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2006年夏 - 上越・魚野川万太郎谷[2/2]


2006年8月5日(土)・6日(日)
場所
新潟県南魚沼郡湯沢町・群馬県利根郡みなかみ町(旧水上町)/上越国境の山
コース
4日
京王電鉄代田橋駅…環七・大原交差点=(栗山車・関越道経由)=JR上越線土樽駅(泊)
5日
土樽駅=茂倉新道登山口…吾策新道登山口…関越トンネル通気口…オキドウキョのトロ…一ノ滝…三ノ滝…三ノ滝上・オタキの沢出合下1270m付近(泊)
6日
1270m付近…奥の二俣…谷川岳トマの耳…一ノ倉岳…茂倉岳…矢場の頭…茂倉新道登山口=岩の湯(栗山車・関越道経由)=東急目黒線大岡山駅
参加者
L. 東工大ワンゲル栗山(2)、菊地(2)、青木(1)、道場(1)
天気
24日晴れ、25日晴れ
参考文献
06魚野川・万太郎谷の地図

2日目

2006年8月6日(日) 晴れ

1270m付近…奥の二俣…谷川岳トマの耳…一ノ倉岳…茂倉岳…矢場の頭…茂倉新道登山口=岩の湯(栗山車・関越道経由)=東急目黒線大岡山駅

コースタイム
1270m付近3:30起床
4:50
奥の二俣5:30
5:36
水涸れ1500m5:44
5:56
谷川岳トマの耳7:00
7:35
一ノ倉岳8:20
8:24
茂倉岳8:37
8:55
矢場の頭9:48
10:03
茂倉新道
800m
11:03
11:15
茂倉新道登山口11:22
11:40

 3:30起床。現役は3時起床で私が起きたら隣のテントですでに朝飯を作り始めていた。朝からマーボー春雨と重いものを食わされるがまずくはなかった。

 4:50発。歩き始めてすぐ左にノゾキ沢を分ける。万太郎谷のようすはすっかり源流で難しそうな滝はなさそうだ。水量の少ない沢をどんどん高度をあげていくので振り返れば茂倉岳西尾根の茂倉新道が見えてくる。

 ノゾキ沢を分けてから20分ほどで二俣を一つ分け、さらに20分ほど登り、滝を登ると奥の二俣。どちらも右俣を行く。懸念していた雪はまったくなくのんびりと登れる。奥の二俣で道場が現在地確認をするが、コンパスを落っことし、下まで探しに行った。しかしコンパスは見つからず落っことさないような工夫をしておけと諭したら、青木が足下の30cmほどの水たまりに手を突っ込みいとも簡単にコンパスを拾い上げてしまった。私も栗山もその水たまりの底は水面の揺れでまったく見えなかったので2人で驚いた。青木は寡黙だが、二ノ滝をフリーで取っ付いたりなかなか頼もしい奴だ。その後も沢の詰めでトップを務めてくれた。

ノゾキ沢出合より上の沢
8/7 ノゾキ沢出合より上の沢。容易な滝が続く。
水を汲む
8/7 水涸れで水を汲む。

 奥の二俣からしばらくで水涸れ。全員のポリタンを満たす。菊地が「ポリタン2本か3本でいいんじゃない?」とか言っていたが、その後5本でギリギリだったことが分かる。もっとも水を汲んだところでは日は差さず日陰だったので全然暑く感じなかったのだ。

 奥の二俣から青木トップで歩く。もう難しい滝はなくひたすら乾いた斜面を登って行く。奥の二俣の下から稜線が見えていたが、なかなか稜線は遠く、稜線まで奥の二俣から1時間かかった。青木がハイペースでときどき止めて歩かせた。途中菊地が便意をもよおしたのだが、あんな急な斜面でどうやって用を足したのだろう。

水涸れ後の沢のツメ
8/7 水涸れ後の沢のツメ。乾いた岩を登る。
登山道に出る直前
8/7 登山道に出る直前。笹ヤブ。

 稜線に出たところは谷川岳肩の小屋の100mほど西。もう肩の小屋もシルエットが見える。谷川岳に来るのが5年ぶりと久しぶりの私は肩の小屋があるところが見かけたところ山頂に見えたので、先に行かせたが山頂はその先だった。その代わり肩の小屋と変なポーズする青木と道場のシルエットの写真を撮ることができた。そこで振り返って登ってくる栗山と菊地の写真を撮ってカメラのメモリーがなくなった。

肩の小屋に着いた道場と青木のシルエット
8/7 肩の小屋に着いた道場と青木のシルエット。
登山道に出る直前
8/7 谷川岳トマの耳にて集合写真。左から道場、青木、菊地、中山

 肩の小屋まで登りついてさらに谷川岳トマの耳まで登り、大休止。栗山は前に来たときトマの耳をとるに足らない小ピークと思っており、トマの耳とオキの耳の両方が谷川岳で、谷川岳は双耳峰だと教えた。谷川岳の山頂にも関わらず人は少ない。天気もいいのに。と、肩の小屋から登ってくる人がいた。下から登ってきたのか聞くと天神平の軒下で泊まったそうだ。湯檜曽川側は霧に覆われており、近くには白毛門、朝日岳、巻機山、上州武尊山、至仏山。遠くには日光白根山から皇海山まで見えた。皇海山と聞いて栗山は「sky山?」とか聞き返していた。面白い奴だ。西側も山の連なりが見えたが行ったことがないので山の名前は分からなかった。その代わり、下に関越トンネルの通気口がよく見えた。意外と近くに見えてがっかりだった。沢装備を解除して干していたが、道場がポリタンの水を漏らしており、ショックを受けていた。

 日差しが弱かったのは谷川岳トマの耳まで。その後一ノ倉岳、茂倉岳、矢場の頭を経由して土樽に戻ったが、この日は日差しの照りつける夏らしい日だった。非常に暑く、一本ごとにポリタン1本2リットルがすぐ涸れて行った。道場のポリタンはトマの耳で漏れてなくなっていたので残り4本。トマの耳、茂倉岳、矢場の頭、下山直前でそれぞれポリタンの中身がなくなっていった。

 谷川岳から一ノ倉岳の間では私の記憶にない鳥居があり、去年行ったはずの菊地に聞いたが、知らないという答えが返ってきた。どうやら菊地は谷川岳に来たという記憶がないらしい。去年の1年会フリーワンは谷川岳馬蹄型縦走だったはずだが。茂倉岳に着いて栗山にそれを密告したら、そのときリーダーを務めた栗山が怒っていた。当然だ。

 栗山は栗山でロックハンマーやハーケンなどを持っていてザックが重いのでザイルを乾かすためザックの天蓋にはさんで歩いていたら、会う人会う人に「一ノ倉ですか?」と聞かれたと言っていた。こんなでかいザックで一ノ倉沢を登る人はいません。栗山は恥ずかしそうだった。

 茂倉岳からは万太郎谷の三ノ滝から上がよく見えた。簡単に登れそうだが、けっこう詰めは大変だったものだ。矢場の頭までではくぐった雪渓が見えた。また茂倉岳からは道に笹がかぶっており、足下が見えず何度かこけた。暑いということもあってだいぶ疲れた。ちょうど土樽から登り始めた人たちとも何人かすれ違った。

 矢場の頭から下は樹林帯で日射はいくらか遮られ、足下もヤブは少なく歩きやすかった。後続が遅いので私もゆっくり歩き、ついでにすぐ後ろを歩いていた青木に山の歩き方は本当はゆっくり小股で歩くのだぞと教える。

 矢場の頭から1時間で下の車が見えるところまで達したが、一応しんがりのリーダー栗山に一本とるかどうか聞くためしばらく待つ。そしたら10分ほど遅れて栗山がバテバテで登場した。水分が足りないらしい。すっかり疲れていた栗山は水を一杯飲んで休まず下って行った。

 茂倉新道登山口に着いて車のそばでザックを置いてなぜか裸大会になる。シャツが臭いから乾かすためである。銀マットを少し乾かし、各自の席に敷いて出発。岩の湯まで向かう。栗山はこの岩の湯に行ったことがあるのだが、そもそも名前も場所も忘れていたので地図から探し出すのに苦労した。でも400円と安くてよかった。岩の湯の隣は釣り堀になっており、家族連れが群がっていた。釣りの経験のある菊地は「あんなに人がいると釣り糸同士がからまるな」と言っていた。

 湯沢ICの手前、セーブオンというローカルなコンビニで飯を買う。ポカリスエットのパチもんとかうさんくさい炭酸飲料(自称:次世代炭酸飲料)とかへんなモノが売られていた。栃木にもあるらしく、栃木出身の菊地だけが知っていた。栗山は「東京で売ったら訴えられそうだな」と評していた。

 帰りは関越道が渋滞しており、運転者の栗山は大変そうだった。特に途中で私がパソコンに取り込んだ万太郎谷の写真をいくつか選択して栗山のUSBメモリに入れるとき、その選択でかなり困っていた。結局私が部室まで行き、部室のパソコンにファイルを移したので選択の必要はなかったのだが。車中、パソコンで写真を見ていて道場の雪渓の中での写真とやはり道場が三ノ滝の中段で死んだように寝ている様子が大受けであった。

おわりに

 万太郎谷は上越の谷らしく泳ぎあり、滑り台あり、簡単な登攀ありと3拍子そろったすばらしい谷であった。レベルで言えば湯檜曽川本谷と同じくらいだろうか。書籍では湯檜曽川本谷の方が万太郎谷より難しいと判断しているものがいくつかある(例えば「上越の谷105ルート」)が、ザイルを出した回数は湯檜曽川本谷が1回、万太郎谷が2回(三ノ滝下段、上段)と大して変わらないし、難易度は同じくらいではないだろうか。

 この夏はもう一回くらい上越の谷に行きたいものである。

(2006年8月8-11日記す)


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