山ノ中ニ有リ＞山行記録一覧＞2003年山行一覧＞白神山地・追良瀬川[4/4]
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2003年9月2日 |
白神岳避難小屋…蟶山（まてやま）分岐…JR五能線白神岳登山口駅…JR五能線あきた白神駅…JR奥羽本線東能代駅（泊）
| 白神岳避難小屋 | 4:40起床 |
| 5:52 | |
| 蟶山（まてやま）分岐 | 6:47 |
| 7:09 | |
| 車道終点 | 8:03 |
| JR五能線白神岳登山口駅 | 8:40 |
朝4:30。初川さんの目覚ましが鳴って起きる。この日は本当に下るだけで、下って、温泉入って、能代でおいしいものを食べて寝るだけなのだが、起きてしまったので下ることにした。出発するときに初川さんに2階のところに置いたヘルメットを忘れないように言ったのだが、私はその隣にあったであろう、自分のカメラに気がつかなかった。
白神岳避難小屋を出発する。道はトイレから北へ。10分ほどで十二湖へ行く道との分岐。蟶山（まてやま）へ向かう。そこからはほとんど下り。樹林帯に入り、そこはブナの明るい林のもと歩くのだろうが、あいにくの曇りで太陽光線がブナの葉の重なりを透過してくるようなようすは見られなかった。蟶山までは長かった。地図では1km強しかないのだが、歩いても歩いてもなかなか着かなかった。蟶山へは往復しなければ行けないのだが、その分岐で休む。誰も蟶山へは行かなかった。登りだし、景色は白神岳と変わらないだろうと思ったからである。
蟶山分岐からは斜面をからみながら下る。特に急な下りということもなく、一ヵ所、ウッドチップが敷き詰められているところがあった。土砂流出対策だろう。歩きやすかった。トラバース道になり、ときどき斜面から水が出ているところを通る。ブナの保水力のおかげかたくさん水場があった。だいぶ下って蟶山コースと沢沿いの旧道コースの分岐に出た。今は蟶山コースしかないが、そのうち沢沿いの二股コースができるそうだ。どうやらこれは山頂で見かけた日本海側へ下る道に合流するようだ。行ってみたときは一応続いているように見えたし、もとは道だったのだろう。しばらく歩いて車道に出た。ただの車道終点だ。休む気も起こらず、だらだら下る。
列車は1日5本と少なく、12時台の列車に乗ればいいのでゆっくり歩く。アスファルトの道だが下界という雰囲気はなく、両側植林されたヒノキの林が続く。別荘地にするのか開けたところがあった。もう駅が近いところになって踏み切りの鳴る音が聞こえた。すぐ踏み切りに出た。列車はほとんど来ないので、そこから線路を歩いて駅へ向かった。白神岳登山口駅に着いてみると先を歩いていた初川さんがベンチに座っていて、8時台の列車にあと少しで間に合ったのにと言っていた。
8時台の次は12時台。本を読んだりしゃべったりして過ごす。列車が来たらそれに乗ってあきた白神駅に行き、はたはた温泉なる温泉に入った。中身は充実しているが、たぶん採算の取れていない地方らしい温泉だった。一人400円。温泉は塩水で、ふやけた足にしみた。この駅には宿泊施設やパターゴルフ場もあったが誰も人がいなかった。来年もやっているかどうか不安である。
列車に乗って能代で降りて打ち上げ。なんかみんな眠くて盛り上がらなかった。一駅列車に乗り、東能代でテレビ見て過ごす。22時過ぎに女性警察官に呼びとめられたが、駅舎のトイレ前で寝るのを黙認してくれたようだった。ありがたい。雨がぱらついていた。
翌日は18きっぷでえんえん日本海側を移動し、上越線に乗って帰った。ものすごい疲れた。ヒマで大変だった。私は23時半ごろ家に着いた。みんな疲れていた。結局、丸一日移動して、二日間歩き、一日温泉入ったりして、一日移動とだいぶ移動の割合が多かった。新幹線などをフルに使えばもっと短い行程で行けるだろう。とにかく移動がヒマでそれに苦しんだ山行だった。
話はあともう一つ。家に帰ってザックを解体するとカメラがない。どこに置き忘れたかもわからない。白神岳避難小屋で夕日を撮ってから50時間ほど確認していない。もうどこに置いたのかまったくわからない。そしたら後日、家に着いてから2日後、ワンゲルのホームページに「拾った」との書き込みがあり、送っていただいた。カメラに名前を書いていなかったのだが、「岩崎タクシーが追良瀬川へ向かっていくのを見た」「小屋置きのノートに私がタクシーの話と、東工大ワンゲルと書いていた」「カメラに沢の写真が入っていた」ことから落とし主の私を探してくれたらしい。本当にありがたいことだ。送っていただいたカメラには同じことがあっても何とかなるように自分の名前を刻んでおいた。もっともそのカメラはそのあと忘年ワンでアスファルトに落っことして壊れることになる。