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2005年夏 - 上越・湯檜曽川本谷[4/4]


2005年8月20日(土)、21日(日)
場所
群馬県利根郡水上町/上越
ルート
8月19日
渋谷17:06=18:50高崎19:20=20:23水上20:34=20:44土合(前夜泊)
8月20日
土合…武能沢出合(入渓)…十字峡…七ツ小屋沢出合…峠ノ沢出合…二俣(泊)
8月21日
二俣… 朝日岳…笠ヶ岳…白毛門…JR上越線土合駅
参加者
中山(M2), 栗山(B1)
参考文献

上越・湯檜曽川本谷の地図

2日目

2005年7月17日

二俣… 朝日岳…笠ヶ岳…白毛門…JR上越線土合駅

コースタイム
湯檜曽川本谷二俣2:00起床
3:13
奥の二俣4:10
4:30
水汲み4:53
4:59
朝日岳5:32
6:00
笠ヶ岳6:46
6:59
白毛門7:32
7:38
松木沢ノ頭8:03
8:09
1154m峰8:37
9:02
東黒沢出合9:39
9:45
土合駅9:57
10:19

 朝2時に起きる。前日12時過ぎについて昼寝もしているし、月は満月なので夜明け前から遡行しようと3:13出発。暗い。しかもヘッドランプの電池が切れているようだ。スイッチを入れてもすぐ消える。そんな不安なまま出発。右俣へ。

 はじめの5分くらいは前日薪ひろいで来ているので分かるが、その先は未知。と、滝が現れる。どうやって登るかと考えるが取り付いてみれば何とか登れる。途中栗山のヘッドランプの電池を交換し、私はそのヘッドランプの明るさを頼りに歩いた。いくつかある小滝は日が出ていれば大したことないのだろうが、暗いと登ってみるまで分からず難易度が高かった。滝群を越えるとナメ。ここばかりは日が出ているときに通りたいと後悔した。特に顕著な枝沢もない河原を登っていき、奥の二俣。1490m付近。現在地確認がいまいちだが、おそらく1490mだろうとおもう。左手の沢は滝をかけており、けっこう急な沢だ。

 右俣をどんどん進んでいく。傾斜はきつくなり、登りにも手足を突っ張るところが出てくる。水は少なくなり、笹がかぶり始めたところで水汲み一本。ひとり2リットル水を汲んで出発する。振り返れば送電線もはるか下だ。水がなくなるとヤブコギ。雨が降れば水が流れるようなところで、足元は開いているが腰より上は薮で覆われている。どのガイドブックもツメは簡単なようなことを書いてあったのでヤブコギは大したことないと思っていたが考えが浅かった。半袖のシャツなので笹にけっこう引っかかれた。なんとなく斜面が緩やかになってきて笹の薮がハイマツの薮に変わる。完全に平坦になるとハイマツの群落。そして池塘へと導かれた。そこから登山道はすぐそこだった。

湯檜曽川源流右俣
8/21 湯檜曽川源流右俣を登る。なかなか水は尽きない。
いよいよ稜線へ
8/21 水は涸れ、いよいよ稜線へ。ちなみに踏み跡はわずかにあるけどヤブコギです。

 登山道に出て右へ1分で朝日岳山頂。東側が雲海になっており、雲海の上に朝日が登っている。なかなか素晴らしい光景だ。南側は笠ガ岳まで見えるが、西側は雲がわいていて谷川岳も一ノ倉岳も見えなかった。山頂は風が強く寒かった。沢タビを脱いでピーク缶(みかん)を食べる。栗山は登山靴を忘れたので下界靴で出発。

稜線に出たところ
8/21 稜線に出たところ。湿原でした。朝日岳山頂はすぐそこ。
朝日岳山頂にて
8/21 朝日岳山頂にて笠ヶ岳をバックに。後は土合まで下るだけ。

 あとは笠ガ岳、白毛門を越えて土合に下るだけ。とはいえ谷川岳馬蹄形縦走の1/3ほどを占める区間。長い。笠ガ岳までで単独行のランナーを3人見かけた。まだ6時過ぎなので谷川岳馬蹄形縦走を1日でやるのだろうか。笠ガ岳で一本。マチガ沢と一ノ倉沢の下部が見えた。マチガ沢は雪が多いなと思った。さらに白毛門を過ぎて松木沢ノ頭に達すると栗山が靴を脱いだ。靴擦れが顕著で痛そうだ。ゆっくり歩けと言うがペースは落ちない。どんどん下っていく。松木沢ノ頭を下りはじめると始電で来たらしい人たちが登ってきた。あいさつしながら下る。結局笠ガ岳から1154m峰まで休まないできてしまった。

登ってきたところを望む
8/21 登ってきたところを望む。池塘の向こう側の谷が湯檜曽川源流。

 あと東黒沢出合まで1時間足らず。下っていくと湯檜曽川対岸の谷川岳ロープウェイから怪し気な音楽が聞こえてきた。響いているのではっきり聞き取れないが観光客向けになんか音楽を流しているらしい。山の中を歩いていてスピーカーの音が聞こえてくるとうっとおしい。

 なんだかんだで東黒沢出合到着。結局栗山のペースはほとんど落ちなかった。顔を洗ったりして落ち着く。東黒沢の下流では煙りが出ており「あー、アウトドアしてる。オレもして−」とかつい口走ってしまった。上流ではお揃いのライフジャケットを着た10人くらいのパーティーが何か集まっていた。これから東黒沢を登るのだろうか、でも今日中に帰るのなら白毛門沢だろうななどと話す。東黒沢の橋を渡って駐車場に出て驚く。15人くらいのパーティー2つが説明を受けて東黒沢に出発するところだった。お揃いのラバーのスーツを着ているところを見ると沢登りの体験コースみたいなものだろうか。土合駅につくまでの間、栗山と「ひょっとして沢登りがブームなのか?」と話し合う。沢登りの体験としてどこがいいか話し合う。水根沢谷大雲取谷途中まで、水無川本谷書策新道で切り上げなどを提案する。

 土合駅につくと登山客はいないが観光客がいた。土合駅の何がおもしろいのかよく分からないが、駅の待ち合い室の掲示物を見たり、下りホームまで行っている人がいたり。見たところ車で来ているようだが。さらに我々も観光資源の一部としてみられているようで「一ノ倉沢に行ってきたんですか?」とか聞かれる。100リットルザックで一ノ倉沢に行く人はいません。10:19発の普通水上行きに乗り込み、土合駅を脱出。

 水上駅でラーメンきむらに入ろうとしたが時刻はまだ10時半でやっていなかった。代わりにそば屋に入って飯を食う。一本遅らせたら小千谷で震度5強の地震があった影響か高崎発の折り返し列車が遅れ、20分遅れで出発した。あとは高崎で湘南新宿ラインに乗り、赤羽で列車に乗り続ける栗山と別れた。

終わりに

 湯檜曽川本谷は評判高く、また一度敗退していることもあって行ってみたい沢だった。今回行けてよかった。1年生と2人だけで技術的な不安もあったのだが、むしろ私が栗山に助けられる場面が多く、心強かった。また予定の二俣に12時過ぎにつけたのも驚きだった。ひとえに栗山の実力のおかげである。栗山に聞いてみてもけっこう楽しんで登ったようだった。私自身評判通りきれいで楽しい沢だったので楽しめた。

 ただ一点、もう一回行くとしたら10m滝を行けるかどうかは不安である。

(2005年8月22日記す)


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