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2008年秋 - 信越・苗場山


2008年9月27日(土)〜28日(日)
場所
新潟県南魚沼郡湯沢町、中魚沼郡津南町
ルート
9月27日
池袋駅集合=みつまたスキー場…和田小屋(泊)
9月28日
和田小屋…神楽ヶ峰…苗場山…和田小屋=池袋駅
参加者
Iさんはじめリーダー9人、一般参加者19人
参考文献
山岳図書編集部「アルペンガイド3 上信越の山」(山と渓谷社,1994)

はじめに

 今年は7月末の富士山とこの9月末の苗場山と2回登山大会があった。苗場山は私も行ったことがなかったのでリーダーというよりは一般参加者の気持ちで参加した。

 苗場山は新潟県と長野県の間にそびえる標高2145mの山。山頂に湿原が広がっているのが特徴の山である。祓川、赤湯温泉、見倉、小赤沢などいくつかの登山道があるが、今回はスキー開発によりもっとも開けている祓川から入山した。

1日目

2008年9月27日(土) 晴れ

池袋駅集合=みつまたスキー場…和田小屋(泊)

コースタイム
みつまたスキー場12:30
12:57
みつまたロープウェイ分岐13:49
13:55
祓川にかかる橋
14:56
第2リフト町営駐車場15:31
15:35
和田小屋15:58
21:07就寝

 8:00池袋駅集合。関越道で登山口へ向かう。途中赤城高原SAで早めの昼食。湯沢ICで関越道を下り、みつまたスキー場の駐車場で下車。バスを降りると少し寒い。

 トイレなどをすませて今日泊まる予定の和田小屋へ向かう。はじめに清津川を地図に載っていない仮設っぽい覆工板の橋で渡る。和田小屋へは車道伝いなので近道を行こうと考えたが、みつまたロープウェイ下のショートカット道が見つからず車道伝いに行く。かぐらスキー場の中を行くが、リフトは動いておらず変な感じだ。祓川を渡るところで一本。祓川はずいぶん水量が多いように見えた。

 祓川から登って行く途中、Yさんが山ぶどうを見つけた。みんな口に入れてみるが酸っぱかったようだ。第2リフト町営駐車場で山道と車道に分かれるが、山道はどろんこになりそうなので車道を登る。途中、苗場山から下ってくる人を見かけたが、カッパにザックカバーでフル装備していた。あとで聞いたら山頂で雪が降ったそうだ。長いかぐらゴンドラリフトの終点に和田小屋があった。これにて行動終了。

 外の気温は10℃。小屋の中は暖房が効いて20℃と暖かかった。小屋の用意したご飯を食べて風呂に入って就寝。

祓川
9/27 祓川はだいぶ増水していた。
和田小屋
9/27 宿泊した和田小屋。

2日目

2008年9月28日(日) 晴れのちくもり

和田小屋…神楽ヶ峰…苗場山…和田小屋=池袋駅

コースタイム
和田小屋4:30起床
5:03
下ノ芝下5:56
6:07
中ノ芝6:58
7:12
小松原分岐7:29
神楽ヶ峰7:45
雷清水8:00
8:06
苗場山山頂9:00
10:33
雷清水11:08
11:12
神楽ヶ峰11:29
11:40
下ノ芝12:34
12:48
和田小屋13:28
14:30

 4:30起床。起きるとなんとなしにのどが痛い。暖房の中で寝たからだろう。朝は早いので小屋で朝ご飯を食べずに、作っておいてもらった朝ご飯、昼ご飯を持ち、各自あたたかいお茶をテルモスに詰めて出発。私はまだ9月だし寒くないだろうと思ってテルモスは持たず、お茶はつめていかなかった。

道
9/28 小さな沢のような道を行く。
下ノ芝
9/28 下ノ芝を通過。

 まだ暗い中、苗場山の往復へ向けて出発。スキー場の中を歩いて行くのかと思ったら祓川上流の白樺沢の少し上の道を登る。ところどころ水の流れている沢みたいな道で、石がごろごろして滑りやすい。ぞろぞろと3班列になって登る。すこし傾斜の緩やかになったあたりで休む。だいぶ明るくなってくるが、上の方はガスがかかっていてこれからの天気は分からない。

スキー場
9/28 スキー場の中の道を行く。
中ノ芝
9/28 広い中ノ芝。

 少し歩くと一番上のリフトへのスキーの連絡コースを横切る。そのあとすぐ下ノ芝に出る。最上段のスキーコースと2回くらいジグザグに絡みながら急な登りの後、平らかになって中ノ芝で一本。東側に谷川岳があって他にもたくさん山が連なっているが、どれが何という山かよく分からなかった。小屋で作ってもらった弁当を食べるが、ご飯がぼそぼそしてあまりおいしくなかった。

 少し登るとまた平らになって上ノ芝。そこから神楽ヶ峰までは上り下りの少ないなだらかな道。小松原湿原への道を分け、股スリ岩を越えて神楽ヶ峰。神楽ヶ峰は平らな稜線の中のちょっとしたピークであまり山らしくない。まわりもガスでよく見えない。

谷川連峰
9/28 中ノ芝から見る谷川連峰。
苗場山
9/28 神楽ヶ峰を越えてやっと苗場山が見える。

 神楽ヶ峰を過ぎると下って苗場山へ登る。苗場山は雲に覆われ、山頂が少し見えるだけ。だいぶ下って登るように見える。地形図を見ると150m下って265m登る。苗場山までの間に雷清水という水場がある。水場なので最低鞍部からどちらかの谷に下ったところかと思ったら神楽ヶ峰から下る途中に水場があった。狭くて休みづらいけれどそこで水を汲んでおく。

 神楽ヶ峰〜苗場山の最低鞍部のあたりは平らで道も湿っておらず歩きやすい。お花畑という柱が立っていたので夏なら美しいだろうと思う。そして苗場山の登り。かなり急な登りだが、ジグザグに道がついていて岩場はない。しかし登るにつれ木々に雪がつきはじめた。赤くなり始めたナナカマドが氷づけになっていたり、エビのしっぽがついている木もあった。登りきると苗場山の山頂。

ナナカマド
9/28 雪で凍ったナナカマド。
苗場山
9/28 雪の残る苗場山山頂。

 湿原が広がっているが、あちこちおしろいをつけたように白く染まっている。遠くの針葉樹林帯も白い。西には北アルプスが見え、槍も穂高もくっきり。木道を伝って遊仙閣となりの山頂の看板にたどりつく。そこで休もうかと思ったが雪だらけで休めない。しかたないので少し戻って木道の展望台みたいなところで休む。弁当をほおばるが、冷たい風が吹いてきてかなり寒い。小屋でお茶をもらってこなかったことを後悔する。フリース着てカッパを着るが寒い。軍手から手を抜いて手を温める。

 30分ほど遅れて後続の1班、3班がやってきた。私たちはあまりに寒かったのでそのへんの湿原を回ってくることにした。残念ながら山頂には周回コースがないので赤湯温泉への木道を少し下りて戻る。戻ってきて苗場山頂ヒュッテの前の役行者とかの碑のあたりでまた3班と会う。総リーダーのIさん曰く、いったん解散、10:30山頂集合ということなので周りをぶらぶらする。すこし秋山郷側に下ったところが湿原の展望台みたいになっていたのでそこで写真を撮って引き返す。

遊仙閣
9/28 山頂そばに建つ遊仙閣。
苗場山
9/28 秋山郷への下り道から見た苗場山の湿原。

 寒さの中弁当を食べたところに集合。そこから各班和田小屋へ引き返す。帰りになると日も昇ってきたのか凍っていた木々は解凍されていた。氷づけの木々を見られたのは朝のうちだけだったようだ。下るとちょうど朝駐車場を出てきた人たちとすれ違う。狭い登山道で行き違いながら下った。雷清水を過ぎると登りのラッシュも過ぎ、あとは来た道を和田小屋まで下った。2班は足並みが揃っていたようで最後のパーティーと50分差がついてしまった。

 帰りは三国街道沿いの街道の湯に入り、また湯沢ICから関越道に乗って帰京した。

おわりに

 はじめて苗場山に登ったが、山頂の湿原は広々としていて気持ちのよいところだった。登りの途中では9月にも関わらず雪で凍ったナナカマドなどを見ることができ、よかった。一方で山頂ではあまりに寒く、手もかじかむほどだったので9月でも相当寒くなるのを知った。

 万全を期すならば9月上旬までに登り、山頂の小屋に泊まると湿原の散策もできてよいのだろう。

(2008年9月28日記す)


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