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2008年春 - 都県境・すずかけ台駅〜川崎市麻生区向原二丁目


2008年4月5日(土)
場所
東京都町田市・多摩市・稲城市・神奈川県横浜市緑区・青葉区・川崎市麻生区/市街地
コース
東急田園都市線すずかけ台駅…東急長津田検車区…玉川大学…小田急線鶴川駅…町田市鶴見川クリーンセンター…寺家ふるさとの森…東京田中短期大学…上麻生交差点…平和台団地…真光寺公園…電源開発西東京変電所…国士舘大学…稲城台病院…京王線若葉台駅…平尾団地…麻生警察署…向原二丁目…金程中東交差点…西生田小交差点…小田急線よみうりランド前駅
参加者
単独行
天気
晴れ
参考文献
歩行距離
48.9km

はじめに

 最近、以下のように東京都と神奈川県の県境を歩いている。

 県境のうち境川と多摩川の部分はそんな感じで歩ききったのだが、残りの東急田園都市線すずかけ台駅〜多摩川原橋がまだである。一方で5月に千葉の実家に帰る予定もあるため、東京都西部にはなかなか来られない。そのため急ぎで残りの区間を片付けることにした。

 先に結論を述べると日が暮れたため、目的の区間すべてを歩ききることはできず、途中の横浜市麻生区向原二丁目で中断した。

 中断した理由はこれまでの都県境歩きと大きく異なったためである。具体的に述べると以下の2点があげられる。

距離が長い
前日mapionキョリ測で計測した結果、延長は34.9km。これまでの都県境で最も長い道のりである。直線距離では14.4km(mapionキョリ測)と短いにも関わらず、道のりはその倍以上である。単純計算でも34.9km÷4km/時間=8.7時間かかることになる。実際には途中で中断したにもかかわらず48.8km(ルートラボ)歩いた。
ルートファインディングが難しい
必ずしも尾根沿いでも川沿いでもなく、住宅地を中心に歩くため登山で培ったルートファインディングが通用しない。

 だからといって何か後悔しているということもないが、はあ、疲れた。

日帰り

2008年4月5日(土) 晴れ

東急田園都市線すずかけ台駅…東急長津田検車区…玉川大学…小田急線鶴川駅…町田市鶴見川クリーンセンター…寺家ふるさとの森…東京田中短期大学…上麻生交差点…平和台団地…真光寺公園…電源開発西東京変電所…国士舘大学…稲城台病院…京王線若葉台駅…平尾団地…麻生警察署…向原二丁目…金程中東交差点…西生田小交差点…小田急線よみうりランド前駅

コースタイム
東急田園都市線すずかけ台駅9:17
東急長津田検車区10:00
玉川大学11:29
小田急線鶴川駅12:04
町田市鶴見川クリーンセンター13:22
寺家ふるさとの森14:00
上麻生交差点14:59
真光寺公園16:00
電源開発西東京変電所16:16
国士舘大学16:47
京王線若葉台駅17:29
平尾団地18:05
麻生警察署18:30
向原二丁目18:49
小田急線よみうりランド前駅19:56

 7:30に起床、電車を乗り継いですずかけ台駅に着いたのは9:15。今日の目標は残りの区間、すずかけ台から多摩川原橋まで。

つくし野
4/5 つくし野の住宅地。階段右が都県境。
東急長津田検車区
4/5 東急長津田検車区。奥を都県境が通っている。

 すずかけ台駅で降りてからとりあえず国道246号線沿いに歩き、つくし野の街を歩いて東急長津田検車区を跨線橋で渡る。町田市成瀬クリーンセンターの北側、恩田川沿いを少し歩いて対岸へ。

成瀬クリーンセンター近く
4/5 成瀬クリーンセンター近くの住宅地。道の真ん中に都県境。
成瀬クリーンセンター
4/5 恩田川の成瀬クリーンセンター放流口。

 神奈川県側から車道沿いにあかね台の台地へ登る。横浜市青葉区あかね台から町田市成瀬台二丁目までは尾根沿いに都県境が走っており、散歩道として整備されている。歩きやすい未舗装の道を軽快に歩く。ところどころサクラが咲いていて美しい。成瀬台二丁目からは住宅地の端の道が都県境になっており、珍しく都県境の標も見られた。

あかね台
4/5 あかね台の団地。
成瀬の尾根道
4/5 成瀬の尾根道。
成瀬の尾根道
4/5 成瀬の尾根道。
こどもの国駅西
4/5 こどもの国駅西の切り通し。
標
4/5 都県境の標。
奈良北交差点近く
4/5 奈良北交差点近く。道路の左側が町田市成瀬台四丁目、右が横浜市青葉区奈良町。

 奈良北交差点のあたりは尾根でも谷でもない住宅地の道に都県境が走っている。住宅地の造成に合わせて平坦にならしたのだろうか。奈良北交差点から玉川大学まではずっと車道歩き。玉川大学は構内に都県境が走っている。構内を通らせてもらい、町田市金井町へ。都県境は玉川大学から隣接する和光大学に続いているが入れないので町田市金井町の住宅地を歩く。

玉川大学
4/5 玉川大学南の十字路。通りの左側が東京都、右側が神奈川県。
和光大学
4/5 和光大学と小田急線。水路が都県境と思われる。

 鶴見川にさしかかると都県境は鶴見川の左右を振れながら走る。おそらく鶴見川の旧河道に沿っているのだろう。とてもすべてはたどれないのでまっすぐ小田急線鶴川駅へ向かう。ここからしばらく市街地を離れるのでマクドナルドで昼飯とする。時刻は12時。思ったほど進まない。このあたりは鉄道マニアには小田急線が何度も都県境をまたぐところとして知られているところ。その分都県境が入り組んでいる。

真光寺川旧河道
4/5 真光寺川旧河道。川の左が東京都、右が神奈川県。

 鶴川駅から真光寺川に沿って下り、真光寺川が鶴見川と合流するところで町田市上三輪へ坂を上る。真光寺川はあとで源流を歩くことになる。都県境に近い道をたどり、TBS緑山スタジオへ。この先都県境はこどもの国の中を通っているが、北側に入口はなく中には入れない。しかたがないので道沿いに都県境をたどる。町田市鶴見川クリーンセンター鶴川女子短大の前を通り、下三輪横穴墓群をのぞいて谷戸からこどもの国の都県境のきわまでアプローチする。

鶴見川・真光寺川合流点
4/5 真光寺川(左)・鶴見川(右)合流点。奥は精進場橋。
こどもの国北端
4/5 三輪緑山の公園内(左)。こどもの国北端(右)。フェンスが都県境。

 車道をたどればよかったのだが、途中で山道に入り隣の谷戸に出る。この谷戸は寺家ふるさとの森へ通じる谷戸で休暇を過ごす家族連れが多かった。谷戸を遡り、大池に出る。遊歩道に沿って大池の西の谷を詰め、日体大の野球場が見下ろせるところに出た。日体大のグラウンドは私の持っていた地図に載っていなかったため、現在地が分からずここで引き返す。

 寺家の谷戸をもどり、途中で北の枝の谷戸から北側へ尾根を乗っ越す。東京田中短期大学の横を通り、また真光寺川。麻生川との分岐で右足の爪先が痛くなり、靴を脱ぐ。巻き爪対策に伸ばしてあった親指の爪が痛い。しかし、歩き方を注意すれば痛くなかった。続けて麻生川に沿って遡る。途中真光寺川の旧河道を都県境が走っているが、道がなくたどれないので無視。また鶴川駅の近くに戻ってくる。このあたりは町田市三輪が大きく神奈川県に突き出しているが、町田市が最もくびれたところは幅200mほどしかない。狭くて歩道幅がない上麻生交差点南の小田急線跨線橋を越えて神奈川県道3号世田谷町田線に出る。

寺家ふるさとの森
4/5 寺家ふるさとの森の谷戸。
真光寺川旧河道
4/5 真光寺川旧河道。たどれないのでたどらない。

 ここから先、都県境はなぜかグニャグニャに折れ曲がりながら北西へ伸びている。グニャグニャに折れ曲がっているというと普通は川沿いの旧河道が多いが、ここはどちらかと言えば山がちだ。しかも宅地造成が進み、原地形がほとんど分からない。町田市能ヶ谷町イトーピア、川崎市麻生区片平三丁目の住宅地、造成中の町田市能ヶ谷町千都の杜、町田市能ヶ谷町平和台と別々の住宅地が互いに接しており、歩いていて迷う。太陽の位置で概ね検討をつけて北西へ向かう。最近は物騒な世の中になり、住宅地には「空き巣は下見に来ています」とか「おかげさまで空き巣犯逮捕、でもまだご用心を」とか張り紙がある。住宅地でTシャツにジャージ下の男が地図を片手にうろうろしていると真っ昼間でも通報されかねないので、できるだけ立ち止まらずに早足で歩く。

町田市能ヶ谷町平和台
4/5 町田市能ヶ谷町平和台から見た眺め。
鶴川台尾根緑地
4/5 鶴川台尾根緑地からの眺め。真光寺川の谷に沿って住宅地が広がっている。

 テニスコートの中を都県境が走る鶴川総合運動場の横を通り過ぎると、尾根沿いの道になる。少し森を抜けると住宅があり、切り通しの先は町田市立鶴川台尾根緑地。未舗装の散歩道である。町田市側、真光寺川の谷一帯に住宅地が広がるようすは圧巻である。尾根沿いの散歩道は桐光学園の横を過ぎ、真光寺公園の外周をぐるりと回る。鶴川街道の切り通しには下りられないので南側町田市側から道路を歩く。

布田道入口
4/5 布田道入口。左側が東京都、右側が神奈川県。この後墓地の隣を歩く。
電源開発西東京変電所
4/5 電源開発西東京変電所。変電所の真ん中を都県境が通っている。

 鶴川街道を越えても都県境は尾根沿いに続く。また散歩道で今度は布田道というらしい。「新撰組 近藤・土方の歩いた道」という看板があった。町田市側墓地の脇を通り、電源開発西東京変電所の脇を通る。手前に広がる墓地と奥に変電所の巨大なトランス群、という構図は何か暗い近未来のようでつい見とれてしまった。さらに変電所のトランスも近づいてみると大きい。無骨な鉄骨と無数に張り巡らされた電線が構造デザイン的に美しく、また見とれる。

 西東京変電所の南端で道は2つに分かれる。南へ行くと少年野球のグラウンド、西へ行くと谷戸へ下りてしまう。都県境は尾根沿いっぽいのだが道がなく、たどれない。しかたがないので西へ川崎市黒川の谷戸へ下りる。谷戸から三沢川沿いに西へたどり、国士舘大学多摩校舎に出る。国士舘大学で高尾山近くの草戸山から長々と続く町田市の都県境が終わりである。ここから多摩市と川崎市の境になり、多摩よこやまの道という散歩道に入る。看板によれば古い道らしい。

多摩よこやまの道
4/5 多摩よこやまの道。尾根の左側が東京都、右側が神奈川県。
若葉台検車区
4/5 若葉台検車区。検車区の中を都県境が走っている。
この近くの尾根筋には、数本の古道が並行する大規模な古道跡が薮の中に残されています。これは防人や朝廷の軍隊が往来した古代東海道跡なのか、あるいは鎌倉街道に属する中世の道跡なのかは現在不明ですが、並列する道跡は、荷車や人の通行量の多いときのすれ違いや、荷の運び方による道の使い分けなどの工夫であるのかもしれません。

 古代東海道とか鎌倉街道とかってほんまかいな。1000年くらい前の道が残っているかな。道が自然に還るまでは50年あれば充分だと思うけど。ここもただの杣道だと思うけどな。古道だか何だか知らないけど歩きやすく整備された尾根道をたどる。多摩よこやまの道は東多摩公園で終わり。ここから都県境は稲城台病院の横を通り、京王電鉄の若葉台検車区を通る。検車区の横を通り、若葉台駅を過ぎる。

 若葉台駅の先で先ほど源流をたどった三沢川を渡る。基本的に都県境は尾根沿いだが、駅からは道がよく分からず川崎市麻生区側を歩く。途中で南黒川のかわさきマイコンシティを通過。市街化調整区域の農地を過ぎ、途中で公衆トイレに寄る。道がやはりわからず地図を見る。農地をめぐる道のほかに川崎市栗木台へ下りる道と薮っぽい尾根道があり迷う。トイレの間にライダーがやってきてオフロードバイクで薮っぽい尾根道に突っ込んで行ったのを見て私も突っ込む。途中、UR都市機構の土地の南側を行き、日大グラウンドの車道終点みたいなところに出た。そこそこ幅のある未舗装の道を行くと稲城市平尾の住宅地に出た。

抜け道
4/5 農地から平尾団地へ続く抜け道。ここをオフロードバイクで通過して行った人がいたので私も通った。
向原二丁目
4/5 川崎市麻生区向原二丁目の住宅地。住宅地の道に階段がある。ここで都県境巡りをやめる。

 都県境は平尾団地南側の尾根沿いに続いているので平尾団地内の道を歩く。団地を過ぎてさらに戸建て住宅地の中を歩く。その先は地図に載っていない新しい住宅地があり、その端を歩く。途中で尾根道らしき細い道を見つけそこを下る。畑の中の道を下って行くと日が暮れ、真っ暗になってしまった。そして出たところは川崎市麻生区麻生警察署。どうやら誤って川崎市側に下ってしまったようだ。

 北へ麻生川沿いに遡り、都県境まで復帰する。そこからしばらく都県境は麻生川沿い。途中から暗渠になりたどれなくなる。そして川崎市麻生区向原二丁目の住宅地。ここは東京よみうりカントリークラブの南端の尾根筋に都県境が走っており、南側が住宅地。南向きに急な斜面になっている。向原南緑地を削ってつくった住宅地には段々畑のようになっており、こちらの2階がお隣さんの1階と同じ高さというような段々がずっと続いている。舗装は滑らないようコンクリート舗装だし、ところどころ公道らしき階段があるし、要塞みたいな住宅地だ。しかも行き止まりだったのでまた戻る。時刻はすでに19時。暗くて道はよく分からないのでおおざっぱに都県境をたどることにする。

 が、おおざっぱに設定した千代ヶ丘小学校へ向かう道も分からず、完全に道に迷う。坂だらけだし、道は曲がっていてまっすぐ目的地に進めないしで困る。金程中学校を見つけた時点で都県境をたどることを諦めた。この地区は空き巣やろうとしても相当土地勘がないとできないと思った。

 あとはバス通りに沿って小田急線よみうりランド前駅まで歩き、バスで京王線よみうりランド駅に出て帰宅した。

おわりに

 非常に疲れた。10時間40分歩くのは初めてではないが、48kmも歩くのは初めてだし、ほとんど休みなく歩き続けた。計算してみると平均時速は48km/10.66h=4.5km/hであり、そこそこスピードは維持できた。2008年冬 - 高尾・草戸山〜町田では以下のように書いていたが結果的に時速4kmを保てたのはよかった。

 東京都・神奈川県境はあと東急田園都市線すずかけ台駅〜多摩川・多摩川原橋が残っているが、この区間は尾根でも谷でもないところをグニャグニャ曲がりながら通っている。おそらく道迷い等で時速4kmを保てないだろう。またよみうりランドやこどもの国など行楽地の中を都県境が通っており、フェンスで入れないと思う。その部分はどう歩くか戦略を立てなければならない。

2008年冬 - 高尾・草戸山〜町田

 今回全部歩ききれなかったのは残念だが、来週にでも残りの向原二丁目〜多摩川原橋を歩くことにしよう。

 最後に今回都県境をたどれなかった区間と住宅地で県境を判別する方法を述べる。

今回都県境をたどれなかった区間

 今回の都県境巡りで通れなかった区間を以下に示す。都県境を歩く人はほとんどいないと思うが、以下の箇所が私にとって困難だったので参考になるかもしれない。

こどもの国
東京都側を巻いた。園内に入るには入園料が必要だったので。
寺家ふるさとの森〜東京田中短期大学
東京都側を巻いた。山道で道不詳。でも山道が続いていそうな気はする。
能ヶ谷町平和台
東京都側を巻いた。私が今回たどった道より都県境よりの道があるようだ。
電源開発西東京変電所〜国士舘大学
神奈川県側を巻いた。川崎市麻生区黒川の三沢川源流の谷戸を歩いた。
若葉台駅〜黒川駅
神奈川県側を巻いた。私が今回たどった道より都県境よりの道があるようだ。
麻生警察署付近
神奈川県側を巻いた。東京都内の方が都県境に近い気がする。
向原二丁目〜よみうりランド
神奈川県側を巻いた。坂が多く、街路が分かりにくい。

住宅地で県境を判別する方法

 普通、尾根筋、谷筋に県境がある山の中と違って、住宅地では地形から県境を読み取るのが難しい。歩きながら気がついた県境判別方法を以下に述べる。

住宅の住所表示
最もオーソドックスな方法かつ確実な方法。
車のナンバー
車庫の場所によって車のナンバーは変わるはず(ex. 東京都:多摩ナンバー、神奈川県:横浜ナンバー)。
マンホールのデザイン
下水道は市町村単位で整備されるため、県境はマンホールのデザインが異なる。マンホールのデザインを見れば自分がどちらの県にいるか分かる。

(2008年4月5日〜4月6日記す)


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