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2009年夏 - 富士山


2009年7月24日(金)〜25日(土)
場所
山梨県富士吉田市
ルート
7月24日
新宿=富士スバルライン五合目…七合目トモエ館(泊)
7月25日
七合目トモエ館…吉田口頂上…富士スバルライン五合目=ふじやま温泉=新宿
参加者
K、K、Y、A、K、I、H、中山、S、I、Sほか一般参加者
参考

はじめに

 毎年恒例の富士登山大会に登ってきた。行程も例年通り金曜日に富士スバルライン五合目から吉田口七合目まで、土曜日に頂上登って富士スバルライン五合目に下山である。

 天気は概して悪く、24日はくもり、小屋に入ってから雨、25日は登山中はくもり、頂上で強い風、下りは強い風と雨であった。そのため例年のお鉢巡り、豚汁、スイカはおあずけで下山した。それでも悪い環境の中でもなんとか登頂することができてよかった。

 しかし毎回高山病でめまい、頭痛、吐き気に襲われていたのだが、今回は深く息を吐くよう指導され、若干頭がぼんやりしたものの食欲が減退することもなく、無事下れた。高山病にかからなかったのは大きな進歩だと思う。

1日目

2009年7月24日(金) ガスのち雨

新宿=富士スバルライン五合目…七合目トモエ館(泊)

コースタイム
富士スバルライン五合目
雲上閣
11:30
12:31
六合目13:28
13:43
六合目-七合目間
2550m
14:30
14:40
七合目トモエ館15:30
19:00就寝

 8:30新宿集合。朝6時に千葉の家を出るときは降っていなかったが、多摩では朝は土砂降りだったそうだ。新宿でも傘がほしいくらいの雨が雨が降っている。全員集合して出発。中央道では何度か雨がフロントガラスを叩きつけるように降りつけた。五合目でしばらく出発を見合わせるか、最悪七合目まで行かずに富士吉田の宿に泊まるかと相談する。しかし談合坂で休憩するころには雨はやみ、富士吉田に着くころには部分的に青空も見えるようになってきた。

 富士ビジターセンターで水を汲み、富士スバルラインを登る。富士スバルライン五合目に着くとそこはひどくガスっていて50m先が見えるか見えないかくらいの天気であった。折しも富士登山競争の日と重なり、五合目はロッカーで着替えを回収する人、帰りのバスを待つ人と混雑していた。その中で食事をとり、12:31に出発。

富士スバルライン五合目
7/24 富士スバルライン五合目。富士登山競争の帰宅の列。ガスが濃い。
六合目
7/24 混雑する六合目。

 ガスの中を進む。S小屋への車道を分け、六合目への登り道に入る。樹林帯にはシャクナゲが咲いていた。富士山には花が少ないので見つけるとうれしい。Kさんに言われて半歩ずつゆっくり歩くが、参加者には遅いらしく、フライングしようとする人が多かった。六合目に着くころにはガスは晴れ、うっすら登山道が見えてきた。ここから七合目まで2時間の行程。

 ひげのおじいさんの引率のツアーパーティーと前後しながら登る。向こうは30人くらいの集団なので近づくとお互いどちらがどちらのパーティーか分からなくなる。できるだけ距離を置くようにしながら登る。それにしても今日は登山者が多い。山頂直下のような混雑だ。富士登山がブームなのかもしれない。

七合目花小屋
7/24 七合目花小屋の前の渋滞。
七合目トモエ館
7/24 七合目トモエ館からさらに上を目指す人たち。

 途中で休みを一つはさみ、七合目花小屋の前から渋滞につかまる。七合目から八合目にかけて岩場が出てくるのでいつも渋滞する。渋滞の後ろを少しずつ登っていく。花小屋の次の日の出館のあたりからは人が少なくなり、日の出館の次の七合目トモエ館に到着。今日はここで終わり。

 班の参加者を寝床に案内し、リーダーは酒を飲む。今年は2段のカイコ棚の下段を割り当てられ、天井低い中で飲む。17時過ぎにカレーライスの夕飯に呼ばれ、24人ずつ2班に分かれて食事した。今回最年少の5歳の女の子を除いてみんなご飯を食べていた。女の子も後でご飯を食べていたようだし、体調はみんな比較的よいようだった。私も息を深く吐くよう心がけていたからか、半歩ずつゆっくり登るよう心がけていたからか高山病の症状はなかった。

 夜になり、雨が降ってきてからHさんとKさんが到着。外はけっこうな降りのようだ。室内は暑く、ふとんの上で寝ていた。

2日目

2009年7月25日(土) くもりのち雨

七合目トモエ館…吉田口頂上…富士スバルライン五合目=ふじやま温泉=新宿

コースタイム
七合目トモエ館1:30起床
2:10
七合目東洋館3:00
3:11
八合目-本八合間
3095m
4:15
4:27
本八合富士山ホテル5:24
5:37
九合目下
3450m
6:22
6:33
富士山頂山口屋支店7:30
8:05
下江戸屋8:50
9:00
3205m9:40
9:46
吉田口下山道
七合目公衆トイレ
10:10
10:20
富士スバルライン五合目
雲上閣
11:34
13:15

 1:30起床、2時出発。外は星がいくらか見える。夜遅く降っていた雨はやんだようだ。

 暗い中を登っていく。道はおおむね乾いており、濡れることもない。岩場をゆっくり登り、七合目の上部の東洋館で休む。さらに八合目を過ぎて3095m付近で一本。くもりながらも夜は明けつつあり、立ち位置よりも上層の雲と下層の雲の間が明るくなってくる。歩き始めると日が出てきた。上部下部の雲も赤く色づき、じわじわと明るくなってくる。本八合富士山ホテルで一休みするころには夜は明けた。しかし雲は厚くまだ薄暗かった。

夜明け前の空
7/25 本八合目下で見た夜明け前の空。上も下も雲海。
雲
7/25 なぜか山中湖だけ雲がない。

 本八合からは頂上が見える。ここから2時間かけて頂上を目指しますと参加者に告げ、登る。本八合からは下山道も見え、ご来光を拝んだ登山者が色とりどりのカッパで列をなして下ってくるようすが見えた。九合目を過ぎるとさすがに頭がぼんやりしてきてめまいでときどきふらつく。私の班の最年少の11歳の少年もときどき岩に手をついて休んでいた。

本八合
7/25 本八合から見た吉田口頂上。
富士山頂山口屋支店
7/25 富士山頂山口屋支店の無料休憩所で休む。

 だんだん風も出てきて寒い。寒いので上はシャツ2枚にジャージ、カッパ、下はジャージにカッパズボンを履いているがそれでも薄ら寒い。しかし私のとなりを半袖半ズボンの外国人さんが大股で登っているようすを見ると体の構造が何か違うのかもしれないと思った。

 やがて吉田口の山頂に到着。いつもなら東側の丘の上で豚汁を作ったり、スイカを食べたりするのだが、今日は風が強く断念。先に登頂した1班についたIさんに指導され、山口屋支店の無料休憩所に逃げ込む。ここで30分の休憩をとる。豚汁は1杯800円とのことで「作ったら売れるな」と話す。富士山の売り物は高いと聞くので注意してみてみたらほかラーメン900円、うどん1000円、カレーうどん1200円と市価の倍くらいの値段であった。缶ジュースは暖かいものも冷たいものも400円であった。小屋で休んでいると小屋の方が注文を確認したり、品を手渡したり、寝ている人には呼吸量が減るから寝ないで下るよう諭したり、ゴミを持ち帰るように伝えたり、これから天気が悪くなるという予報を伝えたり終始忙しそうだった。

 山頂のトイレへも寄る。200円/回・人で、思ったよりは広く快適であった。外はだんだん風が強くなり、ふらつくくらいであった。ガスも濃く、下山口を知っていないと迷いそうな天気であった。

吉田口下山道
7/25 山頂から吉田口下山道を下る。右手は残雪。
吉田口下山道
7/25 雨の中吉田口下山道を下る。

 遅れている3班を待たずに下山。1班に続いて2班も下山する。風が強い中を下山口に進む。ガスが濃く、全員いるかどうか不安で、折り返しごとに2班の位置を手を挙げて声をかけながら下った。下っていくと風は弱くなってくるが、雨が降ってきた。本降りの雨ですっかり目詰まりした私のカッパは内側まで濡れてきた。ゴアテックスと言えどもう8年目、ダメだろうな。足下もめんどうなので使い古したスニーカーで来たらころころと小さいれきが入ってきて痛い。ぎこちない歩き方をしながら八合目下江戸屋に到着。ここで須走口と吉田口の下山道が分かれる。全員点呼して、いることを確認し、一休み。

 その後は11歳の少年に「あとどのくらい?」と聞かれて「3時間くらい」と答えてげんなりされたり、ときどきOさんに「速い」と言われながらゆっくり下り、六合目に着いた。六合目からは雨は降っておらずカッパのフードをあげて下った。五合目へのトラバース道では富士吉田の街が見え、下界は雨が降っていないようであった。

 富士スバルライン五合目雲上閣について自由時間。結局3名が山頂に登れず途中で引き返したそうだ。土曜日の昼とあってロッカールームは大混雑していた。全員下山したのち、13:15に出発。ふじやま温泉に入浴して新宿に帰京した。

おわりに

 富士山に登ると毎回高山病にかかり、前々回前回とも頭痛、吐き気で苦しんだので正直なところ富士山はあまり好きではない。しかし、今回息を深く吐き、半歩ずつ登るよう心がけた結果、頭がぼんやりする程度の高山病で済んだ。

 天気は悪く、お鉢巡りはできなかったが、高山病の克服という点で意義のある山行だった。

(2009年7月26日記す)


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