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2004年8月26日 |
兎岳避難小屋…聖岳…聖平…上河内岳…茶臼岳…茶臼小屋(泊)
兎岳避難小屋 | 3:00起床 |
4:40 | |
聖兎コル | 5:10 |
5:18 | |
聖岳 | 6:32 |
7:10 | |
2478m峰手前 | 8:04 |
8:31 | |
2410m付近 | 9:35 |
9:50 | |
南岳 | 10:37 |
10:55 | |
上河内岳分岐 | 11:22 |
11:30 | |
上河内岳 | 11:40 |
12:05 | |
上河内岳分岐 | 12:11 |
12:16 | |
お花畑 | 12:53 |
13:10 | |
茶臼小屋分岐 | 13:35 |
13:39 | |
茶臼岳 | 13:53 |
14:02 | |
茶臼小屋分岐 | 14:14 |
茶臼小屋 | 14:34 |
19:10就寝 |
3時起床。夕方寝るときは地面が暖まっていたのでよく眠れたが、日をまたいだころから寒くなってきた。テントの外は快晴、星がよく見えた。4:40出発。
まずは兎岳・聖岳のコル、その名も聖兎コルに下る。南側が崩壊地になっておりやせた急な尾根を下る。南側は荒れているので道は北側についていた。聖兎コルで体温調整のため一本。ちょうどここに赤い岩があったので、荒井に愛でてもらう。そう、今回の山行の目的は「ラジオラリヤを愛でる」であり、ラジオラリヤというのが赤石岳の名前になったこの赤い岩なのだ。目的にそう書いた以上、荒井君にはムツゴロウさん級にかわいがってもらいたかったのだが、なでている程度であった。これでは目的を達したとはいえないだろう。しかし、この先触れられるところに赤い岩はなく、荒井は私が満足できるほど赤い岩を愛することができなかった。なおラジオラリヤとはチャートの一種だろうとか荒井が言っていたことを付け加えておく。
8/26 険悪そうな奥赤石沢源頭部。小兎岳南コルの水場は沢を詰めた人が発見したのだろうかと思ったが、この滝を見ると違う気がする。 |
8/26 ラジオラリヤを愛でている(らしい)荒井。愛し方が全然足りません。ムツゴロウさん級に愛して下さい。ラジオラリヤってのは赤石岳の名前になった赤い石で、たぶんチャートの一種だろうとか何とか地球惑星科学科の荒井君が言っていました。 |
聖岳までは地味だが長い登り。だいたい稜線の北側に道がついており南からの風を避けられるが、途中南側が開けている斜面を登るところがあり、カッパを着る。振り返ると兎岳と昨日の水場が見える。小兎岳南コルの水場の下には登攀不可能と思われる暗い滝があり、「奥赤石沢を遡行していた人が水場を発見したのではないか」という昨日の推論を打ち消した。
8/26 聖岳山頂へ一歩一歩近付く。 |
8/26 聖岳山頂。赤石岳をバックに左 荒井、右 中山。 |
寒くて休めないのでゆっくり休みをとらないで歩く。山頂近くになると平坦になり、なかなか山頂に着かない。やっと聖岳に着くと人はいなかった。寒いけれども今日の行程で最高点になるので長く休む。休んでいたら京都産大に追いつかれた。せっかくなので荒井と並んでいる姿を写真に撮ってもらった。彼らはしばらくして奥聖岳の往復に行ってしまった。私はあぐらをかいて聖っぽい格好をして荒井に写真を撮ってもらった。南の上河内岳を見るとかなり下ってかなり登るのが見える。聖平まで700m下って上河内岳まで500m登る。これを見ると行く気がなくなってくる。下の聖平から人が登ってくるのを見て山頂を辞す。
聖岳からは急な下りが続く。聖平まで700mの下りで多くのガイドブックでは聖平小屋からの往復をモデルコースに挙げているが、かなりしんどいと思う。はじめはガレの斜面をジグザグに下り、2662mの小聖岳に着く。途中の水場には気づかなかった。小聖岳からも急な下りは続く。白いTシャツのお兄さんが息を切らせながら登ってきていた。ひどい下りもやがて少なくなり、聖沢源頭に当たると思われる草地で一本とった。聖岳は風が強く寒かったがここは日差しもあって暖かい。ただ羽虫が少しいた。追いかけてきた京都産大に抜かれる。
8/26 聖岳から上河内岳。聖平まで700m下って500m登る。重力ポテンシャル返せって感じだ。 |
8/26 小聖岳から聖岳。ほとんどの人は聖平小屋から往復するようだが、兎岳からより聖平からの方がきつそう。 |
針葉樹林帯を抜けていくと易老渡へ下る分岐に出た。さらに聖平へ下っていくと平坦なところがあった。囲いがあって看板を読むと自然回復のため鹿が入ってこないようにしているらしい。下りきると聖小屋分岐の湿地帯。ここで休んでいた京都産大を抜き返す。この日は追い抜いたり追い抜かれたりしたが、我々の方が早く兎岳避難小屋を出ているし、彼らは奥聖岳を往復しているし、やっぱり彼らのほうが速い。聖平から上河内岳まで登り。
土の削れた急な斜面を登っていく。2383m峰は北側から巻いたようだ。南岳への登りは途中登りの緩いところがあり、別に広くはなかったのだがここで一本とる。休んでいると飛行機が飛んでいった。西隣に二重山稜のようなものが見え、しばらくするとなくなった。2561mピークは東から草地を巻く。ここから南岳へガレの際を急登。ガスっており山頂が見えなかった。南岳は平たい山頂で東側の展望が得られたので一本とる。残念ながら聖岳や上河内岳は見えない。休んでいたら京都産大に追いつかれた。休みを適当に切り上げて出発する。
8/26 聖平へ下る。 |
8/26 上河内岳で(パイナップル)を食す荒井。後ろには富士山。 |
ゆるく下るが東面の崩壊地を過ぎると広い稜線で、赤い大きな岩が転がる花畑になっていた。上河内岳へは二重山稜になっており、西の肩に登る。登っていたらまた京都産大に追いつかれた。上河内岳分岐でザックを置いて荒井にピーク缶を用意するように言い、ピストン。急登をこなすと上河内岳山頂に着いた。聖岳はひっきりなしに雲がかかり見ることができなかったが、その後ろの荒川岳東岳や千枚岳はときおり見えた。東の展望はさえぎるものがなく、白峰南嶺と富士山がよく見えた。南には茶臼岳と連なる山々が見えた。ピーク缶を開けてパイナップルを食べ、また京都産大の人に写真を撮ってもらった。2803mと高い山頂だが東側は風も弱く日射もあったので暖かく長く休んだ。眼下には4日前に出発した畑薙第一ダムが見えた。
8/26 上河内岳で記念撮影。京都産大の人に撮ってもらいました。 |
8/26 上河内岳山頂。まん中の2人が京都産大の人たち。右の青い寝っ転がっているのが荒井。京都産大の人たちは荒井の2倍くらい強かったです。 |
京都産大に続いて山頂を下る。ザックを置いた分岐まで戻ると茶臼岳から縦走してくる人たちがいた。易老渡に車を置き、光岳から聖岳を回るらしい。そんな人たちの中に私と同様靴底がはがれた人がいた。ザックを背負って茶臼小屋へ出発する。上河内岳からは下りやすく、高速で進む。でも途中で写真を撮ったりしていたので、気がつくと京都産大の人たちは下のお花畑を豆粒のような小ささで歩いていた。竹内門とかいう岩の間を通り抜け、下っていくとだんだんなだらかになってくる。潅木帯を抜けるとお花畑である。お花畑といっても時期がずれているのか花は咲いておらず、平坦な草地が広がっていた。がんばればこの一本で茶臼小屋まで着けるが、せっかくなので草地の片隅で一本とる。
8/26 茶臼岳へ。道は右下の草原を通り、丘を巻いて茶臼岳北の鞍部へ出ます。 |
8/26 南アルプスと荒井。上河内岳の下り。 |
お花畑という名前が付いているものの花がないので、荒井にルンルンとスキップさせて写真を撮ろうとしたが、同時に草地の広さも表現しようとしたため荒井が小さくて盆踊りをしているような写真ができてしまった。お花畑を終えると斜面をからんで登っていく。稜線に出るとれきで覆われており、西風の吹きっさらしなっていた。茶臼小屋分岐はどこかと歩いていくとだんだんガスに巻かれてくる。広い斜面なのに危ない。茶臼小屋に着いてもまだ時間があるので茶臼岳を往復しておくことにした。明日の天気がどうなるか分からないので天気が悪いようなら畑薙第一ダムに下るためだ。
8/26 上河内岳山頂から見えた草原で。お花畑があるとエアリアマップにあったが季節が異なるのか見つからなかった。 |
8/26 畑薙第一ダムに下るか光岳まで縦走するかどうか迷っていたので、茶臼岳をピストンする。 |
茶臼小屋分岐にザックを置いてピストンする。茶臼岳は見えない。はじめはゆるい斜面を登っていく。3年前に三井君がシリセードして骨折した斜面である。茶臼岳の肩に着くとそこはハイマツに覆われており、仁田池への巻き道が分かれていた。看板によると難ルートらしい。しばらく岩稜帯を行くと岩ばっかりの茶臼岳山頂に着いた。荒井はアキレス腱を痛そうにしていた。天気如何によらず山を下るかもしれないなと思った。私は靴底がはがれていたが細引きの通し方をいろいろと試した結果、靴紐の穴をたくさん通すようにすれば外れることがないことが分かり私の足は順調だった。山頂では荒井が一人タイタニックを行った。ガスに巻かれて展望はなく、飛行機の音だけが聞こえた。
8/26 ひとりタイタニックを行なう荒井。茶臼岳山頂にて。 |
8/26 茶臼岳に着きました。左足の靴底はなんとか頑張ってます。 |
茶臼小屋分岐へ戻ってザックを回収しすぐ下る。はじめは砂礫の下りだったが、そのうち樹林帯に入って茶臼小屋だった。小屋の前にはすでに京都産大がテントを張っていた。小屋に行ってテント泊の手続きを済ませる。ついでに明日の天気を聞くと「明日はくもり時々晴れ、あさっては台風のため雨だ」と言われた。光岳に行くとしたら2日は必要なので下ることを決定する。宿泊者名簿に「東京工業大学」と書くと「昨日も東工大が泊まっていったよ」と言われた。何でも聖岳に向かって行ったそうで、そうすると聖平から南岳への登りであったパーティーだろうかと思った。思い出すと静岡駅から同じバスに乗ってきたパーティーもどこに行ったか分からなかった。そこそこの荷物の量を見ると茶臼小屋から聖岳へ向かったと思うのだが。ひょっとしたら光岳から深南部へ向かったのだろうか。
8/26 茶臼小屋。水場もテント場もトイレも近い。聞くと、28日に台風が来るとか。27日のうちに下った方がいいとアドバイスを受け、畑薙第一ダムに下ることに決めました。京都産大さんは27日のうちに光岳行って易老渡に下ったらしいです。 |
8/26 茶臼小屋でビールを頂きました。ごちそうさま。 |
8/26 合宿最後のイベント、血食い。荒井君は2杯目でこの表情。結局2杯で終わっちゃいました。 |
去り際にビールをもらってしまう。テントを張ってから隣のテントに明日どうするか聞いてみると光岳に行くらしい。日程に余裕があるのだろう。下ることを決定したので血食いを行う。が、荒井はぜんぜんで2杯目で吐きそうになっていた。2杯目を食べるのも1時間くらいかかるのでそこでやめておいた。まったくつまらない奴だ。荒井はビールをくれた小屋の主人に感動し、またここに来ようと考えていた。茶臼小屋は小屋の向こう側にトイレと水場があった。夕方トイレには明かりがついていた。19:10就寝。
幕営可能数 | 15張りくらい |
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水場 | 幕営地から徒歩1分以内、小屋上方からパイプでひいた流水。 |
トイレ | 幕営地から徒歩1分以内、紙なし、汲み取り。夕方は電気が付く。 |
料金 | 1人500円。 |
備考 | 小屋手前と奥にテント場があるが、奥はトイレの明かりをつけるためのエンジンでうるさい。 |