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2004年春 - 丹沢・鳥屋待沢


2004年5月8日(土)
場所
神奈川県愛甲郡清川村・厚木市/丹沢
コース
小田急本厚木駅(前夜泊)=煤ガ谷バス停…鳥屋待沢遡行…大山三峰山…不動尻…河鹿の沢バス停
参加者
中山、三井
天気
くもり
参考文献
丹沢渓谷調査団「丹沢の谷110ルート」(山と渓谷社,1995)

鳥屋待沢の地図

はじめに

 実に9ヶ月も前の日帰りの沢なのであまり覚えていないが、ゴールデンウイークは荒井が新入生を山に連れて行くのにザックを貸してしまい、奥多摩大岳山に母と行くだけに終わった気がする。もともと公務員試験もあってゴールデンウイークはあまり大きく動けないのだ。

 でゴールデンウイークあけて最初の土曜日三井君と沢に行くことになった。とりあえず今年の沢の足慣らしに一本、日帰りの沢を登っておこうという考えだった。どこにするか考え、できるだけ近いところということで表丹沢の特に近いあたり、水量の多い写真を丹沢の谷の本に見つけ鳥屋待沢ということになった。

日帰り

2004年5月8日

小田急本厚木駅(前夜泊)=煤ガ谷バス停…鳥屋待沢遡行…大山三峰山…不動尻…河鹿の沢バス停

コースタイム
煤ガ谷バス停7:30
入渓点7:50
8:20
一本9:00
9:25
480m10:05
10:25
三峰山東尾根11:35
12:00
三峰山12:25
13:10
河鹿の沢バス停14:50
15:11

 前日、本厚木に泊まる。当初は駅に泊まるつもりだったが思いのほか都会だったので駅を離れて街中をぶらぶら歩く。途中私は晩飯を食べていなかったこともあって、ラーメンを食べる。三井君は酒が飲みたいといってビールだけ頼んでいた。変な客だ。

 公園を見つけしかたなくそこのベンチに寝る。街灯が明るくときどき人の通る公園だった。そこにシュラフカバーで寝る。幸いヤンキーに絡まれることなく朝まで寝ることができた。

 やや寝不足気味で明け方起床。バス路線は複雑で駅近くのロータリーではなく駅前から出るらしい。バスに乗って30分ほどで煤ガ谷バス停に着いた。下車。谷太郎川沿いの道に入ってすぐトイレがあった。入渓点までは20分でついた。丹沢というと水無川流域にしても小川谷廊下にしてもバス停から1時間は歩くというイメージがあったため非常に近いと感じた。こんなに近いならまた来る機会もあるかもしれない。

入渓
本厚木駅からバスに揺られて30分。煤ガ谷バス停で降りて15分程歩くと入渓点についた。
おだやか
はじめは穏やかな小川。

 木々の間から堰堤の見えるところでギアを装備する。右岸沿いに道がありこれをたどって堰堤を越える。堰堤の上流はすっかり埋まっており広い河原になっていた。水流も細く、歩いていくと狭い沢の様相を呈してきて沢登りらしくなる。

のんびり
暑くもなく寒くもなく。釣り人のいる沢をのんびり歩く。
たのしく
だんだん傾斜が大きくなってくると楽しく登れる。

 ただ距離の長い河原を歩いていくと釣り人がいた。お互い邪魔しないように通り過ぎる。だんだん傾斜が大きくなってくると岩に手をついて登るようになる。標高400mの左カーブあたりからゴルジュ帯になってくる。ゴルジュ帯に入ってから三井君は落っこちて腰を強く打った。私もゴルジュの中でどうしても乗っかれないところがあり、滑って落っこって腰を打った。10mほどの大滝があり左壁から登るようだがぬめっており巻いた。標高480m付近で三井君が腹の調子が悪いと一本とって事を済ませていたらちょうど下から中年4人パーティーが私たちを抜いていった。

ゴルジュ
ゴルジュっぽいところもある。
滝を登る
滝を登る。このあと三井君は落っこちて腰を強く打った。私もゴルジュ帯で滑って腰を打った。
巻く滝
一カ所巻く滝がある。ちょっと取っ付いてみるとぬめっていた。

 特に寒くもなくだらだら休んで出発。すぐ中年パーティーを追い抜き、二俣。手元の資料は左俣をとっているので左俣に行きたいが左俣は滝をかけており直接登れない。右俣側から木をつかんで巻いて左俣に出た。左俣に出ると水量はぐんと減る。しばらく歩くと右岸が一枚岩の断層に出る。見事な平面になっており、苔に覆われている。自然の造形美に酔いしれる。地質志望の荒井を連れてきたら喜ぶだろうか。そんな話をした。進むとまたゴルジュ帯になる。左に曲がるところで黒いスラブの滝があり、これを右から巻こうとする。しかし沢には戻れずそのまま稜線を目指すことにする。いったん三峰山東尾根に出たところで一本とる。

上の方
上流。
水も細く
水が一度に細くなり、少し不安になるが、本流だった。
ハイライト
鳥屋待沢のハイライト、苔むした断層帯。
沢の詰め
沢の詰め。途中から本流を離れて三峰山の枝尾根へ登った。

 三峰山東尾根はヤブはないが、傾斜がきつくかなりの急登になる。850mピークについて完全に位置を把握する。わずかに下って登り返す。途中で稜線を左にそれ登山道に出た。そこから大山三峰山はすぐだった。

 山頂に着いて一本。他にも人がおり沢を登ってきたのかなど聞かれる。沢タビを脱いだりギアをはずしたりする。タビを脱ぐとヒルが血を吸っておりすぐに引き離したがその後数日そこは痒かった。だらだら休み、広沢寺温泉へ下る。

 隣のピークまで尾根がやせて意外と歩きにくい道が続き、大山への道を分けて不動尻まで下る。下る最中「山に登るときは常にニセピークを想定して歩く」という持論を展開すると三井君も同じことを考えながら歩くという。気があったと喜びながら下る。やがて道は沢沿いとなり不動尻の車道終点に着く。ここからはアスファルトをバス停まで3kmあまりたどることになる。

 途中三井君が足が痛いと訴えるが歩かないと着かないので歩く。鐘ヶ嶽のトンネルを抜ける。北海道にもプールの授業があるのかなど下らない話を続けるが、広沢寺温泉に近づくと三井君のペースが落ちる。しかし、どうやらバス停を過ぎてしまったようで広沢寺温泉の次のバス停河鹿の沢に着いてしまった。三井君はどんどん先へ進む私にやや憤慨していた。幸いバスは20分ほどで来て、途中バスの乗り換えなどして本厚木に戻った。

 中級とあったが、沢を始めて2本目くらいの沢にはちょうどいいかもしれない。

(2005年2月26日記す)


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