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2009年春 - 大月・岩殿山


2009年4月4日(土)
場所
山梨県大月市
コース
大月駅…岩殿山…稚児落とし…浅利…上真木バス停=大月駅
参加者
中山、母
天気
くもり
参考文献

はじめに

 年に1, 2回、母と東京近郊にハイキングに出かけている。今まで登ったのは高尾山、鷹ノ巣山、御前山、大岳山、扇山、倉岳山、丹沢大山などである。ここのところはあまり行っておらず、2007年秋に奥日光・戦場ヶ原を歩いたのが最後だ。そこで親孝行と思って1年半ぶりに山に行くことにした。

 場所は母が久しぶりということもあって歩行時間の短い大月の岩殿山にした。駅前から歩けるし、下山して近くに橋倉鉱泉という温泉もある。ただ橋倉鉱泉は3年ほど前に日帰り入浴をやめていたので入れなかった。

日帰り

2009年4月4日(土) くもり

大月駅…岩殿山…稚児落とし…浅利…上真木バス停=大月駅

コースタイム
大月駅8:23
8:30
岩殿山9:38
9:50
稚児落とし11:21
11:57
橋倉鉱泉13:01
上真木バス停13:34

 場所が大月ということもあって、船橋から臨時の特急あずさ73号に乗る。錦糸町、新宿、立川、八王子と停車駅も少なく、1時間40分ほどで大月に到着。

岩殿山
4/4 大月駅ホームから見た岩殿山。
岩殿城跡入口
4/4 岩殿城跡入口。

 駅のホームから岩殿山が見える。近いけれど、標高差が大きく壁のようだ。駅を出てしばらく歩き、高月橋で桂川を渡り、岩殿山の登山口につく。道はコンクリート舗装で始まるが、少し登ると砂利道になる。そこここにサクラが植わっており、8分ほど咲いていた。ソメイヨシノだけでなくいくつかの種類のサクラが咲いているようで見ていて飽きない。

岩殿山ふれあいの館
4/4 岩殿山ふれあいの館。
岩殿山
4/4 岩殿山ふれあいの館から見た岩殿山の壁。

 登って行くと岩殿山の中腹の丸山公園に着いた。岩殿山ふれあいの館という城の形をした資料館があり、地図などの資料をもらう。また中の写真や城の歴史を読んでいたら写真家の白簱史朗が大月市出身ということを知った。窓の外から見える富士山は雪で白かったが、笠をかぶっていて山頂が見えなかった。

ヤマザクラ
4/4 葉と同時に花が咲くサクラ。ヤマザクラ?
揚城戸跡
4/4 両側に巨岩ではさまれた揚城戸跡。

 丸山公園から急坂を登る。道はまたコンクリート舗装に戻る。道ばたにはサクラだけでなくヤマブキやスミレが咲き、目を楽しませてくれる。道はジグザグに登って行くが、山頂直下の壁の下で西側を登る。胸付の急坂を登ると揚城戸跡。道の両側に仁王のような巨岩が立ちはだかっている。備え付けの看板によれば「第二の関門とよばれ巨大な自然石を利用して城門をきずいていた」そうである。揚城戸跡を過ぎると岩殿山の広場。乃木希典の碑の前が広くなっていて展望がよい。足下の大月市街地の先に富士山が見える。しかし見える富士山は先ほどよりかすんで見えた。雲が増えてるようだ。ここで一休み。おにぎりがうまい。この広場のあたりにはカタクリが咲いていて春らしい。

大月市街地
4/4 岩殿山山頂から見た大月市街地。
富士山
4/4 岩殿山から見た富士山。

 休んでから山頂に向かう。岩殿山はむかし城だったらしいが、それにしてはかなり狭い。天然の要塞とはいえ、兵士を100人、200人も寝泊まりさせる建物は建てられたのだろうか。水は亀ガ池という池があるようだ。現在、城を示す痕跡は看板くらいしか残っていない。登った山頂には電波塔が立っているだけでそっけない。空湟を経由し、広場に戻る。

カタクリ
4/4 岩殿山山頂のカタクリ。
ヤマブキ
4/4 ヤマブキ。

 少し山を下ってから天神山、稚児落しへ向かう。山頂に比べ人が少ない。ザラザラの下りにくい道を行く。バラのようにトゲがあり、サクラのような花の咲く植物があったが名前は分からない。筑坂峠を過ぎて兜岩の登り。岩場コースと林間コースに分かれるが、せっかくなので岩場コースを登る。2カ所の鎖場があった。岩の質はかなりもろく、水分の多いコンクリートのようである。手足をかけるところは削れており、そこに合わせて登ればよい。

 たどりついた兜岩にはミツバツツジが咲いていた。何人かの人が休んでいたので先を行く。兜岩から直接岩場を下ることはできないので北側から巻いて下る。また登り返すと天神山。鉄塔が建っているだけだが、少し進むと天神様の入った社があった。天神山から北へたどると稚児落しである。小山田氏の婦女子が落城の道を歩む際、子供が突然泣き出し敵の武士に発見されてしまい、子供らを岩壁上から落とした、と「岩殿山ふれあいの館」の説明文は告げている。青い壁が100mほどそそりたっており、どうやって登るのかしばらく眺めてから進んだ。

兜岩
4/4 兜岩の岩場のトラバース。
稚児落し
4/4 稚児落し。

 稚児落しの上に少し広くなっているところがあり、その丸太に座って休んだ。他に2パーティーいたが、人は増えなかったのでのんびり休んだ。12時を示すメロディーが流れるころ稚児落しの上を歩き、小尾根を下って浅利集落におりた。

 このあと橋倉鉱泉に向かったが、橋倉鉱泉は3年ほど前に日帰り入浴をやめており、入れなかった。しかたがないので上真木のバス停へ向かった。途中に丘の上の眺めのいい墓場があり、サクラの花が満開であった。自分の家を見守りながら眠れるならご先祖様も安心だろう。西行の「願わくば 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ」という句を思い出した。

 上真木バス停に着くとバスが行ったあと。地形図に載っていた真木温泉を求めて少し歩き出すと、遅れていたのかバスがやってきた。バスは本数が少ないのであまり考えずに飛び乗った。次のバス停の真木鉱泉入口バス停に気がついたが、次のバスの時間を考えてそのままバスに乗り続けた。バスは終点大月駅に到着、代わりにどこか大月駅近くで銭湯がないか駅員さんに訪ねたが駅前の開発でなくなってしまったとのこと。しかたないので母と喫茶店に寄り、大月始発の中央特快東京行きに乗って帰った。

おわりに

 春らしくサクラをはじめとしてたくさんの種類の花が咲いていて、山全体が自然の植物園のようになっていた。母も喜んでくれたようだし、親孝行ができたようだ。

(2009年4月4日記す)


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