山ノ中ニ有リ>山行記録一覧>2005年山行一覧>奥多摩・大雲取谷[3/3]
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2005年6月19日 |
小雲取山・1845m峰鞍部…小雲取谷下降…小雲取谷出合…大ダワ林道…日原川林道…東日原バス停=(バス)=JR青梅線奥多摩駅
小雲取山・1845m峰鞍部 | 2:00起床 |
4:05 | |
1560m合流点 | 5:00 |
5:10 | |
1350m付近2段15m滝 (懸垂下降) | 6:10 |
6:45 | |
小雲取谷出合 | 7:45 |
8:14 | |
大ダワ林道に出る | 8:27 |
大ダワ林道入口 (日原川林道) | 9:07 |
9:10 | |
富田新道入口 | 9:28 |
八丁橋 | 10:21 |
日原渓流釣場 (小川谷橋) | 10:43 |
11:00 | |
東日原バス停 | 11:24 |
11:37 | |
JR青梅線奥多摩駅(解散) | 12:00 |
2時に起きる。まだ暗く眠い。でも全員起きて飯の仕度をする。3時にはインスタントラーメンも食べ終わりカレー紅茶も飲み終わるが、いぜんとして暗いので3時半まで仮眠する。3時半からテントをたたみ、出発準備をすると4時ごろちょうど薄明るくなってきた。澤と栗山はすでにヘッドランプをはずしている。さて出発という段階で植松が眼鏡をテントの中に忘れたことを思い出す。しかしテントはすでにたたんでザックの中。何とかなるとのことなので4:05出発。
富田新道の北側はなだらかになっており明確な沢やガケは見当たらない。適当に北に向かって下ることにする。すぐ急な下りとなりだんだんと谷の地形になってきた。苔の生えた土の斜面なのでところどころ滑りやすく、ゆっくり下る。沢の下降のはじめにしては落石は少なかった。
1時間後下っている枝沢にやっと水が流れてきたころ、本流に到達する。植松が替えのコンタクトをつけたいというので一本とることにする。本流にはちょうど水流があり、手を洗ってコンタクトを装着しようとしていた。が鏡がなかったためにどうやらコンタクトをつけられなかったようだ。植松がコンタクトと格闘している間、栗山はのんびり歯を磨いていた。
6/19 小雲取谷下降開始。枝沢から下る。 |
6/19 小雲取谷本谷に出てから1350m付近2段15m滝に出会う。上段を下っているところ。 |
本流を下る。左から小さな暗い沢、右からやはり小さな沢を合わせ下っていく。1350m付近で2段15mの滝。下段は滝の向こう側に岩がかぶさっているようになっている。上段は左岸から下れるが、下段はけっこう落差がある。左岸を少し登り、懸垂下降を行った。澤と栗山に懸垂下降の方法を教える。一応石川台でも練習しているので指示を出せばちゃんと動いてくれた。懸垂下降の準備の間、下を見るとなんとかザイルなくても下れそうだったが、練習にはちょうどよかった。
澤、栗山、植松の順で下降。全員なんとか下っていった。下の方に垂直なところがあり、久しぶりに懸垂下降の感覚を味わった。下で植松にザイルをたたませ再出発。かかった時間は35分間。悪くない時間だ。
6/19 1350m付近2段15m滝の下段を懸垂下降する。ザイル出さなくても下れそうだったが練習のため。 |
6/19 小雲取谷も大雲取谷に負けずきれいな滝が多い。 |
倒木が倒れかかった滝を左岸から下る。スタンスが少なくいやらしい。そんな滝が他にも2つほどあった。どれも左岸側から下った。狭い小滝をかけるゴルジュを下っていくと登ってくる人に会った。2人の釣り師だ。大ダワ林道をたどり小雲取谷出合に下ってそこから遡行をはじめたところらしい。ちょうどどうやって大ダワ林道に登るか考えていたので助かった。そこからしばらくで小雲取谷・大雲取谷合流点。昨日通った流木の挟まったところだ。
6/19 小雲取谷下部。日が明るくなってきた。 |
6/19 この倒木を越えれば小雲取谷・大雲取谷合流点。 |
一本とる。その間に澤と栗山に釣り師の言っていた大ダワ林道に登る尾根を探してもらう。2人は下り始めたが、釣り師の言葉には小雲取谷・大雲取谷合流点からすぐの尾根とのことだったので目の前の尾根に取り付いてみるとなんとなく踏み跡がある。この踏み跡をたどることにする。
6/19 小雲取谷・大雲取谷合流点。水を汲む澤。 |
6/19 小雲取谷・大雲取谷合流点から大ダワ林道へ上がる。小尾根の踏み跡をたどる。 |
もう沢は歩かないので対岸に渡って沢タビを脱ぎ登山靴に履き替える。東日原バス停まで必要な水を各自汲み、行動食を食べてから出発する。取り付いた尾根の踏み跡ははっきりしなかったがさほど急なところもなく50mほどの登りで大ダワ林道にたどり着いた。小雲取谷出合と大ダワ林道では地形図で150mほどの標高差があるが、実際のところ大ダワ林道はもっと低いところを通っているように感じた。
続けて日原川林道へと下る。地形図は尾根をのっこすあたりも間違っているようで大雲取谷にそって地図よりもだいぶ下ってから尾根を乗り越した。乗り越してから長沢谷に下ったときもせいぜい50mほどの標高差だった。尾根を乗り越すあたりは道が左に急に曲がっており、トップの澤は地形図片手に迷っていた。尾根を乗り越してから長沢谷に下る途中マウンテンバイクをひいて登っている人に会ったが、途中大ダワ林道にあったザレなどはどうやって通過するのだろうか。長沢谷に出たところは開けており、テントを張りたくなる。でもそこから登り返すと林道に出た。出たところが林道の終点ではなく、林道の途中だったことを考えても地形図の道とは異なる道を歩いていたようだ。
6/19 大ダワ林道に出て車道歩きのはじまり。 |
6/19 東日原バス停にて下山写真。ちょうどバスに間に合った。 |
あとは日原川林道を3時間かけて下るだけだ。ところどころ自家用車が止められており釣り師がたくさん入渓しているのがわかる。ロング一本を歩き、おとといタクシーを降ろされた日原渓流釣場で一本とった。そのあと30分歩き、東日原バス停につくとちょうどバスが来たところだった。これから山に登るハイカーを降ろしたバスは日原の旅館に泊まっていた人とかを乗せて奥多摩駅へ。
奥多摩駅に着いてからタクシー料金と食料費を清算し、解散とした。1年生はもえぎの湯へ、私はまっすぐ家に帰った。幸い千葉市長選の投票に間に合うことができた。
ハードなスケジュールだった割に1年生はよくついてきたと思う。私の望むベストが今回の大雲取谷遡行、小雲取谷下降だったのだが、状況によっては大雲取谷遡行で止めても十分かと思っていたのだ。それが大雲取谷遡行にかけた時間は5時間半と驚くほどのスピードだった。ザイルを1回出したし、泳ぎもあったので8時間くらいかかってもおかしくないと思う。特に植松は初めての沢登りにもかかわらずこのハイペースについてきたことはすごいと思う。
全体としては目的である沢の中での一泊はできなかったものの、それに近い条件で泊まることができ、また沢の下降は懸垂下降を含めて成功したのでよかった。
最後に沢を下降して疲れているにもかかわらず、小雲取谷・大雲取谷合流点から大ダワ林道を経て日原渓流釣り場までの2時間半を休まず歩きつづけたのには感心した。結果として3時間かかる予定のはずの東日原バス停までの林道を約2時間で踏破したのである。澤は高校で山岳部、栗山は小学生のときに親に連れられて山に登り、植松はボーイスカウト所属とそれぞれある程度の経験があったおかげだろうか。
何にしろ、1年生がよくがんばったと思える山行であった。
(2005年6月21日記す)