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2010年秋 - 上越・巻機山井戸尾根


2010年10月30日(土)〜10月31日(日)
場所
新潟県南魚沼市(旧南魚沼郡塩沢町)
ルート
10月29日
東所沢=六日町駅(泊)
10月30日
六日町駅=桜坂駐車場…井戸尾根…巻機山避難小屋(泊)
10月31日
巻機山避難小屋…巻機山…井戸尾根…桜坂駐車場=六日町中央温泉=東所沢
参加者
K、H、中山、A
参考文献

はじめに

 巻機山は上越国境にある山で、谷川岳の北方にある。朝日岳から大水上山の間の国境稜線には登山道がないが、唯一巻機山だけに道が通じている。登山ルートは清水集落から井戸尾根、割引沢、ヌクビ沢、米子沢があり、また北側の五十沢渓谷からも歩きにくい道がある。

 巻機山に登るのは5回目である。米子沢ヌクビ沢下ノ滝沢朝日岳からの縦走など何度も登っている。しかし井戸尾根は毎回下山に使うばかりで登ったことがなかった。

 今回、予定は米子沢であったが、台風14号が近づき井戸尾根に変更した。さすがに台風来襲とあって雨も大粒、風は雪山並みであった。なんとか避難小屋に泊まれてよかった。

0日目

2010年10月29日(金)

東所沢=六日町駅(泊)

 23:00、武蔵野線東所沢駅に集合。Aさんが仕事で遅れ。関越道六日町ICで下り、1:45ごろ六日町駅に到着。駅の立派なトイレの前で銀マットを敷き、軽く酒を飲んで2:30に寝る。夜中警官が見回りに来て質問されたが、Hさんに対応してもらった。

1日目

2010年10月30日(土) 雨

六日町駅=桜坂駐車場…井戸尾根…巻機山避難小屋(泊)

コースタイム
六日町駅6:30起床
6:50
桜坂駐車場7:15
7:35
五合目焼松展望台8:25
8:42
七合目物見平9:36
9:41
巻機山避難小屋10:30
18:10就寝

 6:30起床。車で移動する。清水集落を経て桜坂駐車場へ。天気はくもり、風も強い。駐車場には1台も車が停まっていなかった。予定の米子沢をあきらめ、一般登山道の井戸尾根を登ることにする。出発準備をしている間もパラパラと小雨が降ってきた。カッパを着て出発する。

桜坂駐車場
10/30 車が1台も停まっていない桜坂駐車場。
五合目焼松展望台
10/30 五合目焼松展望台にて休む。

 二合目までは緩やかな登り。二合目を過ぎると急登になる。四合目を過ぎたあたりで5人ほどの若者たちが下ってくるのに会った。五合目でバテたので帰ることにしたとか。駐車場に車がなかったが、どうやってきたのだろう。桜坂駐車場から1時間で五合目焼松展望台。米子沢を俯瞰できる展望台で、滑ノ沢出付近から1350mゴルジュ入口付近まで見えた。白い滝の筋は太く、水量が多そうだ。米子沢にしなくてよかったねと話す。

米子沢
10/30 五合目焼松展望台から見た米子沢。
井戸尾根
10/30 五合目から紅葉の樹林帯を歩く。

 五合目からは左手に紅葉の美しい樹林帯を見ながら登る。ちょうど赤く色づいていて一番いい時期である。ただ根元には白い雪が広がっていた。やがて左手が崖っぷちになって天狗岩を望める展望台に出る。しかし稜線は雲に隠れていた。その辺りから雨が本格的に降ってくる。登山道は沢となり、水が流れる。今回沢登りなので軽量化のために運動靴を持ってきたのだが、水が染みこんでくる。

天狗岩
10/30 天狗岩(左)とヌクビ沢(中央)。ところどころ雪が見える。
井戸尾根
10/30 雨で水の流れる登山道。

 七合目物見平で五合目から1時間だが、風が強く休める状況にない。標高も上がり雨も冷たくなってきた。物見平入口の茂みでリーダーのHさんに進退を尋ねると、Kさんが「小屋まであとワンピッチだろう、行こうぜ」と続行を促し、避難小屋まで行くことになる。

七合目物見平
10/30 七合目物見平。風が強い。
ニセ巻機山
10/30 ニセ巻機山下。雪山並みの風が吹く。

 七合目物見平から南風が強く吹きつける。特にニセ巻機山直下は吹きっさらしになっているので、ときどき雪山並みの強風が吹く。耐風姿勢よろしく一時停止しながら登る。雨が冷たく軍手の中の手も冷たい。つま先も寒い。雪も増えてきて深いところで15cmほどとなり、ズボズボと雪に沈みながら歩く。運動靴だとさすがに雪が入るので足の雪を払いながら歩いた。

ニセ巻機山
10/30 ニセ巻機山下。火曜日に降ったと思われる雪が残っている。
ニセ巻機山
10/30 ニセ巻機山山頂。

 ニセ巻機山からガスが濃い。が、たどり着いた巻機山避難小屋はすでに冬に向けて小屋じまいしていた。入口に板の角落しが設置され、ドアが開けられない。ということは冬季の入口は開いているのかと思い、小屋を一周したがハシゴが見当たらない。改めて夏季の入口を眺めると角落しの板を一つ一つ外せばいいことに気が付き、Aさんと2人で板を外して中に入ることができた。

ニセ巻機山
10/30 ニセ巻機山からの下り。
巻機山避難小屋
10/30 冬じまいした巻機山避難小屋。角落しを外して中に入る。

 窓も角落しで塞がれているため真っ暗。しかも水を汲んでおかなければならない。でも私はもう体がすっかり冷え切ってしまって動けない。KさんとAさんが窓開けと水汲みをやってくれた。中はトイレが使えないだけで1階も2階も使えた。2階にテントを張り、1階に銀マットを敷いて宴会を始めた。夜はKさんの用意した豪華なとり鍋を食べ、酒も多く、よく楽しめた。

巻機山
10/30 避難小屋から見た巻機山方面の登山道。
巻機山
10/30 15時過ぎに避難小屋から見た巻機山方面の登山道。雲が上がったが、風は吹いていた。

 外は雨が上がったものの気温は依然として低く、小屋を訪れる人は皆無だった。ラジオは台風14号が関東の南を通過していることを伝えていた。小屋の中でも寒く、みんなシュラフに入りながら酒を飲んだ。3時間しか歩かなかったが、6時間たっぷり飲んで寝た。

2日目

2010年10月31日(日) くもりのち晴れ

巻機山避難小屋…巻機山…井戸尾根…桜坂駐車場=六日町中央温泉=東所沢

コースタイム
巻機山避難小屋5:30起床
7:18
巻機山御機屋7:34
7:47
巻機山避難小屋8:02
8:08
七合目物見平8:42
9:02
五合目焼松展望台9:40
9:50
桜坂駐車場10:24
10:40

 5:30起床。避難小屋の1階に降りて朝飯のマルタイ棒ラーメンを食べる。外はガス。雨風はなく、昨日より気温も高い。

 巻機山御機屋を往復する。経験上、巻機山まではすぐなのだが、正面の山は遠そうだ。井戸尾根は下りしかしたことがないからだろう。冷たい靴下と運動靴を履き、出発。木道をたどる。少し登ったところには池塘が2つあったが、いずれも氷が浮いていた。

池塘
10/31 避難小屋の先にある凍った池塘。
御機屋
10/31 御機屋直下の階段は雪に埋もれていた。

 御機屋の登りには階段がある。階段には雪が積もっており、ズボズボと沈みながら登る。着いた御機屋山頂は広々としていた。ガスが出て展望はなく東風が冷たい。寒いので15分ほどで引き返す。避難小屋で軽く休み、井戸尾根を下る。ニセ巻機山を下り始めると、高校生の集団が登ってきた。日帰りサイズのザックには「小出高校」の文字が。このあたりの高校は日帰りで巻機山が登れるのかと思うとうらやましく思った。

御機屋
10/31 御機屋で休む。
巻機山
10/31 巻機山から井戸尾根を下る。
ニセ巻機山
10/31 ニセ巻機山の下りで高校生の集団に会った。
虹
10/31 下りで虹を見かけた。

 下るにつれ、ポツリポツリと人が登ってきた。ガスも取れてくる。七合目物見平のあたりには虹も見えた。五合目焼松展望台で見える米子沢は昨日と同じく水量が多く見えた。周りの山は葉を落として枝だけになった木も見えた。登りには苦難した積雪や水たまりはほとんどが解消して、もっぱら滑りやすいのに気をつけて下った。

天狗岩
10/31 天狗岩とヌクビ沢。昨日の風景に比べて葉っぱを落として枝だけになった木が多い。
米子沢
10/31 五合目焼松展望台から見た米子沢。昨日同様、水量が多い。

 桜坂駐車場に下り、帰りは六日町の中央温泉に入り、六日町ICから関越道で帰京した。

おわりに

 台風14号の接近にも関わらず、なんとか登ることができてよかった。雨も激しく、風も雪山並み、気温も低く、天候は厳しかった。運動靴も軍手もすっかり濡れて手足とも冷たかった。もう山は冬なのだと実感した。


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