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2009年冬 - 富士山


2009年11月28日(土)〜11月29日(日)
場所
山梨県富士吉田市
コース
11月27日
府中本町駅集合=吉田口登山道・馬返し(泊)
11月28日
馬返し…五合目佐藤小屋…河口湖口五合目上…小御岳流し2750m付近雪上訓練…河口湖口五合目上(泊)
11月29日
河口湖口五合目上…小御岳流し2750m付近雪上訓練…河口湖口五合目上…五合目佐藤小屋…馬返し
参加者
K、Y、H、I、中山、S
天気
28日晴れ、29日晴れのちくもり
参考文献

はじめに

 都庁山岳部では雪山の訓練ということで毎年冬の始まりに富士山に登っている。例年2泊して初心者を対象に滑落停止やスタンディングアックスビレイなどの訓練を行っており、山頂まで登ることもある。今年は1泊2日で雪上訓練のみ行ない、山頂へは登らなかった。

 今年で4回目だがつかれた。

参考

0日目

2009年11月27日(金)

府中本町駅集合=吉田口登山道・馬返し(泊)

 22:30府中本町駅に集合。いつもよりタクシーが多く、Kさんの車が見当たらなかった。少し離れたところに集合していたHさん、Sさんに案内されてKさんの車に乗車。馬返しには23:45ごろについた。馬返しには私たちの車以外に1台の車とテント1張りがあった。ジャンボエスパースを立て1:00就寝。

1日目

2009年11月28日(土) くもり

馬返し…五合目佐藤小屋…河口湖口五合目上…小御岳流し2750m付近雪上訓練…河口湖口五合目上(泊)

コースタイム
馬返し6:05起床
7:00
二合目7:42
7:55
五合目井上小屋8:45
9:00
五合目佐藤小屋9:35
9:50
河口湖口五合目上10:18
11:05
小御岳流し
2510m付近
11:35
11:47
小御岳流し
2790m付近雪上訓練
13:05
15:27
河口湖口五合目上16:20
21:30就寝

 銀マットの上にエアマットを敷いたにも関わらず明け方は寒かった。テントの外は霜が降りており、テントのあるところは霜がなかった。おそらく体の熱が地面まで届いていたのだろう。私たちのほかには車が1台だけ。起きたときは寒かったが、カッパを着て歩き始めると暑くなってきた。天気はよく、風もない。一合目を過ぎ、二合目までの長い行程を歩き、二合目の神社で一休み。まだ雪は現れない。二合目からしばらくで林道細尾野線終点を過ぎ、登りが続く。

二合目
11/28 二合目で集合写真。去年は二合目から氷があったが、今年は雪のかけらもない。
五合目井上小屋
11/28 五合目井上小屋にはつっかえ棒が増えていた。

 五合目井上小屋で一休み。去年は二合目から雪が出てきたのだが、今年は五合目井上小屋でも雪はない。今年は雪が少ないのだろうか。井上小屋には去年なかったつっかえ棒がかかっていた。三合目の小屋のように倒壊を防止するためだろう。もっとも井上小屋が開いているのを見たことがないのだが、いっそ撤去してしまった方がよいのではないかと思う。そこから登っていくと登山道近くで測量している人たちがいた。つづら折れの登山道を直線で結ぶように測っていたので何か架線、たとえば携帯電話の基地局のためのケーブルでも引くのだろうか。滝沢林道に出ても雪はなかったが、頂上のあたりには雪が積もっているのが見えた。

吉田口五合目
11/28 吉田口五合目佐藤小屋から見る富士山頂。天気がよい。
河口湖口五合目
11/28 河口湖口五合目の上で幕営。

 五合目佐藤小屋に立ち寄るが、小屋はあいておらず玄関の温度計を見ると氷点下2℃であった。ちょうど大学生らしきパーティーがテントを張って訓練に出かけるところだった。スバルライン終点へ向かう。ところどころ雪が積もったところがあり、六合目との分かれ道の泉滝のあたりにはつららがたくさんぶら下がっていた。スバルライン五合目に近づくと人の声が聞こえ、今年もまだスバルラインが営業しているのが分かった。

 やがてスバルライン終点の河口湖口五合目に達する。上のヤブに入り、幕営。ザイル、ハーネス等練習の準備をして小御岳流しへ向かう。

河口湖口五合目
11/28 樹林帯を抜けて河口湖口五合目を振り返る。
小御岳流し
11/28 小御岳流しを登る。

 意外と風がなく暖かい。樹林帯を抜けて赤茶色の斜面を歩く。ザラザラで崩れやすく何度か転ぶ。雪が少ないので西側の斜面へ斜めへ登っていくが、やはり雪はまばらで雪訓ができそうな量はない。引き返すように東側へ向かって登り、標高2730m付近でようやく一面雪に覆われたところに出たのでここで練習を行なうことにする。雪を探しながら歩いたので1時間半もかかってしまった。

小御岳流し
11/28 雪を求めてさらに登る。
小御岳流し
11/28 歩行の練習。

 この日の練習内容は歩行訓練と滑落停止。直登とバックステップで下るのは問題なくできるのだが、直下降とトラバースがどうも下手だ。それぞれ腰が引けてがに股になってしまうのと、うまくバランス取りながら歩けないのが問題である。何度かくり返して滑落停止に移る。

 滑落停止はロープで確保しながら行なった。足をあげるのはできたが、なかなか止まらない。言い訳すれば一度滑落したところはピッケルのピックで雪面に溝ができてしまい、2回目以降はその溝にはまってしまってレールを滑り落ちるように落ちてしまう。でも実際に落ちてしまったらそんな言い訳は無用なので確実に止まれるようにしたい。

バックステップ
11/29 バックステップで下る練習。
小御岳流し
11/29 下るころには雲海ができていた。

 練習を終えて雪袋に雪を詰めて下る。だんだんとパーティーがバラバラになってしまった。登るとき雪を求めて西側へ登っていった記憶から東側を目指して下る。しかしテントよりやや東側に出てしまい、テントにたどり着くまで時間がかかった。

 この晩はつまみが充実し、酒もほどほどに飲み、21:30就寝。

2日目

2009年11月29日(日) 晴れのちくもり

河口湖口五合目上…小御岳流し2750m付近雪上訓練…河口湖口五合目上…五合目佐藤小屋…馬返し

コースタイム
河口湖口五合目上4:40起床
6:55
小御岳流し
2790m付近雪上訓練
8:20
11:30
河口湖口五合目上12:06
12:45
馬返し14:24
14:40

 4:40起床。予定では総合練習として吉田口登山道を時間の許す限り登る予定だったが、昨日の練習でロープワークをすませていないのでまた小御岳流しで歩行訓練とロープワークの練習を行なうことにする。

 昨日と同じ小御岳流しの場所へ登る。この日は天気がよく、南アルプス、木曽御岳、北アルプス、八ヶ岳が見えた。見える範囲の標高1000mくらいには雲海が広がっており、飛行機からの景色のようである。ちょうど西湖と河口湖の間あたりから雲の表面が波打っており、重力波のようであった。

 昨日と同じ2790m付近に登りつき、ここで歩行訓練を行なう。トラバースは前日よりよくなっているとIさんに言われた。黒い岩が出ているところがあるのでそこで岩と雪のミックスルートの練習などを行なう。

小御岳流し
11/29 昨日の練習場へ登る。
小御岳流し
11/29 この日は昨日以上の美しい雲海が見られた。

 歩行訓練が終わったあとはロープワーク。Iさんと私、KさんとSさん、HさんとYさんでロープを結び、つるべで登っていった。支点はスタンディングアックスビレイ。ある程度登った後、コンテを学ぶ。府岳連方式と都庁山岳部で旧来より使っている手元のぐるぐる巻きのザイルにピッケルを通して確保する方式を習ったが、どちらもあまりうまくできなかった。よっぽど落ちないという場所でなければコンテは私には使えなさそうだ。

小御岳流し
11/29 トラバースの練習。
つらら
11/29 泉滝付近で見られたつらら。

 11時を過ぎてテントに戻る。また迷って今度は西側に出てしまった。本当にここの道は分かりにくい。下るころには西から雲がやってきて風が吹き始めていた。テントを回収して馬返しに戻り、葭池温泉に寄って帰京した。

おわりに

 4回目の冬富士登山だったが、まだうまく歩けなかったりザイルワークがうまく行かなかったりする。そのための練習という面もあるだろうが、いいかげんうまくなりたい気もする。

(2009年12月5日記す)


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