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2002年9月22日 |
五色沼避難小屋…錫ガ岳…宿堂坊山…三俣山…国境平(泊)
五色沼避難小屋 | 4:50起床 |
5:12 | |
2385m峰 南のコル | 5:34 |
5:41 | |
錫の水場 | 6:48 |
7:12 | |
錫ガ岳 | 7:52 |
8:04 | |
三林班沢ノ頭 2110m峰 | 9:20 |
9:36 | |
ネギト沢のコル | 10:31 |
10:56 | |
宿堂坊山 | 11:13 |
宿堂坊山- 三俣山コル | 12:11 |
12:21 | |
三俣山 | 13:09 |
13:20 | |
1847m峰 | 13:39 |
13:52 | |
1736m峰 | 14:51 |
15:04 | |
国境平 | 15:45 |
19:15就寝 |
5時出発のつもりが4:50に起きる。遅刻だ。全力でメシをつくって食べると、5:12に出発できた。小屋の外で靴ひもを結んでいると、外にいた人たちに「どこまで行くの」と聞かれた。「今日は国境平まで」と答えた。これ以降、下山まで誰とも会話をかわさなかった。
前日の2人を追っかけるべくハイペースで歩く。とりあえず、奥白根山への道を行き、道が奥白根山に登りはじめるところで、反対側の2385m峰に登る。道はない。ヤブではなかったので、さしたる苦もなく稜線に出られた。2385m峰南のコルで1本とる。天気はくもりで眼下に中禅寺湖が見えた。ひとつ山を越え、2394m峰に登る。ササヤブを歩く。山頂は緩やかで途中池塘も見た。下りで南側斜面で物音がしたので、先行していると思われる2人組かと思ったが、鹿だった。2296mとのコルのあたりから樹林帯に入る。方向感覚を失うような道だ。赤テープがところどころついているので迷うことはない。が、左へ90°以上曲がるところがあって、戻るような感覚があったが、コンパスを切ると正しかった。やがて錫ガ岳が見えてきて道が合っているのがわかった。けっこう高い山だ。
奥白根山から見る錫ガ岳。 |
錫ガ岳手前の錫ノ水場、2張りほど張れる。 |
錫ノ水場は稜線から2分ほど群馬側に下ったところ。流水をアルミのお皿ですくって入れる。 |
錫ノ水場から来た道を振り返る。 |
下りきって錫ノ水場。3張りくらい張れそう。樹林帯で悪くない。水場は群馬側に5分ほど道を下る。そんなに不自由しない。水はきれいだった。2人組もここで水を汲んでいるだろうと思ったが、接触できなかった。錫ガ岳の登りにとりかかる。二つのコブを越えて登る。コブのあたりは笹で覆われ気持ちがいい。くもりだったので、コントラストが低く、中禅寺湖と男体山が水墨画のように見えた。山頂に近づくと、樹林帯に入り、斜面も緩やかになり平坦になると、赤テープに従い南側の看板のある錫ガ岳山頂に着いた。展望はなく、この先もよくわからない。
錫ガ岳山頂。登った割に山頂は緩やか。看板は東側の端にある。 |
男体山と中禅寺湖を一度に眺める。 ちょうどくもりで日は東から照り、景色は青の濃淡だけになった。水墨画のよう。 |
次は下りがメインなので、地図の境目の2111m峰を目標に歩く。急な下りなので、ササヤブを滑り台にして下ったりした。時間はかかったのものの予定通り、2111m峰に着いた。ここには三林班沢ノ頭という名前もあるらしい。そう看板に書いてあった。肩のシャツが破けていた。振りかえれば錫ガ岳は遠く、だいぶ長い距離を歩いたのが分かった。雲行きが怪しくなってきていた。次はネギト沢のコル。1991m峰を過ぎて下り始めると、赤テープが途絶えた。しかも尾根がひろがり、平坦だ。樹林帯で他の山も見えない。尾根を直接たどっていくと、北側に下りてしまいそうなので、コンパスを東南東にきってそれにしたがって歩いた。そしたらササヤブの急斜面になって歩きづらくなってしまった。木々の間から見える宿堂坊山を見るとどうやら南よりに下ってしまったようだ。強引にトラバースして10分ほどで道に復帰した。ちょっとあせった。
笹に覆われたネギト沢のコルで一本。ポリタンを見るとすでに500mlしか残っていない。錫ノ水場で2l満たしたが、1.5l飲んでしまった。水を汲みに行く。北側の水場と書かれた方向に下っていくと道ははっきりしなくなり、急な沢の源頭に出た。そっと下りて水を汲んだ。水場というよりただの沢だった。戻ってカロリーメイトを食べる。水を見ると錫ノ水場より汚く見えた。往復に10分かかった。
宿堂坊山に登る。急な道をたどると宿堂坊山山頂に着いた。宿堂坊山には明治大学の山のサークルの夏合宿の看板があった。こんなところ夏に来たくないけどなあ。宿堂坊山から下る。ガスが出てきた。宿堂坊山と三俣山との最低鞍部で一本。けっこう疲れている。ネギト沢のコル直前の藪こぎで体力を消耗しているのがわかった。シャリバテせぬようカロリーメイトを食べる。三俣山への登りは登ったり下ったりでしんどい。やがて東側の尾根と合わさり、傾斜が緩やかになると何の変哲もない展望もない樹林帯の三俣山山頂に着いた。はじめ三俣山の山頂には写真測量用の高さ2mくらいのテーブルと三角点しか見当たらず、看板が見つからなかったが、南側の木のかげにあった。
出発すると小雨が降ってきた。はじめは強くなかったので木の下を歩く分には問題なかったが、1847m峰あたりでそうも言ってられなくなってきた。木のかげでカッパを着た。できれば16時までに国境平に着いてツェルトの中で気象図をとりたい。ここまでずっと道は稜線に沿っていたが、1828mピークは南側に露岩があり、群馬側を巻いた。1736m峰まで栃木側のがけ沿いに道は続き、1736mピークについた。ここは90°道が曲がるので危うく直進してどこかへ下るところだった。一本とる。時刻は15時。あと1時間で国境平に着きたい。
また東側のがけに沿って歩く。下りきると花崗岩の砂利の広がる不気味な平らに着いた。道もわからなくなる。適当に歩いているとササヤブにぶつかり、看板を見つけた。カモシカ平というらしい。しかし、雨の振る中見ると、賽の河原みたいだ。国境平まで25分と書いてあった。私は国境平が皇海山とその北の1636m峰との間のコルだと思っていたので、そんなに速く歩けるか心配になった。そのコルまでは私の見立てでは1時間以上かかる。ササヤブに入るとすぐ道が見つかり、それに沿って登った。1695m峰は日向山というらしい。下りきるとまたカモシカ平のような花崗岩の転がる平らに出た。ここが国境平で岩にもペンキでそう書いてあるのだが、山をもう一つ越えた先だと思っていた私は驚いてしまった。
少し歩いてそこにツェルトを張ることにする。まずは間に合った気象通報。そのあと水汲み。雨足は弱まったものの、ガスが濃く、どこだかさっぱりわからない。岩に「水場→」と書いてあったがどこだかわからない。谷の深さから栃木側だろうと思っていた私は背の低い笹の斜面を栃木側に下った。小さな沼があり、そこから小さな川が流れていた。それに沿って下ると水流が消えてしまった。どうやらこれが水場らしい。しかたない。それを汲んで見た。濁っていて土の粒子が浮かんでいる。もう一度汲みなおすが変わらない。
これは飲めるのか?もっと沢筋まで下ればあるのかもしれないが、すでに50mくらい下っているしこれ以上下りたくない。あきらめて濁り水を持ちかえった。今晩の水は何とかネギト沢のコルで汲んだ水でまかなえるが、明日の朝、明日の行動中はこの濁り水で耐えるしかない。うう。今日は雨が降ったから水が濁ったのだろう。とった気象図には突如発生した台風19号が書きこまれており、天気はさらに悪くなるだろう。皇海山から下るか。そう考えて寝た。
なお、戻ってからアルペンガイドを見て調べたところ、国境平の水場は群馬側にあるらしい。まったく頭になかった。栃木側だと思っていた。急ぎでもちゃんと調べておけってことですな。