月8日
六日町駅=清水集落…桜坂駐車場…井戸尾根四合目…桜坂駐車場…清水=六日町
参加者
L. 栗山、道場、鈴木、中山
参考文献

はじめに

 昨年12月19日にスキー板を買い、そのときに付き添ってくれた大学の後輩から山スキーに誘われた。場所は巻機山で山スキーヤーが行くところとして聞く。巻機山は何度も登っているので、山スキーの初体験にはちょうどいい。

 しかし、行ってみると年末からの大雪で新雪が積もり、スキー板を履いてもヒザまで埋まるほどの深さであった。ラッセルもほとんど進まず、清水集落から6時間のラッセルでも井戸の壁の途中までしか達することができなかった。標高でも清水集落が600m、井戸の壁の引き返し点が1035mなので435mしか登ることができなかった。

 巻機山には米子沢ヌクビ沢下ノ滝沢朝日岳からの縦走など何度も登っている。昨年10月には台風の近づく中、井戸尾根を往復してきたが、山頂に登れなかったのはこれが初めてである。

0日目

2011年1月7日(金)

練馬=六日町駅(泊)

 今回は大学の後輩と一緒に行くので、みんな大岡山に集まり私だけ22:00練馬駅に集合。練馬駅に着くが、車が遅れており、寒くてブックオフに逃げていた。目白通り沿いの郵便局の前で合流し、関越に乗る。

 三芳SAで運転を代わり、下牧PAからチェーン規制で強制的にPAに入りそこで交代。スタッドレスタイヤなのでチェーン装着はなし。水上から雪がちらつき、関越トンネルを抜けると激しい雪が降っていた。六日町ICで関越道を下り、10月にも入った六日町駅前のトイレに入る。銀マットを敷き、少し酒を飲んで2:15ごろ就寝。

1日目

2011年1月8日(土) 雪のち晴れ

六日町駅=清水集落…桜坂駐車場…井戸尾根四合目…桜坂駐車場…清水=六日町

コースタイム
六日町駅5:45起床
6:50
清水集落7:30
8:20
桜坂駐車場10:10
10:30
井戸尾根890m12:20
12:50
井戸尾根1035m14:30
15:00
桜坂駐車場16:00
清水集落17:00

 6:30起床。車で移動する。国道だけあって清水まで両側2車線除雪されていた。無雪期は巻機山登山口の桜坂駐車場まで車で入れるが、積雪期は清水集落までしか除雪されていないため、清水集落から歩く。清水集落の巻機神社の下あたりに車を停め、出発準備。スパッツはいらないとかスキー板の先頭には穴あけてひもを通しておいたほうがいいとか教わる。準備する間も雪が降り続き、ザックには雪が積もっていた。メモを取る手も冷たい。

清水集落
1/8 国道沿いに車を停め出発準備。雪が人の背ほど積もっている。
清水集落
1/8 清水集落から歩き始める。車道沿いだが、道はまったく見えない。

 清水集落の中の道は除雪されており、融雪用に路上のあちこちで水を流していた。しかし、一番上の家までいくと雪は積もったままでしかも背丈ほどの高さがある。そこでスキー板を履いて出発する。しかし、私は今回買った板を履くのが初めてでなかなかうまく履けず後輩に手伝ってもらった。

沢
1/8 沢沿いに歩く。
井戸尾根
1/8 くもり空の井戸尾根(左)に向かっていく。

 車道沿いに歩いて行くが、車道がまったく見えない上、標識もないので途中から樹林帯を突っ切って進む。積雪が多く、ひざ下まで沈むため、なかなか進まない。樹林帯を抜けて車道に出るところでは雪原に小川がところどころ口を開けており、慎重に乗っ越す。小屋の横を通り、沢沿いに出たので堤防沿いを歩く。橋を渡り、小尾根をひとつ乗り越すと米子沢に出て桜坂駐車場に着いた。清水集落から約2時間かかってしまった。

桜坂駐車場
1/8 雪だらけの桜坂駐車場。
桜坂駐車場
1/8 桜坂駐車場から登り始める。空が晴れた。

 無雪期にはたくさん車が停まっている駐車場だが、車は1台もない代わりに一面雪が積もっている。誰も登っていない。雪をかき分け、看板のあたりまで来てそこでひと休みした。板を外して休むが、板から足を踏み外すと股下まで落っこちてしまう。降っていた雪もやみ、青空が見えていた。サングラスを取り出し、日焼け止めを塗った。

田んぼ
1/8 田んぼの雪原を歩きながら尾根への取り付きを考える。Mouseoverで登ったルート表示。
井戸尾根
1/8 キックターンしながら尾根に取り付く。

 看板の横から登っていく。夏道より割引沢沿いの広い田んぼに出る。田んぼといっても地形図の記号で分かるだけでそこにはただ広い雪原と小屋が2軒あるだけだった。雪原を半分ほど行ったところで尾根に取り付く。樹間を縫いながらの登高でこまめに切り返す必要があり、キックターンを教えてもらった。1歩目を曲がる方向に転換して置き、2歩目はいったん後方へスキー板を引き、浮かせた状態で1歩目に合わせて板を置く。重心移動が難しく、バランスを崩して転ぶと立ち上がれず、後輩に引き上げてもらった。

樹林帯
1/8 日差しのある樹林帯を登る。
井戸尾根
1/8 尾根に出たところ。夏道の西側の尾根。

 ジグザグを30回ほど繰り返してやっと尾根上に出る。尾根上といっても夏道の西隣の尾根で赤布が付いている。ひと休みする。天気はよく晴れ間も見えた。時刻は12時過ぎ、まだ標高890m。標高2000mほどある巻機山の山頂は断念せざるをえない。

井戸尾根
1/8 井戸尾根の登り。傾斜が急になってきたところ。
井戸尾根
1/8 井戸尾根を滑走する。

 樹林帯の尾根をジグザグに登って行くとだんだん井戸の壁と呼ばれる急斜面が近づいてくる。青空もまたくもりがちになってきて寒い。トップも慣れている栗山と鈴木が主に務め、道場と私はときどき挑戦するが、慣れずなかなか登れなかった。切り返しもきつくなってきた標高1035m地点で引き返すことにした。時刻は14時半、四合目の上、井戸の壁の途中であった。

井戸尾根
1/8 井戸尾根から田んぼの雪原へ滑走する。
巻機山
1/8 滑走途中から見た田んぼの雪原。

 防寒着を着て板に貼ったシールをはがし、かかとを固定する。準備したら各自下った。樹林が並ぶ中での滑走はゲレンデと違ってぶつかりそうで怖い。しかし、新雪が深いためスピードも出ず、ぶつからずに下れた。怖くてへっぴり腰で下っていたが、なぜかそれがいいと鈴木から言われた。道場の板の開放値が低いのか道場が雪に突っ込むたびに板が外れていた。私の板は外れにくいということはなかったが、靴をはめるときに踏んでも踏んでもなかなかレバーが上がらず、苦戦した。新雪という条件のため、はまりにくかったのかもしれない。下っている最中にバランスを崩して新雪に沈んだが、板は外れなかった。なかなか立ち上がりにくかったが。

桜坂駐車場
1/8 桜坂駐車場から清水集落へ。振り返れば登った井戸尾根が見える。
清水集落
1/8 夕方、清水集落へ戻ってきた。

 やがて田んぼの雪原に出た。雪原の中の自分たちのトレースを下る。ところどころわずかな登り坂があり、新品のスキー板はすべって登れない。3人に置いて行かれながらなんとかついていく。部分的にトレースが消えているところもあり、意外と時間がかかってしまった。結局清水集落においた車に戻ったのは17時であった。集落では雪かきをしていた人から声をかけられたが「山頂は無理だろう」と言われてしまった。荷物を整理して車に積んでいると日が暮れ、真っ暗になってしまった。

 六日町の中央温泉に寄り、風呂に入る。ちょうど18時頃とあって狭い風呂は洗い場の空きがないくらい混雑していた。私たちが上がるときにもどこかのスキー帰りらしき若者6人くらいが入っていた。六日町駅にも近く、250円と激安なので重宝していたのだが、今年の3月31日に閉店するそうだ。残念である。

 帰りは国道17号沿いのそば塩沢店に入り、へぎそばを食べた。明日はまだ日曜日なので岩原スキー場前駅で仮眠して翌日帰京した。

おわりに

 はじめての山スキーには延々とラッセルの続く厳しい山行となった。山スキーの厳しさを知るとともにシールつけての歩行、キックターン、新雪上での滑走など山スキーの基本を学ぶことができたと思う。次はもう少し雪の締まる4月頃に山スキーをしてみたい。


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